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おほやけ
ふりがな文庫
“
公
(
おほやけ
)” の例文
ことしは
芳之助
(
よしのすけ
)
もはや
廿歳
(
はたち
)
今
(
いま
)
一兩年
(
いちりやうねん
)
經
(
へ
)
たる
上
(
うへ
)
は
公
(
おほやけ
)
に
夫
(
つま
)
とよび
妻
(
つま
)
と
呼
(
よ
)
ばるゝ
身
(
み
)
ぞと
想
(
おも
)
へば
嬉
(
うれ
)
しさに
胸
(
むね
)
をどりて
友達
(
ともだち
)
の
嬲
(
なぶり
)
ごとも
恥
(
はづ
)
かしく
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此書の末に「南品川猟師町三十九番地池田全安」と
低書
(
ていしよ
)
してあつた。わたくしは此に書を裁した知人の名を
公
(
おほやけ
)
にする必要を認めない。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彼等がもし享楽や、宴会や、社交などを欲するならば、いつでも
公
(
おほやけ
)
に芸者を呼び、別の種類の婦人に対して、別の種目の奉仕を求めた。
家庭の痛恨
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
かくてわが詩にギリシア
人
(
びと
)
を導きてテーべの流れに到らざるさきにわれ
洗禮
(
バッテスモ
)
をうけしかど、
公
(
おほやけ
)
の
基督教徒
(
クリスティアーン
)
となるをおそれて 八八—九〇
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
そのうちに
御馳走
(
ごちそう
)
がすむと、彼れの妻は立ちあがつて、彼女の
被
(
かうむ
)
つた屈辱を
公
(
おほやけ
)
にした。のみならず、熱烈に、夫にかう云つた。
日本の女
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
紳士たちは、フェアファックス夫人が私に
報
(
し
)
らせてくれたやうに、ミルコオトに於ける或る
公
(
おほやけ
)
の會合に出席する爲めに早めに歸つてしまつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
アントニオは古の名家の少時の作を世に
公
(
おほやけ
)
にせしものあるを見て、或はおのれのをも
梓行
(
しかう
)
せんとすることあらんか。そは世の
嘲
(
あざけり
)
を招くに過ぎず。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
當時
(
とうじ
)
東京帝國大學
(
とうきようていこくだいがく
)
理學部
(
りがくぶ
)
に
於
(
お
)
ける
機械工學
(
きかいこうがく
)
及
(
およ
)
び
物理學
(
ぶつりがく
)
の
教授
(
きようじゆ
)
であつたユーイング
博士
(
はかせ
)
(
現今
(
げんこん
)
エヂンバラ
大學
(
だいがく
)
總長
(
そうちよう
)
)は
水平振子地震計
(
すいへいしんしぢしんけい
)
の
發明
(
はつめい
)
を
公
(
おほやけ
)
にし
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
この村では何事も太政官の指圖なしには
公
(
おほやけ
)
のことの出來なかつたしきたりを破らうとする蔭口が、今更らしく聞えた。
太政官
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
マタン紙上で
今年
(
ことし
)
の流行服の予想を各女優から聞いて
公
(
おほやけ
)
にして居る。日本の「キモノ」から影響せられて細くなつた
裳
(
ジユツプ
)
の
形
(
かた
)
は
未
(
ま
)
だ当分広くなるまい。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
マンチュアに
蟄
(
ちっ
)
してゐやる
間
(
あひだ
)
に、わしが
機
(
をり
)
を
見
(
み
)
て
二人
(
ふたり
)
が
内祝言
(
ないしうげん
)
の
顛末
(
もとすゑ
)
を
公
(
おほやけ
)
にし、
兩家
(
りゃうけ
)
の
確執
(
かくしつ
)
を
調停
(
てうてい
)
し、
御領主
(
ごりゃうしゅ
)
の
赦
(
ゆるし
)
を
乞
(
こ
)
ひ、やがて
卿
(
そなた
)
を
呼返
(
よびかへ
)
すことにせう
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
然
(
しか
)
るに将門は
公
(
おほやけ
)
の手の廻るのを待たずに、良兼に
復讐戦
(
ふくしゆうせん
)
を試みたのか、或は良兼は常陸国から正式に解文を出して弁解したため追捕の事が
已
(
や
)
んだのを見て
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
少くとも
公
(
おほやけ
)
には、自分の気持を
素直
(
すなほ
)
に云へないといふ妙な世間のならはしのやうなものがあり、
公
(
おほやけ
)
に云へないことは、
公
(
おほやけ
)
の行為に現はしがたいのが常である。
『美しい話』まへがき
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
然しそれとても其の土地に
住古
(
すみふる
)
したものゝ間にのみ通用されべき名前であつて、東京市の市政が認めて以て
公
(
おほやけ
)
の町名となしたものは恐らくは一つもあるまい。
路地
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
既に其前から其新聞紙上で俳話を
公
(
おほやけ
)
にして元祿の俳句の復興を唱道してゐたのであるが新聞記者となつてからは愈〻其旗幟を明かにして盛んに論陣を張つた。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
是
(
これ
)
は
山田
(
やまだ
)
が
前年
(
ぜんねん
)
既
(
すで
)
に一二の
新躰詩集
(
しんたいししう
)
を
公
(
おほやけ
)
にして、
同会社
(
どうくわいしや
)
を
識
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
る
縁
(
えん
)
から
此
(
こゝ
)
へ
持込
(
もちこ
)
んだので、
此
(
この
)
社は
曩
(
さき
)
に
稗史出版会社
(
はいししゆつぱんくわいしや
)
予約
(
よやく
)
の
八犬伝
(
はつけんでん
)
を
印刷
(
いんさつ
)
した事が
有
(
ある
)
のです
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
さていよいよ二冊目の本を御覧に入れる、いや二冊目といふよりは寧ろ最後の本といつた方がよい! ありやうは、これも
公
(
おほやけ
)
にするのは全く不本意なことなんで。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:01 はしがき
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
まだ
公
(
おほやけ
)
の供養もすまないのに、人の口はうるさいほど、頻繁に流説をふり蒔いてゐた。あの多聞天と広目天との顔つきに思ひ当るものがないかと言ふのであつた。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
すなはち、“これは
公
(
おほやけ
)
にすべき性質のものでない”とされ、幾たびとなく発表を阻まれたこの書き溜めに、“復た奈何かいふ機会”が、しかも間もなく来たのであります。
一葉の日記
(新字旧仮名)
/
久保田万太郎
(著)
含春
(
がんしゆん
)
も
亦
(
また
)
明敏
(
めいびん
)
にして、
此
(
こ
)
の
句
(
く
)
を
見
(
み
)
て
略
(
ほ
)
ぼ
心
(
こゝろ
)
を
知
(
し
)
り、
大
(
おほい
)
に
當代
(
たうだい
)
の
淑女振
(
しゆくぢよぶり
)
を
發揮
(
はつき
)
して、いけすかないとて
父
(
ちゝ
)
に
告
(
つ
)
ぐ。
父
(
ちゝ
)
や、
今古
(
こんこ
)
の
野暮的
(
やぼてん
)
、
娘
(
むすめ
)
に
惚
(
ほ
)
れたりとて
是
(
これ
)
を
公
(
おほやけ
)
に
訴
(
うつた
)
へたり。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
友は未だ世に
公
(
おほやけ
)
にせざる新しき詩を吟してわれに聞かせ、われはわが旅のさま/″\の興を語りて以て友を羨ましめぬ。友はいふ、君來らんとはまことに思ひ懸けざりき。
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
即ち明治
十八
(
ママ
)
年になりますかな、其年の末に初めて
所謂
(
いはゆる
)
エスペラントが世に
公
(
おほやけ
)
にせられた。
エスペラントの話
(新字旧仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
西洋人がさういふ翻訳をするのを助けて、それを完成さすなら結構な事であるが、自から進んでそれをやり、却つて西洋人の助をかりてそれを
公
(
おほやけ
)
にするなんていふのは、少し馬鹿気た事と思ふ。
翻訳製造株式会社
(新字旧仮名)
/
戸川秋骨
(著)
今度
(
こたび
)
一部
(
いちぶ
)
の
文
(
ふみ
)
として
梓
(
おづさ
)
にのぼせ、
公
(
おほやけ
)
の
評
(
ひやう
)
をも
乞
(
こひ
)
て
うもれ木:01 序
(旧字旧仮名)
/
田辺竜子
(著)
或は又既に
公
(
おほやけ
)
にしたのは僅々三合の俳諧に過ぎぬ、残りの七合の俳諧は芭蕉自身の胸中に横はつてゐると云ふ意味であらう。
芭蕉雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼
(
かれ
)
黄の百合を
公
(
おほやけ
)
の旗に
逆
(
さか
)
らはしむれば
此
(
これ
)
一黨派の爲にこれを己が
有
(
もの
)
となす、いづれか最も非なるを知らず 一〇〇—一〇二
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
その
公
(
おほやけ
)
に
稟
(
まう
)
して養嗣子とせられたのは、此より十五年の後、文化十三年三月である。瑞仙の死に
先
(
さきだ
)
つこと六箇月である。霧渓は既に三十三歳になつてゐた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
公
(
おほやけ
)
に於て取押へて
糺問
(
きうもん
)
さるべき者であるにかゝはらず、其者に取つて理屈の好い将門追捕の符を下さるゝとは
怪
(
け
)
しからぬ
矯飾
(
けうしよく
)
であると
突撥
(
つつぱ
)
ねてゐるのである。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
こればかりは余り
公
(
おほやけ
)
に御自慢は出来ん事で御座いますもの、秘密に遊ばしますのは実に
御尤
(
ごもつとも
)
で御座います。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
ただ、われわれの仲間の常識として、かういふ事件のあつた直後、あなたとの婚約を
公
(
おほやけ
)
にするといふことは慎みたいんです。勿論、式を急ぐわけには行きません。
双面神
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
又いつまでも斯んなにぐづ/\して日を暮らしてゐるわけにも行かぬから早く一篇を
公
(
おほやけ
)
にし度い。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
著者
(
ちよしや
)
はこれに
氣附
(
きづ
)
いたので、
此數年間
(
このすうねんかん
)
其編纂
(
そのへんさん
)
に
腐心
(
ふしん
)
してゐたが、
東京帝國大學
(
とうきようていこくだいがく
)
地震學教室
(
ぢしんがくきようしつ
)
に
於
(
お
)
ける
同人
(
どうにん
)
の
助言
(
じよげん
)
によつて、
大正十五年
(
たいしようじゆうごねん
)
に
至
(
いた
)
つて
漸
(
やうや
)
く
之
(
これ
)
を
公
(
おほやけ
)
にする
程度
(
ていど
)
に
達
(
たつ
)
した。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
これが多数の予想である。
何
(
いづ
)
れ四月の各雑誌に流行服の写真が幾種も
公
(
おほやけ
)
にせられ、其れを見て米国の
贅沢
(
ぜいたく
)
女が電報で註文し、仮縫を身に合せ
旁
(
かた/″\
)
巴里
(
パリイ
)
見物に
続続
(
ぞくぞく
)
遣つて来ると云ふ
段取
(
だんどり
)
である。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
支那
(
しな
)
に
人身賣買
(
じんしんばいばい
)
の
公
(
おほやけ
)
に
行
(
おこな
)
はれた
時
(
とき
)
の
事
(
こと
)
である。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あゝ兄弟よ、我今かの
公
(
おほやけ
)
の
證人
(
あかしびと
)
とグイットネと我とをわが聞く麗はしき新しき
調
(
しらべ
)
のこなたにつなぐ
節
(
ふし
)
をみる 五五—五七
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
僕の
恬然
(
てんぜん
)
と本名を署して文章を
公
(
おほやけ
)
にせる最初なり。細君の名は
雅子
(
まさこ
)
、
君子
(
くんし
)
の
好逑
(
かうきう
)
と称するは
斯
(
かか
)
る細君のことなるべし。
学校友だち
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それを公の帳簿に四郎とばかり書かれたのは、池田家に左衛門と云ふ人があつたので、遠慮したのださうである。祖父の市郎左衛門も、
公
(
おほやけ
)
には
矢張
(
やはり
)
市郎で通つてゐた。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
だから、過去の行為よりも、将来、妻の
同胞
(
きやうだい
)
として、家庭的に厄介な問題を惹き起しやしないか、それが引いて自分の
公
(
おほやけ
)
の地位に累を及ぼしてはと、その点を一番心配してる様子ですね。
双面神
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
氏は近年、ヹルアレン氏が戯曲に筆を着け出した如く
頻
(
しき
)
りに小説を
公
(
おほやけ
)
にして居る。氏は最近の著述を揃へて僕に贈る事を約し、僕達が
仏蘭西
(
フランス
)
に滞在する間出来る
丈
(
だけ
)
の便宜を計らうと云はれた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
最初の作は千八百七十九年、即三十歳の時
公
(
おほやけ
)
にした Aziyadé である。後ち一年、千八百八十年に Rarahu を出して一躍流行児になつた。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
春は明治六年に其子
磐
(
いはほ
)
の
公
(
おほやけ
)
に呈した書類に、「文政八年六月十九日生、東京府平民狩谷三右衛門叔母」と記してある。当時の三右衛門は
矩之
(
くし
)
であるが、其親族関係の
詳
(
つまびらか
)
なるを知らない。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
執つて
公
(
おほやけ
)
にものを云ふとなると、あれぢや困るな
双面神
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
勿論予はこの遺書を
公
(
おほやけ
)
にするに当つて、幾多の
改竄
(
かいざん
)
を施した。
譬
(
たと
)
へば当時まだ授爵の制がなかつたにも関らず、後年の称に従つて本多子爵及夫人等の名を用ひた如きものである。
開化の殺人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
誰でも著述に従事してゐるものは思ふことであるが、著述がどれ
丈
(
だけ
)
人に読まれるかは問題である。著述が世に
公
(
おほやけ
)
にせられると、そこには人がそれを読み得ると云ふポツシビリテエが生ずる。
椙原品
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
政府指定の
公
(
おほやけ
)
の機関です
荒天吉日
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
かの「お菊さん」は千八百八十七年に、「日本の秋」は八十九年に
公
(
おほやけ
)
にされた。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
けれども、彼の妻は
凌辱
(
りようじよく
)
を
被
(
かうむ
)
つたことは
公
(
おほやけ
)
にしても、誰が凌辱を加へたかといふことは、公にしなかつた。そのために、凌辱を加へた貴族は、夫や客の騒いでゐる
間
(
あひだ
)
にそつと露台の階段を
下
(
くだ
)
つた。
日本の女
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“公”の解説
公(こう)は、古代の中国語では個々に細かく分かれた「私」を包括した全体を意味する語である。また、一部に偏らないという意味を含む。このことから「公平」という熟語を生ずる。
この項目では中国に限らず、「公」に相当する日本やヨーロッパにおける称号、爵位、尊称などについても述べる。
(出典:Wikipedia)
公
常用漢字
小2
部首:⼋
4画
“公”を含む語句
公然
公園
乃公
郭公
公孫樹
女主人公
貴公
公衆
公卿
奉公
蒲公英
公爵
主人公
猿公
公家衆
公司
公家
清正公
公儀
公子
...