旅立たびだ)” の例文
「さあ、そのあなからのぞき。だい一はあねおとうととが、母親ははおやをたずねて旅立たびだつところ。さあさあのぞき。一人ひとりのうちはおあしらない。」
子供の時分の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ガンたちが旅立たびだとうとしてきたてている声が、みずうみのほうから聞こえてきました。それからまもなく、みんなで十四のガンが、森の上をんできました。
ウルピノさん聖人ひじりおつしやつたやうに、むかしから色々いろ/\口碑くちつたへのあるなかで、船旅ふなたびほど時日ときえらばねばならぬものはありません、凶日わるいひ旅立たびだつたひと屹度きつと災難わざはひ出逢であひますよ。
木村氏はそのおり臼井の邸に向いし一人なりしが、刃にちぬるに至らず、六郎が東京に出でて勤学きんがくせんといいしときも、親類しんるいのちなみありとて、共に旅立たびだつこととなりぬ。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ある金持かねもちは、たくさんのおかねうまんでひとらぬに、みなみくにして、今生こんじょうおもあさはや旅立たびだちをしたのでありました。
金の魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なん用事ようじがあつて國清寺こくせいじくかとふと、それには因縁いんねんがある。りよ長安ちやうあん主簿しゆぼ任命にんめいけて、これから任地にんち旅立たびだたうとしたとき生憎あいにくこらへられぬほど頭痛づつうおこつた。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
なにね、じつ旅立たびだものがあるので。』
そのうちに、彼女かのじょらは、このちいさな北国ほっこくまちにもわかれをげて、とお西にしくにして、旅立たびだたなければならぬがきました。
初夏の空で笑う女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのことは、わたしにもよくわかっている。だから、人間にんげんがめったにゆかないところをさがすのだ。もっととおい、さむくにかって旅立たびだちをするのだ。
がん (新字新仮名) / 小川未明(著)
といって、トムきちは、このまちって、ごく自分じぶんちいさい時分じぶんにいたことのあるまちして、旅立たびだちをしたのであります。
トム吉と宝石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
やがて息子むすこは、みやこかえることになりました。父親ちちおやに、わかれなければならぬかなしみで、むねいっぱいにして旅立たびだちました。
山へ帰りゆく父 (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼女かのじょは、自分じぶん姿すがたかがみにうつしてとれていました。そして、いよいよふるさとにかって旅立たびだったのであります。
日がさとちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、ふたたびみやこ旅立たびだっていったともだちのことをおもしながら、うつくしいがさをひらいてながめていました。
日がさとちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)
このとき、たちは、空高そらたかくつばめのれが、はやしから旅立たびだって、きたしてんでゆく姿すがたをながめたのでした。
北海の波にさらわれた蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その老臣ろうしんは、つつしんで天子てんしさまのめいほうじて、御前ごぜんをさがり、妻子さいし親族しんぞく友人ゆうじんらにわかれをげて、ふねって、ひがしして旅立たびだちいたしましたのであります。
不死の薬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
またわたしどもの仲間なかま生活せいかつてきたいものだとおもって、いま、旅立たびだ途中とちゅうにあるのでございます。
春がくる前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
みやこへいって、はとの仲間入なかまいりをすれば、なにもせんでらくらしていける。」と、かんがえましたので、ついにそのになって、みなみかって旅立たびだつことにいたしました。
馬を殺したからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじいさんは、からすをつれて、とうとうみやこをさして旅立たびだちました。幾日いくにちかののちには、おじいさんの姿すがたは、にぎやかな、はなやかな、みやこなかいだされたのであります。
からすの唄うたい (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしたちも、やはり、みなみからきたものです。そのしまにいって見物けんぶつがすんだら、あまりさむくならないうちに、故郷こきょう旅立たびだちしなければなりません……。」と、こたえたのです。
北海の波にさらわれた蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それから、ならずして、老人ろうじん故郷こきょうかって旅立たびだってゆく、姿すがたられたのであります。
山へ帰りゆく父 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いまから、すぐにも、彼女かのじょは、旅立たびだちをしてそのたかやまに、ゆきけてのぼってゆこうとおもいましたが、もとよりどこにくさがうずもれているかることができなかったのです。
星の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれらは、ほんとうに、おもいもよらぬかねになったとよろこびました。それで、ボタンをって、自分じぶんたちの故郷こきょうをさして旅立たびだったのであります。それからまた幾日いくにちかのあいだくるしみました。
南方物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
くるはいい天気てんきでした。宝石商ほうせきしょうは、いさんで旅立たびだちの支度したくにかかりました。
宝石商 (新字新仮名) / 小川未明(著)
うそは、このとき、はかない希望きぼうて、みんなといっしょに故郷こきょう旅立たびだつことを決心けっしんしました。そして、あおそらを、あちらにけて、自分じぶんっているともだちのいるほうったのであります。
小鳥と兄妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
助手じょしゅ小田おださんが、かがみあたらしい木箱きばこにおさめて、北国ほっこく旅立たびだったのは、なつもなかばすぎたのことで、烏帽子岳えぼしだけのいただきから、奇怪きかい姿すがたをした入道雲にゅうどうぐもが、平野へいやおろしながら、うみほうへと
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
天気てんきのいいを、はからって、かれらは旅立たびだつことになっていました。
小鳥と兄妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼女かのじょ旅立たびだちをしてから、叔母おばさんは毎晩まいばんのように、門口かどぐちって、あちらのやまほうあんじていました。あめったり、みぞれになったり、かぜいたりして、満足まんぞくがなかったのでした。
北の不思議な話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
れは、つばめたちのあとって、旅立たびだったのでありました。
北海の波にさらわれた蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「これから、自分じぶんは、バイオリンをさがして旅立たびだちしよう。」
海のかなた (新字新仮名) / 小川未明(著)
からすはまた下界げかいかって旅立たびだちをしたのであります。
消えた美しい不思議なにじ (新字新仮名) / 小川未明(著)
みんなが、旅立たびだったのちのことであります。
花咲く島の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)