自信じしん)” の例文
私達はとてもあの人達のやうな自信じしんほこりを持つことが出來なかつた。決して現在げんざいの自らの心の状態を是認ぜにんすることが出來なかつた。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
「は、は、は、なんでも、ひとのできないことを、するのでなくちゃ、だめなのさ。」と、秀吉ひできちは、自信じしんありげに、いいました。
さか立ち小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
れはうでほそかつたが、このなかには南蠻鐵なんばんてつ筋金すぢがねはひつてゐるとおもふほどの自信じしんがある。ほそきにいてゐるてのひらが、ぽん/\とつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
世間せけんからては、病的びやうてき頭脳づのう狂人きちがひじみた気質きしつひともないことはなかつた。竹村自身たけむらじしんにしたところで、このてんでは、あま自信じしんのもてるはうではなかつた。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
あとでかんがえてみたとき事件発見者じけんはっけんしゃとしてのわたしは、何一なにひとつやりそこないをしなかつたという自信じしんがありました。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
それは気力きりょくと、権力けんりょくにおける自信じしんとがりぬので。命令めいれい主張しゅちょう禁止きんし、こううことはすべかれには出来できぬ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
〔譯〕匿情とくじやう愼密しんみつる。柔媚じうび恭順きようじゆんに似る。剛愎がうふく自信じしんに似る。故に君子はなる者をにくむ。
自信じしんにみちた声で答えた。小川軒は新橋駅前にある私の古い馴染なじみのレストランの名前である。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
もちろん、そのためにからだがいがあってはなんにもならないが、そのてん自信じしんがあったのだ
輪廓りんくわくといひ、陰影いんえいひ、運筆うんぴつといひ、自分じぶんたしかにこれまで自分じぶんいたものは勿論もちろん志村しむらいたものゝうちでこれにくらぶべき出來できはないと自信じしんして、これならばかなら志村しむら
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
そして、近頃ちかごろはだいぶ技法ぎはふにも自信じしんたが、うん左右さいうされてしまふ境地きやうちだけはどうにも仕方しかたがなく、ときにあまりに衰運すゐうん沈湎ちんめんさせられると、ちよつと麻雀マアジヤンにも嫌厭げんえんたるものをかんじる。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
諭吉ゆきちは、にいさんのいうことになっとくがいかず、それをそのままにしておかずに、じっさいにためしてみて、自信じしんをえたわけでした。すると、もっと、いろいろなことをためしてみたくなりました。
笑いがやまってからきくと、仁太は少々自信じしんをなくした声で
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
それから頭をって、ふかい自信じしんのある調子ちょうしでいった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
「いやだいやだ。僕がやれば、みんな助かるんだもの。僕はどうしてもやるよ。僕はね。あのファットマンの背中せなかでする芸なら、なんでも失敗しっぱいしないという自信じしんがあるんだからね。そんなに心配しないでやらせてくれよ。」
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
少年は自信じしんたっぷりです。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
清吉せいきちに、おばあさんの心持こころもちが、わかるようながしました。だから、自分じぶん言葉ことばちからをいれて、さも自信じしんありげに
戦争はぼくをおとなにした (新字新仮名) / 小川未明(著)
〔譯〕獨立どくりつ自信じしんたふとぶ。ねつえんくのねん、起す可らず。
アンドレイ、エヒミチは知識ちしき廉直れんちよくとをすこぶこのあいしてゐたのであるが、さてかれ自分じぶん周圍まはりには然云さうい生活せいくわつまうけること到底たうてい出來できぬのであつた。れは氣力きりよくと、權力けんりよくける自信じしんとがりぬので。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
と新吉は自信じしんのあることばで言いました。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
正吉しょうきちは、選挙せんきょに一ぴょうとうじてから、社会人しゃかいじんになれたという、つよ自覚じかくをもつと同時どうじに、自然しぜん観察かんさつから、また仕事しごとのうえにもだいなる自信じしんました。
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
吉坊よしぼうは、学校がっこうはしりっこをすると、選手せんしゅにもそんなにけないので、はしることにかけては自信じしんっていました。
父親と自転車 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「いや、わかいことはないだろう。百しゃくばかりげたら、いい鉱脈こうみゃくにぶっつかるようながするが。」と、一人ひとり坑夫こうふは、自信じしんありそうにいいました。
相撲すもうをとったり、はしりっこをしたのでは、いつでもいちばんに上手じょうずだといわれなかったけれど、木登きのぼりにかけては、自分じぶんは、だれにもけないという自信じしんができました。
高い木と子供の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なに、おれはうで自信じしんがあるんだよ。せんだってもはま射的屋しゃてきやで、旦那だんな、どうかごかんべんねがいますって、あやまられたんだぜ。ねらったが最後さいご、はずしっこないからな。」
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
いまにマラソン選手せんしゅになる自信じしんをもとうとして、あやまって、あしゆびをいためました。
空にわく金色の雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、まさちゃんには、もう、自分じぶんうつくしいじゅずだまつくれる自信じしんができました。
左ぎっちょの正ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ぼく、徒競走ときょうそう自信じしんがあるんだがな。」と、正吉しょうきちをかがやかしました。
空にわく金色の雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、みにくかたちとなったが、よりつよきるという決心けっしんは、それ以来いらいこったのであります。いまは、もはや、どんなにおおきなかぜいてもたおれはしないという自信じしんがもてるようになりました。
曠野 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そういわれたので、達夫たつおくんはかおあかくなりました。なぜなら、ごろから自分じぶんつよいのだと自信じしんしているだけに、いまさらはずかしくもできないなどと、弱音よわねをはきたくはなかったからでした。
つじうら売りのおばあさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
新吉しんきちは、自信じしんありげにかたをそびやかして、前方ぜんぽうをにらみました。
はととりんご (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、おはじきの上手じょうずとしちゃんは、自信じしんっていました。
友だちどうし (新字新仮名) / 小川未明(著)
それも、自信じしん努力どりょくすることが、たいせつなんだって。
空にわく金色の雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もう、自分じぶんちからで、きられる自信じしんがついたからな。
さか立ち小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)