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百筋
読み方 | 割合 |
ももすじ | 50.0% |
もゝすぢ | 50.0% |
千筋百筋気は乱るとも夫おもうはただ一筋、ただ一筋の
唐七糸帯は、お屋敷奉公せし叔母が
紀念と
大切に
秘蔵たれど何か
厭わん手放すを、と何やらかやらありたけ出して
婢に包ませ
風が身に染むので心着けば、
樹蔭なる
崖の腹から二頭の竜の、二条の氷柱を吐く末が
百筋に乱れて、どッと池へ
灌ぐのは、熊野の
野社の
千歳経る杉の林を頂いた、十二社の滝の
下路である。
お
長うとは
申しませぬ
申しあげたきこと
一通りと
詞きれ/″\に
涙漲りて
引止むる
腕ほそけれど
懸命の
心は
蜘蛛の
圍の
千筋百筋力なき
力拂ひかねて
五尺の
身なよ/\となれど
態と
荒々しく
突き
退けてお
人違ひならん
其樣な
仰せ
承はる
私にはあらず
池の
端よりお
供せし
車夫の
耳には
何のことやら
理由すこしも
分りませぬ
車代賜は