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容体
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ようだい
ふりがな文庫
“
容体
(
ようだい
)” の例文
旧字:
容體
池辺
(
いけべ
)
君の
容体
(
ようだい
)
が突然変ったのは、その日の十時半頃からで、一時は注射の
利目
(
ききめ
)
が見えるくらい、落ちつきかけたのだそうである。
三山居士
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
其の
容体
(
ようだい
)
が
頗
(
すこぶ
)
る
大柄
(
おおへい
)
ですから、長二は
此様
(
こん
)
な人に話でもしかけられては面倒だ、此の間に帰ろうと思いまして
暇乞
(
いとまごい
)
を致しますと
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
大した
創
(
きず
)
ではないが
容体
(
ようだい
)
が思わしくないから、お浜が引続き郁太郎を
介抱
(
かいほう
)
している間に、竜之助は一室に
閉籠
(
とじこも
)
ったまま
咳
(
せき
)
一つしないでいるから
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
石崎爺さんは
丁髷頭
(
ちよんまげあたま
)
を気軽に
掉
(
ふ
)
つて奈良から出て来た。そして一目病人の
容体
(
ようだい
)
を見ると、手もなく風土病から来た湿毒症だといふ事を言ひきつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
武器を参らす、郊外に猟などして、
自
(
みずか
)
ら励まし
給
(
たま
)
へ、聞くが如き其の
容体
(
ようだい
)
は、薬も
看護
(
みとり
)
も
効
(
かい
)
あらずと医師のいへば。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
われ、
大
(
おおい
)
に驚きて云いけるは、「如何ぞ、「るしへる」なる事あらん。見れば、
容体
(
ようだい
)
も人に異らず。
蝙蝠
(
かわほり
)
の翼、山羊の
蹄
(
ひずめ
)
、
蛇
(
くちなわ
)
の
鱗
(
うろこ
)
は如何にしたる」と。
るしへる
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「板前さんからも聞いていた、何でも、太刀傷のある上に
水浸
(
みずづか
)
りになって、随分
容体
(
ようだい
)
も重いということじゃないか」
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「どうも取んだ事で、
阿父
(
おとつ
)
さんの様子はどんな? 今朝新聞を見ると
愕
(
おどろ
)
いて飛んで来たのです。
容体
(
ようだい
)
はどうです」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
二年程立って、貞松院が寂しがってよめの所へ一しょになったが、間もなく八十三歳で、病気と云う程の
容体
(
ようだい
)
もなく死んだ。安永三年八月二十九日の事である。
じいさんばあさん
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
亭主も病人の
容体
(
ようだい
)
を心配して、二階へ上つて来た。床の上の人はスヤ/\眠つて居る様子なので、成るべく眠らせるが
可
(
い
)
いと言ひ合つて、皆な
枕頭
(
まくらもと
)
で話して居た。
死の床
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
トウ/\手足も
叶
(
かな
)
わぬと云う程になって、
追々
(
おいおい
)
全快するが
如
(
ごと
)
く全快せざるが如くして居る
間
(
あいだ
)
に、右の手は使うことが出来ずに左の手に筆を
持
(
もっ
)
て書くと云うような
容体
(
ようだい
)
。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
御者
(
ぎよしや
)
の
鼻唄
(
はなうた
)
も
暫
(
し
)
ばし
途断
(
とぎ
)
れて、馬の
脊
(
せ
)
に鳴る
革鞭
(
むち
)
の響、身に
浸
(
し
)
みぬ、吉田行なる
後
(
うしろ
)
なる車に、先きの程より対座の客の
面
(
おもて
)
、其の
容体
(
ようだい
)
、
訝
(
いぶか
)
しげに
眺
(
なが
)
め入りたる白髪の老翁
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
此頃より
妾
(
せふ
)
の
容体
(
ようだい
)
尋常
(
たゞ
)
ならず、日を経るに従ひ胸悪く
頻
(
しき
)
りに
嘔吐
(
おうど
)
を催しければ、
扨
(
さて
)
はと心に
悟
(
さと
)
る所あり、
出京後
(
しゆつきやうご
)
重井
(
おもゐ
)
に
打明
(
うちあけ
)
て、郷里なる両親に
謀
(
はか
)
らんとせしに彼は許さず
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
お君は路地の口まで送って来て、姐さんの
容体
(
ようだい
)
がどうもよくないから、あしたもきっと来てくれと
縋
(
すが
)
るように言った。その涙ぐんでいる顔が林之助にはいじらしく見えた。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そのうちだんだんに
体
(
からだ
)
が
弱
(
よわ
)
って、
今日明日
(
きょうあす
)
も
知
(
し
)
れないようなむずかしい
容体
(
ようだい
)
になりました。
くらげのお使い
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
容体
(
ようだい
)
は日一日に悪くなった。昨日は便所からはうようにしてかろうじて床にはいった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
羊羹
(
ようかん
)
色した
紋付
(
もんつき
)
を羽織って、ちょっと
容体
(
ようだい
)
ぶったのがチョコンと坐っている。
江戸か東京か
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
得て
俄
(
にわか
)
に己の重きを増したる如く
一寸
(
ちょい
)
と目科を尻目に掛け
容体
(
ようだい
)
ぶりて説き始む
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
と、さも
容体
(
ようだい
)
ぶつて云つた。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「
容体
(
ようだい
)
を聞くと、危険なれどごく安静にしていれば持ち直すかも知れぬという」とは、
妻
(
さい
)
のこの日の朝の部に書き込んだ日記の一句である。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
甚三郎は提灯を下へ置いて、蝋燭を丁寧に抜き取って、それを手近な燭台の上に立てながら、女の
容体
(
ようだい
)
をうかがうと
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
爪の先みたいな医刀による手術、
灸治
(
きゅうじ
)
の法、強壮剤らしい
煎薬
(
せんやく
)
などで、宋江の
容体
(
ようだい
)
は、みるみる
快
(
よ
)
くなり、二十日もたつと、元の体になりかけていた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、いくら医者が手を尽しても、茂作の病気は重くなるばかりで、ほとんど一週間と経たない内に、もう
今日
(
きょう
)
か
明日
(
あす
)
かと云う
容体
(
ようだい
)
になってしまいました。
黒衣聖母
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
もっとも、
戸外
(
そと
)
は日当りに針が飛んでいようが、少々腹が痛もうが、我慢して、汽車に乗れないという
容体
(
ようだい
)
ではなかったので。……ただ、誰も知らない。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この頃より妾の
容体
(
ようだい
)
尋常
(
ただ
)
ならず、日を経るに従い胸悪く
頻
(
しき
)
りに
嘔吐
(
おうど
)
を催しければ、さてはと心に
悟
(
さと
)
る所あり、出京後重井に打ち明けて、郷里なる両親に
謀
(
はか
)
らんとせしに彼は許さず
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
扨
(
さて
)
中津から
箇様
(
かよう
)
申して参りました、母が
俄
(
にわか
)
に病気になりました、
平生
(
へいぜい
)
至極
(
しごく
)
丈夫な
方
(
ほう
)
でしたが、実に分らぬものです、今頃は
如何
(
どう
)
云う
容体
(
ようだい
)
でしょうか、
遠国
(
えんごく
)
に居て気になりますなんて
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「御前、大丈夫でございます、この御
容体
(
ようだい
)
ぢや百歳までは屹度お
請合
(
うけあひ
)
が出来ます。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
お
喫
(
あが
)
りなさい
何
(
ど
)
う云う様子だ、
容体
(
ようだい
)
を云いなさい、えゝ、何か云うとお前は下を
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
九郎右衛門は自分の貰った銭で、三人が一口ずつでも
粥
(
かゆ
)
を
啜
(
すす
)
るようにしていた。四月の初に二人が本復すると、こん度は九郎右衛門が寝た。体は
巌畳
(
がんじょう
)
でも、年を取っているので、
容体
(
ようだい
)
が二人より悪い。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
秋風が立つにつれて、
容体
(
ようだい
)
の悪いのが目に立った。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
「なるほど
容体
(
ようだい
)
を聞くと、今が今どうという事もないようですが、病気が病気だからよほど気をつけないといけません」
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「それには入院おさせになった方が便利ではないかと思うんです」自分は多加志の
容体
(
ようだい
)
はSさんの云っているよりも、ずっと
危
(
あやう
)
いのではないかと思った。
子供の病気:一游亭に
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
上が身を堅く花嫁の重いほど、乗せた車夫は始末のならぬ
容体
(
ようだい
)
なり。妙な処へ
楫
(
かじ
)
を
極
(
き
)
めて、
曳据
(
ひきす
)
えるのが、がくりとなって、ぐるぐると
磨骨
(
みがきぼね
)
の波を打つ。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
買ひて見れば、国王ベルヒの城に
遷
(
うつ
)
りて、
容体
(
ようだい
)
穏なれば、侍医グッデンも護衛を
弛
(
ゆる
)
めさせきとなり。
滊車
(
きしゃ
)
中には湖水の
畔
(
ほとり
)
にあつさ避くる人の、物買ひに府に出でし帰るさなるが多し。王の
噂
(
うわさ
)
いと
喧
(
かまびす
)
し。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
容体
(
ようだい
)
がドウも
只
(
ただ
)
の風邪でない。熱があり気分が
甚
(
はなは
)
だ悪い。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「どれ/\診て上げよう、どんな
容体
(
ようだい
)
だな。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
此の頃の
恁
(
こ
)
うした場合の、江戸の将軍家——までもない、
諸侯
(
だいみょう
)
の大奥と
表
(
おもて
)
の
容体
(
ようだい
)
に比較して見るが
可
(
よ
)
い。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
すると、妻が奥から寒いでしょうと云って
蕎麦湯
(
そばゆ
)
を持って来てくれた。お政さんの
容体
(
ようだい
)
を聞くと、ことによると盲腸炎になるかも知れないんだそうですよと云う。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
実際撤回しなければならないほど、
容体
(
ようだい
)
が
危
(
あや
)
しくなって来た。ただ向うに見える一点の
灯火
(
ともしび
)
が、今夜の運命を決する
孤
(
ひと
)
つ
家
(
や
)
であると覚悟して、
寂寞
(
せきばく
)
たる原を
真直
(
まっすぐ
)
に横切った。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、
紫
(
むらさき
)
の
藤
(
ふじ
)
より、
菖蒲
(
あやめ
)
杜若
(
かきつばた
)
より、
鎌倉
(
かまくら
)
の
町
(
まち
)
は、
水
(
みづ
)
は、
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
の
出入
(
ではいり
)
、
起居
(
たちゐ
)
にも、ゆかりの
色
(
いろ
)
が
添
(
そ
)
ふであらう、と
床
(
ゆか
)
しがるのみで、まるで
以
(
もつ
)
て、
然
(
さ
)
したる
容体
(
ようだい
)
とは
思
(
おも
)
ひもつかないで
居
(
ゐ
)
たのに。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
項中には去る日曜日に六十九歳をもって
逝
(
ゆ
)
かるとあるから、指を折って
勘定
(
かんじょう
)
して見ると、ちょうど院長の
容体
(
ようだい
)
がしだいに悪い方へ傾いて、
傍
(
はた
)
のものが
昼夜
(
ちゅうや
)
眉
(
まゆ
)
を
顰
(
ひそ
)
めている頃である。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ふッ、と言いそうなその
容体
(
ようだい
)
。泡を払うがごとく、むくりと浮いて出た。
海の使者
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鶴
(
つる
)
とは申せど、尻を振つて
泥鰌
(
どじょう
)
を
追懸
(
おっか
)
ける
容体
(
ようだい
)
などは、余り
喝采
(
やんや
)
とは参らぬ図だ。誰も誰も、
食
(
くら
)
ふためには、
品
(
ひん
)
も威も下げると思へ。
然
(
さ
)
までにして、手に入れる餌食だ。
突
(
つつ
)
くと成れば会釈はない。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その時、食塩を注射されるくらいだから、多少危険な
容体
(
ようだい
)
に
逼
(
せま
)
っているのだろうとは思ったが、それもほとんど心配にはならなかった。ただ
管
(
くだ
)
の先から水が
洩
(
も
)
れて肩の方へ流れるのが
厭
(
いや
)
であった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
病症が
悪阻
(
つわり
)
だから大丈夫という安心もあるらしく見えたが、
容体
(
ようだい
)
が険悪になって後も、彼は依然としてその態度を改める様子がなかったので、人はそれを気に入らない
妻
(
つま
)
に対する仕打とも解釈した。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小児
(
こども
)
はまだ口が利けないほど
容体
(
ようだい
)
が悪かったんですな。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“容体”の意味
《名詞》
容体(ようだい、ようたい)
ありさま。様子。
病気の具合。症状。
(出典:Wiktionary)
容
常用漢字
小5
部首:⼧
10画
体
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
“容”で始まる語句
容
容貌
容易
容子
容色
容赦
容姿
容喙
容態
容器