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支那
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シナ
ふりがな文庫
“
支那
(
シナ
)” の例文
昔、
支那
(
シナ
)
の
或
(
ある
)
田舎に
書生
(
しょせい
)
が一人住んでいました。何しろ支那のことですから、桃の花の咲いた窓の下に本ばかり読んでいたのでしょう。
女仙
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ところが、お前の中にいる『古代
支那
(
シナ
)
の衣冠を着けたいかさま君子』や『ヴォルテエル
面
(
づら
)
をした狡そうな道化』と来たら、どうだ。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
支那
(
シナ
)
においては、古代絵画に依って刑法を公示し、これに依って文字を知らない
朦昧
(
もうまい
)
の人民に法禁を知らしめる方法が行われた。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
隣国
支那
(
シナ
)
でいう
聘金
(
へいきん
)
が、今までの養育費を
償
(
つぐな
)
う意味であるらしきに反して、
此方
(
こちら
)
は是から入用なものを貰って行くかわりである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
されどドレスデンの宮には、陶ものの
間
(
ま
)
といふありて、
支那
(
シナ
)
日本の
花瓶
(
はながめ
)
の
類
(
たぐい
)
おほかた
備
(
そなわ
)
れりとぞいふなる。国王
陛下
(
へいか
)
にはいま始めて
謁見
(
えっけん
)
す。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
(
支那
(
シナ
)
海南の航路は、なお皇国の山をみるように思われる。夕暮れの空に雲のわだかまるところ、ひとなすりするほどの影は台湾である。)
南半球五万哩
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
「私は若い頃
支那
(
シナ
)
へ行った。さよう、三度も参ったかな。その頃あの地で纐纈を見た。この紅巾に違いない。……いや、待てよ、少し違う」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
如何
(
いか
)
に
南北朝
(
なんぼくちょう
)
の戦乱が、
我邦
(
わがくに
)
の武備機関を膨脹せしめ、
而
(
しこう
)
してその余勇は、漏らすに
由
(
よし
)
なく、
延
(
ひ
)
いて
支那
(
シナ
)
辺海を
擾
(
みだ
)
したるよ。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
日本の対支外交や排日問題などについて意見を述べたり、英米の対支文化事業や
支那
(
シナ
)
女性の現代的
覚醒
(
かくせい
)
を驚嘆していた。支那の陶器の話も出た。
小唄のレコード
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
武器を
支那
(
シナ
)
へ売りこもうとして失敗して以来、日本の軍部でも次第に独逸製品を拒むような機運が向いて来た。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
支那
(
シナ
)
の
如
(
ごと
)
き
朝鮮
(
テウセン
)
の
如
(
ごと
)
きは
絶
(
た
)
えず
其
(
その
)
侵害
(
しんがい
)
を
蒙
(
かふむ
)
りつゝある、
此時
(
このとき
)
に
當
(
あた
)
つて、
東洋
(
とうやう
)
の
覇國
(
はこく
)
ともいふ
可
(
べ
)
き
我
(
わが
)
大日本帝國
(
だいにつぽんていこく
)
は
其
(
その
)
負
(
お
)
ふ
處
(
ところ
)
實
(
じつ
)
に
重
(
おも
)
く一
方
(
ぱう
)
東洋
(
とうやう
)
の
平和
(
へいわ
)
を
保
(
たも
)
たんが
爲
(
た
)
め
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
このf音は西洋諸国語や
支那
(
シナ
)
語におけるごとき
歯唇音
(
ししんおん
)
(上歯と下唇との間で発する音)ではなく、今日のフの音の子音に近い
両唇音
(
りょうしんおん
)
(上唇と下唇との間で発する音)であって
駒のいななき
(新字新仮名)
/
橋本進吉
(著)
南蛮船が来航し、次で
和蘭陀
(
オランダ
)
からも
遣
(
や
)
って来る。
支那
(
シナ
)
との交通はもとよりのことである。香木の
伽羅
(
きゃら
)
を手に入れることで、熊本の細川家と仙台の
伊達
(
だて
)
家との家臣が争っている。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
今はどの国も地漆がほとんどなくなって、材料を
支那
(
シナ
)
や
印度
(
インド
)
に仰ぐが、どうもいい漆とはいえぬ。何といっても日本の漆に
如
(
し
)
くはない。それが地元で出来るのだから強味である。
陸中雑記
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
浅草を愛する会といったものをやろうという話が、私と朝野光男の間で交されたのは、小柳雅子がK劇場の慰問団に加わって
支那
(
シナ
)
へ行くまだ前だったから、思えば十月のことである。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
わが国は今より十数年前に一度
支那
(
シナ
)
と戦うて勝ち、また数年前には世界の強国なるロシアと戦うてこれに勝ち、その結果として国の位置が非常に進んで、一等国と称せられるにいたった
民族の発展と理科
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
支那
(
シナ
)
のものでも、例えば
厨子
(
ずし
)
の扉へあるいは飾箱の
蓋
(
ふた
)
へ
嵌込
(
はめこ
)
まれたりあるいは鏡の裏へあるいは胸飾りとして、あるいは各種の器具へ嵌込まれたものが多いのであります、その絵としての価値も
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
おまけに窓の外を見ると、始終ごみごみした
横町
(
よこちょう
)
に、
麦藁帽
(
むぎわらぼう
)
をかぶった
支那
(
シナ
)
の車夫が、所在なさそうにうろついている。………
母
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
倭寇
(
わこう
)
、
八幡船
(
ばはんせん
)
、
胡蝶軍
(
こちょうぐん
)
、名こそ様々に呼ばれてはおれ、
支那
(
シナ
)
、
高麗
(
こうらい
)
に押し寄せて、武威を揮う大船隊、その船隊の頭領として
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
二、
呂宋
(
ルソン
)
行 昨夜からの雷雨がとおりすぎ、晴天をえらんで海峡を船出した。太陽は
支那
(
シナ
)
海に沈み、船は呂宋湾に停泊した。
南半球五万哩
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
鎖国令行われてより以来、
我邦
(
わがくに
)
と通商するものは、僅かに
支那
(
シナ
)
、
和蘭
(
オランダ
)
にして、その地方もまた長崎の
猫額
(
ねこのひたい
)
大の天地に限れり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
支那
(
シナ
)
の
聯句
(
れんく
)
はもとよりのこと、俳諧でも談林派の時代までは、
是
(
これ
)
をただ言葉の続きがらのように、考える
癖
(
くせ
)
が止まなかった。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その頃
支那
(
シナ
)
からやって来た天才的な少年棋士のこと。新聞将棋のこと。日本の漢詩人のこと。支那の政局のこと。
斗南先生
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
亜字は
支那
(
シナ
)
太古の官服の模様として「取臣民背悪向善、亦取合離之義去就之義」といわれているが、
勧善懲悪
(
かんぜんちょうあく
)
や
合離去就
(
ごうりきょしゅう
)
があまり
執拗
(
しつよう
)
に象徴化され過ぎている。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
ちょうど女中が
襷
(
たすき
)
がけで
拭
(
ふ
)
き掃除に働いている時間だったが、ある家では刑事と見られた感じを受けた。
支那
(
シナ
)
の留学生の巣が、ごみごみしたその辺に軒を並べていた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
從
(
したがつ
)
て
何
(
なに
)
ゆゑとなく
睦
(
むつ
)
ましく
離
(
はな
)
れがたく
思
(
おも
)
はれたが、
其後
(
そのゝち
)
彼
(
かれ
)
は
學校
(
がくかう
)
を
卒業
(
そつぎやう
)
して、
元來
(
ぐわんらい
)
ならば
大學
(
だいがく
)
に
入
(
い
)
る
可
(
べ
)
きを、
他
(
た
)
に
大望
(
たいもう
)
ありと
稱
(
しよう
)
して、
幾何
(
いくばく
)
もなく
日本
(
ほんごく
)
を
去
(
さ
)
り、はじめは
支那
(
シナ
)
に
遊
(
あそ
)
び
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
中国駐在の——当時は
支那
(
シナ
)
と言っていたが、その駐支総領事が外務省との打ち合わせで帰京した。打ち合わせが終って中国に帰ろうというその前夜、ホテルの一室で「自殺」をした。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
「それでも貴様はあれきり、
支那
(
シナ
)
人の物を取らんようになったから感心だ。」
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
支那
(
シナ
)
の文人などには、独酌の趣を
咏
(
えい
)
じた作品が古くからあったようだが、
此方
(
こちら
)
では今でも普通の人は酒に相手をほしがる。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
最後
(
しまい
)
の二句を解釈すると、昔
支那
(
シナ
)
に悪王があって、死後塚の
発
(
あば
)
かれんことを恐れ、七十二個の
贋塚
(
にせづか
)
を作ったが、それでもとうとう
発
(
あば
)
かれてしまった。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
支那
(
シナ
)
の
上海
(
シャンハイ
)
の
或
(
ある
)
町です。昼でも薄暗い或家の二階に、人相の悪い
印度
(
インド
)
人の婆さんが一人、商人らしい一人の
亜米利加
(
アメリカ
)
人と何か
頻
(
しきり
)
に話し合っていました。
アグニの神
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それが何に原因するものであるかを三造は知らない。伯父はまた常に、三造には無目的としか思えないような旅行を繰返していた。
支那
(
シナ
)
には長く渡っていた。
斗南先生
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
寛永の鎖国令こそ
千秋
(
せんしゅう
)
の遺憾なれ。もしこの事だになくは、我が国民は南洋群島より、
支那
(
シナ
)
、
印度
(
インド
)
洋に
迨
(
およ
)
び、太平洋の両岸に、その版図を開きしものそれ
幾何
(
いくばく
)
ぞ。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
支那
(
シナ
)
料理などの
目貫
(
めぬき
)
の商店街であったが、一歩横町へ入ると、モダアニズムの安価な一般化の現われとして、こちゃこちゃした安普請のカフエやサロンがぎっちり軒を並ベ
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
二
本
(
ほん
)
の
煙筒
(
えんとう
)
に四
本
(
ほん
)
檣
(
マスト
)
の
頗
(
すこぶ
)
る
巨大
(
きよだい
)
な
船
(
ふね
)
である、
此度
(
このたび
)
支那
(
シナ
)
及
(
およ
)
び
日本
(
につぽん
)
の
各港
(
かくかう
)
へ
向
(
むか
)
つての
航海
(
こうかい
)
には、
夥
(
おびたゞ
)
しき
鐵材
(
てつざい
)
と、
黄金
(
わうごん
)
眞珠等
(
しんじゆなど
)
少
(
すく
)
なからざる
貴重品
(
きちやうひん
)
を
搭載
(
たうさい
)
して
居
(
を
)
る
相
(
さう
)
で、
其
(
その
)
船脚
(
ふなあし
)
も
餘程
(
よほど
)
深
(
ふか
)
く
沈
(
しづ
)
んで
見
(
み
)
えた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
(外輪船は日夜波まを走りつづけ、千里も遠ざかったかと思われたがなお日本の山が見られた。
支那
(
シナ
)
海の南のかたを望めばその終わるあたり、白い雲のわだかまるところが台湾なのであった。)
南半球五万哩
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
「
支那
(
シナ
)
浪人だ」
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
伯父の死後七年にして、
支那
(
シナ
)
事変が起った時、三造は始めて伯父の著書『支那分割の運命』を
繙
(
ひもと
)
いて見た。
斗南先生
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
いや、西洋どころではない。隣国の
支那
(
シナ
)
のことを伝へたのでも、このくらゐの間違ひは
家常茶飯
(
かじようさはん
)
である。
日本の女
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
支那
(
シナ
)
の旧書に見えるような、
盃
(
さかずき
)
の話はあまり聴かないが、大抵は例の
焼酎
(
しょうちゅう
)
入れ、または小さな
酒徳利
(
さかどっくり
)
の携帯用のもの、時としては
腰下
(
こしさ
)
げの
煙草
(
たばこ
)
入れなどもあって
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「長老」と庄三郎は熱心に、「
支那
(
シナ
)
にありました纐纈城の話、詳しくお聞かせくださいますよう」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
私たちはまだ
究
(
きわ
)
めることができずにいるが、少なくとも
支那
(
シナ
)
で
東夷
(
とうい
)
といいまた島夷といった方面において、その最も明らかな
痕跡
(
こんせき
)
を永く
留
(
とど
)
めたのは沖縄の諸島である。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
太い白い雨脚を見ながら、私は、昔の
支那
(
シナ
)
人の使った銀竹という言葉を爽かに思い浮かべていた。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
案内に応じて通されたのは、日当りの
好
(
い
)
い座敷だった。その上主人が風流なのか、
支那
(
シナ
)
の書棚だの
蘭
(
らん
)
の鉢だの、
煎茶家
(
せんちゃか
)
めいた装飾があるのも、
居心
(
いごころ
)
の
好
(
よ
)
い空気をつくっていた。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「この紅巾は日本織りだ。決して
支那
(
シナ
)
の布ではない」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そろそろと不老不死の術を恋い
焦
(
こが
)
れ、ついに
道士
(
どうし
)
の言に
欺
(
あざむ
)
かれて無益の探求を
企
(
くわだ
)
つるに至ったなどは、いわば
支那
(
シナ
)
古代の小説の一つの型であって、たまたまその中の特に美しく
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
但し、昔の
支那
(
シナ
)
人のいう茘枝と我々の呼ぶ茘枝と、同じものかどうか、それは知らない。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
禅
(
ぜん
)
か、
法華
(
ほっけ
)
か、それともまた
浄土
(
じょうど
)
か、
何
(
なに
)
にもせよ
釈迦
(
しゃか
)
の教である。ある
仏蘭西
(
フランス
)
のジェスウイットによれば、天性
奸智
(
かんち
)
に富んだ釈迦は、
支那
(
シナ
)
各地を遊歴しながら、
阿弥陀
(
あみだ
)
と称する仏の道を説いた。
おぎん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ゴオテイエが娘の
支那
(
シナ
)
は既に云ひぬ。José Maria de Heredia が日本も
亦
(
また
)
別乾坤
(
べつけんこん
)
なり。
簾裡
(
れんり
)
の美人
琵琶
(
びは
)
を
弾
(
たん
)
じて鉄衣の勇士の
来
(
きた
)
るを待つ。景情
元
(
もと
)
より日本ならざるに非ず。
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
編輯者
(
へんしゅうしゃ
)
支那
(
シナ
)
へ旅行するそうですね。南ですか? 北ですか?
奇遇
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“支那”の解説
支那(しな)またはシナとは、中国またはその一部の地域に対して用いられる地理的呼称、あるいは王朝・政権の名を超えた通史的な呼称の一つである。日本では江戸時代中期から広まったが、第二次世界大戦後は差別的意味合いがあると主張されて使用が批判される傾向がある。
(出典:Wikipedia)
支
常用漢字
小5
部首:⽀
4画
那
常用漢字
中学
部首:⾢
7画
“支那”で始まる語句
支那人
支那風
支那鞄
支那船
支那服
支那海
支那街
支那兵
支那蕎麦
支那製