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際限
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さいげん
ふりがな文庫
“
際限
(
さいげん
)” の例文
朝鮮牛
(
てうせんうし
)
が
大分
(
だいぶ
)
輸入
(
ゆにふ
)
されたが
狗
(
いね
)
ころの
樣
(
やう
)
な
身體
(
からだ
)
で
割合
(
わりあひ
)
に
不廉
(
たか
)
いからどうしたものだか
抔
(
など
)
といふことが
際限
(
さいげん
)
もなくがや/\と
大聲
(
おほごゑ
)
で
呶鳴
(
どな
)
り
合
(
あ
)
うた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
默
(
だま
)
つて
居
(
ゐ
)
ては
際限
(
さいげん
)
もなく
募
(
つの
)
つて
夫
(
そ
)
れは
夫
(
そ
)
れは
癖
(
くせ
)
に
成
(
な
)
つて
仕舞
(
しま
)
ひます、
第
(
だい
)
一は
婢女
(
をんな
)
どもの
手前
(
てまへ
)
奧樣
(
おくさま
)
の
威光
(
ゐくわう
)
が
削
(
そ
)
げて、
末
(
すゑ
)
には
御前
(
おまへ
)
の
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
く
者
(
もの
)
もなく
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そんなことをくりかえしているうちに、
泥堆
(
でいたい
)
の
返波
(
かえしなみ
)
がさわいでいるところへさしかかった。波に巻かれて、丸太が
際限
(
さいげん
)
もなくまわりだしてとまらない。
呂宋の壺
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
トランクの後を追って書きつけていると
際限
(
さいげん
)
がないので、しばらくトランクから離れた話をしようと思う。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
上
(
うえ
)
を
見
(
み
)
れば
限
(
かぎ
)
りもないが、
下
(
した
)
を
見
(
み
)
ればまだ
際限
(
さいげん
)
もないのです。
何事
(
なにごと
)
も
皆
(
みな
)
深
(
ふか
)
い
深
(
ふか
)
い
因縁
(
いんねん
)
の
結果
(
けっか
)
とあきらめて、お
互
(
たがい
)
に
無益
(
むやく
)
の
愚痴
(
ぐぢ
)
などはこぼさぬことに
致
(
いた
)
しましょう。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
錢形平次は
際限
(
さいげん
)
もなく浴びせ乍ら、滅茶々々に饒舌り捲つて二階中の客を沈默させてしまひました。
銭形平次捕物控:071 平次屠蘇機嫌
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのうちにくず
屋
(
や
)
は、「こうやって
文福
(
ぶんぶく
)
茶
(
ちゃ
)
がまのおかげでいつまでもお
金
(
かね
)
もうけをしていても
際限
(
さいげん
)
のないことだから、ここらで
休
(
やす
)
ませてやりましょう。」と
考
(
かんが
)
えました。
文福茶がま
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
しかも、北条遺産の没収地には、限りがあり、恩賞不足、あるいは、恩賞未受の人数には
際限
(
さいげん
)
がない。——
鈍
(
どん
)
な武士大衆も、ここへきてみな考えた。どう考え出したかといえば。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何時
(
いつ
)
まで
考
(
かんが
)
へて
居
(
を
)
つたとて
際限
(
さいげん
)
のない
事
(
こと
)
、
且
(
か
)
つは
此樣
(
こんな
)
に
夜
(
よ
)
を
更
(
ふ
)
かすのは
衞生上
(
ゑいせいじやう
)
にも
極
(
きわ
)
めて
愼
(
つゝし
)
む
可
(
べ
)
き
事
(
こと
)
と
思
(
おも
)
つたので
私
(
わたくし
)
は
現
(
げん
)
に
想像
(
さうぞう
)
の
材料
(
ざいりよう
)
となつて
居
(
を
)
る
古新聞
(
ふるしんぶん
)
をば
押丸
(
おしまろ
)
めて
部室
(
へや
)
の
片隅
(
かたすみ
)
へ
押遣
(
おしや
)
り
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
暗
(
くら
)
く
成
(
な
)
つたのは
夜
(
よる
)
だらう、
夜
(
よる
)
の
暗
(
くら
)
さの
広
(
ひろ
)
いのは、
田
(
た
)
か
畠
(
はたけ
)
か
平地
(
ひらち
)
らしい、
原
(
はら
)
かも
知
(
し
)
れない……
一目
(
ひとめ
)
其
(
そ
)
の
際限
(
さいげん
)
の
無
(
な
)
い
夜
(
よる
)
の
中
(
なか
)
に、
墨
(
すみ
)
が
染
(
にじ
)
んだやうに
見
(
み
)
えたのは
水
(
みづ
)
らしかつた……が、
水
(
みづ
)
でも
構
(
かま
)
はん
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ほんとうに! このとき指先でちょっと正九郎をつつく者があったら、
彼
(
かれ
)
は
腰
(
こし
)
を前に折ってげらげらと笑ったであろう。
際限
(
さいげん
)
もなく笑って、しまいには
垣根
(
かきね
)
の下にぶったおれたことであろう。
空気ポンプ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
そして此の氣懸が
際限
(
さいげん
)
も無く彼を惱す。で何うかすると
呆返
(
あきれかへ
)
つたやうに
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
いつ
陸
(
おか
)
へ上がれる事か分らない。そうしてどこへ行くのだか知れない。ただ黒い
煙
(
けぶり
)
を吐いて波を切って行く事だけはたしかである。その波はすこぶる広いものであった。
際限
(
さいげん
)
もなく
蒼
(
あお
)
く見える。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こんなことは
算
(
かぞ
)
えたてれば
際限
(
さいげん
)
もない。もっとひどいのになると、わざと私に過失をさせたり、自分でどうかしておいて、それを私の過失かのように言い張って、この同じ刑罰を私に加えるのだった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
遂
(
つひ
)
には
手
(
て
)
にした
鎌
(
かま
)
の
刄先
(
はさき
)
で
少
(
すこ
)
しづゝ
土
(
つち
)
をほじくりつゝ
女
(
をんな
)
は
白
(
しろ
)
い
手拭
(
てぬぐひ
)
の
端
(
はし
)
を
微動
(
びどう
)
させては
俯伏
(
つゝぷ
)
しなから
微笑
(
びせう
)
しながら
際限
(
さいげん
)
もなく
其處
(
そこ
)
に
凝然
(
ぢつ
)
として
居
(
ゐ
)
ようとする。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
私
(
わたくし
)
はその
当時
(
とうじ
)
を
憶
(
おも
)
い
出
(
だ
)
して、
覚
(
おぼ
)
えず
涙
(
なみだ
)
に
暮
(
く
)
れつつも、
近
(
ちか
)
く
訪
(
おとず
)
れるこちらの
世界
(
せかい
)
の
母
(
はは
)
がどんな
様子
(
ようす
)
をしていられるかを、あれか、これかと
際限
(
さいげん
)
もなく
想像
(
そうぞう
)
するのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
岡安の電気恐怖病症状については、この上述べると
際限
(
さいげん
)
がないので、この辺でよしたい。「俺は電気に殺されるに違いないんだ」と彼は
口癖
(
くちぐせ
)
のように言っていたもんだ。
電気看板の神経
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
長々と書くと
際限
(
さいげん
)
もありませんが、ざつと筋だけを通すと、その晩進藤勝之助は、深田琴吾、山家斧三郎の二人の惡者を取つて押へて、御隱殿裏の奧方の隱れ家に飛込んで來たのでした。
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
中には
活々
(
いき/\
)
と
青草
(
あをくさ
)
の
生
(
は
)
えている古い
頽
(
くづ
)
れかけた屋根を見える。屋根は恰で
波濤
(
なみ
)
のやうに高くなツたり低くなツたりして
際限
(
さいげん
)
も無く續いてゐた。日光の具合で、處々光ツて、そして
黯
(
くろ
)
くなツてゐる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
たがいに
際限
(
さいげん
)
もなくわらいころげたことだった。
川
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
それも
道理
(
だうり
)
雪
(
ゆき
)
の
夜道
(
よみち
)
押
(
お
)
してとは
言
(
い
)
ひかねて
心
(
こゝろ
)
ならねど
又
(
また
)
暫時
(
しばらく
)
二度目
(
にどめ
)
に
入
(
い
)
れし
茶
(
ちや
)
の
香
(
かを
)
り
薄
(
うす
)
らぐ
頃
(
ころ
)
になりても
音
(
おと
)
もなければ
今
(
いま
)
は
來
(
こ
)
ぬものか
來
(
く
)
るものか
當
(
あ
)
てにもならず
當
(
あ
)
てにして
何時
(
いつ
)
といふ
際限
(
さいげん
)
もなし
行
(
ゆ
)
き
違
(
ちが
)
ひになるともそれは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼等
(
かれら
)
はかうして
家
(
いへ
)
の
内
(
うち
)
から
聲
(
こゑ
)
を
立
(
た
)
てゝ
劇
(
はげ
)
しく
呼
(
よ
)
ばれるまでは
怖
(
おそ
)
れ/\も
際限
(
さいげん
)
のない
噺
(
はなし
)
に
耽
(
ふけ
)
るのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
諺
(
ことわざ
)
にも
上
(
うえ
)
には
上
(
うえ
)
とやら、一つの
神界
(
しんかい
)
の
上
(
うえ
)
には
更
(
さら
)
に一だん
高
(
たか
)
い
神界
(
しんかい
)
があり、その
又
(
また
)
上
(
うえ
)
にも一
層
(
そう
)
奥
(
おく
)
の
神界
(
しんかい
)
があると
言
(
い
)
った
塩梅
(
あんばい
)
に、どこまで
行
(
ゆ
)
っても
際限
(
さいげん
)
がないらしいのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
それから
際限
(
さいげん
)
もなく混亂が續きました。醫者が來る前に、呼び掛ける者、泣き叫ぶもの、水をかける者、
背中
(
せなか
)
を叩くもの、滅茶々々な介抱をしましたが、お百合はもう息を吹き返しさうもありません。
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その辯舌は
際限
(
さいげん
)
もなく發展するのです。
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“際限”の意味
《名詞》
物事の終わり。かぎり。はて。打ち消しを伴うことが多い。
(出典:Wiktionary)
際
常用漢字
小5
部首:⾩
14画
限
常用漢字
小5
部首:⾩
9画
“際”で始まる語句
際
際立
際涯
際物
際物屋
際会
際疾
際中
際敏
際無