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鳥籠
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とりかご
ふりがな文庫
“
鳥籠
(
とりかご
)” の例文
大きな
鉄製
(
かねせい
)
の
鳥籠
(
とりかご
)
に、陶器でできた
餌壺
(
えつぼ
)
をいくつとなく外から
括
(
くく
)
りつけたのも、そこにぶら下がっていた。その隣りは皮屋であった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこでエミリアンは、さつそく町の方へいつて、大きな
鳥籠
(
とりかご
)
と、それをつゝむ黒い
布
(
きれ
)
と、
黄楊
(
つげ
)
の青葉をたくさん、買ひこんできました。
エミリアンの旅
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
網
(
あみ
)
を
張
(
は
)
つた
高
(
たか
)
い
竹竿
(
たけざを
)
には
鳥籠
(
とりかご
)
が
掛
(
かゝ
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。その
中
(
なか
)
には
囮
(
をとり
)
が
飼
(
か
)
つてありまして、
小鳥
(
ことり
)
の
群
(
むれ
)
が
空
(
そら
)
を
通
(
とほ
)
る
度
(
たび
)
に
好
(
い
)
い
聲
(
こゑ
)
で
呼
(
よ
)
びました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「おほせまでも
候
(
さふら
)
はず、
江戸表
(
えどおもて
)
にて
將軍
(
しやうぐん
)
御手飼
(
おてがひ
)
の
鳥籠
(
とりかご
)
たりとも
此上
(
このうへ
)
に
何
(
なん
)
とか
仕
(
つかまつ
)
らむ、
日本一
(
につぽんいち
)
にて
候
(
さふらふ
)
。」と
餘念
(
よねん
)
も
無
(
な
)
き
體
(
てい
)
なり。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
アマリヤ・リッペヴェフゼルの住まいを細かく割っているいくつかの奥の小部屋、というより
鳥籠
(
とりかご
)
へ通ずるドアは、あけっ放しになっていた。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
▼ もっと見る
敏子は憂鬱な眼を挙げると、神経的に濃い
眉
(
まゆ
)
をひそめた。が、一瞬の無言の
後
(
のち
)
、
鳥籠
(
とりかご
)
の文鳥を見るが早いか、嬉しそうに
華奢
(
きゃしゃ
)
な両手を拍った。
母
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
鳥籠
(
とりかご
)
一つを、必死にかかえて、うろうろしている。その鳥籠を取りあげられたら、彼は舌を
噛
(
か
)
んで死ぬだろう。なるべくなら、取りあげないで、ほしいのである。
一灯
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ベソを
掻
(
か
)
いている稚妓に聞くと、稚妓をさし措いて小鳥屋の亭主が、
店頭
(
みせさき
)
の立派やかな
鳥籠
(
とりかご
)
を示し、これは今、
蒔絵
(
まきえ
)
の鳥籠を註文してあるが、それが出来てくれば
春の雁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そしてそのだだッ広いアトリエの一と間は、彼女のためには大きな
鳥籠
(
とりかご
)
だったのです。五月も暮れて明るい初夏の気候が来る。花壇の花は日増しに伸びて色彩を増して来る。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
暫
(
しばら
)
くして任実の町にさしかかった。
幸
(
さいわい
)
にもまた市日に出会う。たちまち四人の眼が忙しく働く。思い切って私たちは大きなものを買った。一つは竹でこしらえた
鳥籠
(
とりかご
)
である。
全羅紀行
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
網の
裾
(
すそ
)
は地面にずらりと並べた大きな石で押さえられて、何物もそれをくぐることができないようになっていた。その金網は動物園の大きな
鳥籠
(
とりかご
)
に用うるものの一片だった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
太陽は入江の水平線へ
朱
(
しゅ
)
の一点となって没していった。
不弥
(
うみ
)
の
宮
(
みや
)
の
高殿
(
たかどの
)
では、
垂木
(
たるき
)
の
木舞
(
こまい
)
に
吊
(
つ
)
り
下
(
さ
)
げられた
鳥籠
(
とりかご
)
の中で、
樫鳥
(
かけす
)
が習い覚えた
卑弥呼
(
ひみこ
)
の名を一声呼んで眠りに落ちた。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
右上の
鳥籠
(
とりかご
)
に
腰
(
こし
)
かけていた亜米利加美人がばちゃんと、下のプウルに落ちこみました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
丸い
鳥籠
(
とりかご
)
がかかっていて、静かな朝などに愛らしいカナリアの
啼
(
な
)
き声が、彼の部屋へも聞こえて来たが、それが葉子の引越しを祝って、彼女の弟が
餞別
(
せんべつ
)
にくれたものだというのは
嘘
(
うそ
)
で
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
大勢の女の目が只一つの物に集注しているので、岡田はその視線を
辿
(
たど
)
ってこの騒ぎの元を見附けた。それはそこの家の格子窓の上に
吊
(
つ
)
るしてある
鳥籠
(
とりかご
)
である。女共の騒ぐのも無理は無い。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
漆
(
うるし
)
にかぶれた坊さんや、少しびつこをひく馬や、
萎
(
しを
)
れかかつた
牡丹
(
ぼたん
)
の
鉢
(
はち
)
を、車につけて引く園丁や、いんこを入れた
鳥籠
(
とりかご
)
や、次から次とのぼつて行つて、さて坂上に行き着くと、病気の人は
北守将軍と三人兄弟の医者
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
事務机、
戸棚
(
とだな
)
、
台秤
(
だいばかり
)
など。ほかにアーストロフ用のやや小型なテーブル。その上に製図用具や絵具、そばに大きな紙挟み。
椋鳥
(
むくどり
)
を入れた
鳥籠
(
とりかご
)
。壁には、誰にも用のなさそうなアフリカの地図。
ワーニャ伯父さん:――田園生活の情景 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
例えば東京などでもスズメカゴといえば小さな
鳥籠
(
とりかご
)
のことで、時々は雀も入れるまでであるが、コトリカゴという語が出来ているために、こちらは特に粗末なものだけをそういうようになった。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
家の裡には矢張
鳥籠
(
とりかご
)
が幾ツもかけてあツて、籠を飛廻ツてゐる目白の羽音が、パサ/\と靜に聞えた。前からある時計もチクチク鈍い音で時を刻むで、以前は無かツた月琴の三挺も壁にかゝツてゐた。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
鳥のいない
鳥籠
(
とりかご
)
La Cage sans oiseaux
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
携へし
鳥籠
(
とりかご
)
の青き小鳥の鳴くこゑをさびしみながら
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
とあるお
家
(
うち
)
の
鳥籠
(
とりかご
)
に
鸚鵡:(フランス)
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
国王は城の広い庭に
鳥籠
(
とりかご
)
を下ろさせ、それから袋を取り去って中をのぞきました。まわりの人達も一度にのぞき込みました。
夢の卵
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
固
(
もと
)
より
些細
(
ささい
)
のことながら
萬事
(
ばんじ
)
は
推
(
お
)
して
斯
(
か
)
くの
如
(
ごと
)
けむ、
向後
(
かうご
)
我身
(
わがみ
)
の
愼
(
つゝし
)
みのため、
此上
(
このうへ
)
も
無
(
な
)
き
記念
(
きねん
)
として、
彼
(
か
)
の
鳥籠
(
とりかご
)
は
床
(
とこ
)
に
据
(
す
)
ゑ、
見
(
み
)
て
慰
(
なぐさ
)
みとなすべきぞ。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
下水の
溜
(
ため
)
がある。野菜畠も造ってある。縁側に近く、大きな
鳥籠
(
とりかご
)
が伏せてあって、その辺には鶏が遊んでいる。
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼女は実際この部屋の空気と、——殊に
鳥籠
(
とりかご
)
の中の
栗鼠
(
りす
)
とは
吊
(
つ
)
り
合
(
あ
)
わない存在に違いなかった。
湖南の扇
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そこへ
汚
(
きた
)
ない支那人が二三人、
奇麗
(
きれい
)
な
鳥籠
(
とりかご
)
を
提
(
さ
)
げてやって来た。支那人て
奴
(
やつ
)
は
風雅
(
ふうが
)
なものだよ。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
暖炉の中には種々なものがはいっていた、
火鉢
(
ひばち
)
、
鍋
(
なべ
)
、こわれた板、
釘
(
くぎ
)
にかかってるぼろ、
鳥籠
(
とりかご
)
、灰、それから少しの火まで。二本の燃えさしの
薪
(
まき
)
が、寂しげにくすぶっていた。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
比叡
(
ひえい
)
、
根来
(
ねごろ
)
の
霊山
(
れいざん
)
を
焼
(
や
)
きはらって
惜
(
お
)
しまぬ
荒武者
(
あらむしゃ
)
のわらじにも、まだここの
百合
(
ゆり
)
の花だけはふみにじられず、どこの家も小ぎれいで、まどには
鳥籠
(
とりかご
)
、
垣
(
かき
)
には
野菊
(
のぎく
)
、のぞいてみれば
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いよいよ
以
(
もっ
)
て浮世の金網と
鳥籠
(
とりかご
)
との束縛を、必要とするに至るなきか。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
其
(
それ
)
に
較
(
くら
)
べて
見
(
み
)
る
時
(
とき
)
は、
鳥籠
(
とりかご
)
の
中
(
なか
)
は
狹
(
せま
)
けれども、
二疊
(
にでふ
)
ばかりあるらむを、
汝
(
なんぢ
)
一人
(
ひとり
)
の
寢起
(
ねおき
)
にはよも
堪難
(
たへがた
)
きことあるまじ。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
夜が明けると、国王と王子は強い家来を二十人ばかり引き連れ、皆一人一人象の背に乗り、一つの象には大きな
鳥籠
(
とりかご
)
をのせて、城の後の森の中へ上がって行きました。
夢の卵
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
が、この部屋の天井の隅には針金細工の
鳥籠
(
とりかご
)
が一つ、
硝子窓
(
がらすまど
)
の側にぶら下げてあった。その又籠の中には
栗鼠
(
りす
)
が二匹、全然何の音も立てずに止まり木を上ったり下ったりしていた。
湖南の扇
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
僕はその
傍
(
そば
)
に伏せてある
鉄網
(
かなあみ
)
の
鳥籠
(
とりかご
)
らしいものを
眺
(
なが
)
めて、その
恰好
(
かっこう
)
がちょうど
仏手柑
(
ぶしゅかん
)
のごとく不規則に
歪
(
ゆが
)
んでいるのに一種
滑稽
(
こっけい
)
な思いをした。すると叔父が突然、何分
臭
(
くさ
)
いねと云い出した。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
引掴
(
ひッつか
)
んじゃ
不可
(
いけな
)
い、そっとそっと。」これが
鶯
(
うぐいす
)
か、かなりやだと、伝統的にも世間体にも、それ
鳥籠
(
とりかご
)
をと、
内
(
うち
)
にはないから買いに出る
処
(
ところ
)
だけれど、
対手
(
あいて
)
が、のりを
舐
(
な
)
める
代
(
しろ
)
もので
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
由雄の手に
提
(
さ
)
げた書物は、今朝お延の返しに行ったものに比べると、約三倍の量があった。彼はそれを
更紗
(
さらさ
)
の風呂敷に包んで、あたかも
鳥籠
(
とりかご
)
でもぶら下げているような具合にしてお延に示した。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
渠
(
かれ
)
が書斎の
椽前
(
えんさき
)
には、一個
数寄
(
すき
)
を尽したる
鳥籠
(
とりかご
)
を懸けたる中に、一羽の純白なる
鸚鵡
(
おうむ
)
あり、
餌
(
え
)
を
啄
(
ついば
)
むにも飽きたりけむ、もの淋しげに謙三郎の後姿を見
遣
(
や
)
りつつ、
頭
(
かしら
)
を左右に傾けおれり。
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
口惜しく腹立たしきまま身の
周囲
(
まわり
)
はことごとく
敵
(
かたき
)
ぞと思わるる。町も、家も、樹も、
鳥籠
(
とりかご
)
も、はたそれ何等のものぞ、姉とてまことの姉なりや、さきには一たびわれを見てその弟を忘れしことあり。
竜潭譚
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
口惜
(
くちお
)
しく腹立たしきまま身の
周囲
(
まわり
)
はことごとく
敵
(
かたき
)
ぞと思わるる。町も、家も、樹も、
鳥籠
(
とりかご
)
も、はたそれ何らのものぞ、姉とてまことの姉なりや、さきには
一
(
ひと
)
たびわれを見てその弟を忘れしことあり。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“鳥籠(鳥かご)”の解説
烏龍
鳥かご・鳥籠(とりかご、とりこ、英語:Bird cage)とは、鳥を飼うために用いる籠である。ペット(愛玩鳥)として飼育する場合、または養鶏場内で食用鶏を収容するためにも用いる(「バタリーケージ」参照)。中でもインテリアとしても使用できるものは、「アンティーク鳥かご」と呼ばれている。
(出典:Wikipedia)
鳥
常用漢字
小2
部首:⿃
11画
籠
常用漢字
中学
部首:⽵
22画
“鳥”で始まる語句
鳥
鳥渡
鳥目
鳥屋
鳥居
鳥羽
鳥打帽
鳥越
鳥獣
鳥打