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打棄
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うつちや
ふりがな文庫
“
打棄
(
うつちや
)” の例文
「さうなんでさ、わたしや
蜀黍
(
もろこし
)
打棄
(
うつちや
)
つ
時
(
とき
)
まで
有
(
あ
)
つと
思
(
おも
)
つてたら
見
(
め
)
えねえんでさ、
私等家
(
わたしらぢ
)
のおとつつあは
道具
(
だうぐ
)
つちと
酷
(
ひど
)
く
怒
(
おこ
)
んですから」
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
忙しい台所の手伝ひ人たちも、仕事を
打棄
(
うつちや
)
らかして庭に走つて来た。誰も彼も、一目見ただけであつと感嘆の声をあげたまゝ、唾をのみこんだ。
菜の花月夜
(新字旧仮名)
/
片岡鉄兵
(著)
ここには古くから別莊が何軒もあつて、(しかし今ではもうすつかり壞れたまま
打棄
(
うつちや
)
らかされてあるのもありますが)
匈奴の森など
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
何しろ学問は
打棄
(
うつちや
)
つて西鶴が
么麼
(
どう
)
したの
其碩
(
きせき
)
が么麼したの紅葉は
豪
(
えら
)
いの
漣
(
さゞなみ
)
は感心だのと頻りに肩を入れられるさうナ。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
直
(
ぢ
)
き
其處
(
そこ
)
で。
最
(
も
)
う
其處
(
そこ
)
へ
參
(
まゐ
)
りますわ、
坂
(
さか
)
の
下
(
した
)
です。……
今
(
いま
)
しがた
貴方
(
あなた
)
にお
目
(
め
)
に
掛
(
かゝ
)
ります、
一寸
(
ちよつと
)
前
(
さき
)
。
何
(
なん
)
ですか、フツと
打棄
(
うつちや
)
つて
置
(
お
)
けない
氣
(
き
)
がしましたから。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
知つてゐても何うにもならないやうになる。唯現実だけが問題になつて、内部のことは、全く触れずに
打棄
(
うつちや
)
り放しにされてゐる。これでは、本当の人間といふことはわかる筈はない。
心の絵
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
三藏は「どうかしましたか」と優しく尋ねたが尼は其言葉を有難く思ふやうな風も見えず「リョウマチどつしやらう」と餘所々々しくいつて「しやうが無い」と
打棄
(
うつちや
)
つたやうな獨り言をいふ。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
ヹニュスよ、偶には
打棄
(
うつちや
)
るがいい
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
垂
(
た
)
れた
鳳仙花
(
ほうせんくわ
)
の
枝
(
えだ
)
は
竹
(
たけ
)
の
杖
(
つゑ
)
に
縛
(
しば
)
りつけようとして
手
(
て
)
を
觸
(
ふ
)
れたらぽろりと
莖
(
くき
)
から
離
(
はな
)
れて
畢
(
しま
)
つた。
卯平
(
うへい
)
は
忌々敷相
(
いまいましさう
)
に
打棄
(
うつちや
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
三日目
(
みつかめ
)
の
午過
(
ひるす
)
ぎ、やれ
粥
(
かゆ
)
を
煮
(
に
)
ろの、おかう/\を
細
(
こまか
)
くはやせの、と
云
(
い
)
ふ
病人
(
びやうにん
)
が、
何故
(
なぜ
)
か
一倍
(
いちばい
)
氣分
(
きぶん
)
が
惡
(
わる
)
いと、
午飯
(
おひる
)
も
食
(
た
)
べないから、
尚
(
な
)
ほ
打棄
(
うつちや
)
つては
置
(
お
)
かれない。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「へえ、なに、わしが
一攫
(
ひとつか
)
み
引
(
ひ
)
つ
扱
(
こ
)
いて
來
(
き
)
て
見
(
み
)
たの
打棄
(
うつちや
)
つたんでがした」
勘次
(
かんじ
)
は
恁
(
か
)
ういつて
蒼
(
あを
)
く
成
(
な
)
つた。
巡査
(
じゆんさ
)
は
更
(
さら
)
に
被害者
(
ひがいしや
)
に
勘次
(
かんじ
)
の
畑
(
はたけ
)
を
案内
(
あんない
)
させた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それからもし
其
(
そ
)
のお
雑巾
(
ざうきん
)
次手
(
ついで
)
にづツぷりお
絞
(
しぼ
)
んなすつて
下
(
くだ
)
さると
助
(
たすか
)
ります、
途中
(
とちう
)
で
大変
(
たいへん
)
な
目
(
め
)
に
逢
(
あ
)
ひましたので
体
(
からだ
)
を
打棄
(
うつちや
)
りたいほど
気味
(
きみ
)
が
悪
(
わる
)
うございますので
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それ、
徒労力
(
むだぼね
)
と
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
よ!
要
(
えう
)
もない
仕事三昧
(
しごとざんまい
)
打棄
(
うつちや
)
つて、
少
(
わか
)
い
人
(
ひと
)
は
妻
(
つま
)
を
思切
(
おもひき
)
つて
立帰
(
たちかへ
)
れえ。
老爺
(
おやぢ
)
も
要
(
い
)
らぬ
尻押
(
しりおし
)
せず、
柔順
(
すなほ
)
に
妻
(
つま
)
を
捧
(
さゝ
)
げるやうに、
少
(
わか
)
いものを
説得
(
せつとく
)
せい。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
唯
(
たゞ
)
挨拶
(
あいさつ
)
をしたばかりの
男
(
をとこ
)
なら、
私
(
わし
)
は
実
(
じつ
)
の
処
(
ところ
)
、
打棄
(
うつちや
)
つて
置
(
お
)
いたに
違
(
ちが
)
ひはないが、
快
(
こゝろよ
)
からぬ
人
(
ひと
)
と
思
(
おも
)
つたから、
其
(
その
)
まゝに
見棄
(
みす
)
てるのが、
故
(
わざ
)
とするやうで、
気
(
き
)
が
責
(
せ
)
めてならなんだから
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
なか/\、まだこれでも
坊
(
ぼつ
)
ちやんさへ
御承知下
(
ごしようちくだ
)
されば、
車
(
くるま
)
を
此處
(
こゝ
)
へ
打棄
(
うつちや
)
つて、
猿抱負
(
さるおんぶ
)
に
負
(
おぶ
)
ひ
申
(
まを
)
して、
友造
(
ともざう
)
が
褌
(
ふんどし
)
の
紐
(
ひも
)
へ
通
(
とほ
)
した
天保錢
(
てんぱうせん
)
で、
風車
(
かざぐるま
)
を
買
(
か
)
つてお
持
(
も
)
たせ
申
(
まを
)
したうござります。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
蓋
(
ふた
)
を
拂
(
はら
)
へば、
昏惘
(
こんまう
)
として
令史
(
れいし
)
あり。
妻
(
つま
)
、
微醉
(
ほろゑひ
)
の
面
(
おもて
)
、
妖艷無比
(
えうえんむひ
)
、
令史
(
れいし
)
を
見
(
み
)
て
更
(
さら
)
に
驚
(
おどろ
)
かず、そんなものはお
打棄
(
うつちや
)
りよと。
令史
(
れいし
)
を
突出
(
つきだ
)
し、
大勢
(
おほぜい
)
一所
(
いつしよ
)
に、あはゝ、おほゝ、と
更
(
さら
)
に
空中
(
くうちう
)
に
昇去
(
のぼりさ
)
りぬ。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何
(
なに
)
か
知
(
し
)
りませんが、
堪
(
たま
)
らないほど
可厭
(
いや
)
なお
心持
(
こゝろもち
)
らしく
伺
(
うかゞ
)
はれますね……では、
大抵
(
たいてい
)
分
(
わか
)
りました……
手前
(
てまへ
)
にお
頼
(
たの
)
みと
云
(
い
)
ふのは、あの……ちん、ちんの
聞
(
きこ
)
えないやうに、
蟲
(
むし
)
を
捕
(
つかま
)
へて
打棄
(
うつちや
)
るか
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それでも親の慈悲や兄の
情
(
なさけ
)
で
何
(
ど
)
うかして学校へも
行
(
ゆ
)
く様に真人間にして
遣
(
や
)
りたいと思へばこそ
性懲
(
しやうこり
)
を
附
(
つ
)
けよう為に、
昨夜
(
ゆうべ
)
だつて
左様
(
さう
)
だ、一晩裸にして
夜着
(
よぎ
)
も
被
(
き
)
せずに
打棄
(
うつちや
)
つて置いたのだ。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
旦那
(
だんな
)
が
役所
(
やくしよ
)
へ
通
(
かよ
)
ふ
靴
(
くつ
)
の
尖
(
さき
)
は
輝
(
かゞや
)
いて
居
(
ゐ
)
るけれども、
細君
(
さいくん
)
の
他所行
(
よそいき
)
の
穿物
(
はきもの
)
は、むさくるしいほど
泥塗
(
どろまみ
)
れであるが、
惟
(
おも
)
ふに
玄關番
(
げんくわんばん
)
の
學僕
(
がくぼく
)
が、
悲憤
(
ひふん
)
慷慨
(
かうがい
)
の
士
(
し
)
で、
女
(
をんな
)
の
足
(
あし
)
につけるものを
打棄
(
うつちや
)
つて
置
(
お
)
くのであらう。
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
何
(
なに
)
、
打棄
(
うつちや
)
つたんだ。」と
青年
(
わかもの
)
は
口惜
(
くや
)
しさうに
言
(
い
)
つた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
齒
(
は
)
がたの
着
(
つ
)
いた、そんなものは、
掃溜
(
はきだめ
)
へ
打棄
(
うつちや
)
つた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
打棄
(
うつちや
)
らしつたえ、
持重
(
もちおも
)
りが
為
(
し
)
たゞかね。」
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“打棄(うっちゃり)”の解説
うっちゃりとは相撲の決まり手の一つである。漢字表記は、「打っ棄り」あるいは「打棄」。
(出典:Wikipedia)
打
常用漢字
小3
部首:⼿
5画
棄
常用漢字
中学
部首:⽊
13画
“打棄”で始まる語句
打棄放