銭形平次捕物控:245 春宵 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
花ならばまだほんの莟みたいなようなもんだけど、利口なことにかけたら、先祖のパタシヨン・パタポンなんか足もとへも及ばないぐらいなのよ。
ノンシャラン道中記:08 燕尾服の自殺 ――ブルゴオニュの葡萄祭り―― (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
田園の憂欝:或は病める薔薇 (新字旧仮名) / 佐藤春夫(著)
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア (旧字旧仮名) / シャーロット・ブロンテ(著)
フックラと莟のように、海に浮いた島々が、南洋ではどんなに奇麗なことだろう。それは、ひどい搾取下にある島民たちで生活されているが、見たところは、パラダイスであった。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット (旧字旧仮名) / ウィリアム・シェークスピア(著)
北越雪譜:06 北越雪譜二編 (新字旧仮名) / 鈴木牧之、山東京山(著)
けれどもそれは莟が春になってふくらむように確実に、そうすべきときにそれに服従してとどろく己が法則をもっているのだ。大地はどこからどこまでも生きており、小乳頭状突起でおおわれている。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン―― (新字新仮名) / ヘンリー・デイビッド・ソロー(著)
ファウスト (新字新仮名) / ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(著)
銭形平次捕物控:248 屠蘇の杯 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
これは青虫ほど旺盛な食慾をもっていないらしいが、その代り云わば少し贅沢な嗜好をもっていて、ばらの莟を選んで片はしから食って行くのである。
蜂が団子をこしらえる話 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
たとえば、三日見ぬうちに莟であった桜が、もう満開になってしまった、というだけでは満足しないで、「世の中は三日見ぬ間に桜かな」といわねば承知せぬ。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
田園の憂欝:或は病める薔薇 (新字旧仮名) / 佐藤春夫(著)
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア (旧字旧仮名) / シャーロット・ブロンテ(著)