連中れんぢう)” の例文
みんな血走ちはしツてゐるか、困憊つかれきツた連中れんぢうばかりで、忍諸まご/″\してゐたらあご上がらうといふもんだから、各自てん/″\油斷ゆだんも何もありやしない。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
りながら外面おもて窮乏きうばふよそほひ、嚢中なうちうかへつあたゝかなる連中れんぢうには、あたまからこの一藝いちげいえんじて、其家そこ女房にようばう娘等むすめらいろへんずるにあらざれば、けつしてむることなし。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
千代ちいちやんあれなん学校がくかう御朋友おともだち随分ずゐぶん乱暴らんばう連中れんぢうだなアとあきれて見送みおく良之助りやうのすけより低頭うつむくお千代ちよ赧然はなじろめり
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
となりには麥打むぎうち連中れんぢうは、しづかになつたこちらのにはあざけるやうにさわいではまたさわぐのがきこえた。勘次かんじただちからきはめて蕎麥そばからつてつひに一ごんかなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
連中れんぢうの一挙一動を演芸以上の興味を以て注意してゐた三四郎は、此時急に原口流の所作がうらやましくなつた。あゝ云ふ便利な方法でひとそばる事が出来やうとは毫も思ひかなかつた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
もつとかれまへにもくるまつゞいた。爾時そのときはしうへをひら/\肩裾かたすそうすく、月下げつか入亂いりみだれて對岸たいがんわたつた四五にんかげえた。其等それら徒歩かちで、はやめに宴會えんくわいした連中れんぢう
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こつちのはうからつてる連中れんぢう保證ほしようしてくれてな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
金鍔きんつば二錢にひやく四個よんこあつた。四海しかいなみしづかにしてくるまうへ花見はなみのつもり。いやうもはなしにならぬ。が意氣いきもつてして少々せう/\工面くめんのいゝ連中れんぢうたれ自動車じどうしや……ゑんタクでもい。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
仔細しさいいて、めうよわはう味方みかたする、江戸えど連中れんぢうが、わたし會費くわいひすよ、あたいだつて。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一筆ひとふでつてる——(お約束やくそく連中れんぢうの、はやところとらへておけます。しかし、どれもつらつきが前座ぜんざらしい。眞打しんうちつてあとより。)——わたしはうまいなとつた。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其奴そいつ引捕ひつとらへてれようと、海陸軍かいりくぐん志願しぐわんで、クライブでん三角術さんかくじゆつなどをかうじて連中れんぢうが、鐵骨てつこつあふぎ短刀たんたうなどを持參ぢさん夜更よふけまで詰懸つめかける、近所きんじよ仕出屋しだしやから自辨じべん兵糧ひやうらう取寄とりよせる
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
うつははたとへ、ふたなしの錻力ブリキで、石炭せきたんくささいが、車麩くるまぶたの三切みきれにして、「おいた。まだ、そつちにもか——そらた。」で、帆木綿ほもめんまくしたに、ごろ/\した連中れんぢうくばつたにせよ。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
和蘭陀オランダのはさわがなかつたが、蕃蛇剌馬ばんじやらあまん酋長しうちやうは、おび手繰たぐつて、長劍ちやうけんつかけました。……のお夥間なかまです……ひと賣買うりかひをする連中れんぢうは……まあね、やり給仕きふじが、これあわてて受取うけとつたつて。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ふねくやうに連中れんぢう大手おほて眞中まんなか洋傘かうもり五色ごしきなみとほりました。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かうわし矢張やはりその、おい/\いた連中れんぢうでな、面目めんぼくもないこと。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)