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敷妙
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しきたえ
ふりがな文庫
“
敷妙
(
しきたえ
)” の例文
空は晴れて、
霞
(
かすみ
)
が渡って、黄金のような半輪の月が、
薄
(
うっす
)
りと、淡い紫の
羅
(
うすもの
)
の
樹立
(
こだち
)
の影を、星を
鏤
(
ちりば
)
めた
大松明
(
おおたいまつ
)
のごとく、電燈とともに水に投げて、風の
余波
(
なごり
)
は
敷妙
(
しきたえ
)
の銀の波。
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
若い瞳がうち看守る八つの湖、春を
敷妙
(
しきたえ
)
の床の花原。この間にところどころ溶岩で成れる洞穴があった。形よき穴には生けるものが住んでいた。形悪しきには死にかかっているものが住んでいた。
富士
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
去年ちょうど今時分、秋のはじめが
初産
(
ういざん
)
で、お浜といえば
砂
(
いさご
)
さえ、
敷妙
(
しきたえ
)
の
一粒種
(
ひとつぶだね
)
。
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
漣
(
さざなみ
)
の寄する
渚
(
なぎさ
)
に桜貝の
敷妙
(
しきたえ
)
も、雲高き
夫人
(
ぶにん
)
の
御手
(
みて
)
の
爪紅
(
つまべに
)
の影なるらむ。
一景話題
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雛の前では
紅玉
(
こうぎょく
)
である、
緑珠
(
りょくしゅ
)
である、
皆
(
みな
)
敷妙
(
しきたえ
)
の
玉
(
たま
)
である。
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
ただ
緋毛氈
(
ひもうせん
)
のかわりに、
敷妙
(
しきたえ
)
の錦である。
夫人利生記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
敷
常用漢字
中学
部首:⽁
15画
妙
常用漢字
中学
部首:⼥
7画
“敷妙”で始まる語句
敷妙之