らう)” の例文
新字:
百姓ひやくしやういそがしい田植たうゑをはれば何處どこいへでもあき收穫しうくわく準備じゆんびまつたほどこされたので、各自かくじらうねぎらため相當さうたう饗應もてなしおこなはれるのである。それ早苗振さなぶりである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
是等に關する古物こぶつ遺跡に付いて見聞けんぶんを有せらるる諸君しよくん希くは報告のらうを悋まるる事勿れ。(完)
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
小娘こむすめは、おそらくはこれから奉公先ほうこうさきおもむかうとしてゐる小娘こむすめは、そのふところざうしてゐた幾顆いくくわ蜜柑みかんまどからげて、わざわざ踏切ふみきりまで見送みおくりにをとうとたちのらうむくいたのである。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
らうしやするにさけもない。柳川やながは卷煙草まきたばこもつけずに、ひとりで蕎麥そばべるとてかへつた。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
多少たせうらういとふて他船たせん危難きなんをば見殺みころしにするつもりだなと心付こゝろついたから、わたくし激昂げきこうのあまり
退しりぞおくへ至り偖斯々と夫婦にはなせば二人は息子せがれ孝心かうしんめ又忠兵衞をねぎらひて明日あすの支度にかくと心をらうすは世の中のすべての親のじやう成可し斯て其翌日に成しかばあさより辨當べんたうなど製造こしらへて之を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大根畑の植木屋から、專次を縛つて來るのは、平次に取つては一擧手一投足のらうでした。わざと神田を避けて、大廻りに、八丁堀へ引いて行き、到頭恐れ入らせてしまつたのは翌る日の朝。
らぬ世間せけん惡評あくひやうもうけず、かはりの年禮ねんれいすこしのらうをもたすくるはづを、六十にちかおやきをするはばちあたりできか、子供こどもときにはもんすこしものぞいたやつ何故なぜこれがわかりをらぬ、さあ
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
四 おいらういとはず。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
おどろいてればもうこんな始末しまつである。卯平うへいいた。かれ煙管きせるんではたゞ舌皷したつゞみつてつばんだ。勘次かんじたゞいてた。かれはおしな發病はつびやうからどれほど苦心くしんしてそのらうしたかれぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
やまには木樵唄きこりうたみづには船唄ふなうた驛路うまやぢには馬子まごうた渠等かれらはこれをもつこゝろなぐさめ、らうやすめ、おのわすれて屈託くつたくなくそのげふふくするので、あたか時計とけいうごごとにセコンドがるやうなものであらう。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
四 おいらういとはず
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
どう了簡れうけんなるや早く云てきかせと云へば平左衞門はせゝら笑ひさりとては御氣の小い事なりなに是式これしきの事御心らうに及ぶべきや先其時の事は臨機應變りんきおうへんと申事あり今こゝにて申事は更に役にたち申さず其相手あいての樣子先の出次第でしだいにてどうへんずるも量り難し此所にて申事は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いづれもこゝろこゝろならねば、長途ちやうとらうやすむるひまなく、いそ樣子やうすうかゞたてまつるに何事なにごともおほせだされず、ゆる/\休息きうそくいたせとあるに、皆々みな/\不審ふしんへざりけり。中二日なかふつかきて一同いちどう召出めしいださる。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
らうし何とも氣毒きのどくの至りなり以來いらい此左京は山賊はやめ申すと云ふに大膳呵々から/\と打笑ひ左京どの沙彌さみから長老ちやうらうと申し何事でも左樣うまくは行ぬ者なり山賊さんぞくとても其通り兎角辛抱しんばう肝心かんじんなり石の上にも三年と云へば先づ/\氣長きながにし給へ其内には好事よきことも有るべし扨また我は今宵こよひの留守にらうせずして小千兩のとり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)