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着
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ぎ
ふりがな文庫
“
着
(
ぎ
)” の例文
袖口だけに
刺繍
(
ぬい
)
のある
裾短
(
すそみじ
)
かな
繍
(
ぬい
)
の
上
(
う
)
わ
着
(
ぎ
)
、
洒落者
(
しゃれもの
)
とみえて、
黒紗
(
くろしゃ
)
の
卍頭巾
(
まんじずきん
)
には、
紅紐
(
べにひも
)
で
結
(
ゆ
)
ッた
髷
(
まげ
)
が紅花みたいに透いてみえる。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのうえに袷の
重
(
かさ
)
ね
着
(
ぎ
)
が追々と無くなって、中綿がたっぷりと入れられるようになれば、また
別様
(
べつよう
)
の肩腰の丸味ができてくる。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
が、おはるがとんでいくよりも
先
(
さき
)
に、みすぼらしいはんてん
着
(
ぎ
)
の
男
(
おとこ
)
がかけよって、お
嬢
(
じょう
)
さんをだきおこしてくれたのでした。
朝の公園
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
寝台
(
ねだい
)
、
卓
(
タアブル
)
、椅子の上へ掛けて
沢山
(
たくさん
)
の古い舞台
着
(
ぎ
)
が並べられ、其れを明るい夕日が
照
(
てら
)
す。マドレエヌは
一一
(
いちいち
)
嬉
(
うれ
)
しさうに眺めて追懐に耽つてゐる。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
眼
(
め
)
を
醒
(
さま
)
す刺激の
底
(
そこ
)
に
何所
(
どこ
)
か
沈
(
しづ
)
んだ調子のあるのを嬉しく思ひながら、
鳥打
(
とりうち
)
帽を
被
(
かむ
)
つて、
銘仙
(
めいせん
)
の不断
着
(
ぎ
)
の儘
門
(
もん
)
を
出
(
で
)
た。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
久
(
ひさ
)
しぶりでかしらは
美
(
うつく
)
しい
心
(
こころ
)
になりました。これはちょうど、
垢
(
あか
)
まみれの
汚
(
きたな
)
い
着物
(
きもの
)
を、きゅうに
晴
(
は
)
れ
着
(
ぎ
)
にきせかえられたように、
奇妙
(
きみょう
)
なぐあいでありました。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
みるとおどろいたことに、男は、へや
着
(
ぎ
)
のうえから、オーバーを着、
帽子
(
ぼうし
)
をかぶり、手ぶくろをはめ、ごていねいにえりまきまでしっかりと身につけていた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
するとおば上からは、ご
料
(
りょう
)
のお
上着
(
うわぎ
)
と、おはかま
着
(
ぎ
)
と、
懐剣
(
かいけん
)
とを、お別れのお
印
(
しるし
)
におくだしになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
僕は
外套
(
がいとう
)
の上にまた大外套を
重
(
かさ
)
ね
着
(
ぎ
)
していながら、風に向いた皮膚にしみとおる風の寒さを感じました。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
あるかなきかのおしろいのなまめき——しっとりとした
濡
(
ぬ
)
れの色の
鬢
(
びん
)
つき、
銀杏
(
いちょう
)
がえしに、大島の荒い一つ
着
(
ぎ
)
に
黒繻子
(
くろじゅす
)
の片側を前に見せて、すこしも
綺羅
(
きら
)
びやかには見せねど
大橋須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
見ながら右の金子にて
櫛
(
くし
)
簪
(
かんざし
)
又正月
着
(
ぎ
)
の小袖
帶
(
おび
)
など
種々
(
いろ/\
)
拵
(
こしら
)
へ兄藤助にも
着物
(
きもの
)
を
調
(
とゝの
)
へて遣はしましたが未だ
餘程
(
よほど
)
殘
(
のこ
)
りをりますと申すに越前守殿コリヤ久兵衞今其方も
聞
(
きく
)
通
(
とほ
)
り
己
(
おのれ
)
が
世話
(
せわ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
落
(
お
)
ちた
鉢
(
はち
)
の中からは、
金
(
きん
)
と
漆
(
うるし
)
をぬった
箱
(
はこ
)
が二つ出て、その中には
金
(
きん
)
の
杯
(
さかずき
)
に
銀
(
ぎん
)
の
長柄
(
ながえ
)
、
砂金
(
さきん
)
で
作
(
つく
)
ったたちばなの
実
(
み
)
と、
銀
(
ぎん
)
で
作
(
つく
)
ったなしの
実
(
み
)
、目の
覚
(
さ
)
めるような十二
単
(
ひとえ
)
の
晴
(
は
)
れ
着
(
ぎ
)
の
緋
(
ひ
)
のはかま
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「きりもん
着
(
き
)
んとお
父
(
とつ
)
つあんに叱られる。ぽん/\になるのはまだ早い。おゝ寒い寒い。」と、お駒は竹丸が
裸體
(
はだか
)
のまゝ板の間を駈け廻るのを追ひ廻して、ふだん
着
(
ぎ
)
を着せた。さうして
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
お
前
(
まへ
)
の
父
(
とゝ
)
さん
孫
(
まご
)
いもんさむとお
國元
(
くにもと
)
を
顯
(
あら
)
はし
給
(
たま
)
ふも
皆
(
みな
)
この
折
(
をり
)
の
隱
(
かく
)
し
藝
(
げい
)
なり、されば
派手者
(
はでしや
)
の
奧
(
おく
)
さま
此日
(
このひ
)
を
晴
(
は
)
れにして、
新調
(
しんちよう
)
の三
枚
(
まい
)
着
(
ぎ
)
に
今歳
(
ことし
)
の
流行
(
りうかう
)
を
知
(
し
)
らしめ
給
(
たま
)
ふ、
世
(
よ
)
は
冬
(
ふゆ
)
なれど
陽春
(
ようしゆん
)
三
月
(
ぐわつ
)
のおもかげ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
晴
(
は
)
れ
着
(
ぎ
)
を着たきれいな子どもたちが、部屋じゅうをかけまわって、
笑
(
わら
)
ったり、
遊
(
あそ
)
んだり、何か飲んだり、食べたりしている。おや、あの女の子が、男の子とおどりだしたぞ。なんてかわいい子だろう。
キリストのヨルカに召された少年
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
うへ二
枚
(
まい
)
なか
着
(
ぎ
)
はだへ
着
(
ぎ
)
舞扇はさめる襟の五ついろの襟
恋衣
(新字旧仮名)
/
山川登美子
、
増田雅子
、
与謝野晶子
(著)
「
見
(
み
)
たよ。はんてん
着
(
ぎ
)
でみじかいズボンをはいて、
黒
(
くろ
)
いぼうしをかぶっていたよ。」と、その
子供
(
こども
)
はいいました。
朝の公園
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
十年も着慣れたふだん
着
(
ぎ
)
できのうも会ったばかりの弟のように親しい人に向かうようなとりなしをした。古藤はとみには口もきけないように思い惑っているらしかった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
一
能
(
のう
)
一
術
(
じゆつ
)
これも
藝人
(
げいにん
)
の
名
(
な
)
はのがれぬ、よか/\
飴
(
あめ
)
や
輕業師
(
かるわざし
)
、
人形
(
にんげう
)
つかひ
大神樂
(
だいかぐら
)
、
住吉
(
すみよし
)
をどりに
角兵衞獅子
(
かくべいじゝ
)
、おもひおもひの
扮粧
(
いでたち
)
して、
縮緬
(
ちりめん
)
透綾
(
すきや
)
の
伊達
(
だて
)
もあれば、
薩摩
(
さつま
)
がすりの
洗
(
あら
)
ひ
着
(
ぎ
)
に
黒繻子
(
くろじゆす
)
の
幅狹帶
(
はゞせまおび
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
我
(
わ
)
が
家
(
や
)
では、
妻
(
つま
)
や
子供
(
こども
)
らに
対
(
たい
)
して、
厳格過
(
げんかくす
)
ぎるといってもいいのに、
上役
(
うわやく
)
の
家
(
いえ
)
では、やんちゃ
坊主
(
ぼうず
)
を
晴
(
は
)
れ
着
(
ぎ
)
の
脊中
(
せなか
)
へ
乗
(
の
)
せて、
馬替
(
うまが
)
わりとなって
歩
(
ある
)
きます。
風はささやく
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二人の部屋からは貞世がひとりではしゃいでいる声がしばらくしていたが、やがて愛子は広い帯をふだん
着
(
ぎ
)
と着かえた上にしめて、貞世は袴をぬいだだけで帰って来た。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
あくる
日
(
ひ
)
、
年
(
とし
)
とったほうの
女
(
おんな
)
は、デパートの、かざられた
衣裳
(
いしょう
)
の
前
(
まえ
)
に
立
(
た
)
っていました。そこには、三
万円
(
まんえん
)
の
札
(
ふだ
)
のついた
帯地
(
おびじ
)
、また二
万円
(
まんえん
)
の
札
(
ふだ
)
のさがった
晴
(
は
)
れ
着
(
ぎ
)
が、かかっていました。
かざぐるま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これを
聞
(
き
)
くと、
奥
(
おく
)
さまは、
自分
(
じぶん
)
の
体
(
からだ
)
に、
悪寒
(
おかん
)
を
感
(
かん
)
じたような
気
(
き
)
がしました。かぜをひいているのに
寒
(
さむ
)
い
風
(
かぜ
)
にあたってはよくないだろう。そして、こんなにうす
着
(
ぎ
)
では、ますます
冷
(
ひ
)
えるばかりだろう。
奥さまと女乞食
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
着
常用漢字
小3
部首:⽬
12画
“着”を含む語句
着物
執着
附着
取着
落着
瞞着
膠着
追着
撞着
着換
祝着
着替
打着
逢着
着更
肌着
心着
到着
密着
愛着
...