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ごしやく
その
時、
空から
雲に
乘つた
人々が
降りて
來て、
地面から
五尺ばかりの
空中に、ずらりと
立ち
列びました。
菅笠を
目深に
冠つて
潵に
濡れまいと
思つて
向風に
俯向いてるから
顔も
見えない、
着て
居る
蓑の
裾が
引摺つて
長いから
脚も
見えないで
歩行いて
行く、
背の
高さは
五尺ばかりあらうかな
まだ
思ひ
出す
事がある。
先生がこゝで
獨酌……はつけたりで、
五勺でうたゝねをする
方だから
御飯をあがつて
居ると、
隣座敷で
盛んに
艷談のメートルを
揚げる
聲がする。