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営
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いとな
ふりがな文庫
“
営
(
いとな
)” の例文
旧字:
營
いわんや運尽き世乱れてからは、「是に争ひ彼に争ふ、人を滅ぼし身を助けんと
営
(
いとな
)
み、悪心のみさへぎりて、善心はかつて起らざりき」
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
産土
(
うぶすな
)
の
神
(
かみ
)
があって、
生死
(
せいし
)
、
疾病
(
しっぺい
)
、
諸種
(
しょしゅ
)
の
災難等
(
さいなんとう
)
の
守護
(
しゅご
)
に
当
(
あた
)
ってくれればこそ、
地上
(
ちじょう
)
の
人間
(
にんげん
)
は
初
(
はじ
)
めてその
日
(
ひ
)
その
日
(
ひ
)
の
生活
(
せいかつ
)
が
営
(
いとな
)
めるのじゃ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
彼は、丁度殺人鬼が人を殺すのと、同じ興味を以て、同じ感激を以て、原稿紙の上に彼の血みどろの犯罪生活を
営
(
いとな
)
んでいたのだ。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
からだをこしらえている細胞の間は、放電現象が起ったり、またそれを充電したり、そういう電気的の
営
(
いとな
)
みが行われていることなんだとさ。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
荊州の城中でも、毎年の例なので、孔明は、主君玄徳の留守ながら、祭を
営
(
いとな
)
み、酒宴をもうけて、諸大将をなぐさめていた。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
また、
故郷
(
こきょう
)
へ
帰
(
かえ
)
ってきてからも、
母親
(
ははおや
)
のお
墓
(
はか
)
におまいりをしたばかりで、まだ
法事
(
ほうじ
)
も
営
(
いとな
)
まなかったことを
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
しました。
牛女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼はただ常子と一しょに飯を食ったり、
蓄音機
(
ちくおんき
)
をかけたり、活動写真を見に行ったり、——あらゆる
北京中
(
ペキンじゅう
)
の会社員と変りのない生活を
営
(
いとな
)
んでいる。
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
日々
(
ひび
)
の事業について、実業家がその職業を
営
(
いとな
)
むにつけても同じこと、おのれが
損
(
そん
)
したからとて、みだりにその罪を他人にかぶせるようなことはない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
葬式の通知も郷里の伯母、叔父、弟の細君の実家、私の妻の実家、これだけへ来る十八日正二時弘前市の
菩提寺
(
ぼだいじ
)
で簡単な焼香式を
営
(
いとな
)
む旨を書き送った。
父の葬式
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
生き延びているのを喜ぶ気持は、純粋なものであるか不純なものであるか、それは彼には判らなかった。そんなことを考えることすら無意味な
営
(
いとな
)
みに思えた。
日の果て
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
葬式はどういう関係からであるか、善福寺では執行せられず、さほどには遠からぬ広尾の光林寺で
営
(
いとな
)
まれ、その亡骸はその裏手の岡に登る墓地に埋葬せられた。
墓畔の梅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
八五 土淵村の
柏崎
(
かしわざき
)
にては両親とも
正
(
まさ
)
しく日本人にして
白子
(
しらこ
)
二人ある家あり。髪も肌も眼も西洋人の通りなり。今は二十六七ぐらいなるべし。家にて農業を
営
(
いとな
)
む。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
事のよしをつげてお菊が
戒名
(
かいみやう
)
をもとめ、お菊が
溺死
(
おぼれしゝ
)
たる
橋
(
はし
)
の
傍
(
かたはら
)
に髪の毛を
埋
(
うづ
)
め
石塔
(
せきたふ
)
を
建
(
たつ
)
る事すべて人を
葬
(
はうふ
)
るが
如
(
ごと
)
くし、みなあつまりてねんごろに
仏事
(
ぶつじ
)
を
営
(
いとな
)
みしに
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
京の或る
分限者
(
ぶげんしゃ
)
が山科の寺で
法会
(
ほうえ
)
を
営
(
いとな
)
んだときに、大勢の尊い僧たちが本堂にあつまって経を
誦
(
ず
)
した。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いや、いつになったら、人間はおたがいに
信頼
(
しんらい
)
のできる共同生活を
営
(
いとな
)
むことができるようになるんだ。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
娘と申せど主君のお胤なれば、何とぞ華族へ縁付けたく、それに
付
(
つい
)
ても
金力
(
きんりょく
)
なければ事
叶
(
かな
)
わずと存ぜしゆえ、是まで
種々
(
しゅ/″\
)
の商法を
営
(
いとな
)
みしも、慣れぬ事とて
皆
(
み
)
な仕損じ
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私は土を愛し、田舎を愛し、土の人なる農を愛しますが、私の愛は都市にも海にもあらゆる人間と其
営
(
いとな
)
みとを忘るゝ事は出来ません。私は慾張りです。私は一切を愛します。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
年中あくせくとして歳月の廻るに支配されている外に何らの
能事
(
のうじ
)
も無い。次々と来る小災害のふせぎ、人を
弔
(
とぶら
)
い己れを悲しむ消極的
営
(
いとな
)
みは年として絶ゆることは無い。水害又水害。
水害雑録
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
骨
(
ほね
)
をひろひ
壠
(
つか
)
を
築
(
つ
)
きて
九五
塔婆
(
たふば
)
を
営
(
いとな
)
み、僧を迎へて
菩提
(
ぼだい
)
のことねんごろに
弔
(
とぶら
)
ひける。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
治療してもらっているのはどこかの奥さんらしくアッパッパを着て、スリッパをはいた両足をきちんと
揃
(
そろ
)
えて、仰向いています。何か日々の
営
(
いとな
)
みのなつかしさを想わせるような
風情
(
ふぜい
)
でした。
アド・バルーン
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
尚
(
な
)
お
汝
(
そち
)
は
先刻
(
さっき
)
、
良人
(
おっと
)
の
後
(
あと
)
について
行
(
い
)
って、
昔
(
むかし
)
ながらの
夫婦生活
(
ふうふせいかつ
)
でも
営
(
いとな
)
みたいように
思
(
おも
)
ったであろうが……イヤ
隠
(
かく
)
しても
駄目
(
だめ
)
じゃ
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
全員の色にも同調な
容子
(
ようす
)
がみえた。で彼は以後、故人の追善供養をただ
旨
(
むね
)
としていた。すると早や七々忌の
営
(
いとな
)
みも近づいた或る日のことである。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
少年
(
しょうねん
)
は、りんごの
木
(
き
)
を
植
(
う
)
えていたのです。
体
(
からだ
)
が
弱
(
よわ
)
いので
小学校
(
しょうがっこう
)
を
卒
(
お
)
えると、
自分
(
じぶん
)
は
果樹園
(
かじゅえん
)
を
営
(
いとな
)
むことにしたのです。それで、
自分
(
じぶん
)
一人
(
ひとり
)
ではさびしいから
子供はばかでなかった
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
立派な葬儀が
営
(
いとな
)
まれた程で、世人は誰一人
之
(
これ
)
を疑わず、名探偵
非業
(
ひごう
)
の最後を惜しまぬ者はなかったのである。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
僕はこれらを合せればどうにか家計を
営
(
いとな
)
めると思ひ、前から結婚する筈だつた友だちの
姪
(
めい
)
と結婚した。僕の
紫檀
(
したん
)
の
古机
(
ふるづくゑ
)
はその時夏目先生の奥さんに
祝
(
いは
)
つて頂いたものである。
身のまはり
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
田島さんの報告によれば、小牧は東京にて相当の生活を
営
(
いとな
)
みいたりしが、磯貝の父のために財産を差押えられ、妻子にわかれて
流転
(
るてん
)
の末に、鹿沼の町にて職工となりたる也。
慈悲心鳥
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
隋の
煬帝
(
ようだい
)
長安
(
ちょうあん
)
に
顕仁宮
(
けんじんきゅう
)
を
営
(
いとな
)
むや
河南
(
かなん
)
に
済渠
(
さいきょ
)
を開き
堤
(
つつみ
)
に柳を植うる事一千三百里という。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「引き算と割り算は、数の勘定に役に立つだけでもうたくさんです。人間と人間との関係に引き算や割り算があってはなりません。人生の
営
(
いとな
)
みは、すべて足し算と掛け算で行きたいものです。」
青年の思索のために
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
ある人が人間の行為として最下等なる職業を
営
(
いとな
)
む
数多
(
あまた
)
の醜業婦について
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「ここには、亡き
馬超
(
ばちょう
)
の
墳
(
つか
)
がある。いまわが蜀軍の
北伐
(
ほくばつ
)
に遭うて、地下白骨の自己を嘆じ、なつかしくも思っているだろう。祭を
営
(
いとな
)
んでやるがよい」
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
野犬
(
やけん
)
の一
群
(
ぐん
)
は、ジャックを
中心
(
ちゅうしん
)
にして、
自分
(
じぶん
)
たちの
生活
(
せいかつ
)
を
営
(
いとな
)
むことにしました。
彼
(
かれ
)
らは、どこへいくにも
一塊
(
ひとかたまり
)
となって、いつでも
敵
(
てき
)
に
当
(
あ
)
たる
用意
(
ようい
)
をしていました。
花の咲く前
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
宗立本
(
そうりゅうほん
)
は
登
(
とう
)
州
黄
(
こう
)
県の人で、父祖の代から行商を
営
(
いとな
)
んでいたが、年の
長
(
た
)
けるまで子がなかった。
中国怪奇小説集:10 夷堅志(宋)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
言葉を換えて云うと、それ程彼は愛について
貪婪
(
どんらん
)
であった。そして、余りに貪婪であるが故に、彼は他人を愛することが、社交生活を
営
(
いとな
)
むことが出来なかったのであるかも知れない。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
『
無論
(
むろん
)
男女
(
だんじょ
)
の
区別
(
くべつ
)
があって、
夫婦生活
(
ふうふせいかつ
)
を
営
(
いとな
)
むのじゃ……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
なお
優游
(
ゆうゆう
)
自適の生活を
営
(
いとな
)
む方法は
尠
(
すくな
)
くはあるまい。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
地方民も豪族も、長いあいだの不安と暗黒に漂って来て、各〻が自分たちの
営
(
いとな
)
みにだけ追われていたかたちだった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
きっと、これは
母
(
はは
)
の
怒
(
いか
)
りであろうと
思
(
おも
)
いましたから、
子供
(
こども
)
は、
懇
(
ねんご
)
ろに
母親
(
ははおや
)
の
霊魂
(
たましい
)
を
弔
(
とむら
)
って、
坊
(
ぼう
)
さんを
呼
(
よ
)
び、
村
(
むら
)
の
人々
(
ひとびと
)
を
呼
(
よ
)
び、
真心
(
まごころ
)
をこめて
母親
(
ははおや
)
の
法事
(
ほうじ
)
を
営
(
いとな
)
んだのでありました。
牛女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
閏七月二日の朝五つ時(午前八時)に金助の葬儀は小梅の菩提寺で
営
(
いとな
)
まれた。
廿九日の牡丹餅
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
当時の菰田家の
主
(
あるじ
)
というのは、
癲癇
(
てんかん
)
の持病を持っていて、それが
嵩
(
こう
)
じて、少し前に一度死を伝えられ、附近の評判になった程の立派な葬式さえ
営
(
いとな
)
んだのですが、それが、不思議にも生き返って
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
苫
(
とま
)
の下から
鼠鳴
(
ねずみな
)
きをするお角のことばだのが、幾度となく繰返されるうちには、この
苫
(
とま
)
舟の世帯が、何を
営
(
いとな
)
むものだかという事を
覚
(
さと
)
らぬわけはありません。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうして、
懇
(
ねんご
)
ろにおじいさんを
葬
(
ほうむ
)
って、みんなで
法事
(
ほうじ
)
を
営
(
いとな
)
みました。
犬と人と花
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その昔の土豪時代の大家族制度のように軒をならべて穏やかに町家暮らしの
営
(
いとな
)
みをしているからだった。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこで病歿された故幽斎公の三年忌の
営
(
いとな
)
みやら、生前幽斎公と親しかった
公卿
(
くげ
)
たちや知己へのあいさつやら、また、故人の文庫や遺物の整理など
悉皆
(
しっかい
)
すまして、きのう淀川船で下り
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、町屋の
殷賑
(
いんしん
)
なさまや軒毎の
営
(
いとな
)
みを見て、心からうれしそうにつぶやいた。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
十月、大葬の
営
(
いとな
)
みがすむと、後村上の即位も、かたちばかり執りおこなわれた。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「仮宮も出来あがったから、とりあえず、
太牢
(
たいろう
)
を供えて、宗廟の祭を
営
(
いとな
)
もう」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
といって、滞留中、二の丸にいて、父の法事なども
営
(
いとな
)
んですましたという。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
したが、かかる
酷
(
むご
)
い
世
(
よ
)
に、このような
親効
(
おやが
)
いもない親の下に生れたのが、そもそも、運のない子。……ま、気をとり直せ。せめて、
夫婦
(
ふたり
)
して、子の
通夜
(
つや
)
など、今夜はここで
営
(
いとな
)
んでやるしかあるまいが
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
営
常用漢字
小5
部首:⼝
12画
“営”を含む語句
営業
野営
経営者
柳営
陣営
経営
幕営
営口
造営
営養
野営地
営中
営庭
屯営
牙営
露営
孜々営々
本営
兵営
蠅営狗苟
...