頭痛づつう)” の例文
單純たんじゆんなレウマチスせい頭痛づつうではあつたが、りよ平生へいぜいからすこ神經質しんけいしつであつたので、かりつけ醫者いしやくすりんでもなか/\なほらない。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
乳母 はれ、頭痛づつうがする! あゝ、なんといふ頭痛づつうであらう! あたま粉虀こな/″\くだけてしまひさうにうづくわいの。脊中せなかぢゃ。……そっち/\。
つまみして障子せうじめた、殘暑ざんしよといふものはわるあつい、空氣くうきかよはないかららである、くもつてゐるから頭痛づつうがする、たまらぬ。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
二十五六さいころより毎日まいにち朝夕てうせき實行じつかうして、七十七さい今日こんにちおよび、爾來じらい數十年間すうじふねんかん頭痛づつうわすれ、健全けんぜんとなり、感冐かんばうをかされたることいま一度いちどもあらず。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
翌朝よくてうかれはげしき頭痛づつうおぼえて、兩耳りやうみゝり、全身ぜんしんにはたゞならぬなやみかんじた。さうして昨日きのふけた出來事できごとおもしても、はづかしくもなんともかんぜぬ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
うそさぶしとひしも二日ふつか三日みつか朝來あさよりもよほす薄墨色うすずみいろ空模樣そらもやう頭痛づつうもちの天氣豫報てんきよはう相違さうゐなく西北にしきたかぜゆふぐれかけて鵞毛がもう柳絮りうじよかはやちら/\とでぬ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「お今さんも家に居りました。ひどく頭痛づつうがするつて、御飯も食べずに、自分の部屋へ入つて休んだやうです」
つぎなる證人しようにんべ』それから王樣わうさまひくこゑ女王樣ぢよわうさまに、『實際じつさい、あの、御身おんみつぎなる證人しようにん相手方あひてかた證人しようにん詰問きつもんしなければならない。ひど頭痛づつうがしてた!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
蘭人、いえ、なんでもありませんよ。唯ちつと頭痛づつうがするものですから——
長崎小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
いかにもはれるとほりで、その頭痛づつうのために出立しゆつたつばさうかとおもつてゐますが、どうしてなほしてくれられるつもりか。なに藥方やくはうでも御存ごぞんじか。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
現時げんじひとよりうらやまるゝほど健康けんかうたもれども、壯年さうねんころまでは體質たいしついたつてよわく、頭痛づつうなやまされ、み、しば/\風邪ふうじやをかされ、えずやまひためくるしめり。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
まへるとわたしんで仕舞ふであらう、ものはれると頭痛づつうがする、くちくとがまわる、れも/\わたしところてはやなれば、おまへ何卒どうぞかへつてとれい似合にあは愛想あいそづかし
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さうしてれからうちあたゝか閑靜かんせい書齋しよさいかへつて……名醫めいゝかゝつて頭痛づつう療治れうぢでもらつたら、ひさしいあひだわたくしはもうこの人間にんげんらしい生活せいくわつないが、それにしても此處こゝじつ不好いやところだ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「夜は休んだやうですよ、頭痛づつうがするとか言つて」
なほらざるとき全身ぜんしん冷水れいすゐそゝぎてそのいたみまつたりしゆゑに、其後そのご頭痛づつうおこごと全身ぜんしん冷水灌漑れいすゐくわんがいおこなひしが、つひ習慣しふくわんとなり、寒中かんちゆうにも冷水灌漑れいすゐくわんがいゆるをたり。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
「あ。なほりました。」實際じつさいりよはこれまで頭痛づつうがする、頭痛づつうがするとにしてゐて、どうしてもなほらせずにゐた頭痛づつうを、坊主ばうずみづられて、がしてしまつたのである。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
座敷ざしきへは婢女をんなばかりしてわたしいたいの頭痛づつうのとつて、おきやく有無あるなしにかゝはらず勝手氣儘かつてきまゝ身持みもちをしてばれましたからとて返事へんじをしやうでもない、あれをば他人ひとなんましたか
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ありがたうございますときさらつてくうしろ姿すがた、十九にしてはけてるねと旦那だんなどのわらすに、ひとるいことおつしやるとておりきつて障子しやうじけ、手摺てすりにつて頭痛づつうをたゝくに
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)