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物言
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ものい
物言ふは
用事のある
時慳貪に
申つけられるばかり、
朝起まして
機嫌をきけば
不圖脇を
向ひて
庭の
草花を
態とらしき
褒め
詞
フランクの周囲には、その風格を
慕い、その作品に傾倒する青年達が集まった。まさに
桃李物言わずの感である。
幾度掛けてもチヤンと、
存生中に
物言ふ
通り、
音色が
発するのだから
其人が
再び
蘇生て
対話でもするやうな
心持になるのだから、
大きに
是は
追善の
為に
宜からうと考へられまする。
あとはもう聞えないくらいの
低い
物言いで
隣りの主人からは
安心に
似たようなしずかな
波動がだんだんはっきりなった月あかりのなかを
流れて来た。そして
富沢はまたとろとろした。
最初、
※さんは
可愛い
愛ちやんの
夢を
見、それから
又其の
膝に
抱きついた
小さな
手やら、その
清しい
可愛い
眼が
自分の
眼を
見つめてゐるのを
夢に
見ました——
物言ふ
聲も
聞えました
夫れならどうしてと
問はれゝば
憂き
事さまざま
是れは
何うでも
話しのほかの
包ましさなれば、
誰れに
打明けいふ
筋ならず、
物言はずして
自づと
頬の
赤うなり
片親に
成るかと
思ひますると
意地もなく
我慢もなく、
詫て
機嫌を
取つて、
何でも
無い
事に
恐れ
入つて、
今日までも
物言はず
辛棒して
居りました、
御父樣、
御母樣
是れにても
同胞かと
思ふばかりの
相違なるに、
怪しきは
母君の
仕向にて、
流石かるがるしき
下々の
目に
立し
分け
隔ては
無けれども、
同じ
物言ひの
何處やら
苦がく
物言へば
頓て
爭ひの
糸口を
引出し、
泣いて
恨んで
摺れ/\の
中に、さりとも
憎くからぬ
夫婦は
折ふしの
仕こなし
忘れがたく、
貴郎斯うなされ、
彼あなされと
言へば
ちつとやそつとの
優しい
言葉ぐらゐでは
動きさうにもなく
執拗ぬきしほどに、
旦那さま
呆れて
手をば
引き
給ふ、まだ
家内に
言葉あらそひの
有るうちはよきなれども、
物言はず
睨め
合ふやうに
成りては
人にも
見せず
落さぬ
樣に
御覽に
入れろと
吾助の
言ひしは、
畫よりも
良きに
相違はなし、
是非人形を
賜はれとて
手渡しするに、
何心なく
開らきて
一二行よむとせしが、
物言はず
疊みて
手文庫に
納めれば
一身つかれて
痩せに
痩せし
姿、
見る
兄君の
心やみに
成りて、
醫藥の
手當に
手づからの
奔走いよいよ
悲しく、
果は
物言はず
泣のみ
成りしが、
八月の
壽命此子にあれば、
月足らずの、
聲いさましく
揚げて
お
酉さまへ
諸共にと
言ひしを
道引違へて
我が
家の
方へと
美登利の
急ぐに、お
前一
處には
來て
呉れないのか、
何故其方へ
歸つて
仕舞ふ、
餘りだぜと
例の
如く
甘へてかゝるを
振切るやうに
物言はず
行けば