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こまち
ふりがな文庫
“
小町
(
こまち
)” の例文
小野
(
おの
)
の
小町
(
こまち
)
、
几帳
(
きちょう
)
の陰に
草紙
(
そうし
)
を読んでいる。そこへ突然
黄泉
(
よみ
)
の
使
(
つかい
)
が現れる。黄泉の使は色の黒い若者。しかも耳は
兎
(
うさぎ
)
の耳である。
二人小町
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
小町
(
こまち
)
の真筆のあなめあなめの歌、孔子様の
讃
(
さん
)
が
金
(
きん
)
で書いてある
顔回
(
がんかい
)
の
瓢
(
ひさご
)
、
耶蘇
(
やそ
)
の血が染みている十字架の切れ端などというものを買込んで
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それは二枚折の時代のついた金屏風で、極彩色の六歌仙が描かれていたが、その丁度
小野
(
おの
)
の
小町
(
こまち
)
の顔の所が、無惨にも
一寸
(
いっすん
)
許
(
ばか
)
り破れたのだ。
心理試験
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
白金町
(
しろがねちょう
)
だからしろがね
小町
(
こまち
)
とか、
相生町
(
あいおいちょう
)
で
相生小町
(
あいおいこまち
)
などというのは、聞く耳もいいが、おはぐろ
溝小町
(
どぶこまち
)
、
本所割下水小町
(
ほんじょわりげすいこまち
)
なんてのは感心しません。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
浅草の三
小町
(
こまち
)
といわれた娘、武家出の上品さと、下町育ちの意気を
塩梅
(
あんばい
)
し、何かこう、
滴
(
したた
)
るような魅力の持主でした。
銭形平次捕物控:087 敵討果てて
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
浮世
(
うきよ
)
に
鏡
(
かゞみ
)
といふ
物
(
もの
)
のなくば、
我
(
わ
)
が
妍
(
かほよ
)
きも
醜
(
みにく
)
きも
知
(
し
)
らで、
分
(
ぶん
)
に
安
(
やすん
)
じたる
思
(
おも
)
ひ、九
尺
(
しやく
)
二
間
(
けん
)
に
楊貴妃
(
ようきひ
)
小町
(
こまち
)
を
隱
(
か
)
くして、
美色
(
びしよく
)
の
前
(
まへ
)
だれ
掛
(
がけ
)
奧床
(
おくゆか
)
しうて
過
(
す
)
ぎぬべし
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
暗に『千載集』以前の智巧的傾向を
圧
(
おさ
)
え、近き世に再び姿がかわって「
花山僧正
(
かざんそうじょう
)
・
在原
(
ありはら
)
中将・
素性
(
そせい
)
・
小町
(
こまち
)
がのち、絶えたる歌の様わづかに聞ゆる時侍る」
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
昼は
小町
(
こまち
)
の街頭に立って、
往来
(
ゆきき
)
の大衆に向かって法華経を説いた。彼の説教の態度が予言者的なゼスチュアを伴ったものであったことはたやすく想像できる。
学生と先哲:――予言僧日蓮――
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
……さて時に
承
(
うけたま
)
はるが
太夫
(
たゆう
)
、
貴女
(
あなた
)
は其だけの御身分、それだけの芸の力で、人が
雨乞
(
あまごい
)
をせよ、と言はば、すぐに
優伎
(
わざおぎ
)
の舞台に出て、
小町
(
こまち
)
も
静
(
しずか
)
も勤めるのかな。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
御頼み申ますと云にぞお勇は
否
(
いや
)
最
(
もう
)
お
前
(
まへ
)
さんの樣な御人柄と云
殊
(
こと
)
に金の五六十兩御持參と有ば世間に
欲
(
ほし
)
がる所は
降程
(
ふるほど
)
御座ります
併
(
しか
)
し定めて
器量
(
きりやう
)
の御望み
小野
(
をの
)
の
小町
(
こまち
)
か
衣通姫
(
そとほりひめ
)
の樣な手
入
(
いら
)
ずの娘を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
尤
(
もっと
)
も業平
朝臣
(
あそん
)
と云うお方は美男と見えまして、男の好いのは業平のようだといい女で器量の好いのを
小町
(
こまち
)
のようだと申しますが、業平朝臣は
東国
(
あずま
)
へお下りあって、
暫
(
しばら
)
く本所業平村に居りまして
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今日の身に我をさそひし
中
(
なか
)
の姉
小町
(
こまち
)
のはてを祈れと
去
(
い
)
にぬ
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「
伊具
(
いぐ
)
は。
小町
(
こまち
)
ノ
中務
(
なかつかさ
)
は」
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小町
(
こまち
)
の
采女
(
うねめ
)
と焦がれたが
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
大勢
(
おおぜい
)
の
神将
(
しんしょう
)
、あるいは
戟
(
ほこ
)
を
執
(
と
)
り、あるいは
剣
(
けん
)
を
提
(
ひっさ
)
げ、
小野
(
おの
)
の
小町
(
こまち
)
の屋根を
護
(
まも
)
っている。そこへ
黄泉
(
よみ
)
の使、
蹌踉
(
そうろう
)
と空へ現れる。
二人小町
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
子
(
こ
)
が
生
(
うま
)
れたら
氣
(
き
)
が
改
(
あらた
)
まるかとも
思
(
おも
)
ふて
居
(
ゐ
)
たのであらうなれど、たとへ
小町
(
こまち
)
と
西施
(
せいし
)
と
手
(
て
)
を
引
(
ひ
)
いて
來
(
き
)
て、
衣通姫
(
そとほりひめ
)
が
舞
(
ま
)
ひを
舞
(
ま
)
つて
見
(
み
)
せて
呉
(
く
)
れても
私
(
わたし
)
の
放蕩
(
のら
)
は
直
(
なほ
)
らぬ
事
(
こと
)
に
極
(
き
)
めて
置
(
お
)
いたを
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何々
小町
(
こまち
)
と呼ばれた程の器量よしで、その上、教育こそ地味な技芸学校を出たばかりだったが、女としては可成理解力にも富んでいたし、昔
気質
(
かたぎ
)
の母親の
躾
(
しつけ
)
にもよったのだろうが
恐ろしき錯誤
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ねまき姿もしどけなく、恐怖と昏迷に白い顔をひきつらせて、キッと立っている
妻恋小町
(
つまごいこまち
)
——
知
(
し
)
らぬ
火
(
い
)
小町
(
こまち
)
の半身に、かたわらの灯影が明るくゆらめき、半身は
濃
(
こ
)
むらさきの闇に沈んでいる。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「何だ、
状
(
ざま
)
は。
小町
(
こまち
)
や
静
(
しずか
)
ぢやあるめえし、増長をしやがるからだ。」
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
送りけるが彼の十兵衞の娘お富お文は
揃
(
そろ
)
ひも揃ひし
容貌
(
きりやう
)
にて殊に姉のお文は
小町
(
こまち
)
西施
(
せいし
)
も
恥
(
はぢ
)
らうばかりの
嬋妍
(
あでやか
)
もの
加之
(
そのうへ
)
田舍
(
ゐなか
)
育
(
そだ
)
ちには
似氣
(
にげ
)
もなく
絲竹
(
いとたけ
)
の道は更なり
讀書
(
よみかき
)
も
拙
(
つたな
)
からず
最
(
いと
)
愛
(
やさ
)
しき性質成れば
傍輩
(
はうばい
)
女郎も
勞
(
いた
)
はりて何から何まで
深切
(
しんせつ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
小町
(
こまち
)
娘を
選
(
よ
)
りぬいた
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
(
発作的
(
ほっさてき
)
に笑い出しながら)
玉造
(
たまつくり
)
の
小町
(
こまち
)
と云う人がいます。あの人を代りにつれて行って下さい。
二人小町
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
小町
(
こまち
)
が
色
(
いろ
)
を
衒
(
て
)
らふ
島田髷
(
しまだまげ
)
の
寫眞鏡
(
しやしんきやう
)
、
式部
(
しきぶ
)
が
才
(
さい
)
にほこる
英文和譯
(
ゑいぶんわやく
)
、つんで
机上
(
きじよう
)
にうづたかけれども
此男
(
このおとこ
)
なんの
望
(
のぞ
)
み
有
(
あ
)
りてか
有
(
あ
)
らずか、
仲人
(
なかうど
)
が
百
(
もヽ
)
さへづり
聞
(
きヽ
)
ながしにして
夫
(
そ
)
れなりけりとは
不審
(
いぶか
)
しからずや
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
燈
(
あかり
)
を
消
(
け
)
すと
又
(
また
)
小町
(
こまち
)
に
成
(
な
)
る、いや、
其
(
そ
)
の
美
(
うつく
)
しい
事
(
こと
)
と
云
(
い
)
つたら。」
鑑定
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
鬼子
(
おにこ
)
とよべど
鳶
(
とび
)
が
産
(
う
)
んだるおたかとて
今年
(
ことし
)
二八
(
にはち
)
のつぼみの
花色
(
はないろ
)
ゆたかにして
匂
(
にほひ
)
濃
(
こま
)
やかに
天晴
(
あつぱ
)
れ
當代
(
たうだい
)
の
小町
(
こまち
)
衣通
(
そとほり
)
ひめと
世間
(
せけん
)
に
出
(
だ
)
さぬも
道理
(
だうり
)
か
荒
(
あら
)
き
風
(
かぜ
)
に
當
(
あた
)
りもせばあの
柳腰
(
やなぎごし
)
なにとせんと
仇口
(
あだぐち
)
にさへ
噂
(
うはさ
)
し
連
(
つ
)
れて
五十
(
ごとう
)
稻荷
(
いなり
)
の
縁日
(
えんにち
)
に
後姿
(
うしろすがた
)
のみも
拜
(
はい
)
し
得
(
え
)
たる
若
(
わか
)
ものは
榮譽
(
えいよ
)
幸福
(
かうふく
)
上
(
うへ
)
やあらん
卒業
(
そつげふ
)
試驗
(
しけん
)
の
優等證
(
いうとうしよう
)
は
何
(
なん
)
のものかは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
町
常用漢字
小1
部首:⽥
7画
“小町”で始まる語句
小町園
小町娘
小町岩
小町水
小町紅
小町蝦
小町針
小町屋宗七