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じよう
此の
勢に
乘じて、
立處に
一國一城の
主と
志して
狙をつけたのは、あらう
事か、
用人團右衞門の
御新造、おきみ、と
云ふ、
年は
漸く
二十と
聞く
然しながら
彼はつく/″\と
忌々敷い
其心持に
熟して
居ながら
自分も
亦他の
虚に
乘ずることを
敢てするのであつた。
進め
用金をば
集めける京都にても五萬五千兩程集まり
京大坂にて都合十五萬兩餘の大金と成ば
最早金子は
不足なし此勢に
乘じて江戸へ
押下りいよ/\大事を
走る
者は
以て
(八)罔を
爲す
可く、
游ぐ
者は
以て
(九)綸を
爲す
可く、
飛ぶ
者は
以て
(一〇)矰を
爲す
可し。
龍に
至つては、
吾其の
風雲に
乘じて
天に
上るを
知ること
能はず。
想ふに
大佐は
暗夜に
乘じて、
竊かに
其部下を
引連れ
本邦をば
立去りしものならん、
此事は
海軍部内に
於ても
極めて
秘密とする
處にして、
何人も
其行衞を
知る
者なし、
只心當りとも
云ふ
可きは
彼等は
忙しく
手を
動かして
居ると
共に
聲を
殺してひそ/\と
然かも
力を
入れて
笑語いた。
彼等は
戸外の
聞えを
憚らぬならば
興味に
乘じて
放膽に
騷ぐ
筈でなければならぬ。
龐涓自ら・
智窮まり
兵敗るるを
知り、
乃ち
(五七)自剄して
曰く、『
遂に
(五八)豎子の
名を
成せり』と。
齊、
因つて
勝に
乘じて
盡く
其軍を
破り、
魏の
太子申を
虜にし
(五九)以て
歸る。
その
李の
花、
花の
李の
頃、
二階の
一室、
四疊半だから、
狹い
縁にも、
段子の
上の
段にまで
居餘つて、わたしたち
八人、
先生と
合はせて
九人、
一夕、
俳句の
會のあつた
時、
興に
乘じて、
先生が
流し斯る
卑き
賤の
女が
腰折も和歌の
徳とて
恐多くも
關白殿下へ聽えしも有難さ云ん方なきに況てや十
善萬
乘の君より御
宸筆とはと云つゝ前へがツくり
平伏致すと思ひしに
早晩死果居たりしとぞ依て
遺骸は
洛外壬生の
法輪寺に
葬り今におかち女の
墳同寺にありて此
和歌殘けるとかや
彼等の
戴いて
居る
裝飾が
其光に
觸れゝば
悉く
目を
射るやうにはつきりと
白く
見え
出した。
殆んど
疲勞といふことを
感じないであらうかと
怪しまれる
彼等は
益々興に
乘じて
少し
亂雜に
成り
掛けた。
此の
勢に
乘じて、
立所に
一國一城の
主と
志して
狙をつけたのは、あらう
事か、
用人團右衞門の
御新姐、おくみと
云ふ
年は
漸う
二十と
聞く、
如何にも、
一國一城に
較へつべき
至つて
美しいのであつた。