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宴
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えん
ふりがな文庫
“
宴
(
えん
)” の例文
〔評〕三條公の筑前に在る、或る人其の
旅況
(
りよきやう
)
の
無聊
(
むれう
)
を
察
(
さつ
)
して美女を進む、公之を
卻
(
しりぞ
)
く。某氏
宴
(
えん
)
を
開
(
ひら
)
いて女
樂
(
がく
)
を
設
(
まう
)
く、公
怫
(
ふつ
)
然として去れり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
折から、明夜は八月十五日、ご邸内に名月の
宴
(
えん
)
が催されるから、月見がてらに、訪ねて参れという有難いおことばなので
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
望月
(
もちづき
)
の
夜
(
よ
)
である。
甲斐
(
かい
)
の
武田勝頼
(
たけだかつより
)
が甘利
四郎三郎
(
しろさぶろう
)
を
城番
(
じょうばん
)
に
籠
(
こ
)
めた
遠江国榛原郡小山
(
とおとうみのくにはいばらごおりこやま
)
の城で、月見の
宴
(
えん
)
が
催
(
もよお
)
されている。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
とても
積
(
つも
)
らば
五尺
(
ごしやく
)
六尺
(
ろくしやく
)
雨戸
(
あまど
)
明
(
あ
)
けられぬ
程
(
ほど
)
に
降
(
ふ
)
らして
常闇
(
とこやみ
)
の
長夜
(
ちやうや
)
の
宴
(
えん
)
、
張
(
は
)
りて
見
(
み
)
たしと
縺
(
もつ
)
れ
舌
(
じた
)
に
譫言
(
たはごと
)
の
給
(
たま
)
ふちろ/\
目
(
め
)
にも
六花
(
りくくわ
)
の
眺望
(
ながめ
)
に
別
(
べつ
)
は
無
(
な
)
けれど
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
運
(
うん
)
の
星
(
ほし
)
に
懸
(
かゝ
)
ってある
或
(
さる
)
怖
(
おそろ
)
しい
宿命
(
しゅくめい
)
が、
今宵
(
こよひ
)
の
宴
(
えん
)
に
端
(
はし
)
を
開
(
ひら
)
いて、
世
(
よ
)
に
倦
(
う
)
み
果
(
は
)
てた
我
(
わが
)
命數
(
めいすう
)
を、
非業無慚
(
ひごふむざん
)
の
最期
(
さいご
)
によって、
絶
(
た
)
たうとするのではないか
知
(
し
)
らぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
時平
或日
(
あるひ
)
国経
(
くにつね
)
の
許
(
もと
)
に
宴
(
えん
)
し、
酔興
(
すゐきやう
)
にまぎらして
夫人
(
ふじん
)
を
貰
(
もら
)
はんといひしを、国経も
酔
(
ゑひ
)
たれば
戯言
(
たはぶれごと
)
とおもひてゆるしけり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ある
日
(
ひ
)
、この
老人
(
ろうじん
)
は、
村
(
むら
)
の
方
(
ほう
)
へ
出
(
で
)
てゆきました。そして、
王
(
おう
)
さまが
宿
(
やど
)
なしどもや、
乞食
(
こじき
)
たちをお
集
(
あつ
)
めなされて、
正月
(
しょうがつ
)
のご
宴
(
えん
)
を
開
(
ひら
)
かれるということを
聞
(
き
)
いたのです。
珍しい酒もり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
忘年会の会場は小学校の
裁縫
(
さいほう
)
室、青年会と処女会の合流で、
宴
(
えん
)
たけなわとなり余興がはじまった。
禅僧
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
これなどはいかにも、
旅行中
(
りよこうちゆう
)
の
新室
(
にひむろ
)
の
宴
(
えん
)
らしく、
明
(
あか
)
るくてゆったりとした、よいお
歌
(
うた
)
であります。
現在
(
げんざい
)
かやが、
向
(
むか
)
うに
生
(
は
)
えてゐる、と
教
(
をし
)
へてゐられるのではありません。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
それからのち、馬賊の首達は、月見の
宴
(
えん
)
をやることもできなくなり、酒の酔もだんだんとさめてきたので、たいへんさびしかつたといふことです。(大15・6愛国婦人)
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
島原
(
しまばら
)
や
祇園
(
ぎおん
)
の花見の
宴
(
えん
)
も、苦肉の計に耽っている彼には、苦しかったのに相違ない。……
或日の大石内蔵助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
其
(
そ
)
の
宗室
(
そうしつ
)
を
會
(
くわい
)
して、
長夜
(
ちやうや
)
の
宴
(
えん
)
を
張
(
は
)
るに
當
(
あた
)
りては、
金瓶
(
きんべい
)
、
銀榼
(
ぎんかふ
)
百餘
(
ひやくよ
)
を
陳
(
つら
)
ね、
瑪瑙
(
めなう
)
の
酒盞
(
しゆさん
)
、
水晶
(
すゐしやう
)
の
鉢
(
はち
)
、
瑠璃
(
るり
)
の
椀
(
わん
)
、
琥珀
(
こはく
)
の
皿
(
さら
)
、いづれも
工
(
こう
)
の
奇
(
き
)
なる
中國
(
ちうごく
)
未
(
いま
)
だ
嘗
(
かつ
)
てこれあらず、
皆
(
みな
)
西域
(
せいゐき
)
より
齎
(
もたら
)
す
處
(
ところ
)
。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
興義
点頭
(
うなづ
)
きていふ。誰にもあれ一人、
二四
檀
(
だん
)
家の
平
(
たひら
)
の助の殿の
館
(
みたち
)
に
詣
(
まゐ
)
りて
告
(
まう
)
さんは、法師こそ不思議に生き侍れ。君今酒を
酌
(
く
)
み
鮮
(
あざらけ
)
き
二五
鱠
(
なます
)
をつくらしめ給ふ。しばらく
宴
(
えん
)
を
罷
(
や
)
めて寺に詣でさせ給へ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
暇日開
レ
宴迎
レ
客傾
暇日
(
かじつ
)
宴
(
えん
)
を
開
(
ひら
)
き 客を
迎
(
むか
)
えて
傾
(
つく
)
す
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
仲なおりの
宴
(
えん
)
宇宙の迷子
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
宴
(
えん
)
をたすけ
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
さっそく介抱して、二人を蘇生させ、翌日は、詫びの一
宴
(
えん
)
を張って、心から謝し、なお後日の義を約して、夫婦、孟州大街の入口まで送って来た。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時平
或日
(
あるひ
)
国経
(
くにつね
)
の
許
(
もと
)
に
宴
(
えん
)
し、
酔興
(
すゐきやう
)
にまぎらして
夫人
(
ふじん
)
を
貰
(
もら
)
はんといひしを、国経も
酔
(
ゑひ
)
たれば
戯言
(
たはぶれごと
)
とおもひてゆるしけり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
雪夜
(
せつや
)
の
宴
(
えん
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
観
(
み
)
る人
群
(
ぐん
)
をなすは
勿論
(
もちろん
)
、事をはりてはこゝかしこにて
喜酒
(
よろこびざけ
)
の
宴
(
えん
)
をひらく。これみな
国君
(
こくくん
)
盛徳
(
せいとく
)
の
余沢
(
よたく
)
なり。他所にも左義長あれどもまづは
小千谷
(
をぢや
)
を
盛大
(
せいだい
)
とす。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
夜に入っては、幕将すべてを集めて、彼のために
餞行
(
せんこう
)
の
宴
(
えん
)
を盛んにした。餞行の宴——つまり送別会である。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
観
(
み
)
る人
群
(
ぐん
)
をなすは
勿論
(
もちろん
)
、事をはりてはこゝかしこにて
喜酒
(
よろこびざけ
)
の
宴
(
えん
)
をひらく。これみな
国君
(
こくくん
)
盛徳
(
せいとく
)
の
余沢
(
よたく
)
なり。他所にも左義長あれどもまづは
小千谷
(
をぢや
)
を
盛大
(
せいだい
)
とす。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
晩になると、薄暗い魚燈の
下
(
もと
)
で、
父娘
(
おやこ
)
は酒の支度をしてくれた。
小
(
ささ
)
やかな
宴
(
えん
)
ではあるが別れの名残だった。権十が酒の相手をし、お松は、洗濯した
袴
(
はかま
)
の
綻
(
ほころ
)
びを縫っていた。
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それにこの
宴
(
えん
)
には、突ッ張った
裃姿
(
かみしもすがた
)
がない点も一段うれしいところであります。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
此
妓
(
ぎ
)
どもを
養
(
やしな
)
ふ
主人
(
あるじ
)
もこゝに
来
(
きた
)
り
居
(
ゐ
)
て、
従
(
したがへた
)
る料理人に
具
(
ぐ
)
したる
魚菜
(
ぎよさい
)
を
調味
(
ていみ
)
させてさらに
宴
(
えん
)
を
開
(
ひら
)
く。
是主人
(
このあるじ
)
俗中
(
ぞくちゆう
)
に
雅
(
が
)
を
挾
(
さしはさん
)
で
恒
(
つね
)
に
文人
(
ぶんじん
)
を
推慕
(
したふ
)
ゆゑに、
是
(
この
)
日もこゝに
来
(
きた
)
りて
余
(
よ
)
に
面識
(
めんしき
)
するを
岩居
(
がんきよ
)
に
約
(
やく
)
せしとぞ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
首尾よく宋江と花栄の
檻車
(
かんしゃ
)
を打ち破り、二人の身を山上の
砦
(
とりで
)
へ助け入れてから、さてその夜は、再生再会のよろこびと事のいきさつの語り合いで、一朝の悲境も一転、まるで
凱旋
(
がいせん
)
の
宴
(
えん
)
にも似ていた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
此
妓
(
ぎ
)
どもを
養
(
やしな
)
ふ
主人
(
あるじ
)
もこゝに
来
(
きた
)
り
居
(
ゐ
)
て、
従
(
したがへた
)
る料理人に
具
(
ぐ
)
したる
魚菜
(
ぎよさい
)
を
調味
(
ていみ
)
させてさらに
宴
(
えん
)
を
開
(
ひら
)
く。
是主人
(
このあるじ
)
俗中
(
ぞくちゆう
)
に
雅
(
が
)
を
挾
(
さしはさん
)
で
恒
(
つね
)
に
文人
(
ぶんじん
)
を
推慕
(
したふ
)
ゆゑに、
是
(
この
)
日もこゝに
来
(
きた
)
りて
余
(
よ
)
に
面識
(
めんしき
)
するを
岩居
(
がんきよ
)
に
約
(
やく
)
せしとぞ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
“宴”の意味
《名詞》
(うたげ、エン)宴会。酒宴。
(出典:Wiktionary)
宴
常用漢字
中学
部首:⼧
10画
“宴”を含む語句
宴会
饗宴
酒宴
宴楽
宴會
祝宴
肆宴
盛宴
後宴
歓宴
小宴
魔宴
御宴
夜宴
大饗宴
宴樂
宴席
小酒宴
大酒宴
披露宴
...