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五尺
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ごしやく
とても
積らば
五尺六尺雨戸明けられぬ
程に
降らして
常闇の
長夜の
宴、
張りて
見たしと
縺れ
舌に
譫言の
給ふちろ/\
目にも
六花の
眺望に
別は
無けれど
その
時、
空から
雲に
乘つた
人々が
降りて
來て、
地面から
五尺ばかりの
空中に、ずらりと
立ち
列びました。
菅笠を
目深に
冠つて
潵に
濡れまいと
思つて
向風に
俯向いてるから
顔も
見えない、
着て
居る
蓑の
裾が
引摺つて
長いから
脚も
見えないで
歩行いて
行く、
背の
高さは
五尺ばかりあらうかな
これは
幹のまはりが、
地上五尺の
高さのところでしたが
七十三尺八寸あり、
根元のまはりは
百二十五尺四寸もあつて、
木の
高さは
十五間、
樹齡八百年と
言はれてゐます。
庭の
芭蕉のいと
高やかに
延びて、
葉は
垣根の
上やがて
五尺もこえつべし、
今歳はいかなれば
斯くいつまでも
丈のひくきなど
言ひてしを
夏の
末つかた
極めて
暑かりしに
唯一日ふつか
顔面黒く
漆して、
目の
隈、
鼻頭、
透通る
紫陽花に
藍を
流し、
額から
頤に
掛けて、
長さ
三尺、
口から
口へ
其の
巾五尺、
仁王の
顔を
上に
二つ
下に
三つ
合はせたばかり、
目に
余る
大さと
成つて
庭の
芭蕉のいと高やかに延びて、葉は
垣根の上やがて
五尺もこえつべし。
まあ、
彼の
恐しい
所から
何の
位離れたらうと
思つて
怖々と
振返ると、ものの
五尺とは
隔たらぬ
私の
居室の
敷居を
跨いで
明々地に
薄紅のぼやけた
絹に
搦まつて
蒼白い
女の
脚ばかりが
歩行いて
來た。
生甲斐なや
五尺の
身に
父母の
恩荷ひ
切れずましてや
暖簾の
色むかしに
染めかへさんはさて
置きて
朝四暮三のやつ/\しさにつく/″\
浮世いやになりて
我身捨てたき
折々もあれど
病勞れし
兩親の
寢顏さし
覗くごとに
我なくば
何とし
給はん
勿體なしと
思ひ
返せど
沸くは
お
長うとは
申しませぬ
申しあげたきこと
一通りと
詞きれ/″\に
涙漲りて
引止むる
腕ほそけれど
懸命の
心は
蜘蛛の
圍の
千筋百筋力なき
力拂ひかねて
五尺の
身なよ/\となれど
態と
荒々しく
突き
退けてお
人違ひならん
其樣な
仰せ
承はる
私にはあらず
池の
端よりお
供せし
車夫の
耳には
何のことやら
理由すこしも
分りませぬ
車代賜は