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停車場
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ていしゃば
ふりがな文庫
“
停車場
(
ていしゃば
)” の例文
汽車にでも乗って
出懸
(
でか
)
けようと、例の
赤手拭
(
あかてぬぐい
)
をぶら下げて
停車場
(
ていしゃば
)
まで来ると二三分前に発車したばかりで、少々待たなければならぬ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ある
日
(
ひ
)
、
彼
(
かれ
)
は、
停車場
(
ていしゃば
)
で、
美
(
うつく
)
しい
女
(
おんな
)
の
人
(
ひと
)
を
見
(
み
)
ました。ようすつきから、この
土地
(
とち
)
の
人
(
ひと
)
でなく、
旅
(
たび
)
の
人
(
ひと
)
だということがわかりました。
風はささやく
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いよいよ
曲馬団
(
きょくばだん
)
は
停車場
(
ていしゃば
)
の方へ引きあげて行くのです。その停車場は、湖の岸づたいに一里あまり北の方へ行ったところにありました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
このお嬢さんに
遇
(
あ
)
ったのはある避暑地の
停車場
(
ていしゃば
)
である。あるいはもっと厳密に云えば、あの停車場のプラットフォオムである。
お時儀
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
改札口へ来かかると俄に混雑する人の
往来
(
ゆきき
)
に、
談話
(
はなし
)
もそのまま、三人は
停車場
(
ていしゃば
)
の外へ出た。吹きすさむ梅雨晴の夜風は肌寒いほど
冷
(
ひややか
)
である。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
町の人は、三人四人と組んで
自警団
(
じけいだん
)
をつくり、
鉄砲
(
てっぽう
)
やこん
棒
(
ぼう
)
をもって
警戒
(
けいかい
)
にあたった。
港
(
みなと
)
の
船着場
(
ふなつきば
)
、
汽車
(
きしゃ
)
の
停車場
(
ていしゃば
)
、おもだった道の出入り口。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
それはいろんなところに——
百姓家
(
ひゃくしょうや
)
や、お
城
(
しろ
)
や、町や、
農場
(
のうじょう
)
や、
停車場
(
ていしゃば
)
や、
漁村
(
ぎょそん
)
や、
精糖工場
(
せいとうこうじょう
)
などの上空にとまりました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
みんなは
本部
(
ほんぶ
)
へ行ったり、
停車場
(
ていしゃば
)
まで
酒
(
さけ
)
を
呑
(
の
)
みに行ったりして、室にはただ四人だけでした。(一月十日、
玉蜀黍
(
とうもろこし
)
脱穀
(
だっこく
)
)
耕耘部の時計
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「あれは、はあ、駅長様の
許
(
とこ
)
へ
行
(
ゆ
)
くだかな。
昨日
(
きのう
)
も
一尾
(
いっぴき
)
上
(
あが
)
りました。その鱒は
停車場
(
ていしゃば
)
前の
小河屋
(
おがわや
)
で買ったでがすよ。」
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼は朝になってもう二三日帰りを
延
(
のば
)
す
工風
(
くふう
)
はないかと考えたが、そのうちに
停車場
(
ていしゃば
)
へ往く自動車が迎えに来たので、しかたなしにそれに乗って出発した。
草藪の中
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「
停車場
(
ていしゃば
)
で君がバルシニャ(娘)と話しているのをきいたことがあるよ——美人だったじゃないか。」
穴
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
とちゅうに
停車場
(
ていしゃば
)
があって、たくさんの小学生が旅行にでかける姿をして、わいわいさわいでいた。
三十年後の東京
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
思いの外
容易
(
たやす
)
く、男が立とうというので、女は喜んだ。
直
(
す
)
ぐに荷物を片付ける。宿屋の勘定をする。馬車を呼びに
遣
(
や
)
る。電話で
停車場
(
ていしゃば
)
へ言って遣って、借切りの
室
(
しつ
)
を取る。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
然
(
しか
)
し、
何故
(
なぜ
)
この男と知り合になったのだろう——そうだ、
停車場
(
ていしゃば
)
へ行く道を訊いたのだった——フトその記憶に
辿
(
たど
)
りつくと、中田は思わず足を止めて、改めてあたりを見廻して見た。
自殺
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
それをさけるために、タブレットの
仕方
(
しかた
)
で、
停車場
(
ていしゃば
)
と
停車場
(
ていしゃば
)
の
間
(
あいだ
)
には一つの汽車しか
通
(
とお
)
さないようにしてあります。それがどうしたまちがいか、たしかに
向
(
むこ
)
うから汽車が走ってきます。
ばかな汽車
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
そうして
逍遙
(
さまよ
)
うた
揚句
(
あげく
)
には、
屹度
(
きっと
)
上野の
停車場
(
ていしゃば
)
へやって行ったものであった。
郷愁
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
白の主人は夏の朝早く起きて、赤沢君を送りかた/″\、白を
荻窪
(
おぎくぼ
)
の
停車場
(
ていしゃば
)
まで
牽
(
ひ
)
いて往った。
千歳村
(
ちとせむら
)
に越した年の春もろうて来て、この八月まで、約一年半白は主人夫妻と共に居たのであった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
家
(
うち
)
のすぐ近くに宿屋が一軒と
人家
(
じんか
)
が二軒と、それから広っ
場
(
ぱ
)
の向う側に小屋が一つあるきりで、あとは
停車場
(
ていしゃば
)
へ行くまで
半道
(
はんみち
)
もの間
家
(
うち
)
一軒ありません。——私は商売で
定
(
きま
)
った期間だけ町に行きます。
黄色な顔
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
停車場
(
ていしゃば
)
まで送って行った父は夕方になって帰って来た。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
「
停車場
(
ていしゃば
)
へ迎えにさ」
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
この
野原
(
のはら
)
にさしかかると、
汽車
(
きしゃ
)
はしきりに
警笛
(
けいてき
)
を
鳴
(
な
)
らしつづけましたが、
不意
(
ふい
)
に、
停車場
(
ていしゃば
)
でもないのに
止
(
と
)
まってしまったのです。
白い影
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
が、すぐまた気にも止めないように、軽快な口笛を鳴らしながら、
停車場
(
ていしゃば
)
前の宿屋の方へ、太い籐の杖を引きずって行った。
影
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そのとき汽車はだんだんしずかになって、いくつかのシグナルとてんてつ
器
(
き
)
の
灯
(
あかり
)
を過ぎ、小さな
停車場
(
ていしゃば
)
にとまりました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
よく見ると、
昨日
(
きのう
)
の夕方、
田舎
(
いなか
)
の
停車場
(
ていしゃば
)
でいろいろと新吉に
忠告
(
ちゅうこく
)
してくれた二人でした。二人はちょっとおどろいたように目を円くしていましたが
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
おれは少々
憎
(
にく
)
らしかったから、
昨夜
(
ゆうべ
)
は二返逢いましたねと
云
(
い
)
ったら、ええ
停車場
(
ていしゃば
)
で——君はいつでもあの時分
出掛
(
でか
)
けるのですか、遅いじゃないかと云う。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
電車で帰って
停車場
(
ていしゃば
)
を出たところで一人で歩いている女を見て、それを襲おうとして
怪異
(
かいい
)
を見たのであった。
女の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
或時
(
あるとき
)
、大奮発じゃ、と言うて、
停車場
(
ていしゃば
)
前の床屋へ、顔を
剃
(
そ
)
りに
行
(
ゆ
)
かれました。その時だったと申す事で。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
即ちかかる市街の
停車場
(
ていしゃば
)
旅館
官衙
(
かんが
)
学校
等
(
とう
)
は、その建築の体裁も出来得る限りその市街の生命たる古社寺の風致と歴史とを
傷
(
きずつ
)
けぬよう、常に慎重なる注意を払うべき必要があった。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
試験がすんで、帰るべき筈の日に、おきのは、
停車場
(
ていしゃば
)
へ迎えに行った。
電報
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
停車場
(
ていしゃば
)
の、地図に指あて
故里
(
ふるさと
)
と
郷愁
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
真吉
(
しんきち
)
は、
久
(
ひさ
)
しぶりで、
叔父
(
おじ
)
さんの
家
(
うち
)
へいこうと
出
(
で
)
かけたのであります。ふと、あちらの
停車場
(
ていしゃば
)
を
発
(
はっ
)
してゆく、
汽車
(
きしゃ
)
の
笛
(
ふえ
)
の
音
(
おと
)
をききました。
真吉とお母さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
外では雪がこんこんこんこん
降
(
ふ
)
り、
酒
(
さけ
)
を
呑
(
の
)
みに
出掛
(
でか
)
けた人たちも、
停車場
(
ていしゃば
)
まで行くのはやめたろうと思われたのです。
耕耘部の時計
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
じゃ
停車場
(
ていしゃば
)
へ来ていてくれ給え。——いや、終列車にはきっと帰るから。——間違わないように。さようなら。
影
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それからかなりゆるりと、出たりはいったりして、ようやく
日暮方
(
ひぐれがた
)
になったから、汽車へ乗って
古町
(
こまち
)
の
停車場
(
ていしゃば
)
まで来て下りた。学校まではこれから四丁だ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これが
曲馬団
(
きょくばだん
)
の
団長
(
だんちょう
)
でした。いつの間にか夜が明け、いつの間にか
貨車
(
かしゃ
)
は東京の
北端
(
きたはず
)
れの町の
停車場
(
ていしゃば
)
へついていたのです。象はもう貨車から下ろされていました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
これは
停車場
(
ていしゃば
)
近くにいらっしゃると
承
(
うけたまわ
)
りましたに、つい御近所でございます。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
果してそうだとすると、実に気の毒な事だ。何となく親の身として申訳のないような心持がして来るので、その後老人は
図
(
はか
)
らず新宿の
停車場
(
ていしゃば
)
で出会った時は
此方
(
こなた
)
から呼びかけたくらいであった。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
内地へ帰還する同年兵達を見送って、
停車場
(
ていしゃば
)
から帰って来ると、二人は兵舎の寝台に横たわって、久しくものを言わずに
溜息
(
ためいき
)
をついていた。これからなお一年間辛抱しなければ内地へ帰れないのだ。
雪のシベリア
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
すると、ある
停車場
(
ていしゃば
)
の
構内
(
こうない
)
に、ここからは、
遠
(
とお
)
くへだたっている
平原
(
へいげん
)
の
中
(
なか
)
のレールから
聞
(
き
)
いた
番号
(
ばんごう
)
の
汽罐車
(
きかんしゃ
)
がじっとして
休
(
やす
)
んでいました。
負傷した線路と月
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そしてその地図の
立派
(
りっぱ
)
なことは、夜のようにまっ黒な
盤
(
ばん
)
の上に、一々の
停車場
(
ていしゃば
)
や
三角標
(
さんかくひょう
)
、
泉水
(
せんすい
)
や森が、青や
橙
(
だいだい
)
や
緑
(
みどり
)
や、うつくしい光でちりばめられてありました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
保吉
(
やすきち
)
の
四歳
(
しさい
)
の時である。彼は
鶴
(
つる
)
と云う女中と一しょに大溝の往来へ通りかかった。黒ぐろと
湛
(
たた
)
えた
大溝
(
おおどぶ
)
の向うは
後
(
のち
)
に
両国
(
りょうごく
)
の
停車場
(
ていしゃば
)
になった、名高い
御竹倉
(
おたけぐら
)
の
竹藪
(
たけやぶ
)
である。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして、
呉服店
(
ごふくみせ
)
のおかみさんが、しんせつに、
泊
(
と
)
まっていったらというのをきかずに、
停車場
(
ていしゃば
)
へ
引
(
ひ
)
き
返
(
かえ
)
して、
出立
(
しゅったつ
)
したのでした。
真吉とお母さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二人
(
ふたり
)
は、
停車場
(
ていしゃば
)
の前の、
水晶細工
(
すいしょうざいく
)
のように見える
銀杏
(
いちょう
)
の木に
囲
(
かこ
)
まれた、小さな広場に出ました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
すると五六日たってから、保吉は
停車場
(
ていしゃば
)
の待合室に偶然大浦を発見した。大浦は彼の顔を見ると、そう云う場所にも
関
(
かかわ
)
らず、ぴたりと姿勢を正した上、
不相変
(
あいかわらず
)
厳格に挙手の礼をした。
保吉の手帳から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
白壁
(
しらかべ
)
の
土蔵
(
どぞう
)
があったり、
高
(
たか
)
い
火
(
ひ
)
の
見
(
み
)
やぐらの
建
(
た
)
っている
村
(
むら
)
をも
過
(
す
)
ぎました。そして、
翌日
(
よくじつ
)
の
昼過
(
ひるす
)
ぎには、
故郷
(
こきょう
)
に
近
(
ちか
)
い
停車場
(
ていしゃば
)
に
着
(
つ
)
くのでありました。
山へ帰りゆく父
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
恭一はすたすたあるいて、もう向うに
停車場
(
ていしゃば
)
のあかりがきれいに見えるとこまできました。
月夜のでんしんばしら
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
保吉は
物憂
(
ものう
)
い三十分の
後
(
のち
)
、やっとあの避暑地の
停車場
(
ていしゃば
)
へ降りた。プラットフォオムには少し前に着いた下り列車も止っている。彼は人ごみに
交
(
まじ
)
りながら、ふとその汽車を降りる人を眺めた。
お時儀
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私
(
わたし
)
の
乗
(
の
)
っている
汽車
(
きしゃ
)
は、
幾
(
いく
)
百マイルも
先
(
さき
)
までゆき、その
間
(
あいだ
)
に、
数
(
かぞ
)
えきれないほどの
停車場
(
ていしゃば
)
を
通過
(
つうか
)
するのですから……。
青いボタン
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして汽車は、もう
停車場
(
ていしゃば
)
へ着いたようでした。
月夜のでんしんばしら
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そして、その
兵士
(
へいし
)
には、
年老
(
としと
)
った
母親
(
ははおや
)
があって、
家
(
いえ
)
を
出
(
で
)
るとき、
母親
(
ははおや
)
は、つえをつきながら、
停車場
(
ていしゃば
)
まで
見送
(
みおく
)
って
とびよ鳴け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“停車場”の意味
《名詞》
停 車 場(ていしゃじょう・ていしゃば)
鉄道車両が停車する場所。古めかしい表現のようだが近代になってからの造語であり駅の方が古い。
(出典:Wiktionary)
“停車場”の解説
停車場(ていしゃじょう・ていしゃば)は、鉄道において車両が停車できる施設であり、駅・信号場・操車場の総体である。
(出典:Wikipedia)
停
常用漢字
小5
部首:⼈
11画
車
常用漢字
小1
部首:⾞
7画
場
常用漢字
小2
部首:⼟
12画
“停車場”で始まる語句
停車場前
停車場側
停車場寄
停車場路
停車場居廻