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御手
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みて
ふりがな文庫
“
御手
(
みて
)” の例文
聖の
御頭
(
みつむり
)
かすかに後光をはなち、差しのべたまへる
両
(
ふた
)
つの
御手
(
みて
)
の十の御指は皆輝きて、その
掌
(
たなひら
)
の雀子さへも光るばかりに喜び羽うち
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
願
(
ねがわ
)
くはわが求むる所を得んことを……願くは神われを
滅
(
ほろぼ
)
すを
善
(
よ
)
しとし
御手
(
みて
)
を伸べて我を絶ち給わんことを」と彼はひたすらに死を
希
(
ねが
)
う。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
じっさいの政治、権勢、栄位欲をみたす君王ノ座は、遠い源平時代以前から“院ノ御所”にいます上皇、或いは法皇の
御手
(
みて
)
にあったのである。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(死に場所を選びつつ)今私の霊をあなたの
御手
(
みて
)
に
託
(
たく
)
しまする。(俊寛の死骸を負いたるまま岩の上より海に身を投げる)
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
おお、そうですぞ、おまえさんの正直な美しい恋のまことが、やがてきっと、大きな
御手
(
みて
)
にみちびかれてゆきまする。
九条武子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
「聖なる大殉教者ゲオルギイ。この肉体はあなたの
御手
(
みて
)
にお任せします。だが魂は——いいや、
厭
(
いや
)
です、厭です。」
紅い花
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
ヂュリ
巡禮
(
じゅんれい
)
どの、
作法
(
さはふ
)
に
善
(
よ
)
う
合
(
かな
)
うた
御信仰
(
ごしんかう
)
ぢゃに、
其樣
(
そのやう
)
におッしゃッては、
其
(
その
)
お
手
(
て
)
に
甚
(
いか
)
ァい
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
。
聖者
(
せいじゃ
)
がたにも
御手
(
みて
)
はある、
其
(
その
)
御手
(
みて
)
に
觸
(
ふ
)
るゝのが
巡禮
(
じゅんれい
)
の
接吻禮
(
キッス
)
とやら。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「遠き門出の記念として君が
御手
(
みて
)
にまいらす。朝夕
培
(
つちか
)
いしこの草に
憩
(
いこ
)
う思いを汲ませたもうや」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
または徳川の
御手
(
みて
)
に属しけるみぎり甚太郎幼稚にして孤児となるを憐れみ、祖父高坂
対島
(
つしま
)
甚太郎を具して摂州芥川に遁がれ閑居せし節、日本回国して宮本武蔵この家に
止宿
(
とま
)
る。
三甚内
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
多くの者は救いを自然の
御手
(
みて
)
に委ねようとはしない。そうして自らの力において、自然の
御業
(
みわざ
)
を奪おうとしている。作られたものに美が薄いのは、心が自然に
叛
(
そむ
)
いた報いである。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
取らしょうと、笛の
御手
(
みて
)
に持添えて、濃い紫の女扇を、袖すれにこそたまわりけれ。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
不可思議なる神の
御手
(
みて
)
は、我を
延
(
ひ
)
きておん身の生涯の祕密の裡に立ち入らしめ給ひぬ。されど心安くおもひ給へ。われは沈默を死者に誓ひしが故に、ロオザにだに何事をも語らざりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
鶯
(
うぐいす
)
と
駒鳥
(
こまどり
)
と、大麦の冠つけし神々と、
額
(
ひたい
)
緑
(
みどり
)
の
夕蝉
(
ゆうせみ
)
と、いと高くいと優しく、また美しく静かなる、女神
Pomone
(
ポモン
)
の
御手
(
みて
)
によりて、匂はされたる大空の見渡す
晴光
(
はれ
)
と、共に踊らん。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
食国
(
をすくに
)
の
遠
(
とほ
)
の
御朝廷
(
みかど
)
に、
汝等
(
いましら
)
が
斯
(
か
)
く
罷
(
まか
)
りなば、平らけく吾は遊ばむ、
手抱
(
たうだ
)
きて我は
御在
(
いま
)
さむ、
天皇
(
すめら
)
朕
(
わ
)
がうづの
御手
(
みて
)
もち、
掻撫
(
かきな
)
でぞ
労
(
ね
)
ぎたまふ、うち撫でぞ
労
(
ね
)
ぎたまふ、
還
(
かへ
)
り来む日
相
(
あい
)
飲
(
の
)
まむ
酒
(
き
)
ぞ
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
羅馬法皇
(
ろおまほふわう
)
のやうな
薔薇
(
ばら
)
の花、世界を祝福する
御手
(
みて
)
から
播
(
ま
)
き散らし給ふ
薔薇
(
ばら
)
の花、
羅馬法皇
(
ろおまほふわう
)
のやうな
薔薇
(
ばら
)
の花、その
金色
(
こんじき
)
の
心
(
しん
)
は
銅
(
あかがね
)
づくり、その
空
(
あだ
)
なる
輪
(
りん
)
の上に、露と
結
(
むす
)
ぶ涙は
基督
(
クリスト
)
の
御歎
(
おんなげ
)
き、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
御手
(
みて
)
もろともそよ片山のこがらしにまぎれ消ぬべき我ならばとも
恋衣
(新字旧仮名)
/
山川登美子
、
増田雅子
、
与謝野晶子
(著)
細きわがうなじにあまる
御手
(
みて
)
のべてささへたまへな帰る夜の神
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
君が母はやがてわれにも母なるよ
御手
(
みて
)
とることを許させたまへ
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
これには代へじ、「慈悲」の
御手
(
みて
)
は祕むれど、銀の
衡
(
はかりざを
)
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
御手
(
みて
)
そへて悲しみ給へ野かざるを戀なき人の十九夏草
短歌
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
食国
(
をすくに
)
の
遠
(
とほ
)
の
朝廷
(
みかど
)
に
汝等
(
いましら
)
し 斯く
罷
(
まか
)
りなば 平らけく 吾は遊ばむ
手抱
(
たうだ
)
きて 我は
御在
(
いま
)
さむ
天皇
(
すめら
)
朕
(
わ
)
が うづの
御手
(
みて
)
以
(
も
)
ち
掻撫
(
かきな
)
でぞ
労
(
ね
)
ぎたまふ うち撫でぞ 労ぎたまふ 還り来む日 相飲まむ
酒
(
き
)
ぞ この
豊御酒
(
とよみき
)
は
君臣相念
(新字旧仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
尊き
御手
(
みて
)
御足
(
みあし
)
を柔かに拭ひまつりし
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
椅子にいる神樣が
御手
(
みて
)
ずから
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
我々に
御手
(
みて
)
を伸ばされる。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
きのふは、
御手
(
みて
)
よ
淺間野
(
あさまの
)
の
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
、
御手
(
みて
)
に収めんなどとするわけはない。武力がなくば出来ぬことだ。六波羅飛脚は、どうかしておる。ばかな取沙汰ではあるぞ。事あらだてるな
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
我らより熱誠なる
祈
(
いのり
)
の出ずる時、神はその大なる
御手
(
みて
)
を伸ばして海を制し給う。かくて我らの
衷
(
うち
)
の海は止まるのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
釋迦佛は
靈山
(
れいざん
)
より
御手
(
みて
)
をのべて、
御頂
(
おんいたゞき
)
をなでさせ給ふらん、南無妙法蓮華經南無妙法蓮華經。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
多くの者は救いを自然の
御手
(
みて
)
に委ねようとはしない。そうして自からの力において、自然の御業を奪おうとしている。作られたものに美が薄いのは、心が自然に
叛
(
そむ
)
いた報いである。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
熱あるものは、
楊柳
(
ようりゅう
)
の露の
滴
(
したたり
)
を吸うであろう。恋するものは、
優柔
(
しなやか
)
な
御手
(
みて
)
に
縋
(
すが
)
りもしよう。
御胸
(
おんむね
)
にも
抱
(
いだ
)
かれよう。はた迷える人は、緑の
甍
(
いらか
)
、
朱
(
あけ
)
の
玉垣
(
たまがき
)
、金銀の柱、
朱欄干
(
しゅらんかん
)
、
瑪瑙
(
めのう
)
の
階
(
きざはし
)
、
花唐戸
(
はなからど
)
。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
寂しく貧しくましますが故、
遜
(
へりくだ
)
り、常に悲しくましましき。いといと悲しくましましき。それ故に
末
(
すゑ
)
遂に神を知らしき。その
聖
(
ひじり
)
道のべに立たしたまへば雀子は
御後
(
みあと
)
べ慕ひ、
御手
(
みて
)
にのり、肩にとまりき。
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
夕月夜さくらがなかのそよ風に天女さびたる
御手
(
みて
)
とり
走
(
わし
)
る
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
御手
(
みて
)
にはわれが
心
(
しん
)
の
臟
(
ざう
)
、
御腕
(
おんかひな
)
には
貴
(
あて
)
やかに
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
神の
御手
(
みて
)
に返されしなりけり。
偏奇館吟草
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
……
母者
(
ははじゃ
)
は地蔵尊を信仰なされ、わしも地蔵尊を身の守りにして来たが、しょせん地蔵
菩薩
(
ぼさつ
)
の
御手
(
みて
)
でも救いがたい阿修羅の申し子だったとみえる
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして宇宙人生のすべての出来事はその究竟的原因を
聖旨
(
せいし
)
に置くと見るを正しとするものである。しかり万事万物の本源を握る者は神の
御手
(
みて
)
である。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
立處
(
たちどころ
)
其
(
そ
)
の
手足
(
てあし
)
を
炙
(
あぶ
)
るべく、
炎々
(
えん/\
)
たる
炭火
(
すみび
)
を
熾
(
おこ
)
して、やがて、
猛獸
(
まうじう
)
を
拒
(
ふせ
)
ぐ
用意
(
ようい
)
の、
山刀
(
やまがたな
)
と
斧
(
をの
)
を
揮
(
ふる
)
つて、あはや、
其
(
その
)
胸
(
むね
)
を
開
(
ひら
)
かむとなしたる
處
(
ところ
)
へ、
神
(
かみ
)
の
御手
(
みて
)
の
翼
(
つばさ
)
を
擴
(
ひろ
)
げて、
其
(
その
)
膝
(
ひざ
)
、
其
(
その
)
手
(
て
)
、
其
(
その
)
肩
(
かた
)
、
其
(
その
)
脛
(
はぎ
)
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
寂しくて貧しきが故、
遜
(
へりくだ
)
り、常に悲しくましましき。いといと悲しくましましき。それ故に、
末
(
すゑ
)
遂に神を知らしき。その聖道のべに立たしめたまへば、雀子は
御後
(
みあと
)
べ慕ひ、
御手
(
みて
)
にのり、肩にとまりき。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
世に君の
御手
(
みて
)
えて今は死なむとぞ昼夜感じ三とせの
余
(
よ
)
へぬ
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
御手
(
みて
)
にはわれが
心
(
しん
)
の
臓
(
ぞう
)
、
御腕
(
おんかひな
)
には
貴
(
あて
)
やかに
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
じつは、かねて意中をしたためおいたこの一書を、折あらば、資朝卿の
御手
(
みて
)
へ渡さんものと、道中、隙を窺うていたが、さて警固の眼の隙もない。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
漣
(
さざなみ
)
の寄する
渚
(
なぎさ
)
に桜貝の
敷妙
(
しきたえ
)
も、雲高き
夫人
(
ぶにん
)
の
御手
(
みて
)
の
爪紅
(
つまべに
)
の影なるらむ。
一景話題
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
天
(
あめ
)
の使に
御手
(
みて
)
とられまし
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
と、にわかに
詔
(
みことのり
)
して、
御手
(
みて
)
に
彫弓
(
ちょうきゅう
)
、
金鈚箭
(
きんひせん
)
をたずさえ、
逍遥馬
(
しょうようば
)
に召されて宮門を出られた。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
十八公麿は、ふたつの小さい
掌
(
て
)
を、ぱちとあわせて、笑くぼをうかべた。子どもの掌は、
菩薩
(
ぼさつ
)
の
御手
(
みて
)
のように丸ッこいものである。人々は、思わずにこと微笑をつりこまれた。すると——
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いかなる職業の
態
(
てい
)
にも、貴賤のすがたにけじめなく、ありのままに、いるがままの
生活
(
くらし
)
の形にても、仏の
御手
(
みて
)
は、本願へ導き給うぞかしと、仰せられるので、いと易い道であるがゆえに
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大
(
おお
)
きな
御手
(
みて
)
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
“御手”で始まる語句
御手洗
御手際
御手数
御手玉
御手許
御手水
御手元
御手入
御手數
御手討