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手筈
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てはず
ふりがな文庫
“
手筈
(
てはず
)” の例文
そこで外科医二十名が立会のうえで、あなたを地面に寝かせ、あなたの眼球に、鋭く尖った矢を、何本も射込む
手筈
(
てはず
)
になっています。
ガリバー旅行記
(新字新仮名)
/
ジョナサン・スウィフト
(著)
翌々日、二人は、
手筈
(
てはず
)
を
諜
(
しめ
)
し合わせて、向島から竹屋へ
渡舟
(
わた
)
った。二人の後から五、六名の
捕手
(
とりて
)
が、平和な顔をして、歩いて行った。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そうか、じゃあ一ととおり話しておこう、飛行機はあす、未明に出発するが、向うへ行ってからの
手筈
(
てはず
)
も大体ついているから安心だ」
秘境の日輪旗
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
それは
椋島
(
むくじま
)
技師が陸軍大臣と打合わせた
手筈
(
てはず
)
により、投獄と世間を
偽
(
いつわ
)
って実は
密
(
ひそ
)
かに
某所
(
ぼうしょ
)
で作りあげたフォルデリヒト
解毒
(
げどく
)
瓦斯であった。
国際殺人団の崩壊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
庭番を召喚の
手筈
(
てはず
)
をするのも、やっとこさだったくらいですから(多分あなたも通りすがりに、庭番に気がおつきになったでしょうな?)
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
▼ もっと見る
吉兵衛の遺書と一緒に、その
仔細
(
しさい
)
を大目付衆まで、夜の明けないうちに届け出る
手筈
(
てはず
)
ができているんだぜ。どうだ御用人。いやさ、木原さん
銭形平次捕物控:131 駕籠の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
跡部は荻野等を呼んで、二
人
(
にん
)
を
捕
(
とら
)
へることを命じた。その
手筈
(
てはず
)
はかうである。奉行所に詰めるものは、
先
(
ま
)
づ刀を
脱
(
だつ
)
して
詰所
(
つめしよ
)
の
刀架
(
かたなかけ
)
に
懸
(
か
)
ける。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
仕事は余りに楽過ぎて彼の器用な小手先を使う機会のないのは
如何
(
いか
)
にも残念だった、でも宵から今に至るまで
手筈
(
てはず
)
は万事好都合に運んでいた。
赤い手
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
料理屋へは打合せに行く、三吉の方へは電報を打つ、この人も
多忙
(
いそが
)
しい思いをした。その電報が行くと直ぐ三吉も出て来る
手筈
(
てはず
)
に成っていた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「何か、直ぐに連れてここへ来る
手筈
(
てはず
)
じゃった、猿は、
留木
(
とまりぎ
)
から落ちて縁の下へ半分
身体
(
からだ
)
を
突込
(
つッこ
)
んで、
斃死
(
くたばっ
)
ていたげに云う……嘘でないな。」
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして鶴子が旅行免状の事は至急運びがつくように大使館から直接その筋の役所へ交渉してもらう
手筈
(
てはず
)
だという事であった。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
実
(
じつ
)
は
神界
(
しんかい
)
から、
雨
(
あめ
)
を
降
(
ふ
)
らせるに
就
(
つ
)
いては、
同時
(
どうじ
)
に
雷
(
かみなり
)
の
方
(
ほう
)
も
見
(
み
)
せてやれとのお
達
(
たっ
)
しが
参
(
まい
)
ったのじゃ。それで
今
(
いま
)
その
手筈
(
てはず
)
をしているところで……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
こう云う事もあろうかと考えて、
若
(
も
)
しも時間に余裕があったら、その間に先へ廣小路の方へ行って来ようと、
豫
(
あらかじ
)
め
手筈
(
てはず
)
を
極
(
き
)
めて置いたのである。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その先輩のお宅で嫁と逢って、そうして先輩から、おさかずきを頂戴して、嫁を連れて甲府へ帰るという
手筈
(
てはず
)
であった。
帰去来
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
日が暮れてからイエスはひそかにベタニヤを出で、十二弟子とともに都に入り、かねて
手筈
(
てはず
)
をしておいた家に来られた。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
土方は
手勢
(
てぜい
)
をまとめて清川に向い、まんいち高橋その他の邪魔立てもあらば、机竜之助と岡田弥市とがこれに当るという
手筈
(
てはず
)
をここにきめました。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
この日のため、主君のお帰りになる日のために——ほとんど二年に近い留守の毎日毎日を、こういう
手筈
(
てはず
)
を考え、ととのえていたのかと思われる。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
源兵衛はやがて御堂へ来る
手筈
(
てはず
)
で、此の道を来ることになっている。わしは僧侶のことじゃ。恋の手引きは出来ぬ。
取返し物語
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
残るはわずかに邸の後片付けを終ってひとまず国へ引き揚げる
手筈
(
てはず
)
になっていたジャヴェリとカパディア氏とあと三人ばかりの印度人のみであったが
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
もし、万一お間違がありますと、手前共の方では、
直
(
す
)
ぐ相当な法律上の手段に訴えるような
手筈
(
てはず
)
に致しておりますから。後でお
怨
(
うら
)
みなさらないように。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
差出せば次右衞門は
此刀
(
このかたな
)
を申請
厚
(
あつ
)
く禮を
述
(
のべ
)
暇
(
いとま
)
を告て門前迄
出
(
いで
)
先々
(
まづ/\
)
仕濟
(
しすま
)
したりと
發
(
ほつ
)
と一
息
(
いき
)
吐
(
つい
)
て飛が如くに役宅へ歸り
此趣
(
このおもむ
)
きを越前守へ申上
彌々
(
いよ/\
)
召捕
(
めしとる
)
手筈
(
てはず
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
国
(
くに
)
へ
帰
(
かへ
)
つて
田地
(
でんち
)
を買ふ約束をしたり、
家
(
いへ
)
を
建
(
たて
)
る
木材
(
きざい
)
を山から
伐
(
き
)
り
出
(
だ
)
すやうにしたり、ちやんと
手筈
(
てはず
)
を
付
(
つ
)
けて
江戸
(
えど
)
へ
帰
(
かへ
)
つて
来
(
く
)
ると、
塩原多助
(
しほばらたすけ
)
が
死
(
し
)
んでゐた。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「そうですか、それでは僕が出て行ったあとも、引きつづいて、ここへ取寄せるように
手筈
(
てはず
)
しておきましょう」
秋日記
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
クララが今夜出家するという
手筈
(
てはず
)
をフランシスから知らされていた僧正は、クララによそながら告別を与えるためにこの破格な処置をしたのだと気が付くと
クララの出家
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
一人の若い偉大なフランスの芸術家を圧倒するために、
手筈
(
てはず
)
が定められ
奸計
(
かんけい
)
がめぐらされたと報じていた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ところが停車場にはどういう
手筈
(
てはず
)
になっていたのか、素子のほかに大使館づき陸軍武官の藤原威夫が来た。
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
翌日学校へいくとなにごともなかった、正午の食事がすむと委員が校長に面会をこう
手筈
(
てはず
)
になっている。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
何んでも早く青木から身受けの金を出させようと運動しているらしく、先刻もまた青木の言いなり放題になって、その代りに何かの
手筈
(
てはず
)
を
定
(
き
)
めて来たものと見えた。
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
彼は三日の後には退院すべき
手筈
(
てはず
)
なりければ、今は全く
癒
(
い
)
えて務を執るをも妨げざれど、事の
極
(
きは
)
めて不慮なると、急激なると、
瑣小
(
さしよう
)
ならざるとに
心惑
(
こころまどひ
)
のみせられて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「君にはほんとうに気の毒でした。実はまだ
手筈
(
てはず
)
だけで、
表向
(
おもてむ
)
きにしなかったものだからねえ……」
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
呵々
(
かか
)
大笑、がやがややっているところへ、ノックもなしに
扉
(
ドア
)
が開いて、のそりとはいって来た人物を見ると、長身、筋肉的、砂色の毛髪、
手筈
(
てはず
)
によれば、ソフィアで
戦雲を駆る女怪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
アハハハそうだろう、今直ぐ広海子爵の処へ往って洋行の
手筈
(
てはず
)
を
極
(
き
)
めて来給え。向うの方はモー出来ている。この上は万事の打合せをして洋行の期日を極めるばかりだ。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
兼ねて用意の
糒
(
ほしひ
)
などで腹をこしらえ、お文庫の残った上はその壁にせめて小屋なりと差掛け、警固いたさねばなりませんので、寄り寄りその
手筈
(
てはず
)
を調えておりました所
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
しまいには病院の入口から病室まであきあきするほど長い廊下のところどころに人が立って××さんの姿がみえると同時に出来るだけはやく病室へしらせる
手筈
(
てはず
)
になった。
妹の死
(新字新仮名)
/
中勘助
(著)
もとより周到な犯人のことですが、予定を外れた緊急の場合も予想して、その時の
手筈
(
てはず
)
も立てていたので、千草殺しはなんなく片づいた。と、思わざる失策に気づいたのです。
不連続殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
メレジスの小説にこんな話がある。——ある男とある女が
諜
(
しめ
)
し合せて、
停車場
(
ステーション
)
で落ち合う
手筈
(
てはず
)
をする。手筈が順に行って、
汽笛
(
きてき
)
がひゅうと鳴れば二人の名誉はそれぎりになる。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いよ/\といふ
日
(
ひ
)
が
來
(
き
)
た。
荷物
(
にもつ
)
といふ
荷物
(
にもつ
)
は、すつかり
送
(
おく
)
られた。まづ
男
(
をとこ
)
が
一足
(
ひとあし
)
先
(
さ
)
きに
出發
(
しゆつぱつ
)
して
先方
(
せんぱう
)
の
都合
(
つがふ
)
を
整
(
とゝの
)
へ、それから
電報
(
でんぱう
)
を
打
(
う
)
つて
彼女
(
かのぢよ
)
と
子供
(
こども
)
を
招
(
よ
)
ぶといふ
手筈
(
てはず
)
であつた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
出発に先立って、彼は友の葬儀について修道院の僧たちとしかるべき
手筈
(
てはず
)
をととのえた。友はヴルツブルクの寺院に埋葬されることになったが、その近くには彼の名高い親戚がいた。
幽霊花婿:ある旅人の話
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
捕卒は家の前に立って
手筈
(
てはず
)
を定め、門を開いて入って往った。扉は無くなり
簷
(
のき
)
は傾き、
磚
(
しきがわら
)
の間からは草が生え茂って庭内は荒涼としていて、二三日前に見た家屋の色彩はすこしもなかった。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そしていろいろ知恵をしぼって、お爺さんを呼び出す
手筈
(
てはず
)
をきめました。
お山の爺さん
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
同じ武家の姫となぞらえて迎えるような
手筈
(
てはず
)
は、とうに、はぎ野は知っているはずだった、母からの衣裳や髪化粧の具、
袿
(
うちかけ
)
や
襲
(
かさね
)
の数々もひそかに母からわたされていることを知っている経之は
野に臥す者
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
そうこうしているうちに
夜
(
よ
)
があけましたが、その日、私は町へ行く
手筈
(
てはず
)
になっていたのです。しかし私の心はすっかり滅茶滅茶になっていて、到底商売上の取引などは出来そうにもありませんでした。
黄色な顔
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
晩
(
おそ
)
くも本日午前十時までに、槍下で、昨日温泉から直接槍に向うた友人と出逢う
手筈
(
てはず
)
だ、というていたが、今後なお五時間もかからねば、目的地に達する事が出来ぬのに、はや定刻を過ぎているので
穂高岳槍ヶ岳縦走記
(新字新仮名)
/
鵜殿正雄
(著)
なおまた討入って勝負のつかぬうちに御検使が出張になった場合、それに応ずる口上にいたるまで、すべて十二箇条にわたって残る
隈
(
くま
)
なく討入の
手筈
(
てはず
)
を定めた上、最後に退口のことを念頭に置いては
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
手筈
(
てはず
)
は
皆
(
みな
)
濟
(
す
)
んだ、
殘
(
のこ
)
るは
貴僧
(
こなた
)
に
行
(
おこな
)
うて
貰
(
もら
)
ふ
神聖
(
しんせい
)
な
式
(
しき
)
ばかり。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
そしてそれを実行する細かい
手筈
(
てはず
)
を二人で決定した。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
「そんな
手筈
(
てはず
)
にしておこうじゃないか」
恐怖城
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
これから俺たちと
手筈
(
てはず
)
をあわして、阿波の本国へ忍び込んで、蜂須賀家の内部をすっかり探りきわめてしまおうという大望のある人だ
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「本当だとも。そんな
手筈
(
てはず
)
がついていなければ、僕たちのような弱い二人で、なぜこんなあぶない塔の中へはいりこむものか」
怪塔王
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
鏖殺
(
みなごろし
)
にしようという曲者ですから、一筋縄では行きません、もう一刻経てばこの家にいる曲者と、外にいる仲間と、一ぺんに縛る
手筈
(
てはず
)
が出来ております
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
筈
漢検準1級
部首:⽵
12画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭