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盲
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めくら
ふりがな文庫
“
盲
(
めくら
)” の例文
しかし、三階のとっつきにある杉本の教室は
盲
(
めくら
)
めっぽうな騒音に湧きかえっていた。彼らは教師が現われてもいっこう平気であった。
白い壁
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
と、
盲
(
めくら
)
滅法、谷そこ目がけて逃げ転げていった。その悲鳴といい逃げる恰好も、役人でもなし、武士でもない。
林冲
(
りんちゅう
)
はがっかりして
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その男は、杖で自分の前をこつこつ叩いているし、眼と鼻との上に大きな緑色の覆いをかけているところをみると、明かに
盲
(
めくら
)
であった。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
鬼と見る奴は眼のない奴だ、天下は
盲
(
めくら
)
千人の世の中だ、やあ失敬失敬、君に当てつけて言ったわけではないから、悪くとってくれるなよ
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかしそうかと言って、この雪の中では野宿も出来ないので、今一度宿屋らしい家はないかと
盲
(
めくら
)
滅法に当ってみることにした。
I駅の一夜
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
▼ もっと見る
「これは
盲
(
めくら
)
じゃないんだぜ。」そう言って兄は、アルコホルランプの焔で引き伸ばした細い硝子の棒の先端を蜘蛛の眼のところへ近づけた。
青草
(新字新仮名)
/
十一谷義三郎
(著)
のみならず井底の蛙かもしくは
盲
(
めくら
)
、蛇に
怖
(
お
)
じずの類であろう。こうした大勢に対して死に物狂いの反撃をしてみたくなった。
探偵小説の真使命
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ベンヺ こりゃ
何
(
なん
)
でも、
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
に
隱
(
かく
)
れて、
夜露
(
よつゆ
)
と
濡
(
ぬ
)
れの
幕
(
まく
)
という
洒落
(
しゃれ
)
であらう。
戀
(
こひ
)
は
盲
(
めくら
)
といふから、
闇
(
やみ
)
は
恰
(
ちょう
)
どお
誂
(
あつら
)
へぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
さわれば何でも金になるような力のためには、少なくとも
盲
(
めくら
)
にさえならなければ、眼鏡の一つ位は棒に振ってもいい。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
かようにしてアケタツの王とウナガミの王とお二方をその御子に副えてお遣しになる時に、奈良の道から行つたならば、
跛
(
ちんば
)
だの
盲
(
めくら
)
だのに遇うだろう。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
およそ
陸鳥
(
りくてう
)
は夜中
盲
(
めくら
)
となり、
水鳥
(
すゐてう
)
は夜中
眼
(
め
)
明
(
あきらか
)
也。ことに
雁
(
がん
)
は夜中物を見る事はなはだ明也。他国はしらず我国の雁はおほくは
昼
(
ひる
)
は
眠
(
ねふ
)
り、夜は
飛行
(
とびあり
)
く。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「世間にゃあどうして
盲
(
めくら
)
が多いのかと、わっしも実に呆れましたね。地蔵が踊るのじゃあねえ、踊らせるのですよ」
半七捕物帳:66 地蔵は踊る
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
膚
(
はだ
)
を左右に揉む拍子に、いわゆる
青練
(
あおねり
)
も
溢
(
こぼ
)
れようし、
緋縮緬
(
ひぢりめん
)
も
友染
(
ゆうぜん
)
も敷いて落ちよう。按摩をされる
方
(
かた
)
は、
対手
(
あいて
)
を
盲
(
めくら
)
にしている。そこに姿の油断がある。
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何かいざこざが起ったりすると、目顔ですがるお君を見向きもしないで、
盲
(
めくら
)
滅法に、床屋だの銭湯に飛び込んだ。
栄蔵の死
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
にんじんは、
尻
(
しり
)
っぺたに力を
籠
(
こ
)
め、
踵
(
かかと
)
を地べたにめり込ませて、闇の中で、ぶるぶる
顫
(
ふる
)
え出す。暗いことといったら、それこそ、
盲
(
めくら
)
になったとしか思えない。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
「
左
(
ひだり
)
ききを
無理
(
むり
)
に
右
(
みぎ
)
ききに
直
(
なお
)
すと、
盲
(
めくら
)
になるとか、
頭
(
あたま
)
が
悪
(
わる
)
くなるとか、
新聞
(
しんぶん
)
に
書
(
か
)
いてあったよ。だから、しぜんのままにしておいたほうがいいのじゃないか。」
左ぎっちょの正ちゃん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
例の石級の下に老いたる
盲
(
めくら
)
の
乞兒
(
かたゐ
)
ありて、往きかふ人の「バヨツコ」(我二錢
許
(
ばかり
)
に當る銅貨)一つ投げ入れむを願ひて、
薄葉鐵
(
トルヲ
)
の小筒をさら/\と鳴らし居たり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
東北で
盲
(
めくら
)
の
巫女
(
みこ
)
が舞わせているオシラサマという木の神は、ある土地では
布
(
ぬの
)
で
掩
(
おお
)
うた単なる棒であり、また他の土地では、その木の頭に眼鼻口だけを描いてある。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
盲
(
めくら
)
と思うて人をだまそうとは
怪
(
け
)
しからぬと罵って、子を投げそうだから、城主更に臣下して自身を
健
(
したた
)
か打たしめると、盲人また今度は一番どこが
疼
(
いた
)
いかと問うた。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
ああ、その片輪の一人ですね。さっき
髯
(
ひげ
)
の生えた
盲
(
めくら
)
が一人、泥だらけの
八
(
や
)
つ
頭
(
がしら
)
を
撫
(
な
)
でまわしながら
不思議な島
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
二人とも、馬をつれて来たには来たのですが、一人のは
盲
(
めくら
)
で、もう一人のは
跛
(
びっこ
)
でした。ふたりは
かわいそうな粉ひきの若いものと小猫
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
平家琵琶の
検校
(
けんげう
)
藤村
性禅
(
しやうぜん
)
氏がまだ生存してゐた頃で、富尾木氏もこの
盲
(
めくら
)
法師が
波多野
(
はたの
)
流の最後の人である事はよく知つてゐたので、
態々
(
わざ/\
)
宿に招いて平家の一曲を所望する事に
定
(
き
)
めた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
いたし方がありません。
盲
(
めくら
)
滅法に探しちや、
嚢
(
ふくろ
)
の中の物だつて出せはしません。曲者はこの後何をやり出すかわからないが、曲者の狙ひがわからなきやあつしは手を引いて、高見の見物を
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
白痴となると、心の
唖
(
おし
)
、
聾
(
つんぼ
)
、
盲
(
めくら
)
ですからほとんど
禽獣
(
きんじゅう
)
に類しているのです。ともかく人の形をしているのですから全く感じがないわけではないが、普通の人と比べては十の一にも及びません。
春の鳥
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
あの当座、硫酸で顔を灼かれた痛みがひどくて、それから
盲
(
めくら
)
になって、おれの一生は恐怖と死のほかに何にもないということが初めてわかった時分は、今とは似ても似つかぬ考えに囚われていたんだ。
暗中の接吻
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
殿は
盲
(
めくら
)
大将にして、人の剛臆が分らないのだ。
姉川合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
お
月
(
つき
)
さまは
盲
(
めくら
)
だ、
險難
(
けんのん
)
至極
(
しごく
)
な燈臺だ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
赤いのがあるぢやないの……
盲
(
めくら
)
ね。
落葉日記(三場)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
笑ひひしめく
盲
(
めくら
)
らは西瓜をぞ切る。
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
一体人間は生涯
盲
(
めくら
)
でいるものです。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
「気をつけやがれ、ど
盲
(
めくら
)
め!」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
特に親鸞研究に没頭する準備もなく社命ぜひなく社の文庫や図書館通いをあてに始めたのですからまことに
盲
(
めくら
)
ヘビにおじざるものです。
親鸞の水脈
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もとより
盲
(
めくら
)
の云うことで、別に取り留めた証拠もないのであるが、半七はそれを一種の不思議な話として、ただ聞き流してしまうわけには行かなかった。
半七捕物帳:09 春の雪解
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
輪廓だけで内容の要領は得ないが、
盲
(
めくら
)
だとは信じていないらしい。そういう説もあるにはあったようだが、そんなことは信ぜられない、といった口ぶり。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
戀人
(
こひゞと
)
は
其
(
その
)
麗
(
うるは
)
しい
身
(
み
)
の
光明
(
ひかり
)
で、
戀路
(
こひぢ
)
の
闇
(
やみ
)
をも
照
(
て
)
らすといふ。
若
(
も
)
し
又
(
また
)
戀
(
こひ
)
が
盲
(
めくら
)
ならば、
夜
(
よる
)
こそ
戀
(
こひ
)
には一
段
(
だん
)
と
似合
(
にあ
)
ふ
筈
(
はず
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
盲
(
めくら
)
にして七十八歳の
翁
(
おきな
)
は、
手引
(
てびき
)
をも
伴
(
つ
)
れざるなり。手引をも伴れざる七十八歳の
盲
(
めくら
)
の翁は、
親不知
(
おやしらず
)
の沖を越ゆべき船に乗りたるなり。
衆人
(
ひとびと
)
はその無法なるに
愕
(
おどろ
)
けり。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
盲
(
めくら
)
などは勿論
立派
(
りっぱ
)
なものです。が、最も理想的なのはこの上もない
片輪
(
かたわ
)
ですね。目の見えない、耳の聞えない、鼻の
利
(
き
)
かない、手足のない、歯や舌のない片輪ですね。
不思議な島
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
すなわち沖縄諸島において多くの神人を神と呼び、さては奥州で
盲
(
めくら
)
の巫女をオカミといったり、伊豆の島でヤカミシュという神の奉仕者があったりする結果にもなったので
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
あるじの
妻
(
つま
)
はらたてゝ、いかに福一、
兎角
(
とかく
)
どのゝ鬼のはなししてをられしに鬼かとおもひて
皆
(
みな
)
きもをひやせり、めでたきとしの夜に
盲
(
めくら
)
が
窓
(
まど
)
よりふりこみしはいまはしき事なり
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「八、お前は、
盲
(
めくら
)
の眞似と、
聾
(
つんぼ
)
の眞似と、何方が樂に出來ると思ふ」
銭形平次捕物控:042 庚申横町
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
阿部はぽんと跳ねあがり
盲
(
めくら
)
めっぽうの
迅
(
はや
)
さで杉本の頭に抱きついた。
白い壁
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
愚図愚図云うと、貴様共をみんな
盲
(
めくら
)
にして終うぞ
豚吉とヒョロ子
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
三鳥山人
(著)
盲
(
めくら
)
滅法に 恋をする。
五月の空
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
盲
(
めくら
)
の上にツン
的
(
てき
)
ときたひにゃ、それこそ、でくの
坊
(
ぼう
)
よりなッちゃあいねえからな。ええオイ竹童……おッと、こいつは
俺
(
おれ
)
がまちがった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それでなにかね、その相手の一人というのは、
盲
(
めくら
)
の武家であったという話だが、それも本当か」
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
どうで
隠居
(
いんきょ
)
をするというのだから、
老者
(
としより
)
は
覚悟
(
かくご
)
の前だッたが、その
疲曳
(
よぼよぼ
)
が
盲
(
めくら
)
なのには驚いたね。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
娵も娘も口をそろへ、鬼にやとていみじくおびえたり、
憎
(
にく
)
き
盲
(
めくら
)
めと
腹立
(
はらたち
)
ていふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
それが習慣になつたかして、彼女は
起
(
た
)
つてあるくやうになつても
矢
(
や
)
はり暗い部屋を離れなかつた。しかも彼女は決して
盲
(
めくら
)
でもなかつた、
跛足
(
びっこ
)
でもなかつた。
殊
(
こと
)
にその
容貌
(
きりょう
)
はすぐれて美しかつた。
梟娘の話
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
マーキュ はて、
戀
(
こひ
)
が
盲
(
めくら
)
なら
的
(
まと
)
を
射中
(
いあ
)
てることは
出來
(
でき
)
まい。
今頃
(
いまごろ
)
はロミオめ、
枇杷
(
びわ
)
の
木蔭
(
こかげ
)
に
蹲踞
(
しゃが
)
んで、あゝ、
予
(
わし
)
の
戀人
(
おてき
)
が、あの
娘共
(
むすめども
)
が
内密
(
ないしょ
)
で
笑
(
わら
)
ふ
此
(
この
)
枇杷
(
びは
)
のやうならば、
何
(
なん
)
のかのと
念
(
ねん
)
じて
居
(
ゐ
)
よう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
左様、たしかにおりましたよ
盲
(
めくら
)
の老婆が。よく縁先の日なたで糸を
紡
(
つむ
)
ぐ
小車
(
おぐるま
)
を廻していましたが、それが李逵のおふくろでしょう。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
盲
常用漢字
中学
部首:⽬
8画
“盲”を含む語句
盲目
盲人
明盲
文盲
盲者
目盲
盲女
盲滅法
盲目滅法
俄盲目
盲探
盲目的
色盲
盲唖
盲信
盲暦
膏盲
盲御前
盲目突
盲昧
...