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まるた
ふりがな文庫
“
丸太
(
まるた
)” の例文
丸太
(
まるた
)
ん
棒
(
ぼう
)
を立てて、そのいちばん下を力いっぱい
払
(
はら
)
ったのと変わらない。モンクスは自分の足を上に、ずでーんとたたきつけられた。
柔道と拳闘の転がり試合
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
この蟹は
螯脚
(
こうきゃく
)
がむやみと大きく、それが小さい
甲羅
(
こうら
)
から二本ぬっと出ている姿は、まるで
団子
(
だんご
)
に
丸太
(
まるた
)
をつきさしたような
恰好
(
かっこう
)
である。
南画を描く話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
翌日
(
よくじつ
)
見まわると、ロボの
足跡
(
あしあと
)
はわなからわなへと続いていたが、わなはみなほじり出されて、
鉄鎖
(
てっさ
)
も
丸太
(
まるた
)
もむきだしになっている。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
金兵衛は小刻みに走り出したが、
下立売
(
しもたてうり
)
から
丸太
(
まるた
)
町を抜けて、所司代の番士のお長屋の、塀の側まで間もなく来た。と、お粂が立っていた。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「さっきね
丸太
(
まるた
)
ん
棒
(
ぼう
)
のようなものを持ってね、ここを通ったから声をかけるとね、おれは大どろぼうを打ち殺しにゆくんだといってたっけ」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
▼ もっと見る
それは
丸太
(
まるた
)
を
切
(
き
)
り
組
(
く
)
んで
出来
(
でき
)
た、やっと
雨露
(
うろ
)
を
凌
(
しの
)
ぐだけの、
極
(
きわ
)
めてざっとした
破屋
(
あばらや
)
で、
広
(
ひろ
)
さは
畳
(
たたみ
)
ならば二十
畳
(
じょう
)
は
敷
(
し
)
ける
位
(
くらい
)
でございましょう。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
茶
(
ちゃ
)
と
桑
(
くわ
)
と二方を
劃
(
しき
)
った畑の一部を無遠慮に踏み固めて、
棕櫚縄
(
しゅろなわ
)
素縄
(
すなわ
)
で
丸太
(
まるた
)
をからげ組み立てた十数間の
高櫓
(
たかやぐら
)
に人は居なかった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
まっ赤なシャツの骸骨男は、丸い演技場のむこうのはしまで走っていくと、そこにさがっている長い
丸太
(
まるた
)
にとびつきました。
サーカスの怪人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
十二代
(
じゆうにだい
)
景行天皇
(
けいこうてんのう
)
が、
筑紫
(
つくし
)
の
高田
(
たかだ
)
の
行宮
(
あんぐう
)
に
行幸
(
ぎようこう
)
されたときには、
長
(
なが
)
さ
九千七百尺
(
きゆうせんしちひやくしやく
)
のその
丸太
(
まるた
)
が、
橋
(
はし
)
になつて
懸
(
かゝ
)
つてゐました。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
その小屋は
丸太
(
まるた
)
やしばをつかねて
造
(
つく
)
ったもので、屋根も木のえだのたばを
積
(
つ
)
み重ねて、雪が間から流れこまないように
固
(
かた
)
くなわでしめてあった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
第一幕と同じさびしき
浜辺
(
はまべ
)
。
熊野権現
(
くまのごんげん
)
の前。横手に
貧
(
まず
)
しき森。その一端に荒き
丸太
(
まるた
)
にてつくれる形ばかりの
鳥居
(
とりい
)
見ゆ。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
「ああ、それで、
矢来
(
やらい
)
にする竹や
丸太
(
まるた
)
や、
獄門台
(
ごくもんだい
)
をつくる
道具
(
どうぐ
)
をかついで、みんながさっき向こうへいったんだな」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そういいながら吉は釣瓶の尻の重りに
縛
(
しば
)
り
付
(
つ
)
けられた
欅
(
けやき
)
の
丸太
(
まるた
)
を取りはずして、その代わり石を縛り付けた。
笑われた子
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
軈
(
やが
)
て
又
(
また
)
例
(
れい
)
の
木
(
き
)
の
丸太
(
まるた
)
を
渡
(
わた
)
るのぢやが、
前刻
(
さつき
)
もいつた
通
(
とほり
)
草
(
くさ
)
のなかに
横倒
(
よこだふ
)
れになつて
居
(
ゐ
)
る、
木地
(
きぢ
)
が
恁
(
か
)
う
丁度
(
ちやうど
)
鱗
(
うろこ
)
のやうで
譬
(
たとへ
)
にも
能
(
よ
)
くいふが
松
(
まつ
)
の
木
(
き
)
は
蝮
(
うわばみ
)
に
似
(
に
)
て
居
(
ゐ
)
るで。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その音は自分の足の下で起ったのか、頭の上で起ったのか、尻を
懸
(
か
)
けた
丸太
(
まるた
)
も、黒い
天井
(
てんじょう
)
も一度に
躍
(
おど
)
り上ったから、分からない。自分の
頸
(
くび
)
と手と足が一度に動いた。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
千住
(
せんじゅ
)
の
大橋
(
おおはし
)
で真ん中になる
丸太
(
まるた
)
を四本、お祭りの
竿幟
(
のぼり
)
にでもなりそうな素晴らしい丸太を一本一円三、四十銭位で買う、その他お好み次第の材料が安く手に這入りました。
幕末維新懐古談:63 佐竹の原へ大仏を拵えたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
晝飯が終ると三人は又手に/\
得物
(
えもの
)
を持つて出かけて行く。夕餉の膳に對して彼等の口は際限もなく動く。而して夜が彼等を
丸太
(
まるた
)
のやうに次ぎの朝まで深い眠りに誘ひ込む。
小さき影
(旧字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
ごんごろ
鐘
(
がね
)
をおろすのは、
庭師
(
にわし
)
の
安
(
やす
)
さんが、
大
(
おお
)
きい
庭石
(
にわいし
)
を
動
(
うご
)
かすときに
使
(
つか
)
う
丸太
(
まるた
)
や
滑車
(
せみ
)
を
使
(
つか
)
ってやった。
若
(
わか
)
い
人達
(
ひとたち
)
が
手伝
(
てつだ
)
った。
馴
(
な
)
れないことだからだいぶん
時間
(
じかん
)
がかかった。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
與吉
(
よきち
)
は
其
(
そ
)
の
不自由
(
ふじいう
)
な
手
(
て
)
から
燐寸
(
マツチ
)
を
奪
(
うば
)
ふやうにして
火
(
ひ
)
を
點
(
つ
)
けて
見
(
み
)
た。
卯平
(
うへい
)
は
與吉
(
よきち
)
のする
儘
(
まゝ
)
にして、
丸太
(
まるた
)
の
端
(
はし
)
を
切
(
き
)
り
放
(
はな
)
した
腰掛
(
こしかけ
)
に
身體
(
からだ
)
を
据
(
す
)
ゑて
其
(
そ
)
の
窶
(
やつ
)
れた
軟
(
やはら
)
かな
目
(
め
)
を
蹙
(
しか
)
めて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
いままでに、こんな小屋は見たことがありません!
壁
(
かべ
)
は、
丸太
(
まるた
)
が二列にならんでいるだけで、すぐそれから屋根になっています。
天井張
(
てんじょうば
)
りがないために、
棟木
(
むなぎ
)
までも見えます。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
それも製作技術の智慧からではあるが、
丸太
(
まるた
)
を組み、
割竹
(
わりだけ
)
を編み、紙を
貼
(
は
)
り、色を
傅
(
つ
)
けて、インチキ大仏のその眼の
孔
(
あな
)
から
安房
(
あわ
)
上総
(
かずさ
)
まで見ゆるほどなのを
江戸
(
えど
)
に作ったことがある。
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「カワタ」の「タ」は
弟人
(
おとうと
)
をオトト、
素人
(
しろうと
)
をシロトという如く、
皮人
(
かわうと
)
をカワトと
約
(
つづ
)
め、それがカワタと訛ったものか、或いは
番太
(
ばんた
)
・
売女
(
ばいた
)
・
丸太
(
まるた
)
・ごろた(丸くごろごろする石)などの「タ」の如く
エタ源流考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
「この
頃
(
ごろ
)
は
鯔
(
ぼら
)
と
丸太
(
まるた
)
が食うそうだ」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
軈
(
やが
)
て二
階
(
かい
)
に
寐床
(
ねどこ
)
を
慥
(
こしら
)
へてくれた、
天井
(
てんじやう
)
は
低
(
ひく
)
いが、
梁
(
うつばり
)
は
丸太
(
まるた
)
で
二抱
(
ふたかゝへ
)
もあらう、
屋
(
や
)
の
棟
(
むね
)
から
斜
(
なゝめ
)
に
渡
(
わた
)
つて
座敷
(
ざしき
)
の
果
(
はて
)
の
廂
(
ひさし
)
の
処
(
ところ
)
では
天窓
(
あたま
)
に
支
(
つか
)
へさうになつて
居
(
ゐ
)
る、
巌丈
(
がんぢやう
)
な
屋造
(
やづくり
)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
丸太
(
まるた
)
町あたりと思われる辺から、人をとがめる犬の吠え声が、
猛々
(
たけだけ
)
しくひとしきり聞こえて来たが、拍子木の音の遠のいたころに、これも吠え止めてひっそりとなった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その
近所
(
きんじょ
)
には
今
(
いま
)
でも
狐
(
きつね
)
や
狸
(
たぬき
)
がいるそうで、
冬
(
ふゆ
)
の
夜
(
よる
)
など、
人
(
ひと
)
が
便所
(
べんじょ
)
にゆくため
戸外
(
こがい
)
に
出
(
で
)
るときには、
戸
(
と
)
をあけるまえに、まず
丸太
(
まるた
)
をうちあわせたり、
柱
(
はしら
)
を
竹
(
たけ
)
でたたいたりして
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
いくらもがいても
丸太
(
まるた
)
と
鉄鎖
(
てつぐさり
)
が一
層
(
そう
)
もつれるばかりで、さすがのロボもいまはどうしようもないのである。それでもその雪のように白い大きいきばをむき出して、鉄鎖をかみ切ろうとする。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
見ると
丸太
(
まるた
)
の上に腰をかけている。数は三人だった。丸太は
四
(
よ
)
つや
丸太
(
まるた
)
で、
軌道
(
レール
)
の枕木くらいなものだから、随分の重さである。どうして、ここまで運んで来たかとうてい想像がつかない。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
鯔
(
ぼら
)
と
丸太
(
まるた
)
と
蒲鉾
(
かまぼこ
)
が釣れる」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
やがて、
四
(
よ
)
つや
丸太
(
まるた
)
の上へうんとこしょと腰をおろして
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“丸太”の意味
《固有名詞》
丸太(マルタ)
マルタの日本語による漢字表記の1つ。
(出典:Wiktionary)
丸
常用漢字
小2
部首:⼂
3画
太
常用漢字
小2
部首:⼤
4画
“丸太”で始まる語句
丸太棒
丸太林
丸太筏
丸太越
丸太小屋
丸太小舎
丸太足場