“敷妙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しきたえ85.7%
しきたへ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
空は晴れて、かすみが渡って、黄金のような半輪の月が、うっすりと、淡い紫のうすもの樹立こだちの影を、星をちりばめた大松明おおたいまつのごとく、電燈とともに水に投げて、風の余波なごり敷妙しきたえの銀の波。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
若い瞳がうち看守る八つの湖、春を敷妙しきたえの床の花原。この間にところどころ溶岩で成れる洞穴があった。形よき穴には生けるものが住んでいた。形悪しきには死にかかっているものが住んでいた。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
旅人の妻、大伴郎女の死した時、旅人は、「うつくしきひときてし敷妙しきたへの吾が手枕たまくらく人あらめや」(巻三・四三八)等三首を作っているが、皆この歌程大観的ではない。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
敷妙しきたへ袖交そでかへしきみ玉垂たまだれのをちぎぬまたはめやも 〔巻二・一九五〕 柿本人麿
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)