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御堂
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おどう
ふりがな文庫
“
御堂
(
おどう
)” の例文
「
神
(
かみ
)
さま、どうぞ、
私
(
わたし
)
をお
助
(
たす
)
けくださいまし。」と、
彼
(
かれ
)
は、
答
(
こた
)
えるかわりに、
暗
(
くら
)
い、
御堂
(
おどう
)
の
内
(
うち
)
に
向
(
む
)
かって
手
(
て
)
を
合
(
あ
)
わせて
拝
(
おが
)
んだのです。
酒屋のワン公
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
御堂
(
おどう
)
は
颯
(
さっ
)
と松風よりも杉の
香
(
か
)
檜
(
ひのき
)
の香の
清々
(
すがすが
)
しい
森々
(
しんしん
)
とした
樹立
(
こだち
)
の中に、青龍の背をさながらの石段の上に玉面の獅子頭の如く築かれて
遺稿:02 遺稿
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
新「少々
伺
(
うかゞ
)
いとう存じます、あすこの
御堂
(
おどう
)
の
後
(
うしろ
)
に新らしい牡丹の花の灯籠を
手向
(
たむ
)
けてあるのは、あれは
何方
(
どちら
)
のお墓でありますか」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
武州
(
ぶしゅう
)
比企郡高坂村大字
岩殿
(
いわどの
)
の岩殿観音の寺伝に曰く、坂上将軍東征の時、この
御堂
(
おどう
)
の前に通夜し悪龍を
射斃
(
いたお
)
したことがある。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
あのエヂプトの
繪文字
(
えもんじ
)
を
讀
(
よ
)
み
始
(
はじ
)
める
手
(
て
)
がゝりになつた『ロセッタ・ストーン』といふ
石
(
いし
)
、ギリシヤの『パルテノン』といふ
御堂
(
おどう
)
にあつた
彫刻
(
ちようこく
)
もこゝにあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
▼ もっと見る
するとその
小坊主
(
こぼうず
)
というのは
勝軍地蔵
(
しょうぐんじぞう
)
さまで、
大
(
おお
)
きなひげ
男
(
おとこ
)
と
見
(
み
)
えたのは
勝敵毘沙門天
(
しょうてきびしゃもんてん
)
に
違
(
ちが
)
いありません。どちらもこの
御堂
(
おどう
)
にお
鎮
(
しず
)
まりになっていらっしゃいます。
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
家がなくても
御堂
(
おどう
)
がなくても御経は読めぬことはない。大道に於てでも御経は読める。野外に於ても研究は出来る。しかしながら多数の人はどうしても集合しなければならぬ。
始業式に臨みて
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
何でも、同じ
御堂
(
おどう
)
に
詣
(
まい
)
っていた連中の中に、背むしの
坊主
(
ぼうず
)
が一人いて、そいつが何か
陀羅尼
(
だらに
)
のようなものを、くどくど
誦
(
ず
)
していたそうでございます。大方それが、気になったせいでございましょう。
運
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一同は
禁殺碑
(
きんさつひ
)
の立っている
御堂
(
おどう
)
の裏手から岸に
上
(
のぼ
)
った。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
自分
(
じぶん
)
は、ちょうどはげ
頭
(
あたま
)
なので、その
寺
(
てら
)
の
坊
(
ぼう
)
さんになりました。
身
(
み
)
に
黒
(
くろ
)
い
衣
(
ころも
)
をまとって、一
日
(
にち
)
、
御堂
(
おどう
)
の
中
(
なか
)
でお
経
(
きょう
)
を
読
(
よ
)
んで
暮
(
く
)
らしました。
女の魚売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
新「こんな処に宿屋はなし、仕方がないから此の
御堂
(
おどう
)
で少し休んで往こう、お
賽銭
(
さいせん
)
を上げたらよかろう、坊さんがいるだろう」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
これで
御法
(
みのり
)
の船に同じい、
御堂
(
おどう
)
の
縁
(
えん
)
を離れさえなさらなかったら、海に
溺
(
おぼ
)
れるようなことも起らなんだでございましょう。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
また
後
(
うし
)
ろをふり
返
(
かえ
)
ると
御堂
(
おどう
)
の上にのしかかるようにそびえている
東山
(
ひがしやま
)
のはるかのてっぺんに、
真
(
ま
)
っ
黒
(
くろ
)
に
繁
(
しげ
)
った
杉
(
すぎ
)
の
木立
(
こだ
)
ちがぬっと
顔
(
かお
)
を
出
(
だ
)
しているのを
見
(
み
)
たに
違
(
ちが
)
いありません。
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そして
佛教
(
ぶつきよう
)
が
盛
(
さか
)
んになつて
來
(
き
)
てからは
御陵
(
ごりよう
)
は
一
(
いつ
)
そう
簡單
(
かんたん
)
になり、また
後
(
のち
)
には
火葬
(
かそう
)
が
行
(
おこな
)
はれまして、
小
(
ちひ
)
さな
御堂
(
おどう
)
や
石
(
いし
)
の
塔
(
とう
)
を
御陵
(
ごりよう
)
に
建
(
た
)
てることになり、ことに
武家
(
ぶけ
)
が
勢力
(
せいりよく
)
を
占
(
し
)
めるに
至
(
いた
)
つた
時代
(
じだい
)
からは
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
一 まゐり来てこの
御堂
(
おどう
)
見申せや、四方四面くさび一本
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「ワン
公
(
こう
)
、どうだ。
主人
(
しゅじん
)
ににらまれるのと、どっちがこわい?」と、
暗
(
くら
)
い、
御堂
(
おどう
)
の
内
(
うち
)
から、
声
(
こえ
)
がしたような
気
(
き
)
がしました。
酒屋のワン公
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二十許
(
はたちばか
)
りの親類の娘を連れて、
鬼子母神
(
きしもじん
)
へ
参詣
(
さんけい
)
をした事がありますがね、桐の花が窓へ散る、しんとした
御堂
(
おどう
)
の燈明で
視
(
み
)
た、襟脚のよさというものは
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
明
(
あ
)
くる
日
(
ひ
)
の
朝
(
あさ
)
、いつまでもお
二人
(
ふたり
)
ともお
目
(
め
)
ざめにならないので、おそばの人たちが
不思議
(
ふしぎ
)
に
思
(
おも
)
って、そっと
御堂
(
おどう
)
の
中
(
なか
)
に
入
(
はい
)
ってみますと、お
二人
(
ふたり
)
はまくらを
並
(
なら
)
べたまま、それはそれは
安
(
やす
)
らかに
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
この
礎
(
いしずゑ
)
の
竝
(
なら
)
べ
方
(
かた
)
を
見
(
み
)
て、そこにはどういふ
形
(
かたち
)
の
御堂
(
おどう
)
が
建
(
た
)
つてゐたかゞ
知
(
し
)
られます。もちろんこの
時分
(
じぶん
)
のお
寺
(
てら
)
の
建築
(
けんちく
)
で、
今日
(
こんにち
)
もなほ
昔
(
むかし
)
の
礎
(
いしづゑ
)
の
上
(
うへ
)
に
立
(
た
)
つてゐるものも、たまには
珍
(
めづ
)
らしく
殘
(
のこ
)
つてゐます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
それに、あの
村
(
むら
)
はずれのお
寺
(
てら
)
は、
荒
(
あ
)
れはててだれも
境内
(
けいだい
)
を
掃
(
は
)
くものがなければ、一
日
(
にち
)
じゅう、
御堂
(
おどう
)
の
戸
(
と
)
が
閉
(
し
)
まっていることを
思
(
おも
)
ったのでありました。
いちょうの葉
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
実は先刻お
話
(
はなし
)
申した、ふとした御縁で、
御堂
(
おどう
)
のこの下の
仮庵室
(
かりあんじつ
)
へお宿をいたしました、その
御仁
(
ごじん
)
なのでありますが。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
幅なら二尺、潜り抜け二
間
(
けん
)
ばかりの処ですが、
御堂
(
おどう
)
裏と、あの塀の間は、いかなるわんぱくと
雖
(
いえど
)
も、もぐる事は
措
(
お
)
き、抜けも、くぐりも絶対に出来なかった。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
和尚
(
おしょう
)
さまは、
毎日
(
まいにち
)
御堂
(
おどう
)
にいってお
経
(
きょう
)
を
上
(
あ
)
げられていました。
昼
(
ひる
)
も、
夜
(
よる
)
も、あたりは
火
(
ひ
)
の
消
(
き
)
えたように
寂然
(
ひっそり
)
として
静
(
しず
)
かでありました。
犬
(
いぬ
)
もだいぶ
年
(
とし
)
をとっていました。
犬と人と花
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、こなたは
何時
(
いつ
)
か、もう
御堂
(
おどう
)
の畳に、にじり
上
(
あが
)
っていた。よしありげな物語を聞くのに、
懐
(
ふところ
)
が
窮屈
(
きゅうくつ
)
だったから、
懐中
(
かいちゅう
)
に
押込
(
おしこ
)
んであった、
鳥打帽
(
とりうちぼう
)
を引出して、
傍
(
かたわら
)
に
差置
(
さしお
)
いた。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
赤犬
(
あかいぬ
)
は、
毎日
(
まいにち
)
、
御堂
(
おどう
)
の
上
(
あ
)
がり
口
(
くち
)
におとなしく
腹
(
はら
)
ばいになって、
和尚
(
おしょう
)
さまのあげるお
経
(
きょう
)
を
熱心
(
ねっしん
)
に
聞
(
き
)
いていたのであります。
和尚
(
おしょう
)
さまは、どんな
日
(
ひ
)
でもお
勤
(
つと
)
めを
怠
(
おこた
)
られたことはありません。
犬と人と花
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
御利益
(
ごりやく
)
で、
怪我
(
けが
)
もしないで
御堂
(
おどう
)
から
裏
(
うら
)
の
方
(
はう
)
へうか/\と
𢌞
(
まは
)
つて、
象
(
ざう
)
と
野兎
(
のうさぎ
)
が
歩行
(
あるき
)
ツくら、と
云
(
い
)
ふ
珍
(
ちん
)
な
形
(
かたち
)
で
行
(
ゆ
)
くと、
忽
(
たちま
)
ち
灯
(
ひ
)
のちらつく
暗
(
くら
)
がりに、
眞白
(
まつしろ
)
な
顏
(
かほ
)
と、
青
(
あを
)
い
半襟
(
はんえり
)
が
爾側
(
りやうがは
)
から
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ワン
公
(
こう
)
は、
遠方
(
えんぽう
)
まで
用
(
よう
)
たしにやられました。
帰
(
かえ
)
る
途中
(
とちゅう
)
で、
空
(
そら
)
の
模様
(
もよう
)
が
変
(
か
)
わって、
雷
(
かみなり
)
が
鳴
(
な
)
り、ひどい
夕立
(
ゆうだち
)
となりました。
彼
(
かれ
)
は、
小
(
ちい
)
さな
御堂
(
おどう
)
のひさしの
下
(
した
)
にはいって、すくんでいたのであります。
酒屋のワン公
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
特に、あの
御堂
(
おどう
)
は、昔から
神体
(
しんたい
)
がわかりません。……第一何と申すか、
神名
(
かみな
)
がおありなさらないのでありましてな、唯至って古い、一面の額に、稲荷明神——これは誰が見ても名書であります。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
堂
常用漢字
小5
部首:⼟
11画
“御堂”で始まる語句
御堂殿
御堂筋
御堂裏
御堂格子
御堂内
御堂坂
御堂扉
御堂村
御堂供養
御堂垣外