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申
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もうし
ふりがな文庫
“
申
(
もうし
)” の例文
全くその株を奪われたる事になりしとか
申
(
もうし
)
候、この記事が動機となりて、今年より多くの登山者を出すを得ば、
幸
(
さいわい
)
これに過ぎずと
存
(
ぞんじ
)
候
越中劍岳先登記
(新字新仮名)
/
柴崎芳太郎
(著)
当人の小半は代地は場所がらとて便利なだけ定めし近隣の
噂
(
うわさ
)
もうるさかるべく少し場所はわるけれど赤坂の
方
(
ほう
)
望ましきやう
申
(
もうし
)
をり候。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
取次ぎが、ぜひ御隠居様にお目にかかりたいと
申
(
もうし
)
ますと伝えたとき、台所の敷居に手をつくようなことをせず、表から来いと言わせた。
旧聞日本橋:03 蕎麦屋の利久
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
その堀立小屋は、窓がたいへん少くて、しかもそれが二メートルも上の方に
監房
(
かんぼう
)
の空気ぬきよろしくの形に、
申
(
もうし
)
わけばかりに
明
(
あ
)
いていた。
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
几董
(
きとう
)
の俳句に「晴るる日や雲を貫く雪の不尽」というがあり、極めて尋常に
叙
(
じょ
)
し去りたれども不尽の趣はかえって善く現れ
申
(
もうし
)
候。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
▼ もっと見る
鬱陶
(
うっとう
)
しそうにおもてなしなさるは、お
側
(
そば
)
のチンも子爵様も変った事はないとお
附
(
つき
)
の女中が
申
(
もうし
)
たとか、マアとりどりに
口賢
(
くちさが
)
なく雑談をしました。
忘れ形見
(新字新仮名)
/
若松賤子
(著)
「しづ/\としつはらひ
仕
(
つかまつり
)
関東勢百万も候へ、男は一人もなく候よし雑言
申
(
もうし
)
、大阪へ引取申候」と『北川覚書』に出ている。
大阪夏之陣
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
梅五郎
(
ばいごろう
)
と
申
(
もうし
)
ました目「
何時
(
いつ
)
から
此
(
この
)
家
(
いえ
)
に住で居る女「はい八年前から目「其前は
何所
(
どこ
)
に住だ女「
夫
(
それ
)
まではリセリウ
街
(
まち
)
で理髪店を開いて居ました、 ...
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
同人の列につらなり
乍
(
なが
)
らこう御無沙汰をしては
申
(
もうし
)
わけありません。そこで雑然たることでも書いて見ることにいたします。
雑草一束
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ただ同君の前期の仕事に抑々亦少からぬ衝動を世に与えて居ったという事を日比感じて居りましたまま、かく
申
(
もうし
)
ます。
言語体の文章と浮雲
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
新しいのはまだ
馴
(
な
)
れていないから毒だと
申
(
もうし
)
ますが馴れないというのはつまり毒質が分解されないという事ですね。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
その時横田
申
(
もうし
)
候
(
そろ
)
は、たとい主命なりとも、
香木
(
こうぼく
)
は無用の
翫物
(
がんぶつ
)
に
有之
(
これあり
)
、過分の大金を
擲
(
なげう
)
ち
候
(
そろ
)
事
(
こと
)
は
不可然
(
しかるべからず
)
、
所詮
(
しょせん
)
本木を伊達家に譲り、末木を買求めたき
由
(
よし
)
申候。
興津弥五右衛門の遺書
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「その時義経公の
愛妾
(
あいしょう
)
静御前村国氏の家にご逗留あり義経公は
奥州
(
おうしゅう
)
に
落行
(
おちゆき
)
給いしより今は
早頼
(
はやたの
)
み少なしとてお命を捨給いたる井戸あり静井戸と
申
(
もうし
)
伝え
候也
(
そうろうなり
)
」
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
何とぞ、以後は又八どのの事、御わすれくだされたく
先
(
まず
)
は
斯
(
か
)
ように迄、一筆しめし参らせ
申
(
もうし
)
そろ。かしこ。
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「どういたしやして、
嘘
(
うそ
)
も
隠
(
かく
)
しもありゃァしません。みんなほんまのことを
申
(
もうし
)
上
(
あ
)
げて
居
(
お
)
りやすんで。……」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
おさき『よう判っておりまする。これも仏さまのお蔭、あなたのお蔭。あらためてお礼を
申
(
もうし
)
ます。わたしに異存はございません。どうぞ思い立った通りにして下さいませ』
取返し物語
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
その時あま人
申様
(
もうすよう
)
、もしこのたまを取得たらば、この
御子
(
みこ
)
を世継の
御位
(
みくらい
)
になしたまえと
申
(
もうし
)
しかば、
子細
(
しさい
)
あらじと領承したもう、さて我子ゆえに捨ん命、露ほども
惜
(
おし
)
からじと
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかし幾ら手本無しに生活すると
申
(
もうし
)
ましても、そういう人でございましても、どうせ
生々
(
ういうい
)
しいのでございましょうから、何事かに出合まして、五つや六つの調子を覚えましても
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
旦那様が出て何ともはアお礼の
申
(
もうし
)
ようはありません、見掛けは綺麗な優しげな、力も何もねえようなお前様が、大の野郎を
打殺
(
うちころ
)
しただから、お侍は
異
(
ちが
)
ったものだと噂をして居りました
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何と
申
(
もうし
)
ても先生御存生中は、真先に
松明
(
たいまつ
)
を振りつつ御進みありて、御同様を警戒し指導し、少しく遠ざかりたる時は高所にありて差招きくれ候ことゆえ、自然に先生に依頼するの念のみ強く
師を失いたる吾々
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
殊
(
こと
)
に今夕のように、皆様がお
揃
(
そろい
)
で私を歓迎して下さるのは、私にとりては実に有難い。かく
申
(
もうし
)
ても、私の心情をお話しないと、有難いというのが、ただ
表向
(
おもてむき
)
の挨拶のように聞こえましょうが……。
人格を認知せざる国民
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
妾
(
わたし
)
の身は
貴下
(
あなた
)
の手から葬式をして一本の
御回向
(
ごえこう
)
を御頼み
申
(
もうし
)
ます。
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
港八九は
成就
(
じょうじゅ
)
に
至
(
いたり
)
候得共
(
そうらえども
)
前度
(
せんど
)
殊
(
こと
)
の
外
(
ほか
)
入口
六ヶ敷候
(
むずかしくそうろう
)
に付
増夫
(
ましぶ
)
入而
(
いれて
)
相支候得共
(
あいささえそうらえども
)
至而
(
いたって
)
難題至極と
申
(
もうし
)
此上は武士之道之心得にも御座
候得
(
そうらえ
)
ば神明へ
捧命
(
ほうめい
)
申処
(
もうすところ
)
の
誓言
(
せいげん
)
則
(
すなわち
)
御見分の
通
(
とおり
)
遂
二
本意
一
ほんいとげ
候事
(
そうろうこと
)
一日千秋の
大悦
(
たいえつ
)
拙者
(
せっしゃ
)
本懐
(
ほんかい
)
之
至
(
いた
)
り死後御推察
可
レ
被
レ
下
くださるべく
候
(
そうろう
)
不具
(
ふぐ
)
海神に祈る
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
新聞記者などが大臣を
誹
(
そし
)
るを見て「いくら新聞屋が
法螺
(
ほら
)
吹いたとて、大臣は親任官、新聞屋は
素寒貧
(
すかんぴん
)
、月と
泥亀
(
すっぽん
)
ほどの違いだ」などと
罵
(
ののし
)
り
申
(
もうし
)
候。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
先生へ折入ってお願と
申
(
もうし
)
まするは
何
(
なに
)
とぞあれなる宝をばいかようにも致し、後の世まで残しお伝え下さるよう御計らいなされては下さるまいか。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
例の『五戦記』では、この騎馬武者を誰とも知らず越後の荒川伊豆守なるべしと取沙汰したが、それを「政虎聞キ候テ
可討留
(
うちとどむべき
)
物ヲ残リ多シト皆ニ
申
(
もうし
)
候
由
(
よし
)
」
川中島合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
舶来の上等食塩と
申
(
もうし
)
た処が市中で売っているのは
殆
(
ほとん
)
ど大概和製食塩の
詰換
(
つめかえ
)
で
壜
(
びん
)
と商標だけが舶来なのです。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
義理だつても私口惜貴女/\はなぜ、
御教
(
おをしへ
)
申
(
もうし
)
たやうに御父樣や御兄樣におつしやらなかつたので御座升よお孃樣、唯心で涙をこぼしていらつしやる柄猶御病氣も重り升わと
うづみ火
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「いや、あまり不吉な言葉をはいては
申
(
もうし
)
わけないと思い、ためらっているのですが……ひょっとすると、第四斥候隊は火星人の猛撃をうけて、どうかなったのではありますまいか」
大宇宙遠征隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
かんしん
致
(
いたし
)
候ゆえ文して
申遣
(
もうしつかわ
)
し参らせ
候
(
そろ
)
左候
(
さそうら
)
えば日にまし寒さに向い候え
共
(
ども
)
いよいよかわらせなく相くらされこのかたも安心いたし
居
(
おり
)
候ととさんと
申
(
もうし
)
かかさんと申誠に誠に
難有
(
ありがたく
)
………
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
方様
(
かたさま
)
に口惜しい程憎まれてこそ
誓文
(
せいもん
)
移り気ならぬ真実を命
打込
(
うちこ
)
んで御見せ
申
(
もうし
)
たけれ。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
某
(
それがし
)
祖父
(
そふ
)
は
興津右兵衛景通
(
おきつうひょうえかげみち
)
と
申
(
もうし
)
候
(
そろ
)
。
永正
(
えいしょう
)
十一(十七)年
駿河国
(
するがのくに
)
興津
(
おきつ
)
に生れ、
今川治部大輔
(
いまがわじぶたいふ
)
殿に仕え、同国
清見
(
きよみ
)
が
関
(
せき
)
に住居いたし候。
永禄
(
えいろく
)
三年五月二十日今川殿
陣亡
(
じんぼう
)
遊ばされ
候
(
そろ
)
時、
景通
(
かげみち
)
も
御供
(
おとも
)
いたし候。
興津弥五右衛門の遺書
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「どうしてどうしてお死になされたとわたしが
申
(
もうし
)
た
愛
(
いと
)
しいお方の側へ、従四位様を並べたら、まるで
下郎
(
げろう
)
を
以
(
もっ
)
て
往
(
いっ
)
たようだろうよ」と仰有ってまたちょっと口を結び、力のなさそうな
溜息
(
ためいき
)
をなすって
忘れ形見
(新字新仮名)
/
若松賤子
(著)
かくのごとく
勢
(
いきおい
)
強き恐ろしき歌はまたと
有之間敷
(
これあるまじく
)
、八大竜王を
叱咤
(
しった
)
するところ竜王も
懾伏
(
しょうふく
)
致すべき勢
相
(
あい
)
現れ
申
(
もうし
)
候。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
一、朝食、焼飯にて仕り候て、梅干相添
申
(
もうし
)
、先づ梅干を先へ
給
(
きゅうし
)
候て、後に焼飯給申すべく候。
厳島合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
諄々
(
くどくど
)
と
黒暗
(
くらやみ
)
の
耻
(
はじ
)
を
申
(
もうし
)
てあなたの様な
情
(
なさけ
)
知りの御方に
浅墓
(
あさはか
)
な
心入
(
こころいれ
)
と
愛想
(
あいそ
)
つかさるゝもおそろし、さりとて夢さら御厚意
蔑
(
ないがしろ
)
にするにはあらず、やさしき御言葉は骨に
鏤
(
きざ
)
んで七生忘れませぬ
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
愚僧儀はもと
西国
(
さいこく
)
丸円藩
(
まるまるはん
)
の
御家臣
(
ごかしん
)
深沢重右衛門
(
ふかざわじゅうえもん
)
と
申
(
もうし
)
候者の次男にて
有之
(
これあり
)
候。
榎物語
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
胃潰瘍
(
いかいよう
)
とか
胃癌
(
いがん
)
とかいう病気は刺撃性の物を好む人に多いと
申
(
もうし
)
ます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
法名を
義心英立居士
(
ぎしんえいりゅうこじ
)
と
申
(
もうし
)
候
(
そろ
)
。
興津弥五右衛門の遺書
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
御返し
申
(
もうし
)
ますと率直に云えば、
否
(
いや
)
それは悪い
合点
(
がてん
)
、
一酷
(
いっこく
)
にそう云われずと子爵からの御志、是非
御取置
(
おとりおき
)
下され、珠運様には別に御礼を
申
(
もうし
)
ますが姿の見えぬは御
立
(
たち
)
なされたか、ナニ奥の
坐敷
(
ざしき
)
に。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
人生五十の坂も早や間近の身を以て娘同様のものいつも側に引付けしだらもなき
体
(
てい
)
たらく
耻
(
はずか
)
し
気
(
げ
)
もなく御目にかけ候
傍若無人
(
ぼうじゃくぶじん
)
の
振舞
(
ふるまい
)
いかに場所がらとは
申
(
もうし
)
ながら酒
醒
(
さ
)
めては
甚
(
はなはだ
)
赤面の
至
(
いたり
)
に御座候。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“申”の解説
申(さる、しん)は、十二支のひとつ。通常十二支の中で第9番目に数えられる。
前は未、次は酉である。
(出典:Wikipedia)
申
常用漢字
小3
部首:⽥
5画
“申”を含む語句
申出
申候
申上
申合
申聞
申付
申刻
可申
申込
申分
申立
申渡
申開
見申
申来
申訳
庚申
不申
申兼
可申上
...