とはいったが、それもお松には、一時の気休め言葉のように思われて、自分の部屋へ転げこむと、金包を抱いて散々に泣きました。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
小桜姫物語:03 小桜姫物語 (新字新仮名) / 浅野和三郎(著)
けれども君の手紙に依れば、君は散々の恥辱を与えられたという事になって居りました。嘘ばかり言っている。君は、ことさらに自分を惨めに書く事を好むようですね。やめるがよい。
幕末維新懐古談:18 一度家に帰り父に誡められたはなし (新字新仮名) / 高村光雲(著)
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
君も散々聞かされた……そこで卒業と同時に、火の玉のようになって日本を飛び出して朝鮮に渡ったのが、ちょうど水産調査所官制が公布された明治二十六年の春だったが
小桜姫物語:03 小桜姫物語 (新字新仮名) / 浅野和三郎(著)
毎夜、一旦、ここへ集まって踊りの音頭を揃えた連中が、散々に踊り抜いて、おのおのその土地土地へ踊りながら帰る。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
餌を一つやるにも、思う存分芸当をやらせて、散々楽しんでから、やっと投げ与えるという風で、非常に面白いものだから、私はニヤニヤ笑いながら、いつまでもそれを見物していた。
目羅博士の不思議な犯罪 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
散々に井戸へ当り散らした神尾主膳は、投げ捨てた槍を拾い取って、この土蔵をめがけて突進して来ました。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「愈々俺は道化役者だ。まさか最初の発見者が百姓の小せがれだろうとは思っても見なかった。これで散々こいつらのおもちゃになって、珍妙な恥さらしを演じて、それでおしまいか」