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引立
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ひきた
ふりがな文庫
“
引立
(
ひきた
)” の例文
番甲
此邊
(
このあたり
)
は
血
(
ち
)
だらけぢゃ。
墓場
(
はかば
)
の
界隈
(
かいわい
)
を
探
(
さが
)
さっしゃい。さゝ、
見
(
み
)
つけ
次第
(
しだい
)
に、かまうたことは
無
(
な
)
い、
引立
(
ひきた
)
てめさ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
お
豊
(
とよ
)
は
何分
(
なにぶん
)
よろしくと頼んでお
滝
(
たき
)
が
引止
(
ひきと
)
めるのを
辞退
(
じたい
)
して
其
(
そ
)
の
家
(
いへ
)
を出た。春の
夕陽
(
ゆふひ
)
は赤々と
吾妻橋
(
あづまばし
)
の
向
(
むか
)
うに傾いて、花見帰りの混雑を一層
引立
(
ひきた
)
てゝ見せる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
よ」と
云
(
い
)
つた。
此
(
この
)
答
(
こたへ
)
を
得
(
え
)
た
時
(
とき
)
、
宗助
(
そうすけ
)
は
猶
(
なほ
)
の
事
(
こと
)
安心
(
あんしん
)
が
出來
(
でき
)
なくなつた。
所
(
ところ
)
が
不思議
(
ふしぎ
)
にも、
御米
(
およね
)
の
氣分
(
きぶん
)
は、
小六
(
ころく
)
が
引越
(
ひつこ
)
して
來
(
き
)
てから、ずつと
引立
(
ひきた
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
浅黄
(
あさぎ
)
の帯に
緋
(
ひ
)
の
扱帯
(
しごき
)
が、
牛頭
(
ごず
)
馬頭
(
めず
)
で
逢魔時
(
おうまがとき
)
の
浪打際
(
なみうちぎわ
)
へ
引立
(
ひきた
)
ててでも
行
(
ゆ
)
くように思われたのでありましょう——
私
(
わたくし
)
どもの客人が——そういう
心持
(
こころもち
)
で御覧なさればこそ
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
猶且
(
やはり
)
毎朝
(
まいあさ
)
のやうに
此
(
こ
)
の
朝
(
あさ
)
も
氣
(
き
)
が
引立
(
ひきた
)
たず、
沈
(
しづ
)
んだ
調子
(
てうし
)
で
或
(
あ
)
る
横町
(
よこちやう
)
に
差掛
(
さしかゝ
)
ると、
折
(
をり
)
から
向
(
むかふ
)
より
二人
(
ふたり
)
の
囚人
(
しうじん
)
と四
人
(
にん
)
の
銃
(
じゆう
)
を
負
(
お
)
ふて
附添
(
つきそ
)
ふて
來
(
く
)
る
兵卒
(
へいそつ
)
とに、ぱつたりと
出會
(
でつくわ
)
す。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
これ/\昔馴染とは
何
(
なん
)
の事だ、屋敷にいる時は手前の親を
引立
(
ひきた
)
ってやった事はあるが、恩を受けたことは少しもない、それを昔馴染などとは
以
(
もって
)
の
外
(
ほか
)
のことだ、
一切
(
いっせつ
)
出来ません
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
景色のみを書いた文章はどうも
刺戟
(
しげき
)
が
少
(
すくな
)
いのであります。人間が出て来て活動を始めると読者の心もちは急に
引立
(
ひきた
)
って来ます。長い文章で景色のみを叙する事は不適当であります。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
又
(
また
)
苟且
(
かりそめ
)
にも一つの
神社
(
じんじゃ
)
に一
頭
(
とう
)
の
神馬
(
しんめ
)
もないとあっては
何
(
なん
)
となく
引立
(
ひきた
)
ちませんでナ……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
すべて食物に関する私の興味は、連想の美しさに
引立
(
ひきた
)
てられる時だけ極めて
活溌
(
かっぱつ
)
に私の注意を呼びさますので、その点まことに、御主人伯爵にはお気の毒な次第であります。——例えば
奇談クラブ〔戦後版〕:13 食魔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
とらへて
引立
(
ひきた
)
つるに
然
(
さ
)
らば
參
(
まゐ
)
るべしお
手
(
て
)
お
放
(
はな
)
しなされ
大方
(
おほかた
)
は
人違
(
ひとちが
)
ひと
思
(
おも
)
へどお
目
(
め
)
にかゝりし
上
(
うへ
)
ならではお
疑
(
うたが
)
ひ
晴
(
は
)
れ
難
(
がた
)
からん
御案内
(
ごあんない
)
お
頼
(
たの
)
み
申
(
まを
)
すと
明瞭
(
めいれう
)
に
答
(
こた
)
へながら
心
(
こゝろ
)
の
裡
(
うち
)
は
依然
(
いぜん
)
濛々漠々
(
まう/\ばく/\
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『
暗礁
(
あんせう
)
どころか、ま、
早
(
はや
)
く/\。』と
私
(
わたくし
)
は
引立
(
ひきた
)
てるやうにして
夫人
(
ふじん
)
を
伴
(
ともな
)
ひ、
喫驚
(
びつくり
)
して
眼
(
め
)
を
睜
(
みは
)
つて
居
(
を
)
る
少年
(
せうねん
)
をば、ヒシと
腕
(
うで
)
に
抱
(
かゝ
)
へて
甲板
(
かんぱん
)
を
走
(
はし
)
つた、
餘
(
あま
)
りに
人
(
ひと
)
の
立騷
(
たちさわ
)
いで
居
(
を
)
る
邊
(
へん
)
は、
却
(
かへつ
)
て
危險
(
きけん
)
の
多
(
おほ
)
いので
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
爺
(
ぢい
)
さんは
只管
(
ひたすら
)
卯平
(
うへい
)
の
元氣
(
げんき
)
を
引立
(
ひきた
)
てようとした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
やはり
毎朝
(
まいあさ
)
のようにこの
朝
(
あさ
)
も
気
(
き
)
が
引立
(
ひきた
)
たず、
沈
(
しず
)
んだ
調子
(
ちょうし
)
で
或
(
あ
)
る
横町
(
よこちょう
)
に
差掛
(
さしかか
)
ると、
折
(
おり
)
から
向
(
むこう
)
より
二人
(
ふたり
)
の
囚人
(
しゅうじん
)
と四
人
(
にん
)
の
銃
(
じゅう
)
を
負
(
お
)
うて
附添
(
つきそ
)
うて
来
(
く
)
る
兵卒
(
へいそつ
)
とに、ぱったりと
出会
(
でっくわ
)
す。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
捉
(
とら
)
へてくれう。……やい、モンタギューめ、
破廉恥
(
はれんち
)
な
所行
(
しょぎゃう
)
を
止
(
や
)
めい。
怨
(
うらみ
)
を
死骸
(
むくろ
)
にまで
及
(
およ
)
ぼさうとは、
墮地獄
(
だぢごく
)
の
人非人
(
にんぴにん
)
め、
引立
(
ひきた
)
つる、
尋常
(
じんじゃう
)
に
從
(
つ
)
いて
來
(
こ
)
い。
生
(
い
)
けてはおかぬぞ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
それからがく/″\して
歩行
(
ある
)
くのが
少
(
すこ
)
し
難渋
(
なんじふ
)
になつたけれども、
此処
(
こゝ
)
で
倒
(
たふ
)
れては
温気
(
うんき
)
で
蒸殺
(
むしころ
)
されるばかりぢやと、
我身
(
わがみ
)
で
我身
(
わがみ
)
を
激
(
はげ
)
まして
首筋
(
くびすぢ
)
を
取
(
と
)
つて
引立
(
ひきた
)
てるやうにして
峠
(
たうげ
)
の
方
(
はう
)
へ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ただ枕元で喋るばかりで
些
(
ちっ
)
とも手が届かねえ、奥の
肥
(
ふと
)
ったお
金
(
きん
)
さんと云うかみさんは、
己
(
おれ
)
を
引立
(
ひった
)
って、
虎子
(
おまる
)
へしなせえってコウ
引立
(
ひきた
)
って居てズンと
下
(
おろ
)
すから、虎子で
臀
(
しり
)
を
打
(
ぶ
)
つので
痛
(
いて
)
えやな
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
縄付にて、
引立
(
ひきた
)
てられる若い男もあります。
礫心中
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
入相
(
いりあい
)
の浪も
物凄
(
ものすご
)
くなりかけた折からなり、あの、
赤鬼
(
あかおに
)
青鬼
(
あおおに
)
なるものが、かよわい人を
冥土
(
めいど
)
へ
引立
(
ひきた
)
てて
行
(
ゆ
)
くようで、思いなしか、
引挟
(
ひきはさ
)
まれた
御新姐
(
ごしんぞ
)
は、何んとなく
物寂
(
ものさび
)
しい、
快
(
こころよ
)
からぬ
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
やがて友之助と立花屋の
主人
(
あるじ
)
を
召捕
(
めしと
)
って
相生町
(
あいおいちょう
)
の名主方へ
引立
(
ひきた
)
てゝまいりました。玄関には
予
(
かね
)
て
待受
(
まちう
)
けて居りました小林藤十郎、左右に手先を
侍
(
はべ
)
らせ、友之助を駕籠から引出して敷台に
打倒
(
うちたお
)
し
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
パリス どう
頼
(
たの
)
まうとも
聽
(
き
)
かぬわい。
重罪人
(
ぢゅうざいにん
)
として
引立
(
ひきた
)
つるは。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
と云いながらズッと番頭を
引立
(
ひきた
)
てに掛るから
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
引立
(
ひきた
)
てても、目ばかり働いて
歩行
(
ある
)
き得ない。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“引立”で始まる語句
引立々々