“頬骨:ほおぼね” の例文
“頬骨:ほおぼね”を含む作品の著者(上位)作品数
徳田秋声4
泉鏡花4
芥川竜之介4
夏目漱石3
ロマン・ロラン2
“頬骨:ほおぼね”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語5.8%
文学 > ロシア・ソヴィエト文学 > 小説 物語1.6%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
太いまゆ、尖った頬骨ほおぼね、殊に切れの長い目尻、——これは確かに見れば見るほど、いつか一度は会っている顔です。
報恩記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ひげを長く、頬骨ほおぼねが立って、眼をなかば開いた清三のがおは、薄暗いランプの光の中におぼろげに見えた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
そのひとはまだ三十さいらぬわかおとこで、頬骨ほおぼねひろい、ちいさい、ブルネト
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
病身らしい、頬骨ほおぼねと鼻がたかく、目の落ちくぼんだ、五十三、四のあるじの高い姿が、庭の植込みの間に見られた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
父親てておやの医者というのは、頬骨ほおぼねのとがったひげの生えた、見得坊みえぼう傲慢ごうまん、そのくせでもじゃ
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見違えるほど痩せ細って、頬骨ほおぼねとがり、目は青隈あおぐまをとったよう、眉間みけんにも血、腕にも血、足にも血……。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのまた前には下士かし一人ひとり頬骨ほおぼねの高い顔を半ば俯向うつむけ、砲塔を後ろに直立していた。
三つの窓 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
弥平は、頬骨ほおぼねの突き出た白髪の頭をお婆さん方へ寄せた。けれども、お婆さんは、まぶしそうに眼を開いたまま何も答えなかった。
蜜柑 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
ことさららしく顔をしかめているのに、みなの頬骨ほおぼねのうえのところに美しい血の色がさし、さながら輝きだすようにさえ見えるのである。
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ひゅうと風を切って飛んで来た石が、いきなりおれの頬骨ほおぼねあたったなと思ったら、後ろからも、背中をぼうでどやした奴がある。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ひとりの男の拳骨げんこつが、ガン! と頬骨ほおぼねのくだけるほど、宮内くないの横顔をはり飛ばした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それでも是非説明して見ろと云うなら、ざっと話すが、——頬骨ほおぼねがだんだん高くそびえてくる。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
顔の蒼白い、頬骨ほおぼねの高い、眼のすごい、義太夫語りの様な錆声さびごえをした婆さんである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
へどもどしながらそばへ並んで坐ると、佐伯氏は頬骨ほおぼねの上のところをすこしあからめながら、
キャラコさん:03 蘆と木笛 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
細君は大功名をしたように頬骨ほおぼねの高い顔を持ち上げて、おっとのぞき込んだ。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
背の高い頬骨ほおぼねの出た男で、手織りの綿衣わたいれかすりの羽織を着ていた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
広間へ戻った波瑠子は、棕櫚竹しゅろちくの鉢植えの陰になっているテーブルのほうへ行った。そこには頬骨ほおぼねの張った血色の悪い、三十前後の背広を着た男がいた。
宝石の序曲 (新字新仮名) / 松本泰(著)
一人の男は頬骨ほおぼねの一点と、小鼻の片傍かたわきだけが、に映った。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
身体は大きくないが、骨組はがつちりしてゐて、あご頬骨ほおぼねの張つてゐるあばたづらの老人が、老いさらばひ、夕闇に一人で飯を喰べて居る姿はさびしかつた。
上田秋成の晩年 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
彼の汗にまみれた額、青ざめた頬骨ほおぼね、猛悪な鋭い鼻、逆立った灰色のひげ、などが暁の初光にほの白く浮き出して、ガヴローシュはそれがだれであるかを見て取った。
それそれ俯向うつむいた頬骨ほおぼねがガッキととがって、あごくちばしのように三角なりに、口は耳まで真赤まっかに裂けて、色もはなだいろになって来た。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
クリストフの口は、霧にぬれたアーダの髪に触れ、彼女の眼や睫毛まつげや小鼻や脂肪太りの頬骨ほおぼねに接吻し、口の角に接吻し、くちびるを捜し求めて、そこにじっと吸いついた。
頬骨ほおぼねの高い、皮膚の黄ばんだ、いたいたしい首である。
忠義 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
幅の広い肩、大きな手、頬骨ほおぼねの高いあから顔。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
金色の顔色をした少女で、頬骨ほおぼねの肉が軽く薔薇ばら色を帯び、頬がふっくらとして、田舎いなか娘のような健康をもち、ややり返った小さな鼻、いつも半ば開いてる切れのいい大きな口
頬骨ほおぼねが出て、すっかり大人の顔である。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
という声濁りて、痘痕とうこんてる頬骨ほおぼね高き老顔の酒気を帯びたるに、一眼のいたるがいとものすごきものとなりて、とりひしぐばかり力をめて、お香の肩をつかみ動かし、
夜行巡査 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
頬骨ほおぼねが際立って高く見えた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
頬骨ほおぼねの高い、まゆい、いくらか南洋の血がまじっていそうな顔だちの、二十四五さいの青年が、ひざ両腕りょううでっぱり、気味のわるいほど眼をすえて、朝倉先生を見つめている。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
瀬川は四十を一つ二つ出たばかりで、あおみがかった色白のせ形で、たけも中ぐらいであったが、大きな目の感じが好い割に、頬骨ほおぼねあごが張り加減で、銀子もお世辞を言われて、少し胸の悪いくらいであった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
その道場の表札も古く黒ずんで、道場の主が果して何者であるやもよくわからなかったけれども、好きな道で我を忘れて武者窓から編笠越しにのぞき込むと、主座に坐っているのは五十ぐらいの年配で、色の少し黒い、頬骨ほおぼねがやや高くて、口は結んで
いきなりこぶしをかためて、電火のごとき力まかせに、グワンと相手の頬骨ほおぼねをなぐりつけていったが、なにをッ! と引っぱらって鞍馬くらまの竹童、パッと身をかわしたので、ふたりはすれちがいに位置を取りかえ、またそこで血ばしった眼をにらみ合った。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
上向うわむきになった大きな鼻頭はながしらと、出張った頬骨ほおぼねとが、彼の顔に滑稽こっけいの相を与えていたが、が高いのと髪の毛が美しいのとで、洋服を着たときの彼ののっしりしたいかつい姿が、どうかするとお島に頼もしいような心を抱かしめた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
これにてらてらと小春の日の光を遮って、やや蔭になった頬骨ほおぼねのちっと出た、目の大きい、鼻のたかい、背のすっくりした、人品に威厳のある年齢ねんぱい三十ばかりなるが、引緊ひきしまった口に葉巻をくわえたままで、今門を出て、刈取ったあとの蕎麦畠そばばたけに面した。
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)