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一條
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ひとすぢ
ふりがな文庫
“
一條
(
ひとすぢ
)” の例文
新字:
一条
峠
(
たうげ
)
に
上
(
のぼ
)
つて、
案内
(
あんない
)
に
分
(
わか
)
れた。
前途
(
ぜんと
)
は
唯
(
たゞ
)
一條
(
ひとすぢ
)
、
峰
(
みね
)
も
谷
(
たに
)
も、
白
(
しろ
)
き
宇宙
(
うちう
)
を
細
(
ほそ
)
く
縫
(
ぬ
)
ふ、それさへまた
降
(
ふ
)
りしきる
雪
(
ゆき
)
に、
見
(
み
)
る/\、
歩
(
あし
)
一歩
(
ひとあし
)
に
埋
(
うづ
)
もれ
行
(
ゆ
)
く。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
涯もない曠野、海に
起伏
(
おきふ
)
す波に似て、見ゆる限りの青草の中に、幅二尺許りの、唯
一條
(
ひとすぢ
)
の細道が眞直に走つてゐる。
散文詩
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
梁柱
(
うつばり
)
はいふもさらなり、籘の
一條
(
ひとすぢ
)
だに
漆
(
うるし
)
の如く光らざるものなし。
間
(
ま
)
の中央に、長さ二三尺、幅これに半ばしたる
甎爐
(
せんろ
)
あり。
炊
(
かし
)
ぐも煖むるも、皆こゝに火焚きてなすなるべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「山火事やつたら、炎はああしたふうに
一條
(
ひとすぢ
)
にやのぼりやせん。もつと横へ横へと這ふやうに、舐めるみてえなぐあひでひろがるもんだ。——ありや、やつぱし雨乞ひの火ぢや。」
生活の探求
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
おつぎは
釣瓶
(
つるべ
)
の
竹竿
(
たけざを
)
が
北
(
きた
)
から
打
(
うち
)
つける
雪
(
ゆき
)
の
爲
(
ため
)
に
竪
(
たて
)
に
一條
(
ひとすぢ
)
の
白
(
しろ
)
い
線
(
せん
)
を
描
(
ゑが
)
きつゝあるのを
見
(
み
)
た。ちら/\と
目
(
め
)
を
昏
(
くらま
)
すやうな
雪
(
ゆき
)
の
中
(
なか
)
に
樹木
(
じゆもく
)
は
悉皆
(
みんな
)
純白
(
じゆんぱく
)
な
柱
(
はしら
)
を
立
(
たて
)
て、
釣瓶
(
つるべ
)
の
縁
(
ふち
)
は
白
(
しろ
)
い
丸
(
まる
)
い
輪
(
わ
)
を
描
(
ゑが
)
いて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
やがて
町
(
まち
)
に
近
(
ちか
)
い、
鈴
(
すゞ
)
の
緒
(
を
)
と
云
(
い
)
ふ
橋
(
はし
)
が、
河原
(
かはら
)
の
晃々
(
きら/\
)
と
白
(
しろ
)
い、
水
(
みづ
)
の
蒼
(
あを
)
い、
對岸
(
むかうぎし
)
の
暗
(
くら
)
い、
川幅
(
かははゞ
)
を
横
(
よこ
)
に
切
(
き
)
つて、
艷々
(
つや/\
)
と
一條
(
ひとすぢ
)
架
(
かゝ
)
る。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
崖に沿ひて
一條
(
ひとすぢ
)
の
細徑
(
ほそみち
)
あり。迂𢌞して初の街道に通ず。われは
高萱
(
たかがや
)
を分け
小草
(
をぐさ
)
を踏みて行きしに、月は高き石垣の上を照して、
三人
(
みたり
)
の色蒼ざめたる
首
(
かうべ
)
の、鐵格の
背後
(
うしろ
)
より、我を
覗
(
うかゞ
)
ふを見たり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
門外
(
おもて
)
の
道
(
みち
)
は、
弓形
(
ゆみなり
)
に
一條
(
ひとすぢ
)
、ほの/″\と
白
(
しろ
)
く、
比企
(
ひき
)
ヶ
谷
(
やつ
)
の
山
(
やま
)
から
由井
(
ゆゐ
)
ヶ
濱
(
はま
)
の
磯際
(
いそぎは
)
まで、
斜
(
なゝめ
)
に
鵲
(
かさゝぎ
)
の
橋
(
はし
)
を
渡
(
わた
)
したやう
也
(
なり
)
。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
こゝに
希有
(
けう
)
な
事
(
こと
)
があつた。
宿
(
やど
)
にかへりがけに、
客
(
きやく
)
を
乘
(
の
)
せた
俥
(
くるま
)
を
見
(
み
)
ると、
二臺三臺
(
にだいさんだい
)
、
俥夫
(
くるまや
)
が
揃
(
そろ
)
つて
手
(
て
)
に
手
(
て
)
に
鐵棒
(
かなぼう
)
を
一條
(
ひとすぢ
)
づゝ
提
(
さ
)
げて、
片手
(
かたて
)
で
楫
(
かぢ
)
を
壓
(
お
)
すのであつた。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
招
(
まね
)
いて
手繰
(
たぐ
)
られるやうに
絲卷
(
いとまき
)
から
絲
(
いと
)
を
曳
(
ひ
)
いたが、
幅
(
はゞ
)
も、
丈
(
たけ
)
も、
颯
(
さつ
)
と
一條
(
ひとすぢ
)
伸擴
(
のびひろ
)
がつて、
肩
(
かた
)
を
一捲
(
ひとまき
)
、
胴
(
どう
)
へ
搦
(
から
)
んで
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一條
(
ひとすぢ
)
でも
風
(
かぜ
)
に
縺
(
もつ
)
れて
來
(
き
)
ますのを、
舌
(
した
)
の
先
(
さき
)
で
吸寄
(
すひよ
)
せますと……
乾
(
かわ
)
いた
口
(
くち
)
が
涼
(
すゞし
)
く
成
(
な
)
つて、
唇
(
くちびる
)
も
濡
(
ぬ
)
れたんですから。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
招
(
まね
)
いて
手繰
(
たぐ
)
られたやうに
絲卷
(
いとまき
)
から
絲
(
いと
)
を
曳
(
ひ
)
いたが、
幅
(
はゞ
)
も
丈
(
たけ
)
も
颯
(
さつ
)
と
一條
(
ひとすぢ
)
伸擴
(
のびひろ
)
がつて、
肩
(
かた
)
を
一捲
(
ひとまき
)
、
胴
(
どう
)
で
搦
(
から
)
んで。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
女房
(
にようばう
)
は、
飛脚
(
ひきやく
)
を
留
(
と
)
めつゝ
驚
(
おどろ
)
く
發奮
(
はずみ
)
に、
白
(
しろ
)
い
腕
(
うで
)
に
掛
(
か
)
けた
胞胎
(
えな
)
を
一條
(
ひとすぢ
)
流
(
なが
)
したのであつた。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一度
(
いちど
)
は、たとへば、
敦賀灣
(
つるがわん
)
でありました——
繪
(
ゑ
)
にかいた
雨龍
(
あまりよう
)
のぐる/\と
輪
(
わ
)
を
卷
(
ま
)
いて、
一條
(
ひとすぢ
)
、ゆつたりと
尾
(
を
)
を
下
(
した
)
に
垂
(
た
)
れたやうな
形
(
かたち
)
のものが、
降
(
ふ
)
りしきり、
吹煽
(
ふきあふ
)
つて
空中
(
くうちう
)
に
薄黒
(
うすぐろ
)
い
列
(
れつ
)
を
造
(
つく
)
ります。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
仙人
(
せんにん
)
が、あの
廣
(
ひろ
)
い
袖
(
そで
)
の
中
(
なか
)
から、
眞紅
(
まつか
)
な、
粘々
(
ねば/\
)
した、
艷
(
つや
)
のある、
蛇
(
へび
)
の
鱗
(
うろこ
)
のやうな
編方
(
あみかた
)
した、
一條
(
ひとすぢ
)
の
紐
(
ひも
)
を
出
(
だ
)
して
絲
(
いと
)
ほどにも、
身
(
み
)
の
動
(
うご
)
きませんほど、
手足
(
てあし
)
を
其
(
そ
)
の
大木
(
たいぼく
)
に
確乎
(
しつかり
)
結
(
いは
)
へて、
綿
(
わた
)
の
丸
(
まる
)
けた
球
(
たま
)
を
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
蓋
(
ふた
)
を
向
(
むか
)
うへはづすと、
水
(
みづ
)
も
溢
(
あふ
)
れるまで、
手桶
(
てをけ
)
の
中
(
なか
)
に
輪
(
わ
)
をぬめらせた、
鰻
(
うなぎ
)
が
一條
(
ひとすぢ
)
、
唯
(
たゞ
)
一條
(
ひとすぢ
)
であつた、のろ/\と
畝
(
うね
)
つて、
尖
(
とが
)
つた
頭
(
あたま
)
を
恁
(
か
)
うあげて、
女房
(
にようばう
)
の
蒼白
(
あおじろ
)
い
顏
(
かほ
)
を、
凝
(
じつ
)
と
視
(
み
)
た。——と
言
(
い
)
ふのである。
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
條
部首:⽊
11画
“一條”で始まる語句
一條大藏卿