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歳月
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としつき
ふりがな文庫
“
歳月
(
としつき
)” の例文
歳月
(
としつき
)
と、雨と風と日の光が、こんなに鳥右さんをやつれさせてしまひました。けれども鳥右さんの心は喜びでふくらんでゐました。
鳥右ヱ門諸国をめぐる
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
目
(
め
)
にたゝへてお
高
(
たか
)
斯
(
か
)
くとは
言
(
いひ
)
出
(
だ
)
しぬ
歳月
(
としつき
)
心
(
こゝろ
)
を
配
(
くば
)
りし
甲斐
(
かひ
)
に
漸
(
やうや
)
く
此詞
(
このことば
)
にまづ
安心
(
あんしん
)
とは
思
(
おも
)
ふものゝ
運平
(
うんぺい
)
なほも
油斷
(
ゆだん
)
をなさず
起居
(
たちゐ
)
につけて
目
(
め
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
徒
(
いたずら
)
に
歳月
(
としつき
)
を送ッたを惜しい事に思ッているのか? 或は母の言葉の放ッた光りに我身を
縈
(
めぐ
)
る
暗黒
(
やみ
)
を破られ、始めて今が浮沈の
潮界
(
しおざかい
)
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
『お
別
(
わか
)
れしてから
随分
(
ずいぶん
)
長
(
なが
)
い
歳月
(
としつき
)
を
経
(
へ
)
ましたが、
図
(
はか
)
らずも
今
(
いま
)
ここでお
目
(
め
)
にかかることができまして、
心
(
こころ
)
から
嬉
(
うれ
)
しうございます。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
考えると、よくこんな商売を
厭
(
あ
)
きもせず、長の
歳月
(
としつき
)
やられたものだ。長蔵さんだって、天性御前さん働く気はないかねに適した訳でもあるまい。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
却
(
かえ
)
って心配の
種子
(
たね
)
にて我をも
其等
(
それら
)
の
浮
(
うき
)
たる人々と同じ
様
(
よう
)
に
思
(
おぼ
)
し
出
(
いず
)
らんかと
案
(
あん
)
じ
候
(
そうろう
)
ては
実
(
げ
)
に/\頼み薄く
口惜
(
くちおし
)
ゅう覚えて、あわれ
歳月
(
としつき
)
の早く
立
(
たて
)
かし
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
和尚さんは、話し終つて『黄金の甕が、永い
歳月
(
としつき
)
のうちに川へ落ちさうになつたので、一ツ目小僧に化けて人に知らせたのぢや。いいか、判つたか』
黄金の甕
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
其
(
その
)
後
(
のち
)
長
(
なが
)
い
歳月
(
としつき
)
を
經
(
へ
)
てお
品
(
しな
)
の
母
(
はゝ
)
が
死
(
し
)
んだ
時
(
とき
)
以前
(
いぜん
)
の
噺
(
はなし
)
を
見
(
み
)
たり
聞
(
き
)
いたりして
居
(
ゐ
)
た
者
(
もの
)
の
間
(
あひだ
)
にのみ
僅
(
わづか
)
に
記憶
(
きおく
)
が
喚
(
よ
)
び
返
(
かへ
)
された。お
品
(
しな
)
の
母
(
はゝ
)
は
腰
(
こし
)
に
病氣
(
びやうき
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
一瞬間のうちに限りない
歳月
(
としつき
)
を押しつめたようで、私はその重荷の下にふらふらと昏倒しそうになります。
湖水と彼等
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
長い
歳月
(
としつき
)
の間、まじめな御用の時も、遊びの催しにもお身近の者として離れず侍してきて、だれよりも多く愛顧を賜わった院の、なつかしいお優しさを思うと
源氏物語:35 若菜(下)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
そうして色んな噂が立ったり消えたりしているうちに二十年の
歳月
(
としつき
)
が流れて
今日
(
こんにち
)
に到った訳で……いわば品夫は、そうした二十年
前
(
ぜん
)
の惨劇がこの村に生み残した
復讐
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
一向島内の御法は
弁
(
わきま
)
えませぬが、何か
一箇年
(
いっかねん
)
に両三度罪人どもへ娑婆飯とか申して米の
御飯
(
ごはん
)
を下され候由、
僅
(
わず
)
かの事を楽しみに
歳月
(
としつき
)
を送ります無気力の囚人ども
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その以来再び世間に出ようともせず、子々孫々ここに平和の
歳月
(
としつき
)
を送っているので、世間のことはなんにも知らない。秦のほろびた事も知らない。
漢
(
かん
)
の
興
(
おこ
)
ったことも知らない。
中国怪奇小説集:04 捜神後記(六朝)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
雨にも打たれ風にも
揉
(
もま
)
れ、往時を想うて泣き今に当って苦しみ、そして五年の
歳月
(
としつき
)
は
澱
(
よど
)
みながらも絶ず流れて遂にこの今の
泡
(
あわ
)
の
塊
(
かたまり
)
のような軽石のような人間を作り
上
(
あげ
)
たのである。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
それらの銀貨は、そこで、
歳月
(
としつき
)
を経ているらしかった。どれもこれも眠っているようだ。
稀
(
まれ
)
に眼を覚ましているのもある。
隅
(
すみ
)
から隅へ押し合い、入り混じり、そして数は無数だ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
しかしそんなものはこの
歳月
(
としつき
)
唯「お
軽
(
かる
)
勘平
(
かんぺい
)
」のような狂言
戯作
(
げさく
)
の
筋立
(
すじだて
)
にのみ必要なものとしていたのではないか。それが今どうして突然意外にも不思議にも心を騒がし始めたのであろう。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
もっとも平和な時でさえも、わしはあまり陰気だったから。あなたがたには、長い
歳月
(
としつき
)
の間さぞわしが
堪
(
た
)
え
難
(
がた
)
い
重荷
(
おもに
)
だったろう。でもわしをきらってくださるな。わしはあまりにさびしい。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
二十九年と七カ月の
歳月
(
としつき
)
を費やし
遥々
(
ようよう
)
万里の
波濤
(
はとう
)
を越えて漂着したこの一個の函をめぐって、今や世界学者の論争は白熱化しているということが、同じくこの外電によって報じられている。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
もし他日、
歳月
(
としつき
)
たって、再びここに遊ぶ日の想い出にもなろうかと。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
歳月
(
としつき
)
は かなしきかなや
麗
(
うるは
)
しの み子らほろびて
蜻蛉
(
あきつ
)
ながるる
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
それにしても私の
四肢
(
てあし
)
は、我が浮浪の幾
歳月
(
としつき
)
に衰へてゐたので
ランボオ詩集≪学校時代の詩≫
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
面白い半分に
歳月
(
としつき
)
を
送
(
おくっ
)
て居る。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
その
場合
(
ばあひ
)
には
必
(
かなら
)
ず
今迄
(
いままで
)
睦
(
むつ
)
まじく
過
(
す
)
ごした
長
(
なが
)
の
歳月
(
としつき
)
を
溯
(
さか
)
のぼつて、
自分達
(
じぶんたち
)
が
如何
(
いか
)
な
犧牲
(
ぎせい
)
を
拂
(
はら
)
つて、
結婚
(
けつこん
)
を
敢
(
あへ
)
てしたかと
云
(
い
)
ふ
當時
(
たうじ
)
を
憶
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
さない
譯
(
わけ
)
には
行
(
い
)
かなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
明
(
あ
)
けても
暮
(
く
)
れても、
眼
(
め
)
に
入
(
い
)
るものはただ
山
(
やま
)
ばかり、ひたすら
修行
(
しゅぎょう
)
三昧
(
ざんまい
)
に
永
(
なが
)
い
歳月
(
としつき
)
を
送
(
おく
)
った
私
(
わたくし
)
でございますから、
尚更
(
なおさら
)
この
海
(
うみ
)
の
景色
(
けしき
)
が
気
(
き
)
に
入
(
い
)
ったのでございましょう
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
沈み果てぬる
破舟
(
やれぶね
)
の我にもあらず
歳月
(
としつき
)
を、空しく杉の板葺の霰に悲しき夜を泣きて、風につれなき日を送り、心くだくる荒磯の浪の響に霜の朝、独り寐覚めし凄じさ
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
それの形になって現われるようなこともなくて
歳月
(
としつき
)
がたつうちに、
中宮
(
ちゅうぐう
)
のほうには宮たちも多くおできになって、それぞれごりっぱにおなりあそばされたにもかかわらず
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
重吉はこの
歳月
(
としつき
)
昼の
中
(
うち
)
はめったに
表通
(
おもてどおり
)
へ出たことがないので、冬の日影も
忽
(
たちま
)
ち夏のようにまぶしく思われ、
二重廻
(
にじゅうまわし
)
も着ずに出て来た身には吹きすさむ風の寒さ。急に腹が減ったような心持もする。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
何といふ長い
歳月
(
としつき
)
だつたらう。何といふつらい毎日だつたらう……。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
不自由を
堪
(
こら
)
えて御当家へ願い、住みこませると、長の
歳月
(
としつき
)
御丹精を戴いた御主人様の大恩を忘れ、奉公人の身の上でありながら、御主人様の令嬢と不義いたずらをするとは、何と云う心得違の事じゃ
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
わざと
知
(
し
)
らず
顏
(
がほ
)
つくりながらも
潮
(
さ
)
す
紅
(
くれなゐ
)
の
我
(
われ
)
しらず
掩
(
おほ
)
ふ
袖屏風
(
そでびやうぶ
)
にいとゞ
心
(
こゝろ
)
のうちあらはれて
今更
(
いまさら
)
泣
(
な
)
きたる
事
(
こと
)
もあり
人
(
ひと
)
みぬひまの
手習
(
てならひ
)
に
松澤
(
まつざは
)
たかとかいて
見
(
み
)
て
又
(
また
)
塗隱
(
ぬりかく
)
すあどけなさ
利發
(
りはつ
)
に
見
(
み
)
えても
未通女氣
(
おぼこぎ
)
なり
同
(
おな
)
じ
心
(
こゝろ
)
の
芳之助
(
よしのすけ
)
も
射
(
ゐ
)
る
矢
(
や
)
の
如
(
ごと
)
しと
口
(
くち
)
にはいへど
待
(
ま
)
つ
歳月
(
としつき
)
はわが
爲
(
ため
)
に
弦
(
ゆづる
)
たゆみしやうに
覺
(
おぼ
)
えて
明
(
あ
)
かし
暮
(
く
)
らす
程
(
ほど
)
のまどろかしさよ
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その場合には必ず今まで睦まじく過ごした長の
歳月
(
としつき
)
を
溯
(
さか
)
のぼって、自分達がいかな犠牲を払って、結婚をあえてしたかと云う当時を憶い出さない訳には行かなかった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
『
長
(
なが
)
い
歳月
(
としつき
)
の
間
(
あいだ
)
には
随分
(
ずいぶん
)
いろいろの
事
(
こと
)
を
御覧
(
ごらん
)
になられたでございましょう……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
歳月
(
としつき
)
が重なり、
帝
(
みかど
)
が即位をあそばされてから十八年になった。
源氏物語:35 若菜(下)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
歳
常用漢字
中学
部首:⽌
13画
月
常用漢字
小1
部首:⽉
4画
“歳”で始まる語句
歳
歳暮
歳々
歳晩
歳神
歳上
歳日
歳下
歳入
歳末