“前座”の読み方と例文
読み方割合
ぜんざ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたしは朝寝坊夢楽という落語家の弟子となり夢之助と名乗って前座ぜんざをつとめ、毎月師匠の持席もちせきの変るごとに、引幕を萌黄もえぎ大風呂敷おおぶろしきに包んで背負って歩いた。
梅雨晴 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ヤレまた落語の前座ぜんざが言いそうなことを、とヒヤリとして、やっひとみさだめて見ると、美女たおやめ刎飛はねとんだステッキを拾って、しなやかに両手でついて、悠々ゆうゆうと立っている。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それから先はおれも知らねえ。おい、勘蔵。おれにばかりしゃべらせて、なぜ黙っているんだ。前座ぜんざはこのくらいで引きさがるから、あとは真打しんうちに頼もうじゃあねえか
半七捕物帳:29 熊の死骸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)