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転
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ころが
ふりがな文庫
“
転
(
ころが
)” の例文
旧字:
轉
口の中にかう言つて、かれは
僧衣
(
ころも
)
の上に
袈裟
(
けさ
)
をかけて、何年ともなく押入の中に空しく
転
(
ころが
)
つてゐた
鉄鉢
(
てつばつ
)
を手にして、そして出かけた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
と番頭の頭を
殴
(
う
)
つ、番頭も
怒
(
おこ
)
り出し、無茶苦茶に胸倉を取って表へ二人を突出し、ポンと
掛金
(
かきがね
)
をかけてしまう。叔母は地べたへ
転
(
ころが
)
り
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それから、私はガクガクする足を踏みしめながら、そこに
横
(
よこたわ
)
った兄の死体を側の古井戸まで
転
(
ころが
)
して行き、その底へと押しおとしました。
双生児:――ある死刑囚が教誨師にうちあけた話――
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
窟の中央の窪んだ処に
諧譃
(
おど
)
けた人物が寄つて、尖柱戯(向うに立てゝある
尖
(
とが
)
つた木の柱を、こちらから木の丸を
転
(
ころが
)
し掛けて倒す戯)
新浦島
(新字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
首は、鈍い音をたてて、彼の
足許
(
あしもと
)
に
転
(
ころが
)
った。次いで、首のない彼の身体は、
俵
(
たわら
)
を投げつけたように、どうとその場に地響をうって倒れた。
鬼仏洞事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
ちょうどその時、アアミンガアドは
寝台
(
ベット
)
から
転
(
ころが
)
り落ちそうになりました。向うから壁をコツ、コツと叩く音を聞いたからでした。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
バサリと音して、
一握
(
ひとにぎり
)
の綿が舞うように、むくむくと
渦
(
うずま
)
くばかり、枕許の棚をほとんど
転
(
ころが
)
って飛ぶのは、大きな、色の白い
蛾
(
ひとりむし
)
で。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして五六間来ると其処等の山から切出す
花崗石
(
みかげいし
)
の石材が路傍に五つ六つ
転
(
ころが
)
してあつた。四人はそれぞれ其上に腰掛けた。
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
みよちゃんはいつも種々な
玩具
(
おもちゃ
)
を持っていてそれを皆に貸すのであった。其日誰かが投げた毬は、ころころと
転
(
ころが
)
って池田さんの板塀の中に
入
(
はい
)
った。
少年の死
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
煙草盆はひっくりかえす、茶碗が
転
(
ころが
)
る、銚子は割れる、興奮のあまり刀を振りまわすこともあり、伊助の神経には
堪
(
た
)
えられぬことばかしであった。
蛍
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
怪我人はそう云って、もうこれ以上
喋
(
しゃべ
)
れないと云う風に、クッションへぐったりと
転
(
ころが
)
って、口を開け、眼を細くした。
白妖
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
寺田先生は、小浅間にのぼられる道々に
転
(
ころが
)
っている岩石の石片を眺められながら、これだけのことを考えられた。
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
雨
(
あま
)
あがりの
桟道
(
そばみち
)
にかけてある橋の板を踏すべらして、
崖
(
がけ
)
へ
転
(
ころが
)
り
陥
(
お
)
ちて
怪我
(
けが
)
をしてから、病院へ
担
(
かつ
)
ぎこまれて、間もなく死んでしまったと云うのであった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
小使
(
こづかい
)
のニキタは
相
(
あい
)
も
変
(
かわ
)
らず、
雑具
(
がらくた
)
の
塚
(
つか
)
の
上
(
うえ
)
に
転
(
ころが
)
っていたのであるが、
院長
(
いんちょう
)
の
入
(
はい
)
って
来
(
き
)
たのに
吃驚
(
びっくり
)
して
跳起
(
はねお
)
きた。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
銀色の玉が
転
(
ころが
)
り出るのを上手に扱うのです。
過
(
あやま
)
ったら大変です。そこら一面に銀色の小粒が拡がるのですから。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
こういう話ならいくつも
転
(
ころが
)
っていた。長兄もあの時、家屋の下敷から身を
匐
(
は
)
い出して立上ると、道路を隔てて向うの家の婆さんが下敷になっている顔を認めた。
廃墟から
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
西、
両国
(
りょうごく
)
、東、
小柳
(
こやなぎ
)
と呼ぶ呼出し
奴
(
やっこ
)
から
行司
(
ぎょうじ
)
までを皆一人で勤め、それから西東の相撲の手を代り代りに使い分け、
果
(
はて
)
は
真裸体
(
まっぱだか
)
のままでズドンと
土
(
どろ
)
の上に
転
(
ころが
)
る。
伝通院
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
袂
(
たもと
)
の中から記事文の下書きして置いた大半紙を抓み出し、ずんずんと裂きて
紙縷
(
こより
)
をよるに、意地わるの嵐またもや落し来て、立かけし傘のころころと
転
(
ころが
)
り
出
(
いづ
)
るを
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
我国にも
有形無形
(
うけいむけい
)
の
怪物
(
ばけもの
)
が
彼方
(
あっち
)
にも
此方
(
こっち
)
にもゴロリゴロリ
転
(
ころが
)
って世の中はまるで
百鬼夜行
(
ひゃっきやこう
)
の姿である。
大きな怪物
(新字新仮名)
/
平井金三
(著)
ゴットン、ゴットンという御輿の
転
(
ころが
)
される音は、遅くまで谷底の方で、地響のように聞えていた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
するとその拍子に、留吉の帽子が留吉の頭から飛去って、ころころと
転
(
ころが
)
ってゆきました。
都の眼
(新字新仮名)
/
竹久夢二
(著)
ガーエフは、緑色羅紗の上でおとなしく小さな白い球を
転
(
ころが
)
して一生を終った。今ロシア人は、ひろいグラウンドへ一つの大きい球をかっ飛ばし、それを追っかけ体ごところがり廻る。
シナーニ書店のベンチ
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
如何
(
いか
)
にも力なく風に吹かれて、
鉋屑
(
かんなくず
)
などのように
転
(
ころが
)
ってる侘しい落葉を表象させる。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
それから
凡
(
あら
)
ゆる智慧と経験に照らして土間に
転
(
ころが
)
つてゐた地金の屑をかき集め、
灼
(
や
)
き、打ち、又焼き又叩き、虹蓋の秘伝を自ら編み出さうと夜の目も寝ずに苦心に苦心を重ねたが、どう工夫し
名工出世譚
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
殊に西洋
戸前
(
とまえ
)
ある押入の中に堅く閉籠りし事なれば其戸を開く迄物音充分聞えずして目を覚さずに居たる者なり
夫
(
それ
)
は
扨置
(
さてお
)
き妾は施寧が躍出るを見て
転
(
ころが
)
る如くに二階を降しが、金起は流石に男だけ
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
いつも紅茶の
滓
(
かす
)
が溜っているピクニック用の湯沸器。
帙
(
ちつ
)
と離ればなれに
転
(
ころが
)
っている本の類。紙切れ。そしてそんなものを押しわけて敷かれている蒲団。喬はそんななかで
青鷺
(
あおさぎ
)
のように昼は寝ていた。
ある心の風景
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
併し挙止閑雅といふ語は、まだ日本語の洗礼を受けてゐないから、これはいけない。磊落といふ語も、さつぱりしたと云ふ意味ならば、日本語だが、石が
転
(
ころが
)
つてゐると云ふ意味ならば日本語ではない。
言文一致
(新字旧仮名)
/
水野葉舟
(著)
受信機のあった丁度真下と思われるところに、さきほど彼が点検したと同じ形の目盛盤が一個、腹をむけて
転
(
ころが
)
っていたのでした。
赤耀館事件の真相
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
おッ
魂消
(
たまげ
)
た司法主任が、夢中で廊下へ飛び出ると、二つの争う人影が、三号室の前で四ツに組んで
転
(
ころが
)
っている。
三狂人
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
桟橋
(
さんばし
)
は
即
(
すなわ
)
ち魚市場の荷上所で、魚形水雷みたいな
鰹
(
かつお
)
だとか、
腸
(
はらわた
)
の飛び出した、腐りかかった
鮫
(
さめ
)
だとかが、ゴロゴロと
転
(
ころが
)
り、磯の
香
(
か
)
と腐肉の
臭
(
におい
)
がムッと鼻をついた。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
苛
(
いら
)
つて、
恰
(
あたか
)
も
転
(
ころが
)
つて来て、
下
(
した
)
まぶちの、まつげを
侵
(
おか
)
さうとするのを、
現
(
うつつ
)
にも
睨
(
ね
)
めつける気で、
屹
(
きっ
)
と
瞳
(
ひとみ
)
を
据
(
す
)
ゑると、いかに、普通
見馴
(
みな
)
れた者とは大いに異り、
一
(
ひと
)
ツは
鉄
(
くろがね
)
よりも固さうな
蠅を憎む記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
併
(
しか
)
し仏壇ですから中から打付かるものは花立が倒れるとか、香炉が
転
(
ころが
)
るぐれえの事ですから、
気遣
(
きづけ
)
えはございません、嘘だと思召すなら丁度今途中で買って来た
才槌
(
せいづち
)
を持ってますから
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
錦を故郷に飾つた
例
(
ためし
)
はいくらも眼の前に
転
(
ころが
)
つて居るから、志を故郷に得ぬものや、
貧窶
(
ひんる
)
の
境
(
きやう
)
に
沈淪
(
ちんりん
)
して
何
(
ど
)
うにも
彼
(
か
)
うにもならぬ者や、自暴自棄に陥つた者や、
乃至
(
ないし
)
は青雲の志の烈しいものなどは
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
仲々
能
(
うま
)
く
計
(
たくん
)
だと思いましたが老人を殺せば倉子の亭主は疑いを受けて亡き者に成り其上老人の財産は倉子に
転
(
ころが
)
り
込
(
こん
)
で倉子は私しの妻に成ると云う趣向ですから石
一個
(
ひとつ
)
で鳥二羽を殺す様な者でした
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
金というものは、或人にとってはいくらでも無駄にごろごろ
転
(
ころが
)
っているものだ。或人にとってはそれは貴い労力の結晶なんだ。また或人にとっては如何なる額の汗を以てしても得られない宝なんだ。
生あらば
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
彼女は子供と溶け合ってぼんやり
転
(
ころが
)
っている。——
未開な風景
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
そのとき、強い風のため、みどりの
袂
(
たもと
)
から脱脂綿が吹き飛ばされると、コロコロと
転
(
ころが
)
って星尾の前に行ったのであろう。
麻雀殺人事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
竹の皮散り、貧乏徳利の
転
(
ころが
)
った中に、小一按摩は、夫人に
噛
(
かじ
)
りついていたのである。
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
汚い下宿の四畳半に
転
(
ころが
)
って、味気ない
其日
(
そのひ
)
其日を送って行かねばならないのです。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と云いながら死物狂に成って
上
(
のぼ
)
る処を、水棹で払われ、また続いて斬り掛けました事ゆえ、勇助も年が年なり、
数ヶ所
(
すかしょ
)
の手傷に
身体
(
しんたい
)
自由ならず、其の儘船の中へ
転
(
ころが
)
り込み、身を震わし
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
すると、三つ積んであるトランクの一番上のものが、ころころと下に
転
(
ころが
)
りおちた。すると、二つ重ねてあったトランクから、ぬっと人間の首が出た。
大使館の始末機関:――金博士シリーズ・7――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その
梢
(
こずえ
)
、この額と相対して、たとえば雪と花の縁を、右へ取り、舞台の正面、その明星と、大碧玉の照る処、京人形と木菟が、
玩弄品
(
おもちゃ
)
の
転
(
ころが
)
ったようになって拝んだあとで、床の霞に褄を軽く
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と云いさま
後
(
うしろ
)
へ飛び
退
(
さが
)
りながら細身の刀を引抜き、
刀脊打
(
みねうち
)
に原文の肩をドンと打ちましたが、腕が冴えておりますから余程
応
(
こた
)
えたと見えまして、アッと云って
転
(
ころが
)
りながら横道へバラ/″\と逃げる。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
大江山警部は、若い婦人の
屍体
(
したい
)
が
転
(
ころが
)
っているという二輌目の車輌の前へ、かけつけた。窓がパタリと開いて、多田刑事の泣いているような顔が出た。
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
南北
(
みなみきた
)
、
何方
(
どちら
)
か
医王山道
(
いおうざんみち
)
とでも
鑿
(
ほ
)
りつけてあればまだしもだけれど、
唯
(
ただ
)
河原に
転
(
ころが
)
っている、ごろた石の大きいような、その
背後
(
うしろ
)
から草の下に細い道があるんだもの、ちょいと間違えようものなら
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
嶮
(
けわ
)
しい坂でありますから踏み外してこれも
転
(
ころが
)
り落ちました。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そして函の中には、小さい薬びんが一つ
転
(
ころが
)
っていて、
栓
(
せん
)
の間から、酒がにじんで、ぷーんといいかおりを放っていた。
未来の地下戦車長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
キャッと云って
飛上
(
とびあが
)
った友だちと
一所
(
いっしょ
)
に、すぐ納戸の、父の寝ている所へ二人で
転
(
ころが
)
り込みました。これが第一時の出現で、
小児
(
こども
)
で邪気のない時の事ですから、これは時々、人に話した事がありますが。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
由「荷てえば大層
転
(
ころが
)
ってますね」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
驚いたのは、そればかりではありません。細田氏の
屍
(
かばね
)
の側には四角なテーブルが、対角線のところから三角形をなして真二つに割れて
転
(
ころが
)
っているのでした。
三角形の恐怖
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
転
常用漢字
小3
部首:⾞
11画
“転”を含む語句
転覆
移転
転々
寝転
転倒
転生
廻転
回転
運転手
突転
一等運転士
転寝
自転車
輾転
有為転変
転輾
化転
転手古舞
寐転
宛転
...