“夕蝉”の読み方と例文
読み方割合
ゆうせみ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うぐいす駒鳥こまどりと、大麦の冠つけし神々と、ひたいみどり夕蝉ゆうせみと、いと高くいと優しく、また美しく静かなる、女神 Pomoneポモン御手みてによりて、匂はされたる大空の見渡す晴光はれと、共に踊らん。
首尾の松の釣船つりぶね涼しく椎木屋敷しいのきやしき夕蝉ゆうせみ(中巻第五図)に秋は早くも立初たちそめ、榧寺かやでら高燈籠たかとうろうを望む御馬屋河岸おんまやがし渡船とせん(中巻第六図)には托鉢たくはつの僧二人を真中まんなかにして桃太郎のやうなる着物着たる猿廻さるまわ
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
時に先生筆硯ひっけんはなはだ多忙なりしがため余に題材を口授こうじゅにわかに短篇一章を作らしむ。この作『夕蝉ゆうせみ』と題せられふたたび合作の署名にて同誌第一号に掲げられぬ。『伽羅文庫』は二号を出すに及ばずして廃刊しき。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)