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ため
ふりがな文庫
“
試
(
ため
)” の例文
「へエ——さうすると、何時か見たいに、食はず飮まずで、人間は何里歩けるか、お前に
試
(
ため
)
させるんだ、てな事になりやしませんか」
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
親方は、一足はなれて、ほんとうにわたしの言ったとおりであるか、
試
(
ため
)
してみようとした。かれは両手をさし
延
(
の
)
べてへいにさわった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「どう考えても黒めが無暗にあの客人に吠えつくのがおかしい。どうも
徒事
(
ただごと
)
でねえように思われる。
試
(
ため
)
しに一つぶっ放してみようか。」
木曽の旅人
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いかにも眉唾な話だが下女払底の折から殊に人間に見られぬ神女が桂庵なしに奉公に押し掛け来るとはありがたいから一つ
試
(
ため
)
して見な。
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
ホーテンスは水戸の説に興味を覚えた、しかし
真逆
(
まさか
)
そのことが間もなく本当に水中に於て
試
(
ため
)
されようとは神ならぬ身の知る由もなかった。
地球発狂事件
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
▼ もっと見る
そればかりでなく、退屈なために、ふざけるために、またどこまで自分の力が及ぶかを
試
(
ため
)
すために、その危険な遊戯をやるようになった。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
女というものが日本とは違って考えられているらしい米国で、女としての自分がどんな位置にすわる事ができるか
試
(
ため
)
してみよう。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
窓の明りではない、それこそ弥陀本体の御光じゃ、尊い弥陀の示顕に
試
(
ため
)
されたのじゃ、その折に出た念仏こそ、
真
(
まこと
)
の念仏、生涯忘れまいぞ
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
汝
(
なんぢ
)
音
(
おと
)
にも
聞
(
き
)
きつらん、
予
(
よ
)
は
白山
(
はくさん
)
の
狩倉
(
かりくら
)
に、
大熊
(
おほくま
)
を
撲殺
(
うちころ
)
した
黒坂備中
(
くろさかびつちう
)
、
此
(
こ
)
の
方
(
はう
)
も
未
(
いま
)
だ
自分
(
じぶん
)
に
力
(
ちから
)
を
試
(
ため
)
さん、いざふれ
汝
(
なんぢ
)
と
力競
(
ちからくら
)
べをして
見
(
み
)
やうか。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
猫は別に
怒
(
おこ
)
る様子もなかった。
喧嘩
(
けんか
)
をするところを見た
試
(
ため
)
しもない。ただ、じっとして寝ていた。しかしその寝方にどことなく
余裕
(
ゆとり
)
がない。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこで
子家鴨
(
こあひる
)
は
試
(
ため
)
しに三
週間
(
しゅうかん
)
ばかりそこに
住
(
す
)
む
事
(
こと
)
を
許
(
ゆる
)
されましたが、
卵
(
たまご
)
なんか
一
(
ひと
)
つだって、
生
(
うま
)
れる
訳
(
わけ
)
はありませんでした。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
かれ身を固めず、ジュダの
試
(
ため
)
せし槍を
提
(
ひつさ
)
げてひとりかしこをいで、これにて突きてフィレンツェの腹を
壞
(
やぶ
)
らむ 七三—七五
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
... 何でも一度
試
(
ため
)
して御覧なさい」玉江嬢「ハイ致してみましょう。それからね、
先刻
(
さっき
)
お話し申しかけましたが老人や子供に食べさせるように牛肉を ...
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
しかしほんとうに約束があるか、どうか、其れは皆さんが自分で舞台へ出て、私の魔術を
試
(
ため
)
して御覧になれば分ります。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
私
(
わたし
)
は
危険区域
(
きけんくいき
)
の
線
(
せん
)
をこえない
範囲
(
はんい
)
でよくさう
云
(
い
)
ふ
風
(
ふう
)
な
悪戯
(
あくぎ
)
な
試
(
ため
)
しをするのであつたが、しかし
又
(
また
)
事実
(
じじつ
)
さうかも
知
(
し
)
れないと
思
(
おも
)
はれないこともなかつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
入学試験があるというのですが、千住の小学校を出たばかりで世間知らずで、物は
試
(
ため
)
しということがあるからと受験しましたら、合格したのでした。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
集めて
相談
(
さうだん
)
しける中長兵衞
心付
(
こゝろづ
)
き彼の
藥
(
くすり
)
を猫に
喰
(
くは
)
せて
試
(
ため
)
しけるに何の事もなければ是には何か
樣子
(
やうす
)
有
(
ある
)
べし我又
致方
(
いたしかた
)
有
(
あれ
)
ば
隨分
(
ずゐぶん
)
油斷
(
ゆだん
)
有
(
ある
)
べからずとて又七を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
○彼女はじっとして
居
(
い
)
られなくなった。何か
試
(
こころ
)
み
度
(
た
)
がっている。自分を
試
(
ため
)
して
見度
(
みた
)
がっている。自分の市場価値を。
現代若き女性気質集
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
どのみち、玉は出ぬとわかっているものを、さかしらだてて、
領収
(
うけとり
)
の、
試
(
ため
)
し射ちのと騒ぎまわる
爺
(
じじい
)
の気が知れない。
ひどい煙
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
童子
(
どうじ
)
はこういって、
大
(
おお
)
ぜいの
腰元
(
こしもと
)
や
家来
(
けらい
)
にいいつけて、
酒
(
さけ
)
さかなを
運
(
はこ
)
ばせました。
酒呑童子
(
しゅてんどうじ
)
はそれでもまだ
油断
(
ゆだん
)
なく、六
人
(
にん
)
の
山伏
(
やまぶし
)
を
試
(
ため
)
してみるつもりで
大江山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「
申歳
(
さるどし
)
の生れの廿三、運を一時に
試
(
ため
)
し相場をしたく思えど、貧者一銭の余裕もなく、我力にてはなしがたく、思いつきたるまま先生の教えをうけたくて」
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
広茫とした平野の中で、反響がどこまで行くかを
試
(
ため
)
さうとして。すると不意に、前の草むらが風に動いた。何物かの白い姿がそこにかくれてゐたのである。
田舎の時計他十二篇
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
それから——あァ
何
(
なん
)
だか
譯
(
わけ
)
が
解
(
わか
)
らなくなつて
了
(
しま
)
つた!
私
(
わたし
)
が
平常
(
ふだん
)
知
(
し
)
つてた
事
(
こと
)
を
皆
(
みな
)
知
(
し
)
つてるか
何
(
ど
)
うか
試
(
ため
)
して
見
(
み
)
やう。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「この刀を
試
(
ため
)
すことをいやがる机竜之助の気が知れぬ、と言って拙者の腕で試してみようという気にもならぬ」
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「いや有難う、どうにかなりませう。骨が折れたのぢやないんだから——なに、一寸
挫
(
くぢ
)
いたゞけです。」そして彼は、また立上つて、足の方を
試
(
ため
)
してみた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
まだ
試
(
ため
)
しずりを見ないからどういふ風に出来るか分らない。始めはもちの葉を克明に写して暗い背景としようと思つたが、あまり煩はしい故、藍一色にした。
本の装釘
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
二、三十
片
(
ペニヒ
)
で相当なものが吸われた。
馬車屋
(
クッチャー
)
や労働者の吸うもっと安い葉巻で、吸口の方に
藁切
(
わらぎ
)
れが飛び出したようなのがあったがその方は
試
(
ため
)
した事がない。
喫煙四十年
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
しかして若きダルガスのこの言を実際に
試
(
ため
)
してみましたところが実にそのとおりでありました。小樅はある程度まで大樅の成長を
促
(
うなが
)
すの
能力
(
ちから
)
を持っております。
デンマルク国の話:信仰と樹木とをもって国を救いし話
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
そして、どうでしょう、ペガッサスは帰って来たではありませんか! こうして
試
(
ため
)
してみた以上は、もうその翼のある馬にも逃げられる心配はなくなりました。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
「おまえの手であくかどうだか、まず
試
(
ため
)
してみろ」と、わたしも勇気を振るい起こして言った。「その間におれは鎧戸をあけて、外に何があるか見とどけるから」
世界怪談名作集:02 貸家
(新字新仮名)
/
エドワード・ジョージ・アール・ブルワー・リットン
(著)
下顎を突き出しながら、ちょっとの間それを見て、
切先
(
きっさき
)
を手にあてて
試
(
ため
)
してから、ジャケツの懐の中へ急いで隠すと、また元の場所へ戻って舷牆に
凭
(
もた
)
れかかった。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
僕
(
ぼく
)
と
松男君
(
まつおくん
)
はいつだったか、ろんよりしょうこ、ごんごろ
鐘
(
がね
)
がはたしてごんごろごろと
鳴
(
な
)
るかどうか
試
(
ため
)
しにいったことがある。
静
(
しず
)
かなときを
僕
(
ぼく
)
たちは
選
(
えら
)
んでいった。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
といって、いろいろと念仏信者の老人を
試
(
ため
)
したのです。すると老人の答えが実に振るっているのです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
そういう自分ひとりの問答のうちに、彼は急にテーブルの引き出しを開き、中に隠してあった料理用の長いナイフを取り出し、指の爪を切ってみてその刃を
試
(
ため
)
した。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
姫
(
ひめ
)
も
一時
(
いちじ
)
は
本物
(
ほんもの
)
かと
思
(
おも
)
つて
内々
(
ない/\
)
心配
(
しんぱい
)
しましたが、
火
(
ひ
)
に
燒
(
や
)
けないはずだから、
試
(
ため
)
して
見
(
み
)
ようといふので、
火
(
ひ
)
をつけさせて
見
(
み
)
ると、
一
(
ひと
)
たまりもなくめら/\と
燒
(
や
)
けました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
君の感情は蛮人のやうに新鮮で、君の魂はいつも鵞鳥の卵のやうに
牧草
(
まきくさ
)
と
地面
(
ぢべた
)
の間に転がつてゐた。君の感覚も神経も
其処
(
そこ
)
で自然のままに曝され
試
(
ため
)
され鋭く削られて来た。
愛の詩集:02 愛の詩集のはじめに
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
君の感情は蛮人のやうに新鮮で、君の魂はいつも鵞鳥の卵のやうに
牧草
(
まきくさ
)
と
地面
(
ぢべた
)
の間に転がつてゐた。君の感覚も神経も
其処
(
そこ
)
で自然のままに曝され
試
(
ため
)
され鋭く削られて来た。
愛の詩集:03 愛の詩集
(新字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
むかしむかし、あるところに
尻尾
(
しっぽ
)
の九本ある
古狐
(
ふるぎつね
)
がいました。古狐は、じぶんのおくさまが心がわりしたのではないかとうたぐって、おくさまを
試
(
ため
)
してみることにしました。
おくさま狐の御婚礼
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
彼
(
かれ
)
は、いまこそ
自分
(
じぶん
)
の
力
(
ちから
)
を
試
(
ため
)
すときだと
思
(
おも
)
って、
力
(
ちから
)
いっぱい
風
(
かぜ
)
と
波
(
なみ
)
とに
戦
(
たたか
)
ったのであります。
一本の銀の針
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
特殊
(
とくしゅ
)
な教育
環境
(
かんきょう
)
において練りあげたものを、世間という
普通
(
ふつう
)
の社会環境において
試
(
ため
)
そうというのが主目的であったが、また近県在住の第一回以来の
修了者
(
しゅうりょうしゃ
)
たちと親交を結び
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
何んなりとお
試
(
ため
)
しに勝手に彫って下さい。そうしてお気に入ったものが出来ましたら、手前の方へお廻し下さい。すると、手前の方では、象牙の値と、手間とを差し上げます。
幕末維新懐古談:39 牙彫りを排し木彫りに固執したはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
彼は競漕の間に自分の艇へ来ている敵の中堅がどれだけ漕力があるか
試
(
ため
)
そうと思って、ラストで思いきり急にピッチを上げて見た。そして敵手のなかなか侮れないのを知った。
競漕
(新字新仮名)
/
久米正雄
(著)
すぐ桑畑に分け入って、桑の虫を捕らえ、これを鈎にさして、
試
(
ため
)
しに沼へ放り込んでみた。入れて間もなく当たりがある。上げると七、八寸の大型の鮒だ。続いてまた当たりだ。
桑の虫と小伜
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
それよりも、皆別れ別れに、自分の近いと思う道を歩いて、銘々の運を
試
(
ため
)
して見ようか。
三人兄弟
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
ともかくそれは、デイモンの馬鹿さ加減を
試
(
ため
)
すのに丁度おもしろいと思ったからでした。
デイモンとピシアス
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
茫然
(
ぼうぜん
)
とした頭に、まだ他人の書いた文章を理解する力が残っているかどうか、それを
試
(
ため
)
してみるつもりだった。眼の前に
展
(
ひろ
)
げているのは、アナトール・フランスの短篇集だった。
死のなかの風景
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
「いや鏡葉之助殿、愚老毒などは差し上げません。どうぞ安心してお
試
(
ため
)
しくだされ」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
本の色彩をゴチヤゴチヤに積みあげて、一度この檸檬で
試
(
ため
)
して見たら。「さうだ」
檸檬
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
私はお前がそんなことを本気で云っているのかどうか
試
(
ため
)
すようにお前の顔を見た。
楡の家
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「じゃ、俺の方で
試
(
ため
)
しに啓けてみよう、お互いにいっしょにいられるようにな」
瞳人語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
試
常用漢字
小4
部首:⾔
13画
“試”を含む語句
試合
試験
試練
試驗
新刀試
嘗試
賭試合
迦畢試
試用
踏試
試薬
一寸試
競争試験
肝試
試煉
胆試
五分試
試胆
力試
学年試験
...