トップ
>
前座
>
ぜんざ
ふりがな文庫
“
前座
(
ぜんざ
)” の例文
わたしは朝寝坊夢楽という落語家の弟子となり夢之助と名乗って
前座
(
ぜんざ
)
をつとめ、毎月師匠の
持席
(
もちせき
)
の変るごとに、引幕を
萌黄
(
もえぎ
)
の
大風呂敷
(
おおぶろしき
)
に包んで背負って歩いた。
梅雨晴
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ヤレまた落語の
前座
(
ぜんざ
)
が言いそうなことを、とヒヤリとして、
漸
(
やっ
)
と
瞳
(
ひとみ
)
を
定
(
さだ
)
めて見ると、
美女
(
たおやめ
)
は
刎飛
(
はねと
)
んだ
杖
(
ステッキ
)
を拾って、しなやかに両手でついて、
悠々
(
ゆうゆう
)
と立っている。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それから先はおれも知らねえ。おい、勘蔵。おれにばかりしゃべらせて、なぜ黙っているんだ。
前座
(
ぜんざ
)
はこのくらいで引きさがるから、あとは
真打
(
しんうち
)
に頼もうじゃあねえか
半七捕物帳:29 熊の死骸
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「悔い改め」を宣べ伝えることは、神の国の福音を聴かせることの必要な準備でありまして、その意味において弟子たちの地方伝道はイエス御自身の伝道の適切な「
前座
(
ぜんざ
)
」でありました。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
その刻限になると、
前座
(
ぜんざ
)
の坊主が楽屋に来るが否や、どこどん/\と楽屋の太鼓を叩きはじめる。
雪の日
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
一筆
(
ひとふで
)
添
(
そ
)
つて
居
(
ゐ
)
る——(お
約束
(
やくそく
)
の
此
(
こ
)
の
連中
(
れんぢう
)
の、
早
(
はや
)
い
處
(
ところ
)
を
引
(
ひ
)
つ
捉
(
とら
)
へてお
目
(
め
)
に
掛
(
か
)
けます。しかし、どれも
面
(
つら
)
つきが
前座
(
ぜんざ
)
らしい。
眞打
(
しんうち
)
は
追
(
お
)
つて
後
(
あと
)
より。)——
私
(
わたし
)
はうまいなと
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
つた。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その刻限になると、
前座
(
ぜんざ
)
の坊主が楽屋に来るが否や、どこどんどんと楽屋の
太皷
(
たいこ
)
を叩きはじめる。
雪の日
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“前座”の意味
《名詞》
主役の前に出る人のこと。
落語家の身分の一つで、一番下位に当たる。
(出典:Wiktionary)
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
座
常用漢字
小6
部首:⼴
10画
“前座”で始まる語句
前座主