“牡丹餅:ぼたもち” の例文
“牡丹餅:ぼたもち”を含む作品の著者(上位)作品数
岡本綺堂5
野村胡堂4
泉鏡花4
徳冨蘆花3
中里介山3
“牡丹餅:ぼたもち”を含む作品のジャンル比率
社会科学 > 風俗習慣・民俗学・民族学 > 風俗史・民俗誌・民族誌6.1%
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸4.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「片原に、おっこち……こいつ、棚から牡丹餅ぼたもちときこえるか。——恋人でもあったら言伝ことづけを頼まれようかね。」
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
有名なおてつ牡丹餅ぼたもちの店は、わたしの町内の角に存していたが、今は万屋よろずやという酒舗さかやになっている。
思い出草 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
これは福島県の相馬そうま地方でも、野薊を馬の牡丹餅ぼたもちというから、多分は兎がよろこんで食べる草という意であろう。
日曜日の本町ほんまちの市で、手製の牡丹餅ぼたもちなどと一緒にこのいたどりを売っている近郷の婆さんなどがあった。
郷土的味覚 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
御彼岸おひがんにお寺詣てらまいりをして偶然方丈ほうじょう牡丹餅ぼたもちの御馳走になるような者だ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ついでに着せもしてやらうと青山の兄から牡丹餅ぼたもちの様にうま文言もんごん、偖こそむねで下し、招待券の御伴おともして
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
一ツあの牡丹餅ぼたもちを引き出して、かへるいきたのをれておいたら小僧こぞうかへつておどろくだらうと
日本の小僧 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
突然。天からでも降ったように、次の日には、塹壕や防柵ぼうさくの陣地にある兵隊たちの手へ、時ならぬ牡丹餅ぼたもちが、幾ツずつか配給された。
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
作「だから金は何処どこから出るか知んねえ、富貴ふうき天にあり牡丹餅ぼたもち棚にありと神道者しんどうしゃが云う通りだ、おいサア行くべえ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
陽暦で正月をましてとくに餅は食うてしもうた美的びてき百姓の家へ、にこ/\顔の糸ちゃん春ちゃんが朝飯前に牡丹餅ぼたもちを持て来てくれる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
洒落しやれ御主人ごしゆじんで、それから牡丹餅ぼたもち引出ひきだしてしまつて
日本の小僧 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
渡りに舟である。病気そのものが渇望していたところのものを、棚から牡丹餅ぼたもち的に与えられたことの喜びが、兵馬の苦痛をやわらげずにはおきません。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「留守ごとに牡丹餅ぼたもちでもこしらえて食うかいの。」とばあさんは云い出した。
老夫婦 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
わたしが今立っている酒屋のところにはおてつ牡丹餅ぼたもちの店があった。
火に追われて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
今、言いかけた越前の話というのは、縁の下で牡丹餅ぼたもちが化けたのです。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
O君が来て古い番茶茶碗をれた。おてつ牡丹餅ぼたもちの茶碗である。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
食事以外には定まった休憩の時間はないが、一鉢あげるごとに、随意に渋茶も飲めるし、また薩摩芋さつまいもや時には牡丹餅ぼたもちなどの御馳走も、勝手にいただけるのである。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「佐原屋の息子の茂吉は、宵のうちは帳場に居て、亥刻よつ(十時)頃から奥の部屋へ引取ったということで——これは番頭も小僧も牡丹餅ぼたもちほどの判をすそうで——」
「あんたも正子も、まるで棚の上の牡丹餅ぼたもちぐらいに考えてるのね。」
一つ身の着物 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
重箱の中には白砂糖をふりかけた牡丹餅ぼたもちが行儀よく並べてあった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一つの法則を出ない、即ち、田を河の如くに渡るとか、糞尿ふんにょうのために入って風呂ふろをつかうような事をするとか、馬糞を牡丹餅ぼたもちとして食うとか、皆同一規である。
ばけものばなし (新字新仮名) / 岸田劉生(著)
O君が来て古い番茶茶碗をくれた。おてつ牡丹餅ぼたもちの茶碗である。
二階から (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
となり二軒に大威張おおいばり牡丹餅ぼたもちをくばる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
くさやの干物と牡丹餅ぼたもちじゃ勝負になるまい。負けだ負けだ私は負けだ。昔、権現さま逃げるが勝ちよと、そこで翌晩、お名残りに『信長記』を一席読むと尻に帆かけて逃げ出したのじゃ。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
命婦みょうぶより牡丹餅ぼたもちたばす彼岸ひがんかな
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
命婦みょうぶより牡丹餅ぼたもちたばす彼岸ひがんかな
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
生徒は草餅や牡丹餅ぼたもちをよく持って来てくれた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
「生意気なことを言うな。それはそうと与八、遊びに来い、檀家だんかから貰った牡丹餅ぼたもち饅頭まんじゅうがウンとあって本尊様と俺とではとても食いきれねえ、お前に好きなほど食わしてやる」
「遣ったり取ったり節季の牡丹餅ぼたもちか——。」
お若はでつかい牡丹餅ぼたもち判をすのです。
命婦みゃうぶより牡丹餅ぼたもちたばす彼岸かな
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
葦「あの今日は亡父の三回忌に当りますので。わざと志の牡丹餅ぼたもちこしらえましたが。姉の手でござりますから。うまくはござりますまいが。どうか召し上ってくださいまし」と手に携さえし重箱に。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
——影や道陸神、十三夜の牡丹餅ぼたもち——
祇園ぎおん清水きよみず知恩院ちおんいん金閣寺きんかくじ拝見がいやなら西陣にしじんへ行って、帯か三まいがさねでも見立てるさ。どうだ、あいた口に牡丹餅ぼたもちよりうまい話だろう。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
命婦より牡丹餅ぼたもちたばす彼岸かな
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
つぶしあん牡丹餅ぼたもちさ。
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
牡丹餅ぼたもちうまいな
十五夜お月さん (旧字旧仮名) / 野口雨情(著)
だが、この祖母、一市井人しせいじんとして、八十八の老婆で死んだのだが、手習師匠へもってゆく、お彼岸の牡丹餅ぼたもちをお墓場はかへ埋めてしまったのから運命が定まったのだといえば、人間の一生なんて実に変なものだ。
他の不規則ふきそくに高低は或はき或はりて全体ぜんたいを大なる牡丹餅ぼたもちの如き形とし兩面れうめん中央部ちうわうぶには尖端せんたんの鋭き石片せきへん又は鹿しか角抔つのなど
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
或いは古くはモチヒと謂ったから、モチイヒすなわち今日のおはぎ牡丹餅ぼたもちのようなものだけが、モチであったはずだと思う人があるかも知らぬが、仮にそうだったところが、しからばモチイヒのモチは何かという問題の答えにはならない。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
日曜ごとにK市の本町通りで開かれる市にいつもきまって出現した、おもちゃや駄菓子だがしを並べた露店、むしろの上に鶏卵や牡丹餅ぼたもち虎杖いたどりやさとうきび等を並べた農婦の売店などの中に交じって蓄音機屋の店がおのずからな異彩を放っていた。
蓄音機 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
これを譬えばかの百人の商社兼ねて申し合せのうえ、社中の人物十人を選んで会社の支配人と定め置き、その支配人の処置につき、残り九十人の者どもわが意にかなわずとて銘々に商法を議し、支配人は酒を売らんとすれば九十人の者は牡丹餅ぼたもちを仕入れんとし
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「そいつァゆめ牡丹餅ぼたもちだの。十もんんだうちが、三りょうだとなりゃァ一しゅはあんまり安過やすすぎた。三りょうのうちから一しゅじゃァ、かみぽんくほどのいたさもあるまいて」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
最近読んでみた『石川県珠洲すず郡誌』にれば、同郡木郎もくろう村では収穫終りの休日をコキンテ、宝立ほうりゅう村ではコキンチョ、ただ村ではコキンチョウと謂って、いずれもこの日を祝い牡丹餅ぼたもちなどをこしらえて、神に供えまた自分たちも食べる。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
掌はベトベトする、口は甘ったるくなる、胸はむかついてくるしね。悪く行き合せると、田舎の事だから牡丹餅ぼたもちをこしらえてる、餡粉あんこの草餅を揉んでる。まあまあ、どうぞお一つ、それやアお一つ、てこ盛りで、勧め方があくどいからね。それに野天のてんは暑いし。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
髪が長けりゃ女じゃ、と合点して、さかりのついた犬同然、珠を頂いた御恩なぞも、新屋のあねえに、やぶの前で、牡丹餅ぼたもち半分分けてもろうた了簡りょうけんじゃで、のう、食物たべものも下されば、おなさけも下さりょうぐらいに思うて、こびりついたでござります。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
馬鹿ほど恐ろしいものはございません。——音の野郎がその邊をブラブラしてゐるから、縁側から聲をかけて、食ひ殘りの牡丹餅ぼたもちをやつたついでに、——十七になる娘が二人殺されたさうだが、氣の毒なことだ——まさか十七の娘を十七人殺せば福があるといふわけでもあるまいに——と斯う申しました。
行為アクションさ。本を読むばかりで何にも出来ないのは、皿に盛った牡丹餅ぼたもちにかいた牡丹餅と間違えておとなしくながめているのと同様だ。ことに文学者なんてものは奇麗な事を吐く割に、奇麗な事をしないものだ。どうだい小野さん、西洋の詩人なんかによくそんなのがあるようじゃないか」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もとより、世をへだてたことであり、染井右近の子孫を確めるのも容易のことではなく、江戸氏、染井氏と言つた人達の嫡々ちやく/\は、確かな系圖を持參、龍之口に出頭すれば、分に應じて、御家人、旗本に取立てられ、次第によつては、大名にもなれまいものでもあるまいといふ、誠に棚から牡丹餅ぼたもちの沙汰です。
此度このたび徳川の橋詰に店出みせだし仕り候家餅いへもちと申すは、本家和歌山屋にて菊の千代と申弘もうしひろめ来り候も、此度相改め新製を加へごくあめりかに仕立したて趣向つかまつり候処、これまで京都堺町にて売弘め候牡丹餅ぼたもちも少し流行におくれ強慾に過ぎ候、三条通にて山の内餅をつき込み……」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ええ、それでその男が疲れてしまって、うちへ帰って寝てしまったから、町内のものはまた相談をしたんですね。すると今度は町内で一番利口な男が、わたしに任せて御覧なさい、一番やって見ますからって、重箱のなかへ牡丹餅ぼたもちを一杯入れて、地蔵の前へ来て、『ここまでおいで』と云いながら牡丹餅を見せびらかしたんだって、地蔵だって食意地くいいじが張ってるから牡丹餅で釣れるだろうと思ったら、少しも動かないんだって。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)