“免:まぬが” の例文
“免:まぬが”を含む作品の著者(上位)作品数
野村胡堂11
江戸川乱歩3
岡本かの子3
中里介山2
ナサニエル・ホーソーン1
“免:まぬが”を含む作品のジャンル比率
文学 > その他の諸文学 > ギリシア文学40.0%
文学 > イタリア文学 > 詩14.3%
哲学 > 心理学 > 超心理学・心霊研究9.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
そのだけまぬが工夫くふういでもないが、千山せんざん萬峰ばんぽう奧深おくふか
此方こなたさへ落付おちついてれば、あるひ無難ぶなんまぬがれること出來できたかもれぬが
兄弟よ、人難をまぬがれんため、わが意にそむき、その爲すべきにあらざることをなしゝためしは世に多し 一〇〇—一〇二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
娘盛りの頃、強盜に手籠てごめにされさうになつて、銀簪ぎんかんざしで眼を突いて危ふいところをまぬがれたことがありました。
「何故、正成は、死んだか? 討死をしたか? 死なずにすむ戦であったか、まぬがれぬ戦であったか、は、別の論議としておいて——」
三人の相馬大作 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
如何いかに為べきかとあるひおそれ、或は惑ひたりしが、つひにそのまぬがるまじきを知りて、彼はやうやう胸を定めつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
この反感の反感から、私は、まだ未成品であったためにいろいろの批議をまぬがれなかった口語詩に対して、人以上に同情をもつようになった。
弓町より (新字新仮名) / 石川啄木(著)
そこへ行くと召波の句は、里坊が非常に働いている代りに、多少斧鑿ふさくあとの存するをまぬがれぬ。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
それから、雨に當らない筈の千兩箱が、ひどく濡れて居たのも平次の眼をまぬがれやうはなかつたのです。
ましてその総体の分量のすでに乏しい社会では、争奪と怨恨えんこんとは何としてもまぬがれない。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「岩松、氣の毒だが、新吉はまぬがれやうはねえ。自分でお駒を殺しましたと、白状して居るんだ」
而して明治の文学も亦此通則をまぬがる能はずして脩辞の時代と共に美術的の文学は来れり。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
江戸つ子は舌を卷きました。元の夫一刀齋勘兵衞を殺し、續いて、主人の雲龍齋又六を殺したとすれば、磔刑はりつけ火焙ひあぶりはまぬがれぬところでせう。
夫人の一挙一動、どんな些細ささいな事柄も彼の監視をまぬがれることは出来なかった。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
是れ氣數きすうの自然にして、つひまぬがるゝ能はず、即ち易理えきりなり。
それからわたくし未熟みじゅく自分じぶんにできるかぎりの熱誠ねっせいをこめて、三浦みうら土地とち災厄さいやくからまぬがれるようにと
りかけたふねとやら、これも現世げんせ通信つうしんこころみるものまぬががた運命うんめい——ごうかもれませぬ……。
今までの所ではさいわいに、法律上の罪人となることだけはまぬがれて来た。
夢遊病者の死 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
おうに苦勞もあれば、また女性のまぬがれぬ苦勞性のとこもある。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
五人のものもホッと一息つく。脆いのではない、この手でやられては、誰でもまぬがれる由はあるまい。この運命を免れんとするには、最初、招きに応じて出なければよかったのだ。
だがそれを内密にすましてその男は処罰されることからはまぬがれた。
雪のシベリア (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
汝の知らんと欲するは、はたされざりし誓ひをば人他のつとめによりてつぐのひ、魂をして論爭あらそひまぬがれしむるをうるやいなやといふ事是なり。 一三—一五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
この目準があるものだから、いくら老僧たちが嘲笑的な態度を執ろうとも最後には彼等の胡散うさんの誘惑からまぬがれて初一念が求むる方向へと一人とぼとぼ思念を探り入れて行った。
宝永噴火 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そしてそれをまぬがれるり方も彼には判っていた。
とと屋禅譚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
手拭を忘れて行つたばかりに小三郎は、この恐ろしい疑ひからまぬがれて、恐ろしく智慧の廻る下手人が、小三郎と同じ柄の手拭を買つて來て、お菊を絞め殺したといふ結論にみちびかれるのです。
雌は避けられるだけは避けて、まぬがれようとする。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「氣の毒だが下手人の疑ひはまぬがれつこはねえ」
殺戮無慙のヘクト,ルの手をまぬがれて水陣に、
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
又悲慘なる戰にまぬがれ生を保つもの、 230
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
——いまの境遇は、この蘭谷あららぎだにの豪族、雨龍太郎の妾として、贅沢三昧、姐御姐御と多くの配下に立てられているのだけれど、何と云っても斑鳩嶽いかるがだけの山奥の単調さはまぬがれない。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
崩れ立った人の足、帰りに向く人も、出かけて来た人も、そこで食い留められ、吸い寄せられて、押す、踏む、倒れる、泣く、叫ぶ、喧嘩ならぬところに喧嘩以上の動揺の起ることはまぬがれないのであります。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その間壮士らの宿料をば、無理算段してめ合せ、かろうじて無銭宿泊の難をまぬがれたれども、さて今後幾日をば調金の見込み立つべきや否や、如何いかにしてその間を切り抜くべきや。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
「親は子を賣り、夫は女房に別れて、泣かない日とてはない何千人の怨み、公儀の御とがめはまぬがれても、御墨附が紛失した上は、輕くて改易かいえき、重ければ腹でも切らなければなりますまい、おゝいゝ氣味」
これらの論点を部分的にみれば、なるほどそういうこともいえないこともないが、しかし多くは特殊の例外的な場合を取り上げて、それをことさらに一般化したという牽強附会けんきょうふかいの感をまぬがれない。
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)
女性をんなの誰もまぬがれない愛情の潜んで居るのぢや無からうかと思ふんですよ——私などは斯様こんな軽卒がさつなもんですから、直ぐ挙動にあらはして仕舞しまひますがネ、貴嬢の様に強意しつかりした方は、自ら抑へるだけ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
その間に、ビレラフォンが振向いて見ると、カイミアラのおそろしい、すごいような顔と、鼻をつき合わさんばかりになっていたので、盾をさし上げて、やっとのことで焦げ死んだり、真二つに喰切られたりすることをまぬがれることが出来ました。
一番疑はれるのは、當然吉三郎と相續爭ひになるをひの金次ですが、金次は亥刻半よつはん(十一時)過ぎまで帳場に居たことが明かになり、早い湯の清六がそれ迄風呂にひたつて居る筈はないのですから、これは煙草入の證據があつたにかゝはらず、からくも繩目をまぬがれました。
「この事、公儀の御耳に入つては、家事不取締の御とがめはまぬがれない。差當り奧方は御病死として屆け出たが、殿樣の御怒りは激しく、三千石のろくの半分を失つても、奧方樣の敵は討ちたいと仰つしやる。これは我々の手では何んとも相成り難く、近頃高名の錢形の親分にお願ひに參つたわけだ」
ただ、人により、また修錬の場所により、体得するところに深浅しんせん高低の差があるのは、おそらくまぬがれがたいところであり、また時としては、自ら知らずして誤まった方向に進んでいる者もないとは限りません。そのことに思いをいたしますと、本日の交歓の意義はまことに深いものがあります。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
お話は元に戻って、事件の翌日、湖畔亭の取調べのあった、その夜のことになりますが、たとえ一時発覚をまぬがれたとはいえ、私はどうにも覗き眼鏡のことが気になって仕様がないものですから、夜の内にその装置を取りこわしてしまうつもりで、いらいらしながら人々の寝鎮まるのを待っていました。
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「その前、松永町の小熊屋が燒けた晩も、濱町の大黒屋の燒けた晩も、稽古所へ行くと言つて出たさうだが、稽古所からは矢張り宵のうちに歸つてゐる。その上あの晩、三村屋の裏で仲吉を見掛けた者もあるし、翌る日仲吉は、燒け跡から放火道具を拾つて、人目に隱れて燒き捨てゝゐるが——これぢやまぬがれやうはない」
「公儀の御封を受けた品や、東照公御墨附が紛失すれば、明年の御品調べを待たず、小堀家は重くて改易、輕くて減地轉封はまぬがれません。相手は市井のやくざ者、力づくでも金づくでも思ふ儘にはならず、一家悉く心を痛めて居ります。親分樣御力を以つて、一萬二千石小堀家の危急をお救ひ下さるやう、お願ひで御座います」