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消
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きえ
ふりがな文庫
“
消
(
きえ
)” の例文
凡
(
およそ
)
雪九月末より
降
(
ふり
)
はじめて雪中に春を
迎
(
むかへ
)
、正二の月は雪
尚
(
なほ
)
深
(
ふか
)
し。三四の月に
至
(
いた
)
りて次第に
解
(
とけ
)
、五月にいたりて雪全く
消
(
きえ
)
て
夏道
(
なつみち
)
となる。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
落し娘兩人は苦界へ
沈
(
しづ
)
み夫のみ成らで其身まで此世の
縁
(
えに
)
し淺草なる此
中田圃
(
なかたんぼ
)
の露と共に
消
(
きえ
)
て行身の
哀
(
あは
)
れさは
譬
(
たと
)
ふるものぞなかりける
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
十二月に
御嶽
(
おんたけ
)
の雪は消ゆる事もあれ
此念
(
このおもい
)
は
消
(
きえ
)
じ、アヽ
否
(
いや
)
なのは岩沼令嬢、恋しいは花漬売と
果
(
はて
)
は
取乱
(
とりみだ
)
して男の
述懐
(
じゅっかい
)
。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
... それで私が不動様を一心に念ずると其怨霊がだん/\
消
(
きえ
)
て
無
(
なく
)
なります。それにね、』と、母は
一増
(
ひとしお
)
声を潜め『この
頃
(
ごろ
)
は其怨霊が信造に取ついたらしいよ。』
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
身体の重サと落て来る勢いでメリ/\と
凹込
(
めりこ
)
む、上から血眼で
降
(
おり
)
て来て抱起すまでには
幾等
(
いくら
)
かの手間が有る其中に血が尽きて、
膨上
(
ふくれあが
)
るだけの勢が
消
(
きえ
)
たのです
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
▼ もっと見る
われ主家を出でしより、到る処の犬と
争
(
あらそい
)
しが、かつて
屑
(
もののかず
)
ともせざりしに。
饑
(
うえ
)
てふ敵には勝ちがたく、かくてはこの原の露と
消
(
きえ
)
て、
鴉
(
からす
)
の
餌
(
えじき
)
となりなんも知られず。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
お帰りのあとはいつも火の
消
(
きえ
)
たようですが、この時の事は、村のものの一年中の話の種になって、あの時はドウであった、コウであったのと
雑談
(
ぞうだん
)
が、始終尽ない位でした。
忘れ形見
(新字新仮名)
/
若松賤子
(著)
或
(
あるひ
)
は
其頃
(
そのころ
)
の
威勢
(
めをひ
)
は
素晴
(
すばら
)
しきものにて、いまの
華族
(
くわぞく
)
何
(
なん
)
として
足下
(
あしもと
)
へも
依
(
よ
)
らるゝ
物
(
もの
)
でなしと、
口
(
くち
)
濘
(
すべ
)
らして
遽
(
あわたゞ
)
しく
唇
(
くちびる
)
かむもをかし、
夫
(
それ
)
に
比
(
くら
)
べて
今
(
いま
)
の
活計
(
くらし
)
は、
火
(
ひ
)
の
消
(
きえ
)
しも
同
(
おな
)
じことなり
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
草鞋
(
わらじ
)
を算段してくれと云う、女房不審に思ううち、夢が
消
(
きえ
)
てしまった、大方夫婦の情で案じているから、こんな夢を見るのだろうと思いおりしに、翌晩から同じ刻限に三晩続け
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
纔
(
わずか
)
に乳房から下の胴体と両脚とを包んで居る真黒な服の地にさえも、其れ等が一面に縫い込んであると見えて、体を
捻
(
ひね
)
らせる
度毎
(
たびごと
)
に、光りの玉が
彼方
(
あっち
)
に
消
(
きえ
)
たり
此方
(
こっち
)
に
殖
(
ふ
)
えたりする。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
悔
(
くい
)
というかたちもないものの中へ押込めてしまって、長い一生を、
凝
(
じ
)
っと、
消
(
きえ
)
てしまった故人の、恋心の中へと
突
(
つき
)
進めてゆかせようとするのを、私は何とも形容することの出来ない
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ポッと雲の形があらわれたかと思うと、それが次第に大きく、長く、明らかに見えて南へ動くに
随
(
したが
)
って
消
(
きえ
)
て行く。すると
復
(
ま
)
た、第二の雲の形が同一の位置にあらわれる。そして同じように展開する。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
こんな、
寂
(
さび
)
しい
時
(
とき
)
の、
可恐
(
こは
)
いものにはね、
鎧
(
よろひ
)
なんか
着
(
き
)
たつて
叶
(
かな
)
はないや……
向
(
むか
)
つて
行
(
ゆ
)
きや、
消
(
きえ
)
つ
了
(
ちま
)
ふんだもの……
此
(
これ
)
から
冬
(
ふゆ
)
の
中頃
(
なかごろ
)
に
成
(
な
)
ると、
軒
(
のき
)
の
下
(
した
)
へ
近
(
ちか
)
く
來
(
く
)
るつてさ、あの
雪女郎
(
ゆきぢよらう
)
見
(
み
)
たいなもんだから
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
移
(
うつり
)
行くもの
消
(
きえ
)
行くものゝ
中
(
うち
)
にありて
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
松笠の火は
消
(
きえ
)
やすき涼みかな 萬風
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
春の頃野山の
樹木
(
きゞ
)
の下
枝
(
え
)
は雪にうづもれたるも
稍
(
こずゑ
)
は雪の
消
(
きえ
)
たるに、シガのつきたるは玉もて作りたる
枝
(
えだ
)
のやうにて見事なるものなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
離婚した
処
(
ところ
)
で
生
(
うみ
)
の母が父の
仇
(
あだ
)
である事実は
消
(
きえ
)
ません。離婚した
処
(
ところ
)
で妹を妻として愛する僕の愛は変りません。
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
ば歸りて
飮
(
のま
)
せる樣に
爲
(
な
)
し置立出んとなせし時
如何
(
いかゞ
)
しけん風も無に今
燈
(
とも
)
したる行燈の
灯
(
ひ
)
の
不※
(
ふと
)
消
(
きえ
)
ければ心
宜
(
よか
)
らぬ事とは思ひながらも又元の如く灯を
燈
(
とも
)
し門の戸を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
頓
(
やが
)
てそれがハラハラと四方に飛散する
状
(
さま
)
は、
恰
(
あたか
)
も線香花火の
消
(
きえ
)
るようであった、雨は
篠
(
しの
)
を
束
(
つか
)
ねて
投
(
なぐ
)
る如きドシャ降り、刻限は午前二時だ、僕ならずとも誰でもあまり
感心
(
かんしん
)
はしまい。
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
あれ程
有
(
あり
)
し雪も大抵は
消
(
きえ
)
て
仕舞
(
しまい
)
ました、
此頃
(
このごろ
)
の天気の
快
(
よ
)
さ、旅路もさのみ苦しゅうはなし
其道
(
そのみち
)
勉強の
為
(
ため
)
に諸国
行脚
(
あんぎゃ
)
なさるゝ身で、今の時候にくすぶりて
計
(
ばか
)
り居らるるは損という者
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「こんな、
寂
(
さび
)
しい時の、
可恐
(
こわ
)
いものにはね、鎧なんか着たって叶わないや……向って行きゃ、
消
(
きえ
)
っ
了
(
ちま
)
うんだもの……これから冬の中頃になると、軒の下へ近く来るってさ、あの
雪女郎
(
ゆきじょろう
)
見たいなもんだから、」
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
春の頃野山の
樹木
(
きゞ
)
の下
枝
(
え
)
は雪にうづもれたるも
稍
(
こずゑ
)
は雪の
消
(
きえ
)
たるに、シガのつきたるは玉もて作りたる
枝
(
えだ
)
のやうにて見事なるものなり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
よもや忘れは成るまじとかき
口説
(
くどか
)
れて千太郎は何と答へも
面目
(
めんぼく
)
なく
消
(
きえ
)
も入たき
風情
(
ありさま
)
なり
稍
(
やゝ
)
有
(
あつ
)
て久八に向ひ段々の
異見
(
いけん
)
我が
骨身
(
ほねみ
)
に
徹
(
こた
)
へ今更
詫
(
わび
)
んも樣なし以後は心を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
あるに
甲斐
(
かい
)
なく世を
経
(
ふ
)
れば貧には運も
七分
(
しちぶ
)
凍
(
こお
)
りて
三分
(
さんぶ
)
の未練を命に
生
(
いき
)
るか、
噫
(
ああ
)
と
計
(
ばか
)
りに
夢現
(
ゆめうつつ
)
分
(
わか
)
たず珠運は
歎
(
たん
)
ずる時、雨戸に雪の音さら/\として、火は
消
(
きえ
)
ざる
炬燵
(
こたつ
)
に足の先
冷
(
つめた
)
かりき。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
春の雪は
消
(
きえ
)
やすきをもつて
沫雪
(
あわゆき
)
といふ。
和漢
(
わかん
)
の春雪
消
(
きえ
)
やすきを
詩哥
(
しいか
)
の
作為
(
さくい
)
とす、
是
(
これ
)
暖国
(
だんこく
)
の事也、寒国の雪は
冬
(
ふゆ
)
を
沫雪
(
あわゆき
)
ともいふべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
我国の雪
里地
(
さとち
)
は三月のころにいたれば
次第
(
しだい
)
々々に
消
(
きえ
)
、
朝
(
あさ
)
々は
凍
(
こほる
)
こと鉄石の如くなれども、
日中
(
ひなか
)
は上よりも下よりもきゆる。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
山々の
喬木
(
たかきき
)
も春二月のころは雪に
埋
(
うづま
)
りたるが
梢
(
こずゑ
)
の雪は
稍
(
やゝ
)
消
(
きえ
)
て
遠目
(
とほめ
)
にも見ゆる也。此時
薪
(
たきゞ
)
を
伐
(
きる
)
に
易
(
やす
)
ければ
農人等
(
のうにんら
)
おの/\
輴
(
そり
)
を
拖
(
ひき
)
て山に入る、或はそりをば
麓
(
ふもと
)
に
置
(
おく
)
もあり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
消
常用漢字
小3
部首:⽔
10画
“消”を含む語句
消息
消魂
魂消
消耗
消費
消光
消化
消失
吹消
消印
消防
費消
打消
消防夫
消々
消磨
押魂消
罪障消滅
帳消
消毒
...