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青黒
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あおぐろ
ふりがな文庫
“
青黒
(
あおぐろ
)” の例文
夜
(
よる
)
になると、はたして、
父親
(
ちちおや
)
はいいました。
月
(
つき
)
もない
暗
(
くら
)
い
晩
(
ばん
)
でありました。
星
(
ほし
)
の
光
(
ひかり
)
が
降
(
ふ
)
るように、
青黒
(
あおぐろ
)
い
空
(
そら
)
に
輝
(
かがや
)
いていました。
幸福のはさみ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
清造はしばらく目をつぶってから、
青黒
(
あおぐろ
)
くよどんだ水の上に、大きなあわがふたつぽかりと
浮
(
う
)
かんだところをかきました。
清造と沼
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
「
彼
(
あれ
)
が
叡山
(
えいざん
)
です。彼が比良です。
彼処
(
あすこ
)
に
斯
(
こ
)
う少し湖水に出っぱった所に
青黒
(
あおぐろ
)
いものが見えましょう——彼が
唐崎
(
からさき
)
の松です」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
と小法師の
擡
(
もた
)
げた顔の、鼻は
鉤形
(
かぎなり
)
に
尖
(
とが
)
つて、色は
鳶
(
とび
)
に
斉
(
ひと
)
しい。
青黒
(
あおぐろ
)
く、
滑々
(
ぬらぬら
)
とした
背膚
(
せはだ
)
の
濡色
(
ぬれいろ
)
に、星の影のチラ/\と
映
(
さ
)
す
状
(
さま
)
は、
大鯰
(
おおなまず
)
が
藻
(
も
)
の花を
刺青
(
ほりもの
)
したやうである。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
穏
(
おだ
)
やかな
夕暮
(
ゆうぐ
)
れでした。
乙
(
おつ
)
は、じっと
船
(
ふね
)
を
見送
(
みおく
)
っていますと、いつしか、
青黒
(
あおぐろ
)
い
沖
(
おき
)
の
間
(
あいだ
)
に
隠
(
かく
)
れて
見
(
み
)
えなくなってしまいました。
幽霊船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
少年
(
しょうねん
)
は、
海
(
うみ
)
をながめていました。
青黒
(
あおぐろ
)
い
水平線
(
すいへいせん
)
は、うねりうねっていました。それはちょうど、一
連
(
れん
)
の
遠
(
とお
)
い
山脈
(
さんみゃく
)
を
見
(
み
)
るように
思
(
おも
)
われたのです。
北の少女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
夜
(
よる
)
の
空
(
そら
)
は
深
(
ふか
)
い
沼
(
ぬま
)
の
中
(
なか
)
をのぞくように
青黒
(
あおぐろ
)
く
見
(
み
)
えました。そのうちに、だんだん
星
(
ほし
)
の
光
(
ひかり
)
がたくさんになって
見
(
み
)
えてきました。
不死の薬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
このとき、かしの
木
(
き
)
の
葉
(
は
)
が、さらさらといって、
青黒
(
あおぐろ
)
いガラスのような
空
(
そら
)
で
鳴
(
な
)
りました。三
人
(
にん
)
はしばらく
黙
(
だま
)
っていましたが、
乙
(
おつ
)
が
丙
(
へい
)
に
向
(
む
)
かって
不死の薬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
公園
(
こうえん
)
の
木立
(
こだち
)
は、
青黒
(
あおぐろ
)
い、
夜
(
よ
)
の
空
(
そら
)
に
立
(
た
)
っていました。
細
(
こま
)
かな
葉
(
は
)
が、かわいらしい、
清
(
きよ
)
らかな
歯
(
は
)
を
見
(
み
)
せて
笑
(
わら
)
っているように、
微風
(
びふう
)
に
揺
(
ゆ
)
らいでいました。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
玉
(
たま
)
はつやつやしていて、
深
(
ふか
)
い
海
(
うみ
)
の
色
(
いろ
)
のように
青黒
(
あおぐろ
)
く、どこまで
深
(
ふか
)
いのか、
底
(
そこ
)
が
知
(
し
)
れぬように、じっと
見
(
み
)
つめていると、
引
(
ひ
)
き
入
(
い
)
れられるような
気
(
き
)
がしました。
青い玉と銀色のふえ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いまだに、この
話
(
はなし
)
は、
北
(
きた
)
の
港
(
みなと
)
に
残
(
のこ
)
っています。
無人
(
むじん
)
の
小島
(
こじま
)
は、いまも、
青黒
(
あおぐろ
)
い
波
(
なみ
)
の
間
(
あいだ
)
に
頭
(
あたま
)
をあらわしています。
幽霊船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
青黒
(
あおぐろ
)
い
空
(
そら
)
は、だんだん
上
(
あ
)
がるにつれて
明
(
あか
)
るくなりました。そして、
行
(
ゆ
)
く
手
(
て
)
には、
美
(
うつく
)
しい
星
(
ほし
)
が
光
(
ひか
)
っていました。
飴チョコの天使
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
沖
(
おき
)
の
方
(
ほう
)
に、
光
(
ひか
)
ったものが
見
(
み
)
えます。
海
(
うみ
)
の
水
(
みず
)
は、
青黒
(
あおぐろ
)
いように、ものすごくありました。そして、このあたりは、
北極
(
ほっきょく
)
に
近
(
ちか
)
いので、いつも
寒
(
さむ
)
かったのであります。
幽霊船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
たいは、いま、ふたたび
故郷
(
こきょう
)
に
帰
(
かえ
)
ろうとします。
女
(
おんな
)
が、
紅
(
あか
)
いたいを、
波
(
なみ
)
の
間
(
あいだ
)
に
落
(
お
)
としますと、たいは、おどって、はや、その
姿
(
すがた
)
を
青黒
(
あおぐろ
)
い
海
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
に
隠
(
かく
)
したのです。
女の魚売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、おばあさんはいいました。
辰吉
(
たつきち
)
は、それをほんとうだと
信
(
しん
)
じました。それからは、
毎晩
(
まいばん
)
のように、
戸外
(
おもて
)
に
出
(
で
)
て、
青黒
(
あおぐろ
)
い、
夜
(
よる
)
の
空
(
そら
)
に
輝
(
かがや
)
く
星
(
ほし
)
の
光
(
ひかり
)
を
見上
(
みあ
)
げました。
木に上った子供
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
また一
方
(
ぽう
)
は、はるかに、
青黒
(
あおぐろ
)
い
山脈
(
さんみゃく
)
が、よく
晴
(
は
)
れた
月
(
つき
)
の
明
(
あか
)
るい
空
(
そら
)
の
下
(
した
)
に、えんえんと
連
(
つら
)
なっていました。
生きた人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
町
(
まち
)
の
郊外
(
こうがい
)
には、
丘
(
おか
)
の
上
(
うえ
)
に、
圃
(
はたけ
)
の
中
(
なか
)
に、オレンジが、
美
(
うつく
)
しく、
西日
(
にしび
)
に
輝
(
かがや
)
いていました。
青黒
(
あおぐろ
)
い、
厚
(
あつ
)
みのある
葉
(
は
)
の
間
(
あいだ
)
から、
黄色
(
きいろ
)
い
宝石
(
ほうせき
)
で
造
(
つく
)
られた
珠
(
たま
)
のように
見
(
み
)
られました。
気まぐれの人形師
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
海
(
うみ
)
は、
永久
(
えいきゅう
)
にたえず
美妙
(
びみょう
)
な
唄
(
うた
)
をうたっています。その
唄
(
うた
)
の
声
(
こえ
)
にじっと
耳
(
みみ
)
をすましていると、いつしか、
青黒
(
あおぐろ
)
い
底
(
そこ
)
の
方
(
ほう
)
に
引
(
ひ
)
き
込
(
こ
)
められるような、なつかしさを
感
(
かん
)
じました。
明るき世界へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
くまざさをわけて、
下
(
した
)
をのぞくと、
水
(
みず
)
のおもてが、
青黒
(
あおぐろ
)
く
光
(
ひか
)
って、それへ、まわりの
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
から、たれさがる、むらさき
色
(
いろ
)
のふじの
花
(
はな
)
が、
美
(
うつく
)
しいかげをうつしていました。
水七景
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
青黒
(
あおぐろ
)
い
色
(
いろ
)
をした
小
(
ちい
)
さな
石
(
いし
)
でありました。この
石
(
いし
)
は、
子供
(
こども
)
がじっとその
石
(
いし
)
を
見
(
み
)
つめたときに
はてしなき世界
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
女
(
おんな
)
は、
途方
(
とほう
)
に
暮
(
く
)
れて、
波打
(
なみう
)
ちぎわに
立
(
た
)
ったまま
泣
(
な
)
いていました。そのとき、
空
(
そら
)
の
色
(
いろ
)
は、しだいにうすれて、やがて、
空
(
そら
)
も、
海
(
うみ
)
も、まったく、
青黒
(
あおぐろ
)
くなってしまったのであります。
女の魚売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
日
(
ひ
)
が
西
(
にし
)
に
沈
(
しず
)
む
時分
(
じぶん
)
は、
赤
(
あか
)
く
空
(
そら
)
が
燃
(
も
)
えるようにみえましたが、
日
(
ひ
)
がまったく
暮
(
く
)
れてしまうと、
空
(
そら
)
の
色
(
いろ
)
は、
青黒
(
あおぐろ
)
くさえて、
寒
(
さむ
)
さで
音
(
おと
)
をたてて
凍
(
い
)
て
破
(
わ
)
れるかと
思
(
おも
)
われるほどでありました。
春になる前夜
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そのうちに、
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れかかった。
木々
(
きぎ
)
のこずえが、さやさやと
鳴
(
な
)
りはじめて、
空
(
そら
)
の
色
(
いろ
)
は、
青黒
(
あおぐろ
)
く
見
(
み
)
え、
燈火
(
ともしび
)
の
光
(
ひかり
)
がきらめき、
草
(
くさ
)
の
葉
(
は
)
や、
木
(
き
)
のこずえに
反射
(
はんしゃ
)
しているのが
見
(
み
)
られたのです。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
霜
(
しも
)
が
降
(
ふ
)
るかと
見
(
み
)
えて、
空
(
そら
)
は
光
(
ひか
)
っています。そして
星明
(
ほしあ
)
かりに
青黒
(
あおぐろ
)
いガラスのようにさえた
空
(
そら
)
は、すみからすみまでふき
清
(
きよ
)
められたごとく、
下界
(
げかい
)
の
黒
(
くろ
)
い
木立
(
こだち
)
の
影
(
かげ
)
も
映
(
うつ
)
るばかりでありました。
酔っぱらい星
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
佐吉
(
さきち
)
や、お
酒
(
さけ
)
を
買
(
か
)
いにいってこい。」と、お
父
(
とう
)
さんはいいました。
佐吉
(
さきち
)
は、びんを
握
(
にぎ
)
って
出
(
で
)
かけました。
雪
(
ゆき
)
が、
凍
(
こお
)
っていました。
空
(
そら
)
は
青黒
(
あおぐろ
)
くさえて、
星
(
ほし
)
の
光
(
ひかり
)
が
飛
(
と
)
ぶように
輝
(
かがや
)
いていました。
酔っぱらい星
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
娘
(
むすめ
)
は、
目
(
め
)
がよく
見
(
み
)
えませんけれど、この
深
(
ふか
)
そうに
青黒
(
あおぐろ
)
く
見
(
み
)
える、
池
(
いけ
)
の
面
(
おもて
)
に
映
(
うつ
)
った
星
(
ほし
)
の
光
(
ひかり
)
だけはわかりました。
彼女
(
かのじょ
)
は、ずっとその
池
(
いけ
)
の
面
(
おもて
)
を
見
(
み
)
つめて、
死
(
し
)
んでしまおうかと
思案
(
しあん
)
していました。
めくら星
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
広
(
ひろ
)
いすそ
野
(
の
)
のふちを、
青黒
(
あおぐろ
)
い
色
(
いろ
)
の
海
(
うみ
)
が、うねりをあげ、そして、もやのかかる
松林
(
まつばやし
)
や、
白
(
しろ
)
い
砂
(
すな
)
の
浜辺
(
はまべ
)
は、
浮
(
う
)
き
織
(
お
)
りの
模様
(
もよう
)
のように
見
(
み
)
えるので、さすがに
天女
(
てんにょ
)
も、しばらくはわれを
忘
(
わす
)
れて
羽衣物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
やがて
町
(
まち
)
へはいろうとすると、
建物
(
たてもの
)
の
間
(
あいだ
)
から、
青黒
(
あおぐろ
)
い
海
(
うみ
)
が
見
(
み
)
えました。
びんの中の世界
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
青
常用漢字
小1
部首:⾭
8画
黒
常用漢字
小2
部首:⿊
11画
“青黒”で始まる語句
青黒色
青黒馬