行列ぎょうれつ)” の例文
「きつねさん、あなたは、はたって、その行列ぎょうれつなかはいっていましたよ。わたしたちがやるときにも、どうかあのようにしてください。」
深山の秋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
昼間であると、このあたりは、まるで行列ぎょうれつが通っているのかと思うくらい、にぎやかな、そしていそがしそうな人通りがあった。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
食堂から寝室しんしつおごそかにやっていく時には、元気げんきのいい行進曲マーチそうした。時によっては、二人ふたりおとうとといっしょに行列ぎょうれつをつくった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
そんなことをイギリスじんはしりませんから、行列ぎょうれつをよこぎろうとしたのです。それを、ぶれいものというので、きりころしてしまいました。
するともなく比良ひらみねから三上山みかみやまにかけてなん千というたまあらわれ、それがたいまつ行列ぎょうれつのように、だんだんとこちらにかってすすんでました。
田原藤太 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
さて、それから、このりっぱな行列ぎょうれつが町を通ってお城へ向いました。町じゅうの人々はぞろぞろと見物に出て来ました。
すこしあとの文句もんくがすごいな——と蛾次郎は思ったが、卜斎はそういいのこすと、かれをおきのこしてそこをかけだし、石見守の行列ぎょうれつへついていった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
むらほうから行列ぎょうれつが、しんたのむねをりてました。行列ぎょうれつ先頭せんとうにはくろふくくろ帽子ぼうしをかむった兵士へいし一人ひとりいました。それが海蔵かいぞうさんでありました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
調度類ちょうどるい前以まえもっ先方せんぽうおくとどけていて、あとから駕籠かごにのせられて、おおきな行列ぎょうれつつくってんだまでのはなしで……しきはもちろん夜分やぶんげたのでございます。
居住区に入って行くと、通路の真中に卓を長くつらね、両側にそれぞれ皆腰かけ、卓の上は麦酒瓶ビールびん行列ぎょうれつであった。煙草の煙が奥深くこもり、瓶やコップの触れる音がかちかち響いた。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
足下あしもとには、広いしろ玩具おもちゃのように小さくなって、一足ひとあしまたげそうでした。にわもり城壁じょうへきほりなどが、一目ひとめに見て取れて、練兵場れんぺいじょう兵士へいしたちが、あり行列ぎょうれつくらいにしか思われませんでした。
強い賢い王様の話 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
ほんがみつかったので、講堂こうどうはしってかえると、もう生徒せいとらはおいのりの整列せいれつをしていた。せいじゅんなが行列ぎょうれつつくっているので、小さいのは前の方で聖像せいぞうに近く、大きいのはうしろに立っている。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
いまごろ、かね行列ぎょうれつが、まちとおるであろうひるすぎになって、まちへいこうとした、そのじぶんから、きゅうに天気てんきがあやしくなりました。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
徳川家とくがわけからでる和田呂宋兵衛わだるそんべえがきのう箱根はこねをとおった。お小姓こしょうとんぼぐみ連中れんじゅうがうつくしい行列ぎょうれつりこんでいった。菊池半助きくちはんすけがいった。やれだれがとおった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこまでると、行列ぎょうれつがとまってしまいました。先頭せんとう海蔵かいぞうさんがとまったからです。学校がっこうかえりのちいさい子供こども二人ふたり井戸いどからみずんで、のどをならしながら、うつくしいみずをのんでいました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
薩摩さつま(いまの鹿児島県かごしまけん)のとのさまの行列ぎょうれつが、江戸えどをたってくにへかえることになり、東海道とうかいどう生麦村なまむぎむら(いまは横浜市内よこはましない)をとおっていたとき、横浜よこはまにきていたイギリスじんがうまにのってやってきて
すると、その行列ぎょうれつは、だんだんおじいさんのほうちかづいてきました。それは、魔物まもの行列ぎょうれつでも、また、きつねの行列ぎょうれつでもなんでもありません。
雪の上のおじいさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
不首尾ふしゅびながら、翌日よくじつは、大久保長安おおくぼながやすはふもとの町から甲府こうふへかえる行列ぎょうれつ仕立したてた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
体操たいそうこうになっているだけで、あとはずっとおつ行列ぎょうれつでありました。二郎じろうちゃんは、おしどりが行儀ぎょうぎよくならんでいるので、おかしくなりました。
小さな妹をつれて (新字新仮名) / 小川未明(著)
いま、あの小鳥ことりはなしたことをかなかったのですか。まちには、にぎやかな行列ぎょうれつとおるというし、みなとには、おおきな汽船きせんがきているということでした。
風船球の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しろふくあおふくしろ帽子ぼうし水色みずいろ帽子ぼうし、ようすはいろいろでありましたが、いずれもちいさくてぴちぴちしていて、お人形にんぎょう行列ぎょうれつのようにられました。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
毎日まいにちのように、個人こじんとなく、団体だんたいとなく、みまうひとえないので、こうした行列ぎょうれつめずらしくなかったが、このあついのに、よくきてくれたと、ほそくして
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじいさんは、このとしになるまで、まだこんなみごとな行列ぎょうれつたことがなかったのです。これはけっして人間にんげん行列ぎょうれつじゃない。魔物まものか、きつねの行列ぎょうれつであろう。
雪の上のおじいさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
このやま獣物けものたちは、いざるの指揮しきしたがって、行列ぎょうれつととのえて、みねからみねへとってあるきました。
深山の秋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けれど、このむしのはうようなのろい行列ぎょうれつは、すすめも、まれも、おかまいなしにあるくよりは、どうすることもできなかったので、やはり、のろのろとあるいていました。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
やがてあるまちへくると、あちらから、ひろめ行列ぎょうれつがきた。車引くるまひきもおとこもぼんやりとまってともにとれているひまに、乞食こじきくるまびおりて、むらかえってしまった。
つばめと乞食の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いま、あちらのまちうえんできますと、にぎやかな行列ぎょうれつがゆきました。おまつりがあるのでしょう……。また、あちらのみなとへは、おおきな汽船きせんがきてまっています。それは、りっぱなふねでした。
風船球の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
先頭せんとうには、かわいらしいうさぎが、つぎにおおかみが、そして、徳利とくりったくまが、きつねが、りすが、という順序じゅんじょに、ちょうど、さるが、いわうえた、天上てんじょう行列ぎょうれつそのままであったのです。
深山の秋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かわいらしい、かわいらしいおおぜいの子供こども行列ぎょうれつなのでありました。
雪の上のおじいさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
こう一さん、ばんにチンドン行列ぎょうれつがあってよ。」と、らせました。
真昼のお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
おたまのことは、わすれられないけれど、つい、自分じぶんもかねさんといっしょにチンドン行列ぎょうれつになって、みちのくぼみのみずたまりをけながら、二人ふたりは、まちほうかってあるいたのでした。
真昼のお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)