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間柄
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あいだがら
ふりがな文庫
“
間柄
(
あいだがら
)” の例文
この
両人
(
ふたり
)
が卒然と
交
(
まじわり
)
を
訂
(
てい
)
してから、
傍目
(
はため
)
にも不審と思われるくらい
昵懇
(
じっこん
)
な
間柄
(
あいだがら
)
となった。運命は
大島
(
おおしま
)
の表と
秩父
(
ちちぶ
)
の裏とを縫い合せる。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
書くことが少し先走りしすぎたが、要するに、道江とぼくとの
間柄
(
あいだがら
)
は、どちらのがわからいっても、親類ないし友だち以上のものではない。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
決して
風波
(
ふうは
)
を起させないと云うのは、
畢竟
(
ひっきょう
)
養父母と養子との
間柄
(
あいだがら
)
の悪いのは養子の方の
不行届
(
ふゆきとどき
)
だと説を極めてたのでしょう。所が私は正反対で
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
愛情
(
あいじょう
)
の
伴
(
ともな
)
わぬ
冷
(
つめ
)
たい
夫婦
(
ふうふ
)
の
間柄
(
あいだがら
)
……
他人
(
ひと
)
さまのことは
存
(
ぞん
)
じませぬが、
私
(
わたくし
)
にとりて、それは、
世
(
よ
)
にも
浅
(
あさ
)
ましい、つまらないものでございました……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「どれ、その
根掛
(
ねが
)
けというのは。」といって、
老人
(
ろうじん
)
に
向
(
む
)
かって、
手
(
て
)
を
差
(
さ
)
し
出
(
だ
)
しました。たがいに
顔
(
かお
)
なじみの
間柄
(
あいだがら
)
である、
商売仲間
(
しょうばいなかま
)
だとわかりました。
らんの花
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
けれども、私の高慢と、彼の真実の威厳とは、いつも二人を「言葉をかわすくらいの
間柄
(
あいだがら
)
」にしていたのであった。
ウィリアム・ウィルスン
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
かの六月の夜が過ぎてからほどもなく木部と葉子とは恋という言葉で見られねばならぬような
間柄
(
あいだがら
)
になっていた。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「成程私は意久地なしだ、意久地なしに違いないが、しかしなんぼ叔母甥の
間柄
(
あいだがら
)
だと言ッて面と向ッて意久地なしだと言われては、腹も立たないが
余
(
あんま
)
り……」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
ほんとうに親一人子一人の
間柄
(
あいだがら
)
であったが、そういう間柄であればある程、あの妙な肉親憎悪とでもいう様な感情の為に、お
互
(
たがい
)
に何となく
隔意
(
かくい
)
を感じ合っていた。
夢遊病者の死
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
修験者は二三年
前
(
ぜん
)
から浦戸に来て、長者の家へ
出入
(
でいり
)
している者で、老人達とも親しい
間柄
(
あいだがら
)
でありました。
宇賀長者物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
けれどみなこういう気持でいることはよくお互いに知りきっている
間柄
(
あいだがら
)
だけにおのずとわかっていた。
涸沢の岩小屋のある夜のこと
(新字新仮名)
/
大島亮吉
(著)
悪右衛門
(
あくうえもん
)
が
驚
(
おどろ
)
いて
振
(
ふ
)
り
返
(
かえ
)
ると、それは
同
(
おな
)
じ
河内国
(
かわちのくに
)
の
藤井寺
(
ふじいでら
)
というお
寺
(
てら
)
の
和尚
(
おしょう
)
さんでした。そのお
寺
(
てら
)
は
石川
(
いしかわ
)
の
家
(
いえ
)
代々
(
だいだい
)
の
菩提所
(
ぼだいしょ
)
で、
和尚
(
おしょう
)
さんとは
平生
(
へいぜい
)
から大そう
懇意
(
こんい
)
な
間柄
(
あいだがら
)
でした。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
また小林は
予
(
かね
)
ての持論に、
仮令
(
たとい
)
如何
(
いか
)
に親密なる
間柄
(
あいだがら
)
たるも、決して、人の意を
枉
(
ま
)
げしめて、
己
(
おの
)
れの説に服従せしむるは、我の好まざる所、いわんやわれわれ計画する処の事は
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
三の重要な人物と
相識
(
そうしき
)
の
間柄
(
あいだがら
)
であるが、今や夫人はすこぶる重大な
訴訟
(
そしょう
)
を起していて、彼女自身の運命もまたその子女の運命も、かかってそれら人物の手中にあるというのである。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
……なあ、姉ちゃん、なんぼ親しい
間柄
(
あいだがら
)
かてこんなこというたら自分の恥やし、
愛憎
(
あいそ
)
つかされるかも分れへん思てじっと
辛抱
(
しんぼ
)
しててんけど、もうもう今日は何も彼もいうてしもてんし。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
太子の御父母も、御祖父母も、すべて蘇我家と親密な
間柄
(
あいだがら
)
にあり、太子の妃たる
刀自古郎女
(
とじこのいらつめ
)
もまた馬子の娘であった。同族をもって戦う悲痛はすでに青年の日に身をもって知っておられた。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
そんなことから、先生の深山理学士と生徒の白丘ダリアとは、何でもずかずかと云い合う
間柄
(
あいだがら
)
になった。しかしこの少女が、まだ十八歳であるとは、学士の容易に信じかねるところであった。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
久しぶりに君の顔を見た喜びも大きかったが、それよりも、君とマア坊が、まるで旧知の
間柄
(
あいだがら
)
のように、にこにこ笑って並んで歩いて来たのを見て、仰天したのだ。お
伽噺
(
とぎばなし
)
のような気がした。
パンドラの匣
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
船大工の与兵衛
老爺
(
おやじ
)
とこの船の船頭の助蔵とは、
入魂
(
じっこん
)
の
間柄
(
あいだがら
)
と見えました。
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
平生往来しない仲でも、僅か二年か三年に一遍ぐらいしか会わないでも、昔し親しくした
間柄
(
あいだがら
)
は
面
(
めん
)
と
対
(
むか
)
った時にいい知れないなつかしさがある。滅多に会わないでも永い別れとなると淋しい感がある。
鴎外博士の追憶
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
自分達夫婦の
間柄
(
あいだがら
)
を考えて見ても、そこに無理はないのだと思い返せないほど
理窟
(
りくつ
)
の
徹
(
とお
)
らない頭をもった津田では無論なかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうしますと、これまで
毎日
(
まいにち
)
、
仲
(
なか
)
むつまじく、
暮
(
く
)
らしていた
二人
(
ふたり
)
は、
敵
(
てき
)
、
味方
(
みかた
)
の
間柄
(
あいだがら
)
になったのです。それがいかにも、
不思議
(
ふしぎ
)
なことに
思
(
おも
)
われました。
野ばら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
……実は私は、女学校を卒業前後から、いつとはなしに、
恭一
(
きょういち
)
さんと私とは
許婚
(
いいなずけ
)
の
間柄
(
あいだがら
)
だとばかり信じて来ました。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
一体塾生の乱暴と云うものは
是
(
こ
)
れまで申した通りであるが、その塾生同士
相互
(
あいたがい
)
の
間柄
(
あいだがら
)
と云うものは
至
(
いたっ
)
て仲の
宜
(
よ
)
いもので、決して
争
(
あらそい
)
などをしたことはない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
お
二人
(
ふたり
)
が
果
(
はた
)
して
本当
(
ほんとう
)
に
御姉妹
(
ごきょうだい
)
の
間柄
(
あいだがら
)
なのか、それとも
豐玉姫
(
とよたまひめ
)
の
御分霊
(
ごぶんれい
)
が
玉依姫
(
たまよりひめ
)
でおありになるのか、
何
(
ど
)
うもその
辺
(
へん
)
がまだ
充分
(
じゅうぶん
)
私
(
わたくし
)
の
腑
(
ふ
)
に
落
(
お
)
ちないのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
それに、井関さんの
細君
(
さいくん
)
というのが又、非常な交際家で、私の家内のみならず、会員達の細君
連
(
れん
)
と大変親しくしていまして、お
互
(
たがい
)
に訪問をし合うような
間柄
(
あいだがら
)
になっていたのです。
覆面の舞踏者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
どうせ
此処
(
ここ
)
まで知れてしもた以上、自分と光子さんとの
間柄
(
あいだがら
)
納得さして、それ承認してくれたら、自分は夫大事にする、きっと夫婦仲も円満に行く、綿貫の奴どんな妨害したところで
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それを差し
措
(
お
)
いて里へ手紙をやる必要はほとんどあるまいとまで平生から信じていたお延は、筆を持ったまま、目下自分と津田との
間柄
(
あいだがら
)
は
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すべて
修行場
(
しゅぎょうば
)
は
人
(
ひと
)
によりてめいめい
異
(
ちが
)
う。
家屋
(
かおく
)
の
内部
(
なか
)
に
置
(
お
)
かるるものもあれば、
山
(
やま
)
の
中
(
なか
)
に
置
(
お
)
かるる
者
(
もの
)
もある。
親子
(
おやこ
)
夫婦
(
ふうふ
)
の
間柄
(
あいだがら
)
でも、一
所
(
しょ
)
には
決
(
けっ
)
して
住
(
す
)
むものでない。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
私達はそれを機縁に、それから
度々
(
たびたび
)
手紙のやり取りをした程の
間柄
(
あいだがら
)
となったのである。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
しまいには、
本名
(
ほんみょう
)
をいうよりか、
仲間
(
なかま
)
の
間柄
(
あいだがら
)
だけに、あだ
名
(
な
)
で
呼
(
よ
)
ぶほうが、
親
(
した
)
しみのあった
場合
(
ばあい
)
もあるが、そばを
通
(
とお
)
ったどらねこに、
石
(
いし
)
を
投
(
な
)
げるのが
遅
(
おそ
)
かったからといって、
心
(
こころ
)
から
軽蔑
(
けいべつ
)
した
意味
(
いみ
)
で
からす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
前にいえる棄てて顧みずとは、父子の
間柄
(
あいだがら
)
にても、その独立自由を妨げざるの趣意のみ。西洋書の内に、子生れてすでに成人に及ぶの後は、父母たる者は子に忠告すべくして命令すべからずとあり。
中津留別の書
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
従兄
(
いとこ
)
の
宅
(
うち
)
のつい
向
(
むこう
)
なので、両方のものが
出入
(
ではい
)
りのたびに、顔を合わせさえすれば
挨拶
(
あいさつ
)
をし合うぐらいの
間柄
(
あいだがら
)
であったから。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼女との
間柄
(
あいだがら
)
を、今まで通り混り気のないものにして置きたいと思うのである。
木馬は廻る
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
自分の
膝
(
ひざ
)
を突っつきながら、「なぜあいつに対して、そう改まってるんです。元から知ってる
間柄
(
あいだがら
)
じゃありませんか」と
冷笑
(
ひやか
)
すような
句調
(
くちょう
)
で云った。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
恐らくこれは栗原さんの取って置きの話の
種
(
たね
)
で、彼は誰にでも、そうした
打開
(
うちあ
)
け話をしても
差支
(
さしつかえ
)
のない
間柄
(
あいだがら
)
になると、
待兼
(
まちか
)
ねた様に、それを持出すのでありましょうが、私もある晩のこと
モノグラム
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
四人
(
よつたり
)
は
膳
(
ぜん
)
に向いながら話をした。お兼さんは佐野とはだいぶ心やすい
間柄
(
あいだがら
)
と見えて、時々向側から
調戯
(
からか
)
ったりした。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すべてこれらの諸点において、先生と
弟
(
てい
)
たりがたく
兄
(
けい
)
たりがたき
間柄
(
あいだがら
)
にありながら、しかも丁寧に頭を下げるのは、
逼
(
せ
)
まられて仕方なしに下げるのではない。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
昔はお辞儀の仕方が気に入らぬと刀の
束
(
つか
)
へ手をかけた事もありましたろうが、今ではたとい親密な
間柄
(
あいだがら
)
でも手数のかかるような
挨拶
(
あいさつ
)
はやらないようであります。
文芸と道徳
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
往来で行き会う時だけ、「好い御天気で」などと声をかけるくらいの
間柄
(
あいだがら
)
に過ぎなかったらしく思われる。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もし第二の親子という言葉が使えるなら、それは最も適切にこの二人の
間柄
(
あいだがら
)
を説明するものであった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私は兄さんのこの態度で
辟易
(
へきえき
)
するほどに臆病ではありませんでした。また思う事を云い
終
(
おお
)
せずに引込むほど
疎
(
うと
)
い
間柄
(
あいだがら
)
でもありませんでした。私は一歩前へ進みました。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私も多少知っている
間柄
(
あいだがら
)
だから気の毒に思って、職業は無いか職業は無いかぐらい人に尋ねて見るが、どこにもそう云う口が転がっていないので残念ながらまだそのままになっています。
道楽と職業
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私は意見の相違はいかに親しい
間柄
(
あいだがら
)
でもどうする事もできないと思っていましたから、私の家に出入りをする若い人達に助言はしても、その人々の意見の発表に
抑圧
(
よくあつ
)
を加えるような事は
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
余と銀杏返しの
間柄
(
あいだがら
)
にこんな
切
(
せつ
)
ない
思
(
おもい
)
はないとしても、二人の今の関係を、この詩の
中
(
うち
)
に
適用
(
あてはめ
)
て見るのは面白い。あるいはこの詩の意味をわれらの身の上に引きつけて解釈しても愉快だ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
同じく瓜と云う字のつく所を以て見ると南瓜も糸瓜も親類の
間柄
(
あいだがら
)
だろう。親類付合のある南瓜の句を糸瓜仏に奉納するのに別段の不思議もない
筈
(
はず
)
だ。そこで
序
(
ついで
)
ながら此句も霊前に献上する事にした。
『吾輩は猫である』中篇自序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
柄
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
“間”で始まる語句
間
間違
間際
間々
間諜
間近
間隙
間道
間隔
間髪