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乃至
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ないし
ふりがな文庫
“
乃至
(
ないし
)” の例文
(四)メリメエ
乃至
(
ないし
)
キイランドの如きスタイリスト渡辺温氏が作を示さざるを寂寥とす。僕が嘱望している作家はこの人一人だけ也。
マイクロフォン―八月増刊『陰獣』を中心にして―:「新青年」一九二八年一〇月
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
だからロシヤ人は普通まるっきり無知か、
乃至
(
ないし
)
は非常に無知なのだ。——そんな意味のことが、チェーホフの『手帖』に書いてある。
チェーホフ序説:――一つの反措定として――
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
けれど
斯
(
か
)
ふ言ふのが
温泉場
(
をんせんば
)
へ
行
(
ゆ
)
く
人
(
ひと
)
、
海水浴場
(
かいすゐよくぢやう
)
へ
行
(
ゆ
)
く
人
(
ひと
)
乃至
(
ないし
)
名所見物
(
めいしよけんぶつ
)
にでも
出掛
(
でかけ
)
る
人
(
ひと
)
の
洒落
(
しやれ
)
た
口調
(
くてう
)
であるキザな
言葉
(
ことば
)
たるを
失
(
うしな
)
はない。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
速射砲の設備整然たる五百
噸
(
トン
)
級、
乃至
(
ないし
)
二百噸級の水雷駆逐艇が五艘、九十線の銅版キメ細やかに浮き出しているとは夢にも知らずに
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
今日、すぐさま柳さんに、せめて一茶の字、
乃至
(
ないし
)
は下手物皿に見えた字に負けないほど無心に書いてもらえれば、申し分ないのである。
柳宗悦氏の筆蹟を通じその人を見る:――名論の逆を行く氏の書――
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
▼ もっと見る
けれどお七の心の中には賢もなく愚もなく善もなく悪もなく人間もなく世間もなく天地万象もなく、
乃至
(
ないし
)
思慮も分別もなくなって居る。
恋
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
そこで、このアパートが普通の下宿屋
乃至
(
ないし
)
木賃宿とそんなにちがつたものでないと云つても、あやしむことなく理解されるだらう。
日本三文オペラ
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
爰
(
ここ
)
に一種の研究所を設けて、
凡
(
およ
)
そ五、六名
乃至
(
ないし
)
十名の学者を
撰
(
えら
)
び、
之
(
これ
)
に生涯安心の生計を授けて学事の外に顧慮する所なからしめ
人生の楽事
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
また世の父兄が高等女学校
乃至
(
ないし
)
現在の女子大学程度の授業を以て女子に高等教育を授けたかの如く誤解されないように希望します。
婦人改造と高等教育
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
かくの如く嘉靖または万暦の初年と康煕の初年との間、
殆
(
ほとん
)
ど百年
乃至
(
ないし
)
百五十年のうちにも
髣髴
(
ほうふつ
)
として
如此
(
かくのごとき
)
の音韻変化の迹がたどられる。
南嶋を思いて:――伊波文学士の『古琉球』に及ぶ――
(新字新仮名)
/
新村出
(著)
「
真耳鼻舌身意
(
けんにびぜつしんい
)
も無く、
色馨香味触法
(
しきしょうこうみそくほう
)
も無く、
眼界
(
げんかい
)
も無く、
乃至
(
ないし
)
、意識界も無く、
無明
(
むみょう
)
も無く、また無明の尽くることもなく……」
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
これを作ったわけは、如何なる
防潜網
(
ぼうせんもう
)
も海面下二メートル
乃至
(
ないし
)
十数メートル下に張ってあるから、普通の潜水艦艇では、突破は困難だ。
独本土上陸作戦:――金博士シリーズ・3――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
湯の温度は百六十三度
乃至
(
ないし
)
百五度ぐらいで、
打撲
(
うちみ
)
金瘡
(
きりきず
)
は勿論、胃病、便秘、子宮病、
僂麻質私
(
りょうまちす
)
などの諸病に
効能
(
きゝめ
)
があると申します。
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
すべて、
海上
(
かいじやう
)
の
規則
(
きそく
)
では、
船
(
ふね
)
の
出港
(
しゆつかう
)
の十
分
(
ぷん
)
乃至
(
ないし
)
十五
分
(
ふん
)
前
(
まへ
)
に、
船中
(
せんちう
)
を
布
(
ふ
)
れ
廻
(
まは
)
る
銅鑼
(
どら
)
の
響
(
ひゞき
)
の
聽
(
きこ
)
ゆると
共
(
とも
)
に
本船
(
ほんせん
)
を
立去
(
たちさ
)
らねばならぬのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
或
(
ある
)
ひは
娘共
(
むすめども
)
が
仰向
(
あふむけ
)
に
臥
(
ね
)
てゐる
時分
(
じぶん
)
に、
上
(
うへ
)
から
無上
(
むしゃう
)
に
壓迫
(
おさへつ
)
けて、つい
忍耐
(
がまん
)
する
癖
(
くせ
)
を
附
(
つ
)
け、
難
(
なん
)
なく
強者
(
つはもの
)
にしてのくるも
彼奴
(
きゃつ
)
の
業
(
わざ
)
。
乃至
(
ないし
)
は……
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
その時の私の心もちと申しましたら、嬉しいとも、悲しいとも、
乃至
(
ないし
)
はまた残念だとも、何ともお話しの致しようがございません。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
郵船会社の方が
却
(
かへつ
)
て四円
乃至
(
ないし
)
四円五十銭と申すのは、余りに公平を欠きまする様で——第一に国家の公益で無い様に思ひまするので
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
金作の話に
拠
(
よ
)
ると、内蔵助平は熊や羚羊や猿などの好猟地で、以前は糧食を携えて五日
乃至
(
ないし
)
一週間と狩り暮したことがあるという。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
土間無く、天井無く、障子
襖
(
ふすま
)
無く、壁一重にて隣を分ち、大戸一枚道路を隔てる、戸に接してわづかに三畳
乃至
(
ないし
)
五六畳の一室あるのみ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
乃至
(
ないし
)
は最初の印象を、思い出として心のなかで
慈
(
いつくし
)
んでいるのがほんとうかもしれぬ。改めて観察しようというのが不心得なのであろう。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
帰朝後も独身生活の気やすさに
馴
(
な
)
れて家庭を作ろうとしなかったので、今日まで奥さん
乃至
(
ないし
)
奥さんらしいものを持ったことがない。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
其れが
焼鏝
(
やきごて
)
を当てる様になり、
乃至
(
ないし
)
「ヌマ」と云ふ曲つたピンに巻いて
縮
(
ちゞ
)
らす様になると、癖を附けぬ毛の三倍程も毛は
膨
(
ふく
)
れるが
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
我は
心裡
(
しんり
)
にヱネチアの歴史を繰り返して、その
古
(
いにしへ
)
の富、古の繁華、古の獨立、古の權勢
乃至
(
ないし
)
大海に
配
(
めあは
)
すといふ古の
大統領
(
ドオジエ
)
の事を思ひぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その雑木林から崖になっている多摩川沿いに至るまでの間がここの本村になっている、東西は一里、南北は五町
乃至
(
ないし
)
十町位のものだろう。
百姓弥之助の話:01 第一冊 植民地の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
具体的に云うと、
甚
(
はなは
)
だしい場合には、彼女の父母は、半間
乃至
(
ないし
)
一間の距離で蘭子の柔い肉塊を、ゴムまりみたいに
抛
(
ほう
)
りっこするのである。
江川蘭子
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
これらの場所の積雪は一丈
乃至
(
ないし
)
三丈にも及ぶものがあるから、暖地の者には想像も及ばぬ凄じいものであるといわねばならない。
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
要するし、産婆とか看護婦とか、
乃至
(
ないし
)
医師にも口留めをしなければならんし、それに奥さんが承知されるかどうか、それも疑問だ
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
しかるに
海幸
(
うみさち
)
を守る蛭子社を数町
乃至
(
ないし
)
一、二里も陸地内に合併されては、事あるごとに祈願し得ず、兵卒が将校を
亡
(
うしな
)
いしごとく歎きおり
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
地震直後
(
ぢしんちよくご
)
から
大正
(
たいしやう
)
十三四
年
(
ねん
)
頃
(
ごろ
)
までの
樣
(
やう
)
に十
弗
(
ドル
)
以上
(
いじやう
)
も
下
(
さが
)
つたこともあるけれども、
平均
(
へいきん
)
して
先
(
ま
)
づ四
分
(
ぶ
)
乃至
(
ないし
)
六
分
(
ぶ
)
下
(
さが
)
つて
居
(
ゐ
)
ると
云
(
い
)
ふ
状況
(
じやうきやう
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
乃至
(
ないし
)
は過失として片づけたい夫人には、良人が新子を愛していると云われたことは、堪えられないことだったので、思わずカッとなって
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「ええ、ありません。もっとも、顔面、掌その他に、極めて軽微な表皮剥脱
乃至
(
ないし
)
皮下出血がありますが、死因とは無関係です」
気狂い機関車
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
こんな
中腰
(
ちゅうごし
)
の態度で、芝居を見物する原因は複雑のようですが、その五割
乃至
(
ないし
)
七割は舞台で演ずる劇そのものに帰着するのかも知れません。
虚子君へ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そんなら今に
迨
(
いた
)
るまでに、わたくしの見た最古の「武鑑」
乃至
(
ないし
)
その類書は何かというと、それは
正保
(
しょうほう
)
二年に作った江戸の「屋敷附」である。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
近年はだんだんにその跡を絶ったが、むかしは一丈五尺
乃至
(
ないし
)
二丈ぐらいのうわばみが悠々とのたくっていたということである。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
むろん
例外
(
れいがい
)
はありましょうが、
現在
(
げんざい
)
では
数百年前
(
すうひゃくねんぜん
)
乃至
(
ないし
)
千
年
(
ねん
)
二千
年
(
ねん
)
前
(
ぜん
)
に
帰幽
(
きゆう
)
した
人霊
(
じんれい
)
が、
守護霊
(
しゅごれい
)
として
主
(
おも
)
に
働
(
はたら
)
いているように
見受
(
みう
)
けられます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「生の流転をはかなむ心持ちに
纏絡
(
てんらく
)
する煩わしい感情から脱したい、
乃至
(
ないし
)
時々それから避けて休みたい、ある土台を得たい」
享楽人
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
則ち人類から他の哺乳類鳥類
爬虫
(
はちゅう
)
類魚類それから節足動物とか
軟体
(
なんたい
)
動物とか
乃至
(
ないし
)
原生動物それから一転して植物、の細菌類
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
淋しい大破した本堂の中に
漲
(
みなぎ
)
り渡る
寂滅
(
じやくめつ
)
の気分は、女や子供、
乃至
(
ないし
)
は真面目に考へる人達の心を動かさずには置かなかつた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
近年ファーブルのものを
頻
(
しき
)
りに飜訳していたが、この種の文学的
乃至
(
ないし
)
学術的興味を早くから持っていて、主義者
肌
(
はだ
)
よりはむしろ文人肌であった。
最後の大杉
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
本校は、決して、諸君が改進党に入ると自由党に入ると
乃至
(
ないし
)
帝政党に入るとを問て、その親疎を
別
(
わか
)
たざるなり(大喝采)。
祝東京専門学校之開校
(新字新仮名)
/
小野梓
(著)
お
許
(
もと
)
の
怨
(
ゑん
)
じはまこと心底の胸から出やるか、
乃至
(
ないし
)
は唇の
面
(
おもて
)
からか。いやさ、それを告げいでは、ちやくと教へられぬわい。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
あんまり綺麗でない壁にあんまり綺麗でない大鏡が二個
乃至
(
ないし
)
三個ならび、そのあいだに角の
演芸館
(
ヴァライティ
)
の二週間まえのびらと
踊る地平線:02 テムズに聴く
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
全然未知の権力に対して、彼らの場合には、偶然のめぐり合せを期待しなければならない。
乃至
(
ないし
)
は、
甚
(
はなは
)
だ微妙な交渉の呼吸が必要になって来る。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
現代ではすべての文筆家が多かれ
少
(
すくな
)
かれ何らかの条件
乃至
(
ないし
)
は制限を加えられて書くことを要求されるのである。
或
(
あ
)
る作家はこういう註文をうける。
童話における物語性の喪失
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
イクラを
鈎
(
はり
)
にさすには、一粒
乃至
(
ないし
)
二粒でよろしい。数多くつける必要はないのである。鈎合わせは素早い方がよろしい。
鱒の卵
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
既に従来の道徳は必然服従せねばならぬものでない以上、
凡
(
すべ
)
ての夫が妻ならぬ女に通じ、凡ての妻が夫ならぬ男に通じても可いものとし、
乃至
(
ないし
)
は
性急な思想
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
百万人の文学としての通俗小説は、現代では、新聞のメカニズムに乗ることなしには考へられない。
乃至
(
ないし
)
は、それがもつとも確実で、早道なのだ。
百万人のそして唯一人の文学
(新字旧仮名)
/
青野季吉
(著)
乃至
(
ないし
)
は幾分のセンセイショナルな意味で「阿呆の首」とか「或る詩人」とでも変えたならばこの難を免れ得るであろうと経川に計ったのであるが
ゼーロン
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
日本在来の宗教は主として支那、
印度
(
インド
)
から来た仏教
乃至
(
ないし
)
儒教で多神教であるが、天主教はそれとは違って一神教である。
東西両文明の調和を論じて帝国の将来に及ぶ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
又中間若党の
類
(
たぐい
)
も相応にいたろう。茶坊主、小姓
乃至
(
ないし
)
奥女中の類も沢山にいたろう。又家老その他の諸役人もいたろう。
丸の内
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
乃
漢検準1級
部首:⼃
2画
至
常用漢字
小6
部首:⾄
6画
“乃”で始まる語句
乃公
乃
乃木
乃父
乃枝
乃舅
乃蛮
乃祖
乃木大将
乃美元信