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菩薩
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ぼさつ
ふりがな文庫
“
菩薩
(
ぼさつ
)” の例文
花によって
荘厳
(
しょうごん
)
されているということで、仏陀への道を歩む人、すなわち「
菩薩
(
ぼさつ
)
」の修行をば、美しい花に
譬
(
たと
)
えて、いったものです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
かなり高い教養を積んだことも事実らしく、「歌舞の
菩薩
(
ぼさつ
)
」という形容詞が、必ずしも出鱈目とは言えないものがあったのでしょう。
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
太宗
(
たいそう
)
皇帝の
水陸大会
(
だいせがき
)
に、
玄奘法師
(
げんじょうほうし
)
の
錦襴
(
きんらん
)
の
袈裟
(
けさ
)
が
燦然
(
さんぜん
)
と輝き、
菩薩
(
ぼさつ
)
が雲に乗って天に昇ると、その雲がいつの間にか
觔斗雲
(
きんとうん
)
にかわって
『西遊記』の夢
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
ばばの唱える
観音経
(
かんのんぎょう
)
の声がそこにする。ばばの眼や耳には、お通の声も姿もなかった。ただ、観音が見える。
菩薩
(
ぼさつ
)
の
御声
(
みこえ
)
が聞えている。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのカシミールの少し北の所にもやはり開けて居った国があって、そこには
羅漢
(
らかん
)
あるいは
菩薩
(
ぼさつ
)
というような方も居られたそうです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
▼ もっと見る
ことに問題となるのは天人や
菩薩
(
ぼさつ
)
として現わされた女の顔や体の描き方、あるいは恋愛の場面などに描かれた
蠱惑的
(
こわくてき
)
な女の描き方である。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
非常に宗教心にあつく、
法華経
(
ほけきょう
)
を信仰して、まるで
菩薩
(
ぼさつ
)
さまのような生活をおくっていました。仏さまといってもいい程です。
啄木と賢治
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
けれども、
目連
(
もくれん
)
や、
舎利弗
(
しゃりほつ
)
の鼻が長かったとは、どの経文にも書いてない。勿論
竜樹
(
りゅうじゅ
)
や
馬鳴
(
めみょう
)
も、人並の鼻を備えた
菩薩
(
ぼさつ
)
である。
鼻
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
極楽という所では
菩薩
(
ぼさつ
)
なども皆音楽の遊びをして、天人は舞って遊ぶということなどで極楽がありがたく思われるのですがね。
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
そこで
菩薩
(
ぼさつ
)
となり仏となったものは
化他
(
けた
)
の業にいそしむことになるのが自然の法で、それが即ち菩薩なり仏なりなのである。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
またこの飴屋が、
喇叭
(
らっぱ
)
も吹かず、太鼓をトンとも鳴らさぬかわりに、いつでも広告の
比羅
(
びら
)
がわり、赤い
涎掛
(
よだれかけ
)
をしている名代の
菩薩
(
ぼさつ
)
でなお
可笑
(
おかし
)
い。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「どうも手がつけられないね。それじゃ気に入る都踊りへ早く案内しよう。僕も
何方
(
どっち
)
かといえば生きた
菩薩
(
ぼさつ
)
の方が有難い」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
観音経の中の、「諸々の善男子よ、恐怖する
勿
(
なか
)
れ、
汝
(
なんぢ
)
等まさに一心に観世音菩薩の名号を
称
(
とな
)
ふべし。
是
(
こ
)
の
菩薩
(
ぼさつ
)
は
能
(
よ
)
く無畏を以て
衆生
(
しゆじやう
)
を施し
給
(
たま
)
ふ。」
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
その代りに、今度は珠子を非難し、君の脚を売ることを望むような女性は
外面
(
がいめん
)
如
(
にょ
)
菩薩
(
ぼさつ
)
内心
(
ないしん
)
如
(
にょ
)
夜叉
(
やしゃ
)
だといって
罵倒
(
ばとう
)
した。
大脳手術
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それというのも、あの六地蔵
菩薩
(
ぼさつ
)
のお施主たちがたいへんもなくあちらにお力添えくださるからのことでござります。
右門捕物帖:29 開運女人地蔵
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
東の隅の小壁に描かれた
菩薩
(
ぼさつ
)
の、手にしている
蓮華
(
れんげ
)
に見入っていると、それがなんだか
薔薇
(
ばら
)
の花かなんぞのような、幻覚さえおこって来そうになるほどだ。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
与八のきざむ仏像——実は
菩薩
(
ぼさつ
)
は大抵お地蔵様に限られているようです。お地蔵様以外のものを刻んだのを見たこともないし、また刻めもすまいと思われる。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
のちに越前
敦賀
(
つるが
)
に降ってけいたい
菩薩
(
ぼさつ
)
と
顕
(
あらわ
)
れ、北陸道を守護したもうなどと、大変なでたらめをいっている。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
……今の夢の中の
菩薩
(
ぼさつ
)
の言葉だって、考えてみりゃ、
女偊
(
じょう
)
氏や
虯髯鮎子
(
きゅうぜんねんし
)
の言葉と、ちっとも違ってやしないんだが、今夜はひどく身にこたえるのは、どうも変だぞ。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
星を祭り、仏や
菩薩
(
ぼさつ
)
には、皇子誕生のことばかりを祈願した。六月一日は、岩田帯の儀式があった。
現代語訳 平家物語:03 第三巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
「惜しいことをしたわい。もう一足早ければ、これなる
菩薩
(
ぼさつ
)
のお臍が拝めたものを。わっはっは。」
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そして次第に
法力
(
ほふりき
)
を得て、やがてはさきにも申した如く、火の中に入れどもその毛一つも傷つかず、水に入れどもその羽一つぬれぬといふ、大力の
菩薩
(
ぼさつ
)
となられたぢゃ。
二十六夜
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
少し短くつまった顔の特殊なポオズも、少しも
殊更
(
ことさら
)
らしくなくてただ気高いような好い心持がするばかりである。何かしら人の子ではなくて何かの
菩薩
(
ぼさつ
)
のような気がする。
ある日の経験
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
あな
尊
(
とう
)
とや観世音
菩薩
(
ぼさつ
)
、
忝
(
かたじ
)
けなや勢至菩薩。筏の
舳
(
へさき
)
に立って、早や招いていらるるぞ。やっしっし、やっしっし、それ筏は着くぞ。あの
妙
(
たえ
)
なる響は極楽鳥の鳴き声じゃな。
或る秋の紫式部
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
併し、残された刀自・若人たちの、うち
瞻
(
まも
)
る画面には、見る見る、
数千地涌
(
すせんじゆ
)
の
菩薩
(
ぼさつ
)
の姿が、浮き出て来た。其は、幾人の人々が、同時に見た、白日夢のたぐいかも知れぬ。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
他の者
次
(
つゐ
)
で
到
(
いた
)
る、岩に近づけば
菩薩
(
ぼさつ
)
の
乳頭
(
にうとう
)
と
覚
(
おぼ
)
しき所に、一穴あり、頭上にも亦穴を
開
(
ひら
)
けり、古人の
所謂
(
いわゆる
)
利根水源は文珠菩薩の
乳
(
ちち
)
より
出
(
い
)
づとは、即ち積雪上を
踏
(
ふ
)
み来りし
際
(
さい
)
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
イエスを父に、マリアを母に、または如来を主に、
菩薩
(
ぼさつ
)
を親に、かくて浄土を憧れ
奈落
(
ならく
)
を恐れた。真理を極めるのは僧の務めであり、それを信じるのは衆生の務めであった。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
京師
(
けいし
)
の、
花
(
はな
)
を
翳
(
かざ
)
して
過
(
すご
)
す
上臈
(
じょうろう
)
達
(
たち
)
はいざ
知
(
し
)
らず、
天下
(
てんか
)
の
大将軍
(
だいしょうぐん
)
が
鎮座
(
ちんざ
)
する
江戸
(
えど
)
八百八
町
(
ちょう
)
なら、
上
(
うえ
)
は
大名
(
だいみょう
)
の
姫君
(
ひめぎみ
)
から、
下
(
した
)
は
歌舞
(
うたまい
)
の
菩薩
(
ぼさつ
)
にたとえられる、よろず
吉原
(
よしわら
)
千の
遊女
(
ゆうじょ
)
をすぐっても
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
しかしこの女を「
四肢
(
しし
)
と毛なみの美しい
獣
(
けもの
)
」として卑しみ去ろうとする意志の下には、その獣身に
喇嘛
(
らま
)
教の仏像の
菩薩
(
ぼさつ
)
に見るような歓喜が
溢
(
あふ
)
れているところをなかなか捨て難く思う心が
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
香染
(
こうぞめ
)
の衣を着た、青白い顔の、人気のあった坊さんが静々と奥院の方から
仄
(
ほのか
)
にゆらぎだして来て、
衆生
(
しゅじょう
)
には背中を見せ、本尊
菩薩
(
ぼさつ
)
に
跪座立礼
(
きざりつれい
)
三拝して、説経壇の上に登ると、先刻嫁を
罵
(
ののし
)
り
旧聞日本橋:20 西川小りん
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
尊
(
とうと
)
い
菩薩
(
ぼさつ
)
たちがかりにお
姿
(
すがた
)
をあらわしたものだろうと
思
(
おも
)
うようになりました。
夢殿
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
星移れば物
換
(
かわ
)
りて人情もまた従つて同じからず。吉原のおいらんを歌舞の
菩薩
(
ぼさつ
)
と見て
崇
(
あが
)
めしは江戸時代のむかしなり。芸者を
粋
(
すい
)
なり
意気
(
いき
)
なりと見てよろこびしも早や昨日の夢とやいふべき。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
古来存在した幾万億の仏達、
菩薩
(
ぼさつ
)
達の
行
(
おこなひ
)
が、言葉がかれの心に
蘇
(
よみがへ
)
つて来た。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
(略)
菩薩
(
ぼさつ
)
薩摩の薩は字原
薛
(
せつ
)
なり博愛堂『集古印譜』に薩摩国印は薛……とあり
訳経師
(
やっきょうし
)
が
仮釈
(
かしゃく
)
にて薛に二点添付したるを
元明
(
げんみん
)
より産の字に作り字典は薩としあるなり唐には決して産に書せず云々
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
畜類
(
ちくるゐ
)
ながらも
菩薩
(
ぼさつ
)
の
行
(
ぎやう
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
かなり高い教養を積んだことも事實らしく、『歌舞の
菩薩
(
ぼさつ
)
』といふ形容詞が、必ずしも
出鱈目
(
でたらめ
)
とは言へないものがあつたのでせう。
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
後年彼がこの話をした時、弟子
懐奘
(
えじょう
)
は問うていう、「自らの修行のみを思うて老病に苦しむ師を扶けないのは、
菩薩
(
ぼさつ
)
の
行
(
ぎょう
)
に背きはしないか」
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
彼岸の仏
菩薩
(
ぼさつ
)
でなくて、吾が隣人であり、又自己そのものである。面打といわれる彫刻家の製作にあたっての生きいきした感慨は思いやられる。
美の日本的源泉
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
……
母者
(
ははじゃ
)
は地蔵尊を信仰なされ、わしも地蔵尊を身の守りにして来たが、しょせん地蔵
菩薩
(
ぼさつ
)
の
御手
(
みて
)
でも救いがたい阿修羅の申し子だったとみえる
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と観ずる途端に
発矢
(
はっし
)
と復笞の音すれば、保胤はハラハラと涙を流して、
南無
(
なむ
)
、救わせたまえ、諸仏
菩薩
(
ぼさつ
)
、南無仏、南無仏、と念じたというのである。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
樹島は
静
(
しずか
)
に土間へ入って、——あとで聞いた預りものだという
仏
(
ぶつ
)
、
菩薩
(
ぼさつ
)
の種々相を礼しつつ、「ただ試みに承りたい。
大
(
おおき
)
なこのくらいの
像
(
すがた
)
を一体は。」
夫人利生記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私はさきに
百済
(
くだら
)
観音を白炎の塔として仰いだことについて述べたが、大和平原はるかに塔を
眺
(
なが
)
めるとき、私にはそれらが
悉
(
ことごと
)
く
菩薩
(
ぼさつ
)
立像にみえるのである。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
とにかくラサ府は悪魔も沢山居るけれども、悪魔ばかりでなくてそのうちに
菩薩
(
ぼさつ
)
も居られるありがたい所である。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
話はつい横道へそれましたが、かの「
菩薩
(
ぼさつ
)
の
疾
(
やま
)
いは大悲より
発
(
おこ
)
る」という『
維摩経
(
ゆいまぎょう
)
』の文句は、非常に考えさせられることばだと思います。どなたかの歌に
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
この六地蔵
菩薩
(
ぼさつ
)
と、その寄進者を恥ずかしめようという目的のもとに行なわれた暴行にちがいないのです。
右門捕物帖:29 開運女人地蔵
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
そして次第に
法力
(
ほうりき
)
を得て、やがてはさきにも申した如く、火の中に入れどもその毛一つも傷つかず、水に入れどもその羽一つぬれぬという、大力の
菩薩
(
ぼさつ
)
となられたじゃ。
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
上求菩提下化衆生の
菩薩
(
ぼさつ
)
の地位であり、また天上と地獄との間の人間の立場でもある、人生は旅である、旅は無限である、行けども行けども
涯
(
かぎ
)
りというものは無いのである
「峠」という字
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
こちらは、阿弥陀というよりは、地蔵
菩薩
(
ぼさつ
)
と謂えば、その美しさは認められるだろう。腹のあたりまでしか出ていぬが、すっくと立った全身の、想見出来るような姿である。
山越しの阿弥陀像の画因
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
而
(
しか
)
も無限性を
牽出
(
ひきだ
)
すもの、こゝに
吉祥天
(
きちじょうてん
)
、
伎芸天
(
ぎげいてん
)
、
弁財天
(
べんざいてん
)
などゝいふ天女型の図像が仏
菩薩
(
ぼさつ
)
像流行を奪つて製作され、中の幾つかゞ今日に残り、人間性の
如何
(
いか
)
に
矛盾
(
むじゅん
)
であり
老主の一時期
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
神明仏
菩薩
(
ぼさつ
)
勇士高僧の多くが岩石などの上に不朽の跡を遺して、永く追慕を受けている国であった。いわば山人思想の宗教化ということには、正しく
先蹤
(
せんしょう
)
があったのである。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
“菩薩”の解説
菩薩(ぼさつ)とは、ボーディ・サットヴァ(sa: बोधिसत्त्व, bodhisattva, pi: bodhisatta)の音写である菩提薩埵(ぼだいさった)の略であり菩薩という漢語は、bodhisattvaの短縮された俗語形から音写されたと見なされている。、仏教において一般的には菩提(bodhi, 悟り)を求める衆生(薩埵, sattva)を意味する。仏教では、声聞や縁覚とともに声聞と縁覚に続く修行段階を指し示す名辞として用いられた。
(出典:Wikipedia)
菩
漢検準1級
部首:⾋
11画
薩
漢検準1級
部首:⾋
17画
“菩薩”で始まる語句
菩薩像
菩薩蛮
菩薩心
菩薩方
菩薩樹
菩薩相
菩薩肩
菩薩行