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かか
ふりがな文庫
“
係
(
かか
)” の例文
左の一篇は
木村芥舟翁
(
きむらかいしゅうおう
)
の
稿
(
こう
)
に
係
(
かか
)
り、
時事新報
(
じじしんぽう
)
に
掲載
(
けいさい
)
したるものなり。その文中、
瘠我慢
(
やせがまん
)
の
説
(
せつ
)
に
関係
(
かんけい
)
するものあるを以て、ここに
附記
(
ふき
)
す。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
彼が在職の日たる、外交上の一大過渡の一大時機たりしに
係
(
かか
)
わらず、彼は事実においては、外交の上について多くの
関渉
(
かんしょう
)
を有せざりき。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
嘉吉は鉱山の
坑木
(
こうぼく
)
の
係
(
かか
)
りではもう
頭株
(
かしらかぶ
)
だった。それに前は
小林区
(
しょうりんく
)
の
現場監督
(
げんばかんとく
)
もしていたので木のことではいちばん明るかった。
十六日
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
これをでかばちに申したら、国家の安危に
係
(
かか
)
わるような、
機会
(
おり
)
がないとも限らぬ、その拇指、その小指、その片手の働きで。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
母も顔をしかめて考えていましたが、そんなことに
係
(
かか
)
り合うと面倒だから、決してなんにも言ってはならないと戒めました。
蜘蛛の夢
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
一八五三年には、ファラデーは妙な事に
係
(
かか
)
り合って、
狐狗狸
(
こくり
)
の研究をし、七月二日の雑誌アセニウムにその結果を公にした。
ファラデーの伝:電気学の泰斗
(新字新仮名)
/
愛知敬一
(著)
鈴木氏の筆記に
係
(
かか
)
る益田香遠、久保田米仙二家の談話、弟潤三郎の
蔵儲
(
ぞうちょ
)
に係る竺仙事橋本素行の刊本「恩」はわたくしのために有益であった。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
格堂
(
かくどう
)
の写し置ける元義の歌を見るに皆
天保
(
てんぽう
)
八年後の製作に
係
(
かか
)
るが如く天保八年の歌は既に老成して
毫
(
ごう
)
も生硬渋滞の処を見ず。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
係
(
かか
)
りの女中に聞いてみた。波子という名のその若いドヤビリ(女中)は、黙って俺の顔をみつめた。にこりともしなければ、にやりともしない。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
佐分利はその劇なるを知りながら
係
(
かか
)
つたのは、大いに冒険の目的があつて存するのだらうけれど、
木乃伊
(
ミイラ
)
にならんやうに
褌
(
ふんどし
)
を
緊
(
し
)
めて掛るが可いぜ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
従前「教に
係
(
かか
)
わったミカド」(『仏人モンブラン新説書』)すなわちヨーロッパにおけるローマ法王のごとく思惟され
尊攘戦略史
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
若輩と老成の相違点、愛欲をぼかして眺めるか、愛欲を正しく眺めるか、
係
(
かか
)
って一点にあろうというものさ。ところで
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「そうお。じゃあこれはごく
内証
(
ないしょ
)
よ。お書きになったり何かしちゃ駄目よ。あの人たちの名誉に
係
(
かか
)
ることですから。」
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
雲林
(
うんりん
)
を見たのは唯一つである。その一つは
宣統帝
(
せんとうてい
)
の
御物
(
ぎよぶつ
)
、
今古奇観
(
きんこきくわん
)
と云ふ
画帖
(
ぐわでふ
)
の中にあつた。画帖の中の
画
(
ゑ
)
は大部分、
薫其昌
(
とうきしやう
)
の旧蔵に
係
(
かか
)
るものらしい。
支那の画
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかしそれらの利得があまりに不愉快な価を払って得らるべきものであるとしたら、彼がそんなものに
係
(
かか
)
わり合わない方が彼女にはずっと好ましかった。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
(以上千八百十二年第四月「ロルドウェレスリー」が貴族議院において述告する説に
係
(
かか
)
る。)〈三百二十二葉〉
「ヒリモア」万国公法の内宗教を論ずる章(撮要)
(新字新仮名)
/
ロバート・フィリモア
(著)
何故
(
なぜ
)
かと云うに、
若
(
も
)
しその人達を連れて帰れば、
却
(
かえっ
)
て
銘々共
(
めいめいども
)
が亜米利加人に連れて
行
(
いっ
)
て
貰
(
もらっ
)
たように思われて、日本人の名誉に
係
(
かか
)
るから乗せないと剛情を張る。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
つまり
自然界
(
しぜんかい
)
の
仕事
(
しごと
)
は
幾段
(
いくだん
)
にも
奥
(
おく
)
があり、いかに
係
(
かか
)
りの
竜神
(
りゅうじん
)
さんでも、
御自分
(
ごじぶん
)
の
力
(
ちから
)
のみで
勝手
(
かって
)
に
雨
(
あめ
)
を
降
(
ふ
)
らしたり、
風
(
かぜ
)
を
起
(
おこ
)
したりはできないようでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
先々代からの
係
(
かか
)
りあいがあって、たとえ久能の店をつぶしても、志貴子をさしあげるわけにはいかない。
姦(かしまし)
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
筆とりてひとかどのこと論ずる仲間ほど世の中の
義捐
(
ぎえん
)
などいふ事に
冷
(
ひやや
)
かなりと候ひし
嘲
(
あざけ
)
りは、私ひそかにわれらに
係
(
かか
)
はりなきやうの
心地
(
ここち
)
致しても聞きをり候ひき。
ひらきぶみ
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「いや、それはあなたに
係
(
かか
)
り合いのないことで、わたしが本当だといって宣誓すればいいのでしょう」
世界怪談名作集:04 妖物
(新字新仮名)
/
アンブローズ・ビアス
(著)
「こんなわけだ。騒ぎが大きくなれば、自然主君の御名前にも
係
(
かか
)
わる。それに、奥方御里方、酒井左衛門尉様への聞えも
如何
(
いかが
)
、——早急に片付ける工夫はないものか」
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
寄セルモ猶
係
(
かか
)
ル独弥止/価ヲ増スコト応ニ同ジカルベシ摩利支/万首ノ詩篇一枝ノ筆/十年ノ生計両顱ノ糸/城中早ニ已ニ佳句ヲ伝フ/皆恨ム才人相遇フコトノ遅キヲ〕
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
いわんや同君はすでに書生ではない、卒業の日は浅きにも
係
(
かか
)
わらず堂々たる一個の法学士で、
六
(
む
)
つ
井
(
い
)
物産会社の役員であるのだから吾輩の
驚愕
(
きょうがく
)
もまた一と通りではない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
法水一行が着いた時は、曲目の第二が始まっていて、クリヴォフ夫人の作曲に
係
(
かか
)
わる、変ロ調の
竪琴
(
ハープ
)
と絃楽三重奏が、ちょうど第二楽章に入ったばかりのところだった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
重井
(
おもい
)
と同行する事に決し、
畝下熊野
(
はたしたゆや
)
(現代議士山口熊野)、
小池平一郎
(
こいけへいいちろう
)
、
前川虎造
(
まえかわとらぞう
)
の諸氏と共に同地に至り同所有志の
発起
(
ほっき
)
に
係
(
かか
)
る懇親会に
臨
(
のぞ
)
みて、重井その他の演説あり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
「本官は貴官に重大な命令を与える。事の成否は帝国の
安危
(
あんき
)
に
係
(
かか
)
っている。仁科少佐は、天皇陛下並に日本帝国の為、万難を排し、身命を
抛
(
なげう
)
って任務を
遂行
(
すいこう
)
する事を欲する」
計略二重戦:少年密偵
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
「それならわたくしがお伝え申すより、
係
(
かか
)
りへじかにお申出でなさるがよいと思いますが」
城を守る者
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
まだ二時間はあるが、ぐずぐずしていては、またどんな
係
(
かか
)
りあいが出来るかも判らない、いっそ船へ往って船で飲もうと思いだした。謙作は
勘定
(
かんじょう
)
をして出ようと思って顔をあげた。
港の妖婦
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
一三八
治承
(
ちしよう
)
三年の秋、
平
(
たひら
)
の重盛
病
(
やまひ
)
に
係
(
かか
)
りて世を
逝
(
さ
)
りぬれば、
一三九
平相国
(
へいさうこく
)
入道、
一四〇
君をうらみて
一四一
鳥羽
(
とば
)
の
離宮
(
とつみや
)
に
籠
(
こ
)
めたてまつり、かさねて
一四二
福原の
茅
(
かや
)
の宮に
困
(
くるし
)
めたてまつる。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
夫人の毒死が判り、一夜を明した男のあるのも判っているのにも
係
(
かか
)
わらず、この事件は又、遂に結論を『自殺』へ持って行かねばならないのか。自分の直感は、この平凡な結論を
嘲笑
(
ちょうしょう
)
する。
赤耀館事件の真相
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
いいえお
放
(
はな
)
しいたしませぬ。
今頃
(
いまごろ
)
お
出
(
で
)
まし
遊
(
あそ
)
ばしましては、お
身分
(
みぶん
)
に
係
(
かか
)
わりまする。もしまた、たってお
出
(
で
)
まし
遊
(
あそ
)
ばしますなら、一
応
(
おう
)
わたくし
共
(
ども
)
から
御家老
(
ごかろう
)
へ、その
由
(
よし
)
お
伝
(
つた
)
えいたしませねば。……
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「君はいいとこの子だ。僕なんかに
係
(
かか
)
わらない方がいい」
美少年
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
試みに左に掲ぐる書簡を見よ、これ彼が安政元年十二月野山の獄中よりして妹に寄せたるものなり〔細註は記者の挿入に
係
(
かか
)
る〕。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
町役人どもが相談して
先
(
ま
)
づ親たちにも
得心
(
とくしん
)
させ、その次第を書きあげて差出すと、
係
(
かか
)
りの役人も
額
(
ひたい
)
を
皺
(
しわ
)
めた。
梟娘の話
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ここから
二停車場
(
ふたていしゃば
)
ほど先にある、或大きな
市
(
まち
)
へ流れて来て、そこで商売をしていた兄の女が、その頃二三里の山奥にある或鉱山の方に
係
(
かか
)
っている男に
落籍
(
ひか
)
されて
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
この頃根岸
倶楽部
(
クラブ
)
より出版せられたる根岸の地図は
大槻
(
おおつき
)
博士の製作に
係
(
かか
)
り、地理の
細精
(
さいせい
)
に考証の確実なるのみならずわれら根岸人に取りてはいと面白く趣ある者なり。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
一人は、空に何か投げあげてコウモリをおびきよせる
係
(
かか
)
りで、他の一人がセミ取りの、袋のついた
竹竿
(
たけざお
)
を持っていて、地上に降りてきたコウモリに素早く袋をかぶせるのだ。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
爾
(
そ
)
うすると私の
書記
(
かきしる
)
して
置
(
おい
)
たものは外交の機密に
係
(
かか
)
る恐ろしいものである、
若
(
も
)
しこれが分りでもすれば
直
(
す
)
ぐに
牢
(
ろう
)
に
打込
(
ぶちこ
)
まれて首を
斬
(
き
)
られて
仕舞
(
しま
)
うに
違
(
ちが
)
いないと
斯
(
こ
)
う
思
(
おもっ
)
たから
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
すると農場の方から花の
係
(
かか
)
りの
内藤
(
ないとう
)
先生が来たら武田先生は大へんあわててポケットへしまっておきたまえ、と云った。ぼくは
変
(
へん
)
な気がしたけれども
仕方
(
しかた
)
なくポケットへ入れた。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
同業者のこれに
係
(
かか
)
りては、
逆捩
(
さかねぢ
)
を
吃
(
く
)
ひて
血反吐
(
ちへど
)
を
噴
(
はか
)
されし者
尠
(
すくな
)
からざるを、鰐淵は
弥
(
いよい
)
よ憎しと思へど、彼に対しては
銕桿
(
かなてこ
)
も折れぬべきに持余しつるを、
克
(
かな
)
はぬまでも
棄措
(
すてお
)
くは
口惜
(
くちをし
)
ければ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その
末期
(
まつご
)
の
言
(
ことば
)
に、
一四〇
当時信長は
一四一
果報いみじき大将なり。我
平生
(
つね
)
に
他
(
かれ
)
を
侮
(
あなど
)
りて征伐を怠り、
一四二
此の
疾
(
やまひ
)
に
係
(
かか
)
る。我が子孫も
即
(
やが
)
て
他
(
かれ
)
に
亡
(
ほろぼ
)
されんといひしとなり。
謙信
(
けんしん
)
は勇将なり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
彼
泰然
(
たいぜん
)
としてその机を階下に投じ、
復
(
ま
)
た自個の所有に
係
(
かか
)
る書籍、調具を顧りみず、藩主
恩賜
(
おんし
)
の『
孫子
(
そんし
)
』さえも
焼燼
(
しょうじん
)
に帰せしめ、
一意
(
いちい
)
以て
寓家
(
ぐうか
)
の
什器
(
じゅうき
)
を救わんとせり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
父親は時々、この叔母の所有に
係
(
かか
)
る貸家の世話や家賃の取立て、叔母の代のや、父親から持越しの貸金の催促——そんなようなことに口を利いたり、相談相手になったりした。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ベースボールいまだかつて訳語あらず、今ここに
掲
(
かか
)
げたる訳語はわれの創意に
係
(
かか
)
る。訳語
妥当
(
だとう
)
ならざるは自らこれを知るといえども
匆卒
(
そうそつ
)
の際
改竄
(
かいざん
)
するに
由
(
よし
)
なし。
君子
(
くんし
)
幸に
正
(
せい
)
を賜え。
ベースボール
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
一とせ
病
(
やまひ
)
に
係
(
かか
)
りて、七日を
経
(
へ
)
て
忽
(
たちま
)
ちに
眼
(
まなこ
)
を閉ぢ、
息
(
いき
)
絶えてむなしくなりぬ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
『旦那は山の手ぢやあ、
区画
(
くかく
)
整理にはお
係
(
かか
)
り合ひ無しですね。』
赤い杭
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“係”の意味
《名詞》
(かかり)特定の仕事を受け持つ役。また、その人。
(かかり)(文法)助詞が下の語句に影響を及ぼすはたらき。
(出典:Wiktionary)
係
常用漢字
小3
部首:⼈
9画
“係”を含む語句
関係
關係
係合
係蹄
係累
無關係
係恋
係官
関係者
無関係
關係者
干係
蹄係
關係上
共軛関係
強力犯係
係構
係累者
係數
係医
...