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餘地
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よち
少し
時間が
遲れたので、
寄席は
一杯であつた。
二人は
坐蒲團を
敷く
餘地もない
一番後の
方に、
立膝をする
樣に
割り
込まして
貰つた。
それで
一方は、
大體現在のアイヌに
近い
體質をもつてゐた
人間が
石器を
使つてゐたと
同時に、またわれ/\の
祖先もまた
石器を
使つてゐたといふことも
疑ふ
餘地がありません。
小屋の
中には
單こればかりでなく、
兩傍に
堆く
偉大な
材木を
積んであるが、
其の
嵩は
與吉の
丈より
高いので、
纔に
鋸屑の
降積つた
上に、
小さな
身體一ツ
入れるより
他に
餘地はない。
天滿與力は、
渡船を
呼び
戻してみたけれど、
殆んど
片足を
蹈み
込む
餘地もないので、
腹立たし
氣に
舌打ちして、
汀に
突つ
立つてゐたが、やがて
高く、
虎が
吼えるやうに
聲を
張り
上げると
それは
勘次は二三の
者と
共に
巡査の
注意人物であつたからである。
然し
彼の
貧しい
建物の
何處にも
隱匿される
餘地を
發見することが
出來なかつた。
其の
時は
勘次が
餘所へ
運んだ
後なのである。
家内の
揉て
居るに
其やうの
事を
言ひ
出す
餘地もなく、
言つて
面白くない
御挨拶を
聞くよりか
默つて
居た
方がよつぽど
洒落て
居るといふ
位な
考へで、
幸ひに
賄賂の
汚れは
受けないで
濟んだけれど
宗助は
此臆斷を
許すべき
餘地が、
安井と
御米の
間に
充分存在し
得るだらう
位に
考へて、
寐ながら
可笑しく
思つた。
それは
瓢簟山の
地形である。
此地形が
主墳の
周圍に
陪塚を
造るをゆるさぬ。
即ち
主人を
葬つた
塚の
近くに、
殉死者の
塚を
造るだけの
餘地が
無いので、
已むを
得ず
山麓に
横穴を
造つたといふの
説である。
社會の
方で
彼等を
二人限に
切り
詰めて、
其二人に
冷かな
背を
向けた
結果に
外ならなかつた。
外に
向つて
生長する
餘地を
見出し
得なかつた
二人は、
内に
向つて
深く
延び
始めたのである。
ルネツサンス
以後は
論ずるに
足らない。
然るに
東洋方面、
特に
印度などは
凡てが
渾然たる
立派な
創作である。
日本では
餘り
發達して
居なかつたが、
今後發達させようと
思へば
餘地は
充分ある。